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「普通の国に徐々に近づく平和主義の日本」

2014-07-06 07:29:16 | 日本

英フィナンシャル・タイムズ紙が、「普通の国に徐々に近づく平和主義の日本」と題して記事を掲載した。
以下、要約して記す。



日本の安倍内閣は今週、同盟国を防衛する日本の権利「集団的自衛権」を宣言し、戦争放棄を規定した憲法の名残を破り捨てた。

しかし実は、ほぼすべての国が専門的には集団的自衛権として知られる権利を保持しているのが現実である。つまり主要国の中では今までが、日本のみが例外であったのであ。

必要とあらば戦争を仕掛ける用意があると宣言する国がまた出たということを嘆くかもしれないし、安倍晋三首相の国家主義的なレトリックを嫌悪するかもしれない。だが、日本がやったことは、ただ単に、「普通」の国になることにほんの少し近づいただけだということを認めなければならない。

米国占領軍のメンバーが日本の憲法を起草した1947年以降、日本は交戦権を放棄した。「平和主義条項」と言われる憲法9条は、「日本国民は国権の発動たる戦争を永久に放棄する」と書いている。これを達成するために「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」としている。

日本の兵士がもう70年近く、敵に対して1発たりとも発砲したことがないのは事実である。しかし、日本は陸軍も海軍も空軍も持っていないという考えは、検証に耐えない。日本の「自衛隊」は事実上、近代的な戦闘マシンである。

米国は、日本憲法が制定されたほぼその瞬間から、日本を説得して平和主義を捨てさせようとしてきた。朝鮮半島で戦争が勃発した後、米国は力のない同盟国は欲しくないとの判断を下した。ただ、日本にとって、平和主義の憲法は便利だった。国防を米国に委ねることで、日本は豊かになることに専念できたからである。

そして今、何のことはない、「普通の国に徐々に近づく平和主義の日本」へと変わって来ただけのことである。