日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「世界の書棚から」第18回『ドイツの絵本 ーイラストレーションシーンより』に行ってきました (2023.9.9)@板橋区立中央図書館

2023年11月08日 | イタリアの本・絵本・雑誌

「世界の書棚から」第18回『ドイツの絵本 ーイラストレーションシーンより』に行ってきました (2023.9.9)@板橋区立中央図書館

 

第17回のチェコに続き 第18回「世界の書棚から」はいよいよドイツです😊

ゲーテ・インスティテュート東京の図書館の方から ゲーテ・インスティテュートや図書館の紹介に続き ドイツの絵本をテーマとした展覧会 そしてイラストレーターの紹介をしていただきました 

ゲーテインスティテュートの翻訳出版助成 かけはし文学賞 ソーシャルトランスレーティング(1冊の本を十数か国語に訳す)等について また図書館にはドイツの絵本が200冊程あるそうです📖

ドイツのトロイスドルフ絵本美術館 クリングスポール美術館(オッフェンバッハ)  そしてブックフェアはライプツィヒ(春)とフランクフルト(秋)が有名ですね

研究所はブレーメン大学に絵本研究所があるとのこと

    *    *    *

次はアトリエ訪問です

講師の先生が今年の春ドイツにいらした際に わざわざアトリエを訪れてインタビューをしてくださった映像を2本 ご紹介いただきました🎥

1.  ボローニャ国際絵本原画展を主催するブックフェアの60回記念イラストを制作した アンドレ・レスラー(André Rösler)氏 のアトリエ・レミーゼ(カールスルーエの食肉加工場の跡地を使った)では3名のイラストレーターが働いており 今年(2023年)の板橋区立美術館の原画展のポスターのメインビジュアルもこの60回記念イラストが使われました 

ドイツの絵本は教育的なものと商業的なものが二極化しており 公共のイラストの仕事も手がけられています(カールスルーエの移民局や交通局の冊子のイラストなど)

大学のデザイン学部の教授として イラストレーターを目指す若者へのメッセージを述べていただき イラストの仕事は感情的な仕事でもあり テンションと自由さが大切であり イラスト市場が狭まる昨今多くのニッチを探すこと 作風を仕事によって変える人も多いこと 表現のための自由空間を作ることの大切さを述べられたことがとても印象深かったです 

 

2.  絵本『ルートヴィッヒとサイ』で同展に今年入選し  「ドイツの最も美しい本」も受賞した イラストレーターデュオ  ゴールデンコスモスのお2人

この「ゴールデンコスモス」という名前はとぁる本から取ったとのこと 20年来のパートナーでもあるお二人はドレスデン出身でベルリン在住 国際的なイラストの仕事と絵本の仕事を並行して手がけられており 短距離走とマラソンにたとえていらっしゃいました

特に アメリカやドイツの新聞にイラストを描く仕事の中で 特に締め切りはなんと6時間しかなく時間との闘いで 3枚のラフを提出してから残り3時間で完成させるという まるでレモンの汁を最後の一滴まで絞り出すようなご苦労があることを伺いました 新聞のイラストはまず最初に目にし そこから文章に入るので大切なのですね 

ルートヴィッヒとサイ(Ludwig und das Nashorn)』は10年間温めていたアイディアで 鉛筆でのストーリーボードを作者のノエミ・シュナイダー氏が気に入ってくださったとのこと ヴィトゲンシュタインの存在論をめぐる逸話を題材にしているそうです Krumulusというベルリンの書店では独り芝居のついた展覧会も行ったそうです 

また2人で作品を創る強みも色々伺いました 互いにアイディアを出し合い話し合いながら進められるのですね 

シルクスクリーンや ポップアップブックへのチャレンジも伺いました 

YOKAI NO SHIMA  日本の祝祭 ー 万物に宿る神々の仮装』のなまはげ等のイラストも手がけられました 

  ドイツの絵本の数々

 

    *    *    *

続いて ドイツで今注目のイラストレーターとその作品をご紹介いただきました:

ヴォルフ・エールブルッフ(Wolf Erlbruch) の『マイヤー夫人のしんぱいのたねは?(Frau Meier die Amsel.)』 この作家は2022年12月に亡くなりましたが 子どもに大人気の『うんちしたのはだれよ!』のイラストで有名です ← 私も読み聞かせの練習をしていていつか読みたいと思います📖

カトリン・シュタングル(Katrin Stangl)の『ハチドリ - 離陸のための詩(Funfzehn Kilo Kolibri.  Gedichte Zum Abheben)』 

ナディア・ブッデ(Nadia Budde)の『仕立て屋に行ったタコ(Krake beim Schneider)』は 韻を踏んでいるとのこと また『急いで何か選んで!(Such Dir Was Aus, Aber Beeil Dich!)』は子供時代の話だそうです

ヘニング・ワーゲンブレット(Henning Wagenbreth)の『逆行の国(Rückwärtsland)は 東ドイツ出身の作家で ドイツ語の綴りがさかさまになっていて面白かったです😊 

 ソーニャ・ダノウスキ(Sonja Danowski)の『スモンスモン(Smon Smon)』は 人間の記憶を残すためのイメージの活用がテーマとのこと 

ミーケ・シャイアー(Mieke Scheier)の『ちがうのを探してみよう(Passt nicht.  Ein Such-Buch)は まちがい探しの絵本ですね📖  また『これ全部仕事なの?(Alles Arbeit, oder was?!)』も面白い絵本ですが 『水がなければ何もできない!(Ohne Wasser geht nichts!)』は どんな用途に何リットルの水が使われ...というイラストが環境教育的でした😊

メラニー・ライブル(Melanie Laibl)の『スーパー・グリッター(Superglitzer)』はネオンカラーの絵本ですが スマホを置き忘れた森の中で 動物たちがそれをあれこれさわりますが とうとう宅配ピザが届いてしまい...( *´艸`) 

 

次は ブルガリアです

 

世界の書棚から」は こちら

 

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