A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1049 『堺市博物館優品図録 第三集』

2015-06-27 23:39:10 | 書物
タイトル:堺市博物館優品図録 第三集
編集:堺市博物館
発行:堺 : 堺市博物館
発行日:2011.3
形態:91p ; 図版 : 30cm
注記:解説: 第3集p71-85
    開館三十周年を記念して作製の図録(凡例)
内容:
開館三十周年を記念して
目次・凡例
図版
1 パノラマ地図資料
 ①北海道地方
 ②東北地方
 ③関東甲信地方
 ④東海北陸地方
 ⑤近畿地方
 ⑥中国四国地方
 ⑦九州地方
 ⑧外地
 ⑨その他の資料
2 古地図資料(西洋・日本)
 ①西洋古地図
 ②日本製地図
3 近代堺地域史資料
 ①郷土画家岩谷勢蔵の記録画
 ②堺の画家資料
 ③教育・産業
解説
優品図録第一集・優品図録第二集掲載品(参考)
本書掲載品

購入日:2015年6月27日
購入店:堺市博物館
購入理由:
 企画展「昭和へタイムトリップ ‐吉田初三郎のパノラマ世界‐」(2015年5月30日~7月12日)を見に行った際、ミュージアムショップにて購入。
 本展の図録は作成されておらず、過去の図録である「パノラマ地図セレクション-吉田初三郎の世界-」と本書が図録として販売されていた。「パノラマ地図セレクション」の方は以前に購入済みだったため、本書を購入。意外と初めてみる資料も多くおもしろい。

未読日記1048 『革命について』

2015-06-24 23:53:35 | 書物
タイトル:革命について (ちくま学芸文庫)
タイトル別名:On revolution
著者:ハンナ・アレント
訳者:志水速雄
カバーデザイン:渡辺千尋
発行:筑摩書房(ちくま学芸文庫, [ア-7-2])
発行日:1995.6
形態:478p ; 15cm
注記:原著(1963)の全訳
    中央公論社,1975年8月刊の文庫化
    叢書番号はブックジャケットによる
内容:
戦争とならんで現代史を色濃く特徴づける革命とはいったい何だろうか?「社会問題」の解決がその目的だろうか?革命によって生まれた政治体はなぜ安定した永続性をもたなかったのか?その意義は果たして過去のものとなったのだろうか?本書でアレントは、主としてアメリカ独立革命とフランス革命の経験を比較・考察し、自由が姿を現わすことのできる公的空間を保障する政治体の創設として前者を評価する。政党制や代表制ではなく、ある社会の全成員が公的問題の参加者となるような新しい統治形態がその時そこで始められたのである。忘れられた革命の最良の精神を20世紀政治の惨状から救い出す反時代的考察。

目次
凡例
感謝のことば
序章 戦争と革命
第1章 革命の意味
第2章 社会問題
第3章 幸福の追求
第4章 創設(1)――自由の構成
第5章 創設(2)――時代の新秩序
第6章 革命的伝統とその失われた宝
訳者あとがき
解説(川崎修)

購入日:2015年6月24日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 展覧会「うさぎと革命」テキストのための参考文献として購入。
テキストを書き始めて、展覧会タイトルにもなっている「革命」についてよく知らないことに気づく。そこで、「革命」について書かれた本を調べたところ本書を見つけた。そのもの「革命について」と題され、目次を見ると「革命の意味」まで書かれているようだ。内容はアメリカ独立革命とフランス革命が中心のようだが、とりあえず「革命」について考えるには参考になるだろうと思い購入。

未読日記1047 『地図と領土』

2015-06-20 23:30:14 | 書物
タイトル:地図と領土 (単行本)
タイトル別名:La carte et le territoire
著者:ミシェル・ウエルベック
訳者:野崎歓
装幀:神田昇和
発行:東京 : 筑摩書房
発行日:2013.11
形態:402p ; 20cm
内容:
驚愕の〈惨劇〉の目くるめく謎――鬼才ウエルベック最大の衝撃作。孤独な天才芸術家ジェドは、一種獰猛な世捨て人の作家ウエルベックに仄かな友情を抱くが、驚愕の事件が二人に襲いかかる。謎をめぐって絢爛たるイメージが万華鏡のように炸裂する傑作。フランスで50万部を超えたゴンクール賞受賞作。

(プロローグ)
第一部
第二部
第三部
エピローグ
訳者あとがき

購入日:2015年6月19日
購入店:日本の古本屋
購入理由:
 本書を最初に知ったのは2013年3月に京都の南山城村にあるGallery Den mymの展覧会「Visual Sensation vol.5」に行った際、出品作家の上田章子さんから教えて頂いた。地図や鳥瞰図を研究しているというお話をした際、本書を教えてくれたのである。その時は未翻訳で、ウエルベックのことも『素粒子』のタイトルを知っているぐらいだった。
 その後、同年11月に翻訳が刊行され、地図好きとしてはいよいよ読まねばと思っていたのだが、いろいろな雑事に追われて、買う(読む)機会を逸していた。今回、職場の向かいにある京都市美術館で開催される「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」に本書の表紙に使われているフェルメール《天文学者》が出品されるということで、いよいよ読む時期だと思い購入。

未読日記1046 『光と影のドラマトゥルギー』

2015-06-19 23:41:32 | 書物
タイトル:光と影のドラマトゥルギー―20世紀における電気照明の登場
タイトル別名:Licht Schein und Wahn : Auftritte der elektrischen Beleuchtung im 20. Jahrhundert
著者:ヴォルフガング・シヴェルブシュ
訳者:小川さくえ
発行:東京 : 法政大学出版局
発行日:1997.9
形態:305, 3p, 図版2p ; 22cm
内容:
蝋燭やランプの光を超えて無意識の深層におよぼした電気の光の魔力を描きだす。

幕開け
 パリ万国博覧会
 電気の妖精
 照明から造形へ
 ヘレラウのホール
アール・インディレクト――間接照明
 光とランプ
 光の配分、遮蔽、方向転換
 光天井と鉢形ランプ
 方尖塔と照明塔
イリュージョン
 グローセス・シャウシュピールハウス
 映画館とスタジオ
 古典的な光と影
 ヌーベルバーグの均質証明
電気都市(エレクトロポリス)
 ネオン管と管形ランプ
 照明広告
 タイムズ・スクエアとラスベガスの繁華街
 照明建築
 「あかりの海」と「光の山」
神秘主義
 ニュルンベルクの「光の大聖堂」
 キリスト教と啓蒙主義の象徴的表現
 電気光線
 灯火管制と「光の対決」
 新バイロイトの光のなかで
管形ランプ
 ヴァルター・グロピウスのランプ
 管形ランプとモデルネ
 戦後のあかり
 光天井とダウンライト
すべてが演劇か
 古いあかりで遊ぶ
 ネオン管の芸術化
 舞台照明の教え
 ライティングレールとライティングワイヤー
新しい太陽光
 供給された光
 窓
 光の誘導
 ガラス建築の幻想
 アトリウム
 光に対する新感覚
原註
訳者あとがき
図版出典

購入日:2015年6月19日
購入店:日本の古本屋
購入理由:
 展覧会「光路」およびslideshowstudiesのための参考文献として購入。
 シヴェルブシュによる『闇をひらく光』が19世紀の照明の歴史だったが、本書は20世紀の電気照明の歴史を扱っているようだ。こちらも、いわゆる「照明」の歴史だけでなく、その文化的広がりを扱っていて、「光」を考える上で興味深い。


【ご案内】つくるビルゼミ6月&つくるビルゼミコラムvol.9

2015-06-10 23:08:09 | お知らせ
今月のつくるビルゼミでは、夏に向けて美術界の「旅行術」を取り上げます。各自の旅行・出張・移動の流儀・方法論を共有することで、今夏の旅行計画の参考にしたいと思います(作品や物資の輸送術は別の機会とし、今回は人の移動に限定します)。
また、皆さんの夏の予定が決まってましたら、ぜひ教えてください。

つくるビルゼミ6月開催
「美術の旅行術」
http://www.tukuru.me/?p=4759
2015年6月15日(月)19:00~
つくるビル403号室

先月のゼミ内容は以下のコラム参照。
つくるビルゼミコラム vol.9
「ニューアーティストヒストリー~新世代の美術史」
http://www.tukuru.me/?p=4769


未読日記1045 『カメラのみぞ知る』

2015-06-08 23:30:42 | 書物
タイトル:カメラのみぞ知る
並列書名:The camera knows everything
監修:石川卓磨、沢山遼
翻訳:パメラ・ミキ・アソシエイツ
エディトリアル・デザイン:小沼宏之
制作・アシスタント:鈴木孝史[ユミコチバアソシエイツ]
発行:東京 : タリオンギャラリーハギワラプロジェクツユミコチバアソシエイツ
発行日:2015.5
形態:109p : 挿図 ; 19cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2015年5月9日-6月13日:タリオンギャラリー, ハギワラプロジェクツ, ユミコチバアソシエイツviewing room Shinjuku
    共同刊行: タリオンギャラリー, ハギワラプロジェクツ
    おもに図版
    和英併記
内容:
はじめに
「ポストアプロプリエーションとしての写真」石川卓磨
Works
●生産過程/補助装置
石川卓磨
高松次郎
デニス・オッペンハイム
冨井大裕
●環境/観察者
天野祐子
ジョシュ・トンスフェルト
森田浩影
渡辺素子
●地理/歴史
荒川徹
小池浩央
新津保健秀
ベアト・ストロイリ
プロフィール
「カメラと社会学」沢山遼
「ミニマリズムと写真」荒川徹
「写真のバナリティ」倉石信乃

購入日:2015年6月7日
購入店:タリオンギャラリー
購入理由:
 展覧会「光路」およびslideshowstudiesのための参考文献として購入。
 私が「光路」で行いたいことは写真の表象についてというよりは、光学装置を含んだ「光」の遍在性、顕現性についてであった。本書および本展もまた「カメラ」を媒介とした表象=映像を考える企画として参考になるのではないかと思った。
 ギャラリー企画として、批評・論考を含んだカタログが発行されるのはとてもすばらしい試みである。ぜひ波及してほしい。ある意味、東京だからこそ実現できる企画なのだろうけども。

未読日記1044 『闇をひらく光』

2015-06-07 23:39:28 | 書物
タイトル:闇をひらく光 〈新装版〉: 19世紀における照明の歴史
タイトル別名:Lichtblicke : zur Geschichte der künstlichen Helligkeit im 19. Jahrhundert
著者:ヴォルフガング・シヴェルブシュ
訳者:小川さくえ
発行:東京 : 法政大学出版局
発行日:2011.12
形態:259p ; 22cm
注記:初版: 1988.3
    原タイトルは標題紙裏による
目次:
ランプ
 ・火と焔
 ・アルガン、あるいは灯芯の合理化
 ・ガス灯
   熱(テルモ)ランプ
   集中供給
   普及
   爆発の危険性
   ガス中毒の危険性
   ガスの焔
   換気装置
   焔の終息、白熱ガス灯
 ・電気の神格化
   アーク灯
   白熱電球
   電化
   架空の会話

街路
 ・街灯破壊
 ・光の氾濫
   太陽の塔

余論──夜の生活
 ・ショーウィンドー

サロン

舞台
 ・観客席の暗転
 ・一九世紀の光の娯楽──パノラマ、ジオラマ、幻灯

原註
訳者あとがき

購入日:2015年6月6日
購入店:丸善 丸の内本店
購入理由:
 展覧会「光路」およびslideshowstudiesのための参考文献として購入。本書は「光」と言っても、太陽光ではなく照明の方だが、バロックから近代にいたる照明技術の歴史を文化史的観点から論述した本である。同じ著書による『鉄道旅行の歴史』と同じく、読みやすく知的刺激に満ちた1冊であった。エッフェル塔の対案に太陽の塔のプランがあったとはしらなかった。
 あとで気づいたが、今村遼佑さんの作品は「街灯」をモチーフとした作品であった。今村作品を踏まえて、もう一度読み直してみたい。

未読日記1043 『星霜連関』

2015-06-06 23:25:02 | 書物
タイトル:星霜連関 : 下平竜矢
別書名:Seisorenkan : Tatsuya Shimohira
著者・編集:下平竜矢
デザイン:林治貞
発行:東京 : 禅フォトギャラリー
発行日:c2015
形態:1冊 (ページ付なし) ; 30×30cm
注記:おもに図版、500部限定、サイン入り

頂いた日:2015年6月6日
 東京・Zen Foto Galleryにて開催された「下平竜矢 写真展 星霜連関」(2015年6月3日~6月17日)にお伺いした際、作家よりご恵贈頂きました。どうもありがとうございます。
 下平竜矢の写真は、京都の雅景錐などで何度か見ていた。その時の考えでは下平は祭の写真を撮っているのだと思っていた。だが、今回の展示を見て、そんな単純なものではなかったとようやく気づけた。下平は祭を行う人間の営みを自然や地層、天文学的なスケールで捉えようとしていたのだ。幾千年の星霜を経てきた風景・風土と人間の営みと存在が、見事に連関したすばらしい写真展と写真集である。
 なお、「星霜連関」の「星霜」とは、星は1年に天を1周し、霜は毎年降ることから「としつき、歳月」を意味する言葉である。このような美しい日本語をタイトルとしたこともすばらしい。

未読日記1042 『生き延びるための思想』

2015-06-03 23:39:30 | 書物
タイトル:生き延びるための思想 新版 (岩波現代文庫)
著者:上野千鶴子
ジャケットデザイン:桂川潤
発行:岩波書店(岩波現代文庫, 学術 ; 270)
発行日:2012.10
形態:xi, 393p ; 15cm
注記:「生き延びるための思想 : ジェンダー平等の罠」岩波書店(2006年)を増補、再編集したもの
    参考文献: p363-376
    初出一覧: p391-393
内容:
大義のために生きること、それはしばしば反転して「死ぬための思想」として機能してきた。女性も兵士となる権利をえるのが「平等」か、自爆テロや連合赤軍事件にかかわった女たちはどんな力学の中にいたの――。「逃げよ、生き延びよ」と、弱者が弱者のままに生きられる社会のためのメッセージをこめた論考群。東日本大震災後の東京大学最終講義等も収録した新版。

目次
はじめに――あげた手をおろす
1 女性兵士という問題系
2 戦争の犯罪化
3 ナショナリズムを超える思想
4 「祈り」に代わるもの
5 3・11の後に
参考文献
自著解題
初出一覧

購入日:2015年6月3日
購入店:日本の古本屋
購入理由:
 展覧会「うさぎと革命」テキストのための参考文献として購入。
チラシのテキストを読んだ第一印象として、上野千鶴子を思い出した。うさぎの多産性を弱者の手法と書いていたらからである。
 だが、上野千鶴子の著書をちゃんと読んだことがないと気づく。しかし、何から読めばいいかわからない。そこで、「上野千鶴子、革命」と検索をしてヒットしたのが本書だった。なぜかと言えば、第1章「女性兵士という問題系」の原題が「女性革命兵士という問題系」だったためであった。これで上野千鶴子と「革命」の単語はいちおう繋がったと思い、本書を購入。



未読日記1041 『兎とかたちの日本文化』

2015-06-02 23:20:18 | 書物
タイトル:兎とかたちの日本文化
タイトル別名:What is the rabbit figure in Japanese culture?
著者:今橋理子
装丁・本文レイアウト:妹尾浩也(iwor)
発行:東京 : 東京大学出版会
発行日:2013.9
形態:iii, 184, 9p, 図版 [8] p ; 21cm
注記:欧文タイトルは標題紙裏による
    参考文献一覧: 巻末p1-5
内容:
「かわいい」だけじゃ、ダメなんです。
日本美術、文学、染織、工芸、和菓子、グッズ、現代アート……親しき動物の表象から見えてくる日本文化の特質とは?多様なジャンルを横断した「新しい美術史」の方法によって、文化の伝承あるいは創造という、現代の問題にまで迫る。

目次
はじめに――ウサギを好む日本人
 一 兎ブームは繰り返す
 二 昔の兎は「かわいい」か?
 三 本書について

第I章 月の兎――うさぎ図像の伝統とは?
 一 〈月の兎〉の源流
 二 「月の光」のかたち――言説と形象のはざま
 三 カラスとウサギ――「日月」の聖性図像
逸品への誘いI 葛蛇玉筆「雪夜松兎梅鴉図屏風」

第II章 「伏せた丸い兎」の理由――和菓子からミニチュア・アートまで
 一 和菓子とうさぎ
 二 うさぎ菓子――「伏せ兎」の味とかたち
 三 神饌としての〈兎〉
 四 餢飳と伏兎
 五 菓子から玩具まで
 六 「お菓子なうさぎアート」という悦楽
逸品への誘いII 永田哲也作「和菓紙」アート

第III章 桜とうさぎ――〈擬古典〉文様の創造
 一 うさぎグッズと現代
 二 花兎文様から〈擬古典〉文様「花うさぎ」へ
 三 隠された雪月花――〈人を想う〉という造形
 四 〈擬古典〉――「新しい伝統」の創造
逸品への誘いIII 上村松園筆「待月」
兎の足あと――「あとがき」に代えて
掲載図版一覧
参考文献一覧

購入日:2015年6月2日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 展覧会「うさぎと革命」テキストのための参考文献として購入。本書では、さまざまなジャンルを横断としつつも、基本的には日本美術史における「うさぎ」表象を扱っている。なかでも、出色なのが第2章の和菓子をテーマとした章である。表としてまとめられた「長月のうさぎ菓子」「通年のうさぎ菓子」リストは、お土産選びの参考にもなる。