A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 121 さくらの はなびら

2013-03-29 23:53:04 | ことば
えだを はなれて
ひとひら

さくらの はなびらが
じめんに たどりついた

いま おわったのだ
そして はじまったのだ

ひとつの ことが
さくらに とって

いや ちきゅうに とって
うちゅうに とって

あたりまえすぎる
ひとつの ことが

かけがえのない
ひとつの ことが

(伊藤英治編『まど・みちお全詩集』理論社、2001.5、553頁。)

未読日記713 『旅と鉄道』

2013-03-28 23:24:11 | 書物
タイトル:旅と鉄道 5月号
発行・編集:天夢人 Temjin
発売:朝日新聞出版
発行日:2013.3
形態:136p ; 28cm
内容:
Trains & Travel POPPO EYE

【巻頭特集】旅が10倍楽しくなる! 鉄道地図を旅する
「時空を超えた風景が見える!大井川鐡道紀行。」今尾恵介
「GPS端末+地図アプリで遊ぶ 北海道、首都圏をスマホ旅 GPSで鉄道旅が変わる!」大野雅人
PART1 鉄道地図学「『道中記』から始まる鉄道地図の世界へ」赤岩州五
PART2 今尾恵介流廃線後の歩き方「地図から読む失われた鉄道 筑波鉄道廃線跡へ」小川浩之
PART3 地形図から鉄道を識る「国土地理院地形図には鉄道情報があふれている!」赤岩州五
PART4 路線図年代別定点観測「大正15~昭和48年まで鉄道網の変遷を見る!」赤岩州五
「心ときめく『鉄道パノラマ地図』 鉄道漫遊時代を愉しむパノラマ鳥瞰図の魅力」赤岩州五
「ヨーロッパ鉄道地図の世界 スイス山岳鉄道のパノラマ地図を紐解く」森田芳夫

【第2特集】鉄道で楽しむ京の春 花の京都、鉄道散歩
「叡電と嵐電に乗り 記憶を紡いで思い出の街へ」森見登美彦
「春爛漫!京都のおすすめお花見ガイド 京都の鉄道でめぐる花の名所」塩原直美
「蒸気機関車の“聖地”に行こう 梅小路蒸気機関車館」井上年央
「『駅から名所』のおすすめスポット 電車でめぐる京都市内散歩MAP」塩原直美

「ようこそ! 世界の夢列車へ vol.4 東欧の鉄道。“三都物語”」櫻井寛
「北緯50度を越え、樺太東線終着駅へ 極北の鉄路 サハリンの旅《第2回》ポロナイスク→ノグリキ」文◎下川裕治 撮影◎中田浩資

【第3特集】2013年春デビューのニューカマー勢ぞろい この春、話題の列車たち
「E6系『スーパーこまち』に試乗! JAPAN REDの華麗なる車体が春風に舞った」佐々倉実
JR東日本「SLばんえつ物語」グリーン車
近畿日本鉄道50000 系「しまかぜ」
肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」/由利高原鉄道YR-3000形/えちぜん鉄道MC7000形
北近畿タンゴ鉄道「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」
文◎松尾諭

連載「私の国鉄青春日記(9) 窮地に陥った幼女と名横綱・栃錦関」檀上完爾

鉄道旅行をもっと深く、もっと楽しく 情報トレイン
・鉄旅相談室
・スペシャリストが選ぶ国鉄型車両ランキング
・PRESENTS
・BOOKS & ENTERTAINMENTS /忙月忘日編集日誌

“PHOTO IS”想いをつなぐ。30,000人の写真展

鉄道写真劇場 vol.(10) 長根広和
 列車が波で一瞬見えなくなった。
 次の刹那、「瞬景」が生まれた。

鉄道の見える部屋・第10回「天王寺都ホテル」
乗り鉄 道具学 vol.9 About a Compus
「鉄道ひとり、ほろ酔い紀行(10)越のほそ道、えちぜん鉄道をゆく」芦原 伸

次号予告/奥付/バックナンバー

購入日:2013年3月25日
購入店:大垣書店 烏丸三条店
購入理由:
 たまたま朝日新聞朝刊の広告欄で見つけて、買わねばと思った1冊。
帰宅後パラパラと見てたら、ものすごく鉄道旅に出かけたくなった。その欲求を抑えなければならないのが労働者のつらいところ。そういえば今年は青春18きっぷの鉄道旅できなかった。

未読日記712 『3.11 時のイコン』

2013-03-26 22:41:55 | 書物
タイトル:六田知弘写真展 3.11 時のイコン 東日本大震災の記憶
著者:六田知弘
デザイン:甲谷一
発行:3.11 時のイコン 東日本大震災の記憶 実行委員会
印刷:株式会社TBSサービス
定価:1,000円(税込)
形態:31p ; 24.2cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2013年3月5日-3月31日: 相田みつを美術館第2ホール
   主催: 相田みつを美術館
内容:
ごあいさつ
「モノの記憶」六田知弘
図版

購入日:2013年3月24日
購入店:相田みつを美術館ミュージアムショップ
購入理由:
 前日に「アートフェア東京」に行った際、会場設置のチラシで知った展覧会。残念ながら知ったのが閉館後だったためその日は見れなかったが、あまりに自分好みの展覧会だったので翌日見に行くことにしたが、すばらしい展覧会だった。
 その作品は、被災地で見つけたモノを、白い紙の上に置いて撮影した写真作品。博物標本のように、淡々と記録されているが、モノに人の形跡・痕跡や気配、3月11日が刻印されており、見えるものを通して見えない存在が立ち現れる。3.11関連の作品の中では、静かで地味な作品かもしれないが、喪失感や過去、痕跡を写真ならではの方法で作品へと結晶化した恐ろしくも美しい作品。あまり広報されていないようなのが残念。

未読日記711 『スワン家のほうへⅠ』

2013-03-25 22:17:21 | 書物
タイトル:失われた時を求めて〈1〉第一篇「スワン家のほうへ1」 (光文社古典新訳文庫)
タイトル別名:Du côté de chez Swann: À la recherche du temps perdu
著者:[マルセル・]プルースト
訳者:高遠弘美
装画:望月通陽
装幀:木佐塔一郎
発行:光文社
定価:952円+税
形態:470p ; 16cm
内容:
訳者前口上
第一篇「スワン家のほうへ Ⅰ」
第一部 コンブレー
「読書ガイド」高遠弘美
年譜

購入日:2013年3月24日
購入店:MARUZEN 丸の内本店
購入理由:
 東近美で「フランシス・ベーコン展」を見たとき、解説パネルでベーコンがプルーストを愛読していたとあり、驚いた。偶然、別件でプルーストの『失われた時を求めて』の中の記述を探していたところだったので、久しぶり読んでみたく思った(私が1年数か月ほどかけて読了したのは2007~2008年)。
 そこで通り道にある書店に行ったところ(すぐに書店に行かれるのが東京のいいところだ)、岩波書店と光文社でそれぞれ新訳・文庫版の刊行が開始されていた。比較してみたところ、翻訳としては個人的には岩波版が感触としては好みだったが、読みやすさは光文社かもと思い、こちらを購入。今度は通読できるだろうか・・。長い長い読書の始まり。

未読日記710 『フランシス・ベーコン展』

2013-03-24 23:43:46 | 書物
タイトル:フランシス・ベーコン展
別書名:Francis Bacon
編集:東京国立近代美術館豊田市美術館日本経済新聞社文化事業部
和文英訳:クリストファー・スティブンズ、パメラ・ミキ・アソシエイツ、Fontaine Limited
英文和訳:夏目幸子、保坂健二朗、鈴木俊晴
独文和訳:金子美環
校正:岩田高明
デザイン:下田理恵(da.)
制作:印象社
印刷・製本:大伸社
発行:東京 : 日本経済新聞社
発行日:c2013
定価:2,500円(税込)
形態:187p : 挿図 ; 30cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: [東京]2013年3月8日-5月26日: 東京国立近代美術館, [豊田]2013年6月8日-9月1日: 豊田市美術館
   主催: 東京国立近代美術館, 豊田市美術館, 日本経済新聞社
   出品作品リスト: p184-187
   主要文献: p148-149
   年譜: p142-147
   英文テキストあり
   折り込みページ4枚あり
内容:
「フランシス・ベーコンについての断章、いくつか」保坂健二朗
カタログ
 Chapter Ⅰ 移りゆく身体 1940s-1950s
 Chapter Ⅱ 捧げられた身体 1960s
 Chapter Ⅲ 物語らない身体 1970s-1992
 Chapter Ⅳ エピローグ:ベーコンに基づく身体
「触覚と粒子でできている:ドガ、ベーコン、そして土方」鈴木俊晴
「うわさのベーコン――日本におけるフランシス・ベーコン受容の歴史のためのノート」桝田倫広
アンソロジー
年譜
主要文献
出品作品リスト

購入日:2013年3月24日
購入店:東京国立近代美術館ミュージアムショップ
購入理由:
 うわさのフランシス・ベーコン展のカタログ。ベーコン展としては1983年に東京国立近代美術館、京都国立近代美術館で開催された展覧会から30年ぶり、没後初の回顧展となる(今回は京近美が巡回先から外れて極めて残念)。今展では「身体」をキーワードに、33点の作品が展示される。
 ベーコンの作品を実際に見ると、きわめて精緻でありながら暴力的に画面に掴まれる感覚が溜まらなくいい。デヴィッド・リンチの映画を見たときと同じような感覚を覚えた。鑑賞者のテンションを上げるエネルギーが半端ない。ちなみに、あまり触れられていないが、金色の額装や額に嵌められたガラス含めて、絶対会場でこそ体感してほしい作品。それもあってか、ポストカードはすべて金縁という念の入り。

memorandum 120 ぼくは何を

2013-03-23 23:25:21 | ことば
ぼくは 何をもっているのだ
やさしさなら お母さんがもっている
勇気なら お父さんが
すなおさなら ポチが
賢さなら 先生がもっている
がまん強さなら 冬のムギが
勤勉さなら 夏のアリが
そして 美しさなら
道ばたの一本のタンポポがもっている

で ぼくよ 何をもっているのだ
いつも後で しまったと思う
おっちょこちょいと
だれにも負けない いたずら心のほかに…
笑うなかれ!
希望だ…
やさしくて 勇気があって
すなおで 賢くて
がまん強くて 勤勉な
美しい心
に ぼくを少しでも近づけたいという…

笑うなかれ!
という ぼくよ
自分で笑っちゃ サマにならぬぞよ!

(伊藤英治編『まど・みちお全詩集』理論社、2001.5、544頁。)

未読日記709 『落石計画 第4期』

2013-03-22 23:47:39 | 書物
タイトル:落石計画第4期 「霧と銅」記憶の器 展
デザイン:森勢津美、井出創太郎
編集協力:高浜利也
発行:[北海道] : 落石計画実行委員会
形態:1冊 : 挿図 ; 30cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2011年8月7日-8月11日:旧落石無線送信局 (現池田良二スタジオ)
   出品作家: 井出創太郎, 高浜利也
   主催: 落石計画実行委員会
内容:
「時空を超えたつながり」猪熊樹人(根室市歴史と自然の資料館学芸員)

旧落石無線送信局跡(現 池田良二スタジオ)・落石無線電報局沿革史
落石計画第4期 霧と銅 ―記憶の器― 概要
落石計画沿革
作品配置図・作品リスト
図版
 第2室
 第6室
 第3室 対話空間(=茶室)公開制作
 第5室
ワークショップ「つなげてキラキラ」

「廃銅版の詩」井出創太郎
「描くべき風景を求めて」高浜利也
謝辞

頂いた日:2013年3月20日
場所:京都市美術館
 「PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ」での井出創太郎氏のアーティストトークに参加したところ、来場者に配布されて頂いた1冊。どうもありがとうございます。まさかトークに参加して、カタログを頂けるとは思わなかった。
 井出さんの作品を初めて見たのは、2003年に開催された「第18回平行芸術展―<あざやか>の構造」においてであった。時間を内包したテクスチュア、緑青のあざやかさに目を奪われ、以後機会があるごとに見てきた。私が京都に移住後はなかなか見る機会がなかったが、今展で久しぶりに作品を見て変わらぬ作品の深みに圧倒された。アーティストトークも井出さんの柔らかで落ち着いた話ぶりに引きこまれ、制作に対する姿勢、思考に襟を正される思いがした。
 なかでも親類のお葬式の会場で目にしたあじさいのエピソードが秀逸だった。
後で調べたところ、あじさいの「あじ」は本来は「あづ(集)」といい、青い花(さあい・真藍)が集まって咲くさまが由来だという。そう、お葬式で親類縁者が集まるさまが、あじさいに重なるである。さらに、あじさいの英語名「Hydrangea」は、ギリシャ語の 「hydro(水)+ angeion(容器)」が語源だというから、銅版画の制作過程においても相応しい言葉かもしれない。
 


memorandum 119 もう すんだとすれば

2013-03-21 23:39:01 | ことば
もうすんだとすれば これからなのだ
あんらくなことが 苦しいのだ
暗いからこそ 明るいのだ
なんにも無いから すべてが有るのだ
見ているのは 見ていないのだ
分かっているのは 分かっていないのだ
押されているので 押しているのだ
落ちていきながら 昇っていくのだ
遅れすぎて 進んでいるのだ
一緒にいるときは ひとりぼっちなのだ
やかましいから 静かなのだ
黙っている方が しゃべっているのだ
笑っているだけ 泣いているのだ
ほめていたら けなしているのだ
うそつきは まあ正直者だ
おくびょう者ほど 勇ましいのだ
利口にかぎって バカなのだ
生れてくることは 死んでいくことだ
なんでもないことが 大変なことなのだ

(伊藤英治編『まど・みちお全詩集』理論社、2001.5、539-540頁。)

そう、これからだ。