A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記857 『青森県立美術館コンセプトブック』

2014-03-31 23:39:30 | 書物
タイトル:青森県立美術館コンセプトブック (SPACE SHOWER BOOKs)
編集・執筆:工藤健志(青森県立美術館)
作品解説:飯田高誉、池田亨、工藤健志、菅野晶、板倉容子、高橋しげみ(青森県立美術館)
     黒岩恭介、三好徹、立木祥一郎
編集補助:乗田菜々美、山口潤、泉萌香、坂本佳子、竹花明子、鳴海華奈(青森県立美術館)
進行管理:白戸はるみ(青森県立美術館)
ブックデザイン:菊地敦巳、北原美菜子
制作:岩崎梓
編集人:近藤正司
発行:東京 : スペースシャワーネットワーク
発行日:2014.1
形態:272p ; 22cm
内容:
Sky Blue
Soil Brown
Cloud Gray
Sunrise Red
Sunset Pink
Forest Green
Midnight Blue
Snow White

Square
Triangle
Circle

クレジット
索引
美術館ガイド

購入日:2014年3月29日
購入店:ジュンク堂書店 京都朝日会館店
購入理由:
 転職活動の参考文献として購入。だが、期待以上におもしろく、仕事そっちのけで青森に行きたくなった。
 本書はいわゆる美術館のガイド本という一般的イメージを覆している。全体を美術館のコンセプトカラー(8色)と建築的構造(丸・三角・四角)をキーワードに、収蔵作品を青森の風土、生活、文化などと関連づけながら紹介しているからである。まさか美術館の舞台裏や観光地、B級グルメまでが出てくるとは思わず、見てて楽しい。
 美術館はもっと楽しくなれるということ、美術(館)を通して地域や世界を見ることは楽しいという希望が本書からは感じられる。

未読日記856 『REAR NO.7』

2014-03-30 23:20:46 | 書物
タイトル:REAR : 芸術批評誌リア : 芸術/批評/ドキュメント
卷号:7
編集・制作:馬場駿吉、野村幸弘、高橋綾子、井上昇治、山本さつき、武藤隆、佐藤友美、浜辺由美、立松由美子、中村章子、深山路子
デザイン:夫馬孝
発行:名古屋 : リア制作室
発行日:2004.8
形態:72p ; 21cm
内容:
特集:映像の〈場〉を創る――映像体験の豊さのために
•<対談>:「名古屋の映画の場、過去とこれから」 木全純治×平野勇治(司会:越後谷卓司)
•上映の場に未来はあるか 1970年代以降衰退し続ける映画館の課題 越後谷卓司
•動き出したコミュニティシネマ 井上昇治
•〈インタビュー〉:古田一晴 名古屋の実験映画~70年代の自主上映活動について~ 
•シネマ合同上映「CIRCLE/LINE」名古屋の若手作家たちの上映活動について 杉山裕一朗
•〈映像関連年表〉:
•映像上映活動のゼロ地点 実験映画・東京における上映活動と場の変遷 中島崇
•〈インタビュー〉:倉本徹 あくまでも「個人」として
•シネマコリアの活動と課題 西村嘉夫
•美術館における映像展示の展開と現在 竹葉丈
•〈アーティスト・ノート〉:石井晴夫/高嶺格/石田尚志/小林耕平

○批評
•ノート:「影」論 谷川渥
•スピリチュアル・ボディー 形而上学から身体へ 山脇一夫
•楽園の中での権力闘争? 巷でささやかれる「美術館の危機」について 神野真吾

○レビュー
•向井山朋子「for family~うちのピアノ」 水野みか子
•夢の手触り「伊藤誠」展 市川政憲
•第4回愛知県芸術劇場演劇フェスティバル 安住恭子
•開館20周年記念展「コピーの時代」 江上ゆか
•トニー・クラッグ展 北川智昭
•浮遊感がもたらすトランス状態~第20回幻聴音楽会「回転の音楽」 星野学
•「絵を見る」ことを見る 設楽知昭の作品について 三脇康生
•劇団クセックACT2004公演 浜島嘉幸
•「のんきな姉さん」女性上位時代の恋愛を描いた大人至芸 大口和久
•Preemptive Multitask(プリエンティブ・マルチタスク) 小口斉子
•小林亮介展‐家族の肖像‐ 山本さつき
•Unususal Combination ‐気づかなかった星座‐ チェ・キョンファ
•以前の絵画 尹熙倉展‐新作陶粉画と立体作品 野村幸弘
•イケムラレイコ"ISOLA" 能瀬陽子
•武藤篤彦《Film of Drawing》の透明な空間 茂登山清文
•柴田真理子展/やきものとしつらい 唐澤昌宏
•Shelter 篠原猛史 中村章子
•劇団ジャブジャブサーキット「動物ダウトver.04」 清水義和

○投稿
•松藤孝一個展「‐鳥‐」 安田恵美
•リアはどうあるべきか 山田彊一 

○トピックス/レポート/ドキュメント
•NPO法人PAFAの設立記念パフォーマンス&トーク 馬場駿吉
•『藤田八栄子の軌跡・桜画廊34年の記録1961~1994』出版記念会 高橋綾子
•<美術ドキュメント>:  井上昇治

購入日:2014年3月29日
購入店:のきさき市 エコ・マーケット 柳馬場万寿寺(有隣児童公園)
購入理由:
 ぶらりと立ち寄ったのきさき市で、批評誌・REARの10年前のバックナンバーを見かけてたので購入。映像の「場」についての特集とは興味深い。中島崇氏の論考が楽しみ。
 


未読日記855 『Charcoal』

2014-03-29 23:04:08 | 書物
タイトル:KIMURA Hideki: Charcoal
構成・デザイン:濱田弘明
写真撮影:武田照行、上原徹
印刷:株式会社グラフィック
発行:[京都] : 京都市立芸術大学
発行日:2014.3
形態:22p ; 23cm
注記:展覧会カタログ
   「木村秀樹展 : Charcoal : 京都市立芸術大学退任記念」
   会期・会場: 2014年3月15日-3月30日:京都市立芸術大学ギャラリー・アクア
内容:
「木村秀樹の新たなる展開」建畠晢
図版
略歴

頂いた日:2014年3月29日
 展覧会場にて無料で頂けた1冊。どうもありがとうございます。
退任記念展の作品を収めた本書はすべて新作。個人的には、同時開催の「木村秀樹の'70年代」はおもしろかった。教育者としての側面は別として、70年代の若いときに代表作を作ってしまったことの光と影を考えさせられる。


未読日記854 『未来の途中』

2014-03-27 23:00:39 | 書物
タイトル:未来の途中 : 美術・工芸・デザインの新鋭12人展
並列書名:On the Way to the Future: 12 Newcomers of Art, Craft and Design
デザイン:岡達也
写真:林口哲也
翻訳:クリストファー・スティーブンス
印刷製本:株式会社北斗プリント社
発行:[京都] : 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
発行日:2014.3
形態:111p ; 30cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2014年1月14日-2月28日:京都工芸繊維大学美術工芸資料館展示室
   主催: 文化庁、京都工芸繊維大学、京都工芸繊維大学美術工芸資料館
   制作: 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
   文化庁委託事業「平成25年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
内容:
「未来の途中」平芳幸浩(京都工芸繊維大学美術工芸資料館准教授)

ジュリー・ペレイラ
 「シールから二項対立を超える」安河内宏法(京都工芸繊維大学美術工芸資料館特任助教)
田中幹
 「絵画の本源を描く」安河内宏法
神馬啓佑
 「ふたつのものを、ふたつとして見せない」安河内宏法
池田精堂
 「触媒としての作品」安河内宏法
寺岡海
 「共有の不可能性の中で、可能な限り遊ぶこと」安河内宏法
中西瑞季
 「「凍れる音楽」としての絵画」安河内宏法
楠本孝美
 「デコボコした自己」平芳幸浩
小倉智恵美
 「柔らかいカタチ」平芳幸浩
太田勲
 「軽やかな漆」平芳幸浩
山本晃久
 「鏡と自己」平芳幸浩
岡山高大
 「大空としての器」平芳幸浩
岡達也
 「世界観をデザインする」平芳幸浩

Document:アーティストトーク、トークセッション
出品作品リスト

頂いた日:2014年3月27日
 展覧会を拝見した際、会場で「鑑賞者の眼」というワークシートを実施していた。これは、出品作品ないしは作家について、批評・コメント等を書くと、会期後に完成する図録が進呈されるという企画であった。エサにつられたわけではないが、私も駄文を書き、この度図録をご恵贈頂きました。どうもありがとうございます。
 まだ、図録をきちんと見れていないのだが、思っていた以上に見やすくいい展覧会だった。強いて言えば、工芸・デザインの作家を同じ展覧会で取り上げるのには少し違和感があった。それは、工芸・デザインの作家が最後の展示室にまとめられ、それぞれ白い展示台の上に展示されていたことが、私にとっては不満だったのかもしれない。工芸・デザイン作品を館内各所に点在させるか、現代作家と同じ空間に展示すれば、両者の違いや世界観の共通性なども見えたかもしれない(ないかもしれないけど)。
 いづれにせよ、京都の美術館で現代美術展が開催されることはほとんどないので、このような機会は歓迎・期待したい。

未読日記853 『グループ「幻触」と石子順造 1966-1971』

2014-03-21 22:15:36 | 書物
タイトル:グループ「幻触」と石子順造 1966-1971―時代を先駆けた冒険者たちの記録―
並列書名:Group "Genshoku" and Ishiko Junzo : 1966-1971
編集:川谷承子(静岡県立美術館)
制作補助:世古智子、松浦文香(静岡県立美術館インターン)
デザイン:大溝裕(Glanz
印刷・製本:山田写真製版所
発行:[静岡] : 静岡県立美術館
発行日:[2014]
形態:411p : 挿図 ; 21cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2014年2月1日-3月23日:静岡県立美術館
   主催: 静岡県立美術館
   出品作品リスト: p399-408
内容:
謝辞
ごあいさつ
凡例
図版
 第1章 グループ「白」の時代
 第2章 石子順造の世界観
 第3章 「幻触」前夜
 第4章 「幻触」1966-68―「見る」ことへの問い
 第5章 「幻触」1969-71 もの派との交差 制度への問い
出品リスト
撮影・写真提供

購入日:2014年3月21日
購入店:静岡県立美術館
購入理由:
 1966年に静岡で結成された前衛美術家集団グループ「幻触」の足跡を、評論家・石子順造との関わりを交えて構成した展覧会。グループ「幻触」について知ったのは、2005年に国立国際美術館で開催された「もの派―再考」展だったか。その全容を実作および再制作の展示、資料や文献によって明らかにした試みはすばらしい。個人的には、石子順造の多彩な仕事に興味が湧いた。また、地方と東京の関係も、このようなコミュニティの視点から歴史を辿ると、時代が少し異なって見えておもしろかった。関西では具体が有名だが、まだまだアーティストグループは全国各地にいるはずで、地元の美術運動に光を当ててほしいと思う。

 なお、本書は膨大な量のテキストが再録されているのだが、目次紹介では煩雑なため割愛させて頂きました。ご了承ください。李禹煥が1968年に執筆し未刊行となっていたテキスト「事物から存在へ」を初収録するなど、資料価値が高くお買い得。これにさらに、書下ろし論文とインスタレーション・ヴューを収めた約100頁の別冊がつくというのだから驚き。残念なのは、資料図版の一部が重なっていたり、斜めにレイアウトされて文字や図版が切れていたりしている点である。デザイン上の効果だとは思うが、そこは遊ばずに資料をきちんと掲載してほしかった。
 デザインは、Glanzの大溝裕。京近美の「Future Beauty」展のポスター、フライヤーも手がけているのでこちらもチェックしてほしい。

【ご案内】仮想授業:はじまりのドクメンタ

2014-03-16 23:14:55 | お知らせ
1日限りの「仮想授業」を行います。
皆さまのご出席をお待ちしております。

■概要
ドクメンタのはじまりについて考える、授業(のようなもの)を行います。時代の記録という意味が込められた「ドクメンタ」。その第1回、1955年の「ドクメンタ1」を考察することで、見えてくるものとは?
教室には、ドクメンタ1の写真をもとに、一部の展示の再現(あるいは、模型の展示)を予定しています。一枚のアーカイブ写真から、当時の企画や展示方法をリサーチし、その結果をまずはシェアしたいと思います。そこから誰もが行ったことのない「ドクメンタ1」をみんなで仮想しましょう。

予言と矛盾のアクロバット
 Ideas on the move #3 「仮想授業:はじまりのドクメンタ」
http://www.kac.or.jp/events/10752/
日時:2014年3月23日 (日)16:00~18:00
会場:京都芸術センター ミーティングルーム2(南館3階)
出演:田中和人(アーティスト)菅かおる(日本画家)平田剛志(美術批評)
共催:京都芸術センター
料金無料 ※予約不要

未読日記852 『MADE/OF/STONE』

2014-03-15 23:50:38 | 書物
タイトル:MADE/OF/STONE
著者:迫鉄平
発行:[迫鉄平]
発行日:[2014]
形態:1冊 ; 30cm
内容:
かのストーン・ローゼスのポップ・クラシックの曲名を引用した写真集。
グリッチの上からスナップ写真を“貼る”という試み。

購入日:2014年3月15日
購入店:つくるビル
購入理由:
 つくるビル1Fにて開催された京都精華大学版画コース「PRINT/ZINE」展にて購入した一冊。思った以上に楽しめる展覧会だった。どれもお手頃価格で大人買いしたかったが、手持ちの現金が少なかったため、迷った末に本書を購入。その理由は、もちろんストーン・ローゼス好きだからである。迫鉄平ファンとしては、もっとボリュームがあってもいいと思う。紙は今よりチープでもいいかもしれない。
 ちなみに、「グリッチ(glitch)」とは、「欠陥、故障、突然の異常」を意味する言葉である。テレビやPC画面にノイズが入った画像をイメージするとわかりやすいだろうか。グリッチをストーン・ローゼス風に言えばダブだろうが、本書のテイストとしてはローゼスよりポップである。UKギターポップ系か。次はオアシスの曲名で写真集をつくってほしい。


Made of Stone from The Stone Roses, "ザ・ストーン・ローゼズ", 1989.