日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「世界の書棚から」第19回『 ブルガリアの児童文学の不思議な世界』に行ってきました (2023.11.11)@板橋区立中央図書館

2023年11月27日 | イタリアの本・絵本・雑誌

「世界の書棚から」第19回『 ブルガリアの児童文学の不思議な世界』に行ってきました (2023.11.11)@板橋区立中央図書館

 

第18回のドイツに続き 第19回「世界の書棚から」ブルガリアです😊

ブルガリア共和国大使館職員のお二人 またブルガリアの児童文学を出版されている福音館書店の方が講師を務めてくださいました 

まずは ブルガリアの国の簡単な紹介から... EUで唯一キリル文字を使い 通貨はレフです 

5月24日は「キリル文字とブルガリアの教育・文化の日」です

2007年にEUに加盟しました  国花は薔薇🌹 ヨーグルトが有名ですね😊

ちなみに 1989年の板橋区立美術館のボローニャ展でもブルガリアの特別展示が行われたとのこと

      *    *    *

ブルガリア人なら誰でも知っている児童文学について

昔話の主な登場人物をご紹介いただきました:   りこうなペタルは 16~17世紀に登場した頓智で権力者をやりこめる賢い人物です(日本の一休さんのようなキャラクターでしょうか)  2005年に「ペタルとんち話」が出版されました

動物の登場人物では  🐻(知恵があり人間と友達)   🦊(賢くて嘘つき) 🐺(勇気があるが賢くない)   🐰(イケメンで威張っている) 針鼠🦔(謙虚で働き者)などが有名です

       *    *    *

ブルガリア人が大好きな児童文学作家と俳人について

レダ・ミレヴァ(1920~2013) :  児童詩の本の著者で 英語圏の詩人の翻訳も手がけていました

エリン・ぺリン(1877~1949): ブルガリアの豊かな自然 村人の生活について語りました

ラン・ボシレック(1886~1958):   法学博士号を持ち弁護士でしたが 子どもが大好きで児童文学に専念しました 

   *    *    *

ブルガリアの文芸フェスティバルについて

ソフィア国際文芸フェスティバルが 最大のイベントです

VarnaLit  2017年にブルガリアの海の首都ともいわれるヴァルナ市で初めて開催されました

ヴァルナ文学ナイト 2013年から始まった伝統的なEUNIC(The European Union National Institutes for Culture)のイベントです

 

    *    *    *

ブルガリアの文学コンクールについて

国民賞 「フリスト・G・ダノフ」 5/24が授賞式です

国民児童文学賞「ビセルチェ・ヴァルシェブノ」 2013年に始まり 3~16才の子供たちが審査員となるそうです😲

国民賞「コンスタンチン・コンスタンチノフ」賞

    *    *    *

ブルガリアの児童出版社について

トップの一つ「フュット」社  民間で初の「パン」社(1990年創立)  国民賞を受賞した「ロベルティノ」社  2013年にできた小さな出版社「リブカ」等があります

          *    *    *

現代のブルガリア児童文学のハイライトについて

砂糖壺のフェアリー」(カティア・マトノヴァ作)は 600万人の人口のブルガリアで 現在まで11万冊が売れた本で 初版の5,000冊は24時間で完売したそうです😲  ソフィア劇場で劇化され 映画化の話も進んでいるとのこと🎥

 

 左端が「砂糖壺のフェアリー」まだ日本語訳は出ていません

     *    *    *

次に ブルガリアの児童文学を発行してくださっている福音館書店の方が 「イワンカとマリイカ」(「こどものとも」2022年11月号)のラフスケッチと実際の出版物を比較しながら 制作過程をご紹介くださいました📖📖

これは日本のこぶとりじいさんに似ているお話ですね😊

この昔話を再話されたのは八百坂洋子氏で ブルガリア語の翻訳はほぼこの方が手がけていらっしゃるとのこと📕

絵は大畑いくの氏で ラフスケッチでの登場人物の方向と 本になった時の登場人物の方向が違うものがあるのは 登場人物の動く方向と本をめくる方向を合わせるためとのことでした 暖炉等の参考写真もご紹介くださいました 

    右端(右の机のいちばん左)が「イワンカとマリイカ」

 

昔話は 耳で聞く文化で 長く語り継がれてきたものであり その長年伝わるお話を 目で見る「絵」に起こしてゆく大変さ またブルガリアの森は 平地での生活とかかわりが深く また妖精や熊 小人などの異界の入り口でもあるのですね 

ブルガリアの昔話には ヨーロッパの広い地域に伝わるものと(「金の鳥」「金の魚」等グリム童話にも似ているもの「いのちの水」など)  ブルガリアの中で伝わるもの(「イワンカとマリイカ」など)の2種類があるそうです

私には初めての ブルガリアの児童文学の世界でした😊

 

次回は またまたイタリアです

 

  「世界の書棚からは こちら

 

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ヨーロッパ文芸フェスティバル初日の「ギリシャ・ポーランド」に行ってきました(2023.11.21)@板橋区立中央図書館

2023年11月21日 | イタリアの本・絵本・雑誌

ヨーロッパ文芸フェスティバル初日の「ギリシャ・ポーランド」に行ってきました(2023.11.21)@板橋区立中央図書館

 

地元板橋の中央図書館で開催された ヨーロッパ文芸フェスティバルの初日に行ってきました!! 

板橋区立中央図書館が2021年春にリニューアルなって ビッグイベントがぞくぞく開催されて嬉しい限りです😊 

といってもギリシャ文学はまったく知らないのですが...あまりに近所なもので(*ノωノ)

     *     *     *

 

  ギリシャ大使館主催

 

ギリシャ:   『ギリシャは詩人の国:  2人のノーベル賞詩人、セフェリスとエリティスの紹介』 講師:  茂木政俊(現代ギリシャ詩研究家)

 

ギリシャ文学は 古代ギリシャ文学がともかく有名だが 今のギリシャ文学がギリシャにとって重要であること 現代ギリシア文学の流れについて アテネ派ではなくイオニア派が残った経緯 1901年の福音書事件について等

特定の過去の栄光にギリシャ性を求めるのではなく ギリシャ史全体に延々と流れる伝統をギリシャ性とすること 純粋化から複合化への変化について等を伺いました

コンスタンディノス・カヴァフィス(Κωνσταντίνος Π. Καβάφης, )についての外からの評価についての私見 

外交官でもあったイオルゴス・セフェリスΓιώργος Σεφέρης)が大戦中に亡命し キプロスの問題とかかわり 1963年ノーベル文学賞を受賞したのち 1967年に軍事クーデターが発生し その後BBCで軍事政権を批判する声明を発表したこと 当時文化人の最高位であった人物の声明が大きな影響力を及ぼしたこと 1971年に死去

オディッセアス・エリティス ( Οδυσσέας Ελύτης)は 大戦中にアルバニア戦線で腸チフスにかかりアテネに帰還 終戦後に沈黙しパリに移住 アテネに帰還したのち『アクシオン・エスティ』を刊行 やはり軍事クーデター(1967)でパリに亡命し のちにアテネに帰還 執筆を続け1979年ノーベル文学賞を受賞 1996年に死去

両作家の作品は残部僅かですが古書店で入手できるそうです📖

 

     *     *     *

 

ポーランド:  『ヴィスワヴァ・シンボルスカ茨木のり子、ポーランドと日本』 講師: 池澤夏樹(芥川賞受賞作家)

 

  ギリシャ・ポーランド両国の様々な本が展示されていました

 

講師の池澤夏樹氏は ギリシャ文学を翻訳され 前半のギリシャのお話をなつかしく聞いていらしたとのこと ポーランド文学はかの工藤幸男氏に手ほどきを受けたそうです😊 世界文学全集にリシャルト・カプシチンスキ Ryszard Kapuściński)(ルポルタージュ文学作家)の『黒炭』を収録されたそうです

ルポルタージュ文学のユリシーズ賞(ベルリン)に審査員で参加されたお話も伺いました チェチェン問題を扱ったアンナ・ステパーノヴナ・ポリトコフスカヤА́нна Степа́новна Политко́вская)が受賞した授賞式で カプシンスキーに会ったエピソード等...

また 日本とポーランドの地理的条件の差による歴史の違い (地続きで他国に占領され続けたポーランド 島国で占領の過去を持たなかった日本) 3.11でシンボルスカの詩を身近に感じ 同じテーマの茨木のり子の詩とともに いくつかの詩をご紹介いただきました 文体が平易で難しい表現を使わず テクストがなくとも十分わかる詩です

3.11のあとのがれきの山 原発が偶然で大きな被害を免れたこと そしてまたそろそろ戦争を...と考えている輩がどの国にもいる 小説はエンジンがついているが 詩は自分で歩かなければならない等の言葉が 印象に残りました

 

次は 11月24日(金)のイタリア「動物奇譚における現実と幻想ー文学的探究」(イタリア文化会館)に行く予定です😊

ヨーロッパ文芸フェスティバル2023(2023.11.21~26)は こちら 

ポーランド映画祭2023は こちら

 

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今年度最後の3か国語絵本の読み聞かせボランティアをやりました(2023.11.19)@いたばしボローニャ絵本館

2023年11月19日 | イタリアの本・絵本・雑誌

今年度最後の3か国語絵本の読み聞かせボランティアをやりました(2023.11.19)@いたばしボローニャ絵本館

 

今年度最後の3か国語絵本の読み聞かせを いたばしボローニャ絵本館でやりました この日は日曜日で天気もよく  ドーム状のおはなしの部屋が満杯になる程の方達が聞きに来てくださいました💕

 

1.  Insieme くっついた    イタリア語 

Taro Miura 文/絵    Sognalibri  Fatatrac  

日本語版イタリア語版の表紙の絵が違っていますね😲 イタリア語版はボードブックで分厚いです 

 

2. Ahab y la ballena blanca  エイハブ船長と 白いクジラ    スペイン語 

Manuel Marsol 文 絵  美馬しょうこ 訳  Edelvives 

2014年エーデルビーベス国際絵本賞受賞   

中央図書館の「世界の書棚」からのスペインの回(2023.1.13)でご紹介いただき 選びました 

『モビー・ディック それが あいつのほんとうの名前だ

ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」をもとに描かれた作品です』

 

3. Lulu in der Mitte  まん中のルル ドイツ語

Micha Fiiemel 文 Jacky Gleich 絵  Hanser社 2020年   

2021年のブックフェアで抄訳を作成させていただき 今回のために翻訳して読みました

Sandwichkinder(サンドイッチのこどもたち)という言葉がドイツ語にあります まん中の子ども 大きくもないし小さくもない...私っていったいなに? との問いかけが迫ってきます

『ルルのお兄ちゃんのカスパーは ヘリコプターも お乳しぼりの器具も作れるの。 ノーベル賞ものだって、おばあちゃん。 レオノールはまだ小さくて、 泣けば みんなおおよろこび、 なんにもしなくてもね。 

それじゃあルルは? その間にいるのよ。 まだ何も発明してないし、もう かわいらしく泣くこともできない。 小さくも 大きくもないの。 そう、でも それじゃルルはなんなの? 家族の中の すばらしいまん中のルル - それだけははっきりしてるわよね!』

  読みきかせの絵本

 

4.Sembra questo sembra quello… これにも にている あれにも にている…  イタリア語

 Maria Enrica Agostinelli文・ 絵  Emme Edizioni     

読み聞かせビデオ(イタリア語)は こちら

イタリア文化会館図書室から借りました  

これは 1969年に発行された絵本です (このあと 2018年にも新版が出ました)  当時はまだ€ではなく リラが使われていたのですね 古い絵本です

 

今回は 知人が聞きに来てくださったので いつもよりボリュームも多くなり頑張りました😊

終わるとほっとして まったり...☕ 

 

これで 2023年度の私の外国語絵本読み聞かせボランティアも 無事終わりました😊

もう来年度の1年分の絵本を探して練習を始めています📖

 

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第14回イタリア留学フェア2023と神保町のブックハウスカフェに行ってきました(2023.11.12)@イタリア文化会館

2023年11月12日 | イタリア留学

第14回イタリア留学フェア2023と神保町のブックハウスカフェに行ってきました(2023.11.12)@イタリア文化会館

 

2019年の開催後ようやくの開催となった 第14回イタリア留学フェア2023に行ってきました! 

この間語学学校はコロナの荒波にさらされ ようやくの開催となり感無量です 出展団体や学校も少しずつ変わり 書籍やコーヒー販売コーナー 航空券の当たるスタンプラリーもなくなる等だいぶ様変わりしましたが 旧知の方々にもお会いできて 行ってよかったです😊 

Lo Studio Italianoは初登場の 音楽や芸術のプログラムを提供する語学学校で ローマとナポリの中間地点にあるアラトリ(Alatri)にあります 

チェファルーの語学学校Solemar Academyも健在でなによりです😊 

 

   各学校のブース 

 

    *    *    *

日曜の昼過ぎにアニェッリホールのギャラリーで行われた「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム&留学お役立ち情報」のセミナーを聞きました 

2019年のセミナーのあと コロナ禍での混乱を経てようやくコロナ前の水準に持ち直したとのこと 留学の計画変更にも申請と再審査等で対応できるようになったそうです (事前にコロナ禍での様々な帰国トラブル等とその改善状況等を調べておきました どこも大変でした...)

国際競争力の低下や人材不足等により 少しでも若いうちに海外に!

大学からでは遅い!とのことで 高校生に焦点を絞り 2033年までに50万人にするというプログラムで 2024年度は700名の募集です 

民間寄付による返済不要 成績・語学力不問 情熱・好奇心・独自性が求められるプログラムで 計画と人物面が審査されるため ゴールを設定することが大事とのこと 

トビタテ生グローバルリーダー アンバサダー エヴァンゲリストの3つの役割を担います 

また帰国後はせかい部等8つのSNSを通じて 1万人のトビタテコミュニティ活動の一員となれことが 奨学金以上の大きな実りとのこと  

3つのコース(マイ探求コース・社会探求コース・スポーツ・芸術探求コース)のうち 特に「スポーツ・芸術探求コース」については 日本では部活に時間を取られすぎており 2週間でもよいから海外のスポーツの場を体験してほしいとのことでした  

 トビタテ!留学JAPANは こちら

 

 トビタテ留学ジャパンのチラシ

 

 いただいた布製バッグとプログラム

とにかく欠かすことなく毎年行っておりますイタリア留学フェア... イタリア語を始めた2006年から(笑) 

 

  第14回イタリア留学フェア2023は こちら

 

        *      *     *

このあと神保町の「ブックハウスカフェ」に足を伸ばして色々見てきました 誕生日のプレゼントの絵本を探したり おはなし会を聞いたり... 絵本の世界にしばし浸りました📖☕

 

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サルデーニャ島沖の海底に4世紀頃の青銅貨が数万枚 状態良好(2023.11.2)@イタリアのニュース

2023年11月10日 | イタリアのニュース

サルデーニャ島沖の海底に4世紀頃の青銅貨が数万枚 状態良好(2023.11.4)@イタリアのニュース

 

イタリア文化省は11月4日  サルデーニャ島アルツァケーナ沖の海底から  古代の青銅貨数万枚を回収したと発表しました
 
地元のアマチュアダイバーが浅瀬で発見して当局に通報したとのこと
 
難破した船に積まれていた 4世紀頃の銅貨とみられるそうです
 
記事は こちら

   

    *     *     *
 
 
サルデーニャ島の北東にあるアルツァケーナの海岸の浅瀬で アマチュアダイバーたちが偶然に発見した 3~5万枚にも及ぶ フォリス(follis)というローマ時代の青銅貨(antiche monete romane)...  
 
状態はきわめて良好とのこと(in uno stato eccezionale e raro di conservazione)で コンスタンティヌス帝(Costantino il Grande)の顔が刻まれているそうです
 
324~340d.C.当時のローマ帝国のほぼすべての造幣所で作られていたものとのこと(le monete provenivano da quasi tutte le zecche dell'impero attive in quel lasso di tempo)
 
おそらくは難波(un naufragio)により海底に沈んでしまったのではないかと推測され 近年においては貨幣研究分野での最も重要な発見のひとつであるそうです(una delle più importanti scoperte di reperti numismatici degli ultimi anni)
 
その前の発見は2013年のイギリス(Regno Unito)のSeaton で 22,888枚ものフォリス(follis)を偶然発見したものがあり その時はこの他にアフリカ・アジア由来のアンフォラのかけら(frammenti di anfore di anfore)も見つかったそうです 
 

ニュース"Al largo della Sardegna è stato scoperto un deposito di almeno 30mila monete romane"は こちら

映像は こちら ← 海に潜ってmonetaを採集しているシーンです😲

 

     *     *     *

 

とにかくびっくり😲 地元のアマチュアダイバーが偶然発見したもので 3~5万枚にもあるそうで 状態も他に例を見ないほど良好とのこと💰💰💰

今 上野のローマ展に来ている あのコンスタンティヌス帝の顔が描かれているそうです😲 (上の写真)

 

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「世界の書棚から」第18回『ドイツの絵本 ーイラストレーションシーンより』に行ってきました (2023.9.9)@板橋区立中央図書館

2023年11月08日 | イタリアの本・絵本・雑誌

「世界の書棚から」第18回『ドイツの絵本 ーイラストレーションシーンより』に行ってきました (2023.9.9)@板橋区立中央図書館

 

第17回のチェコに続き 第18回「世界の書棚から」はいよいよドイツです😊

ゲーテ・インスティテュート東京の図書館の方から ゲーテ・インスティテュートや図書館の紹介に続き ドイツの絵本をテーマとした展覧会 そしてイラストレーターの紹介をしていただきました 

ゲーテインスティテュートの翻訳出版助成 かけはし文学賞 ソーシャルトランスレーティング(1冊の本を十数か国語に訳す)等について また図書館にはドイツの絵本が200冊程あるそうです📖

ドイツのトロイスドルフ絵本美術館 クリングスポール美術館(オッフェンバッハ)  そしてブックフェアはライプツィヒ(春)とフランクフルト(秋)が有名ですね

研究所はブレーメン大学に絵本研究所があるとのこと

    *    *    *

次はアトリエ訪問です

講師の先生が今年の春ドイツにいらした際に わざわざアトリエを訪れてインタビューをしてくださった映像を2本 ご紹介いただきました🎥

1.  ボローニャ国際絵本原画展を主催するブックフェアの60回記念イラストを制作した アンドレ・レスラー(André Rösler)氏 のアトリエ・レミーゼ(カールスルーエの食肉加工場の跡地を使った)では3名のイラストレーターが働いており 今年(2023年)の板橋区立美術館の原画展のポスターのメインビジュアルもこの60回記念イラストが使われました 

ドイツの絵本は教育的なものと商業的なものが二極化しており 公共のイラストの仕事も手がけられています(カールスルーエの移民局や交通局の冊子のイラストなど)

大学のデザイン学部の教授として イラストレーターを目指す若者へのメッセージを述べていただき イラストの仕事は感情的な仕事でもあり テンションと自由さが大切であり イラスト市場が狭まる昨今多くのニッチを探すこと 作風を仕事によって変える人も多いこと 表現のための自由空間を作ることの大切さを述べられたことがとても印象深かったです 

 

2.  絵本『ルートヴィッヒとサイ』で同展に今年入選し  「ドイツの最も美しい本」も受賞した イラストレーターデュオ  ゴールデンコスモスのお2人

この「ゴールデンコスモス」という名前はとぁる本から取ったとのこと 20年来のパートナーでもあるお二人はドレスデン出身でベルリン在住 国際的なイラストの仕事と絵本の仕事を並行して手がけられており 短距離走とマラソンにたとえていらっしゃいました

特に アメリカやドイツの新聞にイラストを描く仕事の中で 特に締め切りはなんと6時間しかなく時間との闘いで 3枚のラフを提出してから残り3時間で完成させるという まるでレモンの汁を最後の一滴まで絞り出すようなご苦労があることを伺いました 新聞のイラストはまず最初に目にし そこから文章に入るので大切なのですね 

ルートヴィッヒとサイ(Ludwig und das Nashorn)』は10年間温めていたアイディアで 鉛筆でのストーリーボードを作者のノエミ・シュナイダー氏が気に入ってくださったとのこと ヴィトゲンシュタインの存在論をめぐる逸話を題材にしているそうです Krumulusというベルリンの書店では独り芝居のついた展覧会も行ったそうです 

また2人で作品を創る強みも色々伺いました 互いにアイディアを出し合い話し合いながら進められるのですね 

シルクスクリーンや ポップアップブックへのチャレンジも伺いました 

YOKAI NO SHIMA  日本の祝祭 ー 万物に宿る神々の仮装』のなまはげ等のイラストも手がけられました 

  ドイツの絵本の数々

 

    *    *    *

続いて ドイツで今注目のイラストレーターとその作品をご紹介いただきました:

ヴォルフ・エールブルッフ(Wolf Erlbruch) の『マイヤー夫人のしんぱいのたねは?(Frau Meier die Amsel.)』 この作家は2022年12月に亡くなりましたが 子どもに大人気の『うんちしたのはだれよ!』のイラストで有名です ← 私も読み聞かせの練習をしていていつか読みたいと思います📖

カトリン・シュタングル(Katrin Stangl)の『ハチドリ - 離陸のための詩(Funfzehn Kilo Kolibri.  Gedichte Zum Abheben)』 

ナディア・ブッデ(Nadia Budde)の『仕立て屋に行ったタコ(Krake beim Schneider)』は 韻を踏んでいるとのこと また『急いで何か選んで!(Such Dir Was Aus, Aber Beeil Dich!)』は子供時代の話だそうです

ヘニング・ワーゲンブレット(Henning Wagenbreth)の『逆行の国(Rückwärtsland)は 東ドイツ出身の作家で ドイツ語の綴りがさかさまになっていて面白かったです😊 

 ソーニャ・ダノウスキ(Sonja Danowski)の『スモンスモン(Smon Smon)』は 人間の記憶を残すためのイメージの活用がテーマとのこと 

ミーケ・シャイアー(Mieke Scheier)の『ちがうのを探してみよう(Passt nicht.  Ein Such-Buch)は まちがい探しの絵本ですね📖  また『これ全部仕事なの?(Alles Arbeit, oder was?!)』も面白い絵本ですが 『水がなければ何もできない!(Ohne Wasser geht nichts!)』は どんな用途に何リットルの水が使われ...というイラストが環境教育的でした😊

メラニー・ライブル(Melanie Laibl)の『スーパー・グリッター(Superglitzer)』はネオンカラーの絵本ですが スマホを置き忘れた森の中で 動物たちがそれをあれこれさわりますが とうとう宅配ピザが届いてしまい...( *´艸`) 

 

次は ブルガリアです

 

世界の書棚から」は こちら

 

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イタリア映画「蟻の王(Il signore delle formiche)」ロードショーのお知らせ(2023.11.10~)@ヒューマントラストシネマ有楽町他

2023年11月04日 | イタリア映画・映画

イタリア映画「蟻の王(Il signore delle formiche)」ロードショーのお知らせ(2023.11.10~)@ヒューマントラストシネマ有楽町他

 

イタリアの名匠ジャンニ・アメリオ監督の最新作蟻の王』(Il signore delle formiche)が全国で上映されます
 
1960年代 イタリア・ポー側南部の街ピアチェンツァ
詩人で劇作家 蟻の生態研究者でもあるアルドは 教え子の若者エットレと恋に落ち ローマに出て共に暮らし始める
 
しかしエットレの家族は二人を引き離し アルドは逮捕 エットレは矯正施設に送られ 同性愛の“治療”のために電気ショックを受けさせられることになる
そして世間の好奇の目に晒されながら裁判が始まった
新聞記者エンニオは熱心に取材を重ね 不寛容な社会に声を上げるのだが…
 
ブライバンティ事件”の史実に基づいた 愛と人間としての尊厳についての物語
 
 
同性愛者の存在すら認められなかった時代に恋に落ちた 実在した詩人で劇作家のアルド・ブライバンティとその教え子を巡る史実“ブライバンティ事件”にインスパイアされた “人間の尊厳”を問い直す 魂を揺さぶる物語です
 

映画「蟻の王(Il signore delle formiche)」は こちら  

情報をいただきましたイタリア文化会館様に 心よりお礼申し上げます

 

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イタリア映画『シチリア・サマー(Stranizza d'Amuri)』ロードショーのお知らせ(2023.11.23~)@新宿ピカデリー他

2023年11月02日 | イタリア映画・映画

イタリア映画『シチリア・サマー(Stranizza d'Amuri)』ロードショーのお知らせ(2023.11.23~)@新宿ピカデリー他

 

1982年 イタリア... 2人の美しい少年が死んだ ー

心震える物語が 世界を動かした 最高純度の実話ラブストーリー!

 

君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督が シチリアを舞台に実際の事件を元に描いた映画『シチリア・サマー』が公開されます 

原題の"Stranizza d'Amuri"はシチリア語で「愛の奇跡」という訳が当てられています💕 このタイトルは実は 2021年に他界したシチリア出身のイタリア音楽会の鬼才 故フランコ・バッティアートへのオマージュでもあるそうです 

    *    *    *

1980年代 バチカンのお膝元で性的指向に関して保守的なイタリアで 世界的な非営利団体“ARCIGAY(アルチゲイ)”が設立されました

その原点となったのは シチリア島に住む2人の少年の身に起こった悲劇だったのです

イタリア社会を震撼させた実際の事件をモチーフに 社会の偏見や不寛容さにぶつかりながらも 純粋に愛を貫いた2人の少年の姿を 詩的できらめくような映像美で描き出した映画『シチリア・サマー』が 11月23日より全国公開されます🎥

 

この作品のモチーフは 果樹園の木の下で2人の若者の遺体が発見され イタリア中に衝撃を与えたジャッレ事件と呼ばれる悲劇でした

銃で撃たれた2人は 手をつないだ状態で横たわっていたといいます

彼らは地元では知られた同性愛者のカップルで 社会や家族の不寛容 偏見 好奇のまなざしなどにさらされていました...

 

とにかくシチリアの夏の日差しが  美しすぎる程にまぶしい...

 

2022年製作/134分/PG12/イタリア
原題:Stranizza d'Amuri
配給:松竹
劇場公開日:2023年11月23日

映画『シチリア・サマー(Stranizza d'Amuri)』は こちら

* 情報をいただきました(公財)日伊協会様に 心よりお礼申し上げます

 

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