竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

柿若葉カミさんと地図買いに出て 坪内稔典

2020-05-04 | 今日の季語


柿若葉カミさんと地図買いに出て 坪内稔典


心地よい風にふと見上げると
見事に大きな柿の木に葉がいっぱい風に揺れている
作者は奥様にきっと大きな声で呼びかける
少し外へ出ないか
ひそかに吟行地の地図を求める考えなのだが
まだ妻には言っていない
何故かひとりでの旅は言い出しにくい
それでも気持ちはもう旅立っている
初夏の気持ちの華やぎがよく分かる
(小林たけし)

【柿若葉】 かきわかば
萌黄色の柿の若葉は、樹々の新緑の中でもひときわ美しく人目を引く。どこでも見られる木なので、日常の中で初夏の爽やかさを感じ取ることができる。

例句 作者

いつの世の首切り地蔵や柿若葉 中井之夫
今日あたり手相の変わる柿若葉 安西篤
曳航の波立ち豊か柿若葉 橋本直
村全戸妙法蓮華柿若葉 佐藤眞隆
柿若葉ちいさな夢を後押しす 中山玉樹
柿若葉どの葉も小さな傷をもつ 奥山和子
柿若葉まぶしいものがまだあった 望月富子
柿若葉多忙を口実となすな 藤田湘子
柿若葉母の遺愛のお針箱 川村伊津子
柿若葉泣く子は背ナに縄電車 藤井サカエ
柿若葉重なりもして透くみどり 富安風生
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