保健福祉の現場から

感じるままに

健保解散、そして政管健保から協会けんぽに

2008年08月22日 | Weblog
「西濃運輸健保が解散、「高齢者」負担増に耐えきれず」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080821-OYT1T00410.htm)の記事が目にとまった。<以下引用>
<物流大手「セイノーホールディングス」(岐阜県大垣市)のグループ企業でつくる健康保険組合「西濃運輸健保組合」が、4月からの高齢者医療制度改革による負担増で、事業継続が困難になったとして、8月1日付で解散したことがわかった。同健保にはグループ31社の従業員と扶養家族計約5万7000人が加入していたが、社会保険庁が運営する政府管掌健康保険に移った。大規模な健保組合が倒産以外で解散するのは、極めて異例。西濃運輸健保によると、2007年度は75歳以上が対象の老人保健制度などに約36億円を支出したが、08年度は制度改革で、前期高齢者納付金や75歳以上の後期高齢者支援金が加わり、支出は総額で約58億円に上る見通しとなった。このため、保険料率を月収の8・1%から10%以上に引き上げることが必要となった。政府管掌健保の保険料率(8・2%)を上回ることから、今年3月に解散を決定。厚生労働相に解散認可を求め、7月末に許可が下りた。同社総務部は「健保の仕組みを維持する意義が見いだせなくなった」としている。全国の健保組合が加入する健康保険組合連合会によると、07年度は約7割の1056組合が赤字だったが、今年度は約9割の1334組合が赤字になる見通し。組合数も倒産や企業の合併、解散などで減少している。>

前期高齢者納付金や75歳以上の後期高齢者支援金だけではなく、被扶養者も含めた特定健診・保健指導にかかる財政負担もある。そういえば、「平成二十年度における政府等が管掌する健康保険の事業に係る国庫補助額の特例及び健康保険組合等による支援の特例措置等に関する法律」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/169t.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/169u.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/169v.pdf)による肩代わりは、この健保は関係ないのであろうか。先般、健康保険組合連合会から、「平成21 年度政府予算編成に関する見解」(http://www.kenporen.com/press/pdf/20080730185756-0.pdf)が出ていた。ところで、報道によると、約5万7千人が政府管掌健康保険に移るとされるが、今年度の特定健診・保健指導の受診券・利用券はどうなるのか、少々気にならないではない。そういえば以前、「政管健保の特定健診・保健指導」でブログ(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/511dcf94feaba93d89d586e3ca49beed)った。掲示板(http://www.wel.ne.jp/bbs/view/tokutei/new.html)からは、厳しい状況がうかがわれる(被保険者の電子データ送信と特定保健指導発行、被扶養者に対する健診受診券・保健指導利用券発行など)が、「政府管掌健康保険特定健康診査等実施計画 社会保険庁運営部医療保険課」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03g-1a.pdf)が、初年度から大きく外れるようであれば、さらに社会保険庁に対するイメージは悪化するかもしれない。政府管掌健康保険は、今年10月には「協会けんぽ」に切り替わる(http://www.sia.go.jp/kenpo/index.htm)ことになっているが、「社会保険庁時代に策定した計画だから」というシナリオになるのであろうか。市町村国保では、「特定健診・保健指導の実施に関するワーキンググループ」が特定健診・保健指導の実施状況の把握を行う(http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/dl/s0807-7b.pdf)とされるが、政管健保についてもできれば、協会けんぽに移行する前に特定健診・保健指導実績の中間報告を出してほしいところかもしれない。なお、報道では、「政府管掌健保の保険料率(8.2%)を上回ることから、今年3月に解散を決定」とされるが、協会けんぽでは、協会設立後、1年以内に、都道府県毎に地域の医療費を反映した保険料率が設定される(http://www.sia.go.jp/kenpo/qa01.htm#q05)ことになっている。保険料率の設定方法について、一般にはどれほど理解されているであろうか。
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