A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

TOUCHING WORD 034

2008-03-21 21:27:24 | ことば
なるほどこの楽節はいま述べた観点からすれば人間的でありながら、それでもいまだかつて私たちが目にしたこともない超自然的な存在の世界に属していたのだが、にもかかわらず、だれか目に見えないものを訪ねる探索者が、神聖な世界に近づいて、こういった超自然のものの一つをとらえ、それを持ち帰ってしばし地上に輝かせるのに成功すると、私たちはたちまちそれを認めて心を奪われる。
(p.354-355 『失われた時を求めて2 第一篇 スワン家の方へⅡ』マルセル・プルースト 鈴木道彦訳 集英社/集英社文庫ヘリテージシリーズ2006.3)