保健福祉の現場から

感じるままに

次世代型保健医療システムへの期待と不安

2016年12月02日 | Weblog
今年10月に出た「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会提言書」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000140201.html)は一読しておきたい。今後整備される「患者・国民を中心に保健医療情報をどこでも活用できるオープンな情報基盤 PeOPLe」が本当に良いものであれば、ICTを活用した「次世代型保健医療システム」が一挙に進むかもしれない。個人単位で、医療レセプト、介護レセプト、特定健診、乳幼児健診、予防接種等が結びつく意義は大きい。しかし、昨年9月に会計検査院「「レセプト情報・特定健診等情報データベースシステムにおける収集・保存データの不突合の状況等について」」(http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/27/h270904.html)(http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/27/pdf/270904_zenbun_01.pdf)が出ていたように、個人情報の突合は容易ではないかもしれない。セキュリティに関する不安も大きいように感じる。マイナンバー制度(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062603.html)に関して、「医療等分野におけるマイナンバーの利用拡充」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077884.pdf)も順調に進んでいるのか、気になるところである。そういえば、厚生労働省「在宅医療の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/)の「地域における在宅医療・介護連携を進めるために~市町村主体で、医師会と連携して在宅医療介護連携ICTシステムを整備するための考え方と進め方~」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/h25_0509-01.pdf)p5「コンピュータを用いたICTが必ずしも前提ではない。人と人とのつながりがある前提で、パソコンやタブレット端末等のコンピュータを活用した「在宅医療介護連携ICTシステム」が存在する。」とあった。人と人とのつながりがないICT連携ではいけない。地道な医療連携、医療介護連携、保健医療連携、データヘルス、地域包括ケアなどの取り組みこそが重要であろう。それ以前に、住民への普及啓発が欠かせないように感じる。ともあれ、ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の行方には注目である。
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自治体でのアレルギー疾患対策

2016年12月02日 | Weblog
NHK「アレルギー対策 初の基本指針」(http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20161202/4675241.html)。<以下引用>
<ぜんそくや花粉症などアレルギー疾患の患者が急増するなか、厚生労働省は、地域ごとに専門的な治療をおこなう「拠点病院」の整備や、患者の相談支援にあたる体制の充実などを盛り込んだアレルギー対策の基本指針を、初めて取りまとめました。アレルギー疾患は、この10年ほどで急増し、厚生労働省によりますと国民の2人に1人がかかっていると推計されています。しかし、専門の医師が不足していることから、適切な治療が受けられず、重症化する患者が後を絶たないことが問題となっています。このため厚生労働省の協議会は「ぜんそく」と「アトピー性皮膚炎」「花粉症」「鼻炎」「食物アレルギー」それに「結膜炎」の6つのアレルギー疾患について、2日対策の基本指針を初めて取りまとめました。それによりますと、地域ごとに専門性の高い医師を配置した「拠点病院」やかかりつけ医と連携して適切な医療を提供できる体制を整備するとともに、予防や治療の先進的な研究を進めるとしています。また、インターネット上に科学的な根拠が明らかとはいえない治療などの情報があふれているとして、患者と医療関係者向けにホームページを作成し、最新の研究成果などの情報を提供するほか、患者の相談に応じる専門窓口を医療機関などに設置して支援体制を充実させるとしています。厚生労働省は「アレルギー疾患は長期間、症状に苦しめられることが多く生活への影響も大きい。今後は自治体などと連携して患者が安心して生活できる体制を整備したい」と話しています。関東地方に住む荻野美和子さん(38)は、生まれてすぐにアトピー性皮膚炎と診断され、炎症を抑える効果のあるステロイドを含む軟こうを塗って症状を抑えてきました。しかし、就職活動をしていた大学4年生の頃に皮膚の炎症が悪化し始めたため、荻野さんはステロイドが効かなくなったのではないかと考えたといいます。そしてホームページで、ステロイドを一切使わずにアトピーを治せるとうたった医療機関を受診したということです。荻野さんは、そこで処方された薬を飲み、勧められたお茶を飲み入浴剤も使いましたが、症状は改善しませんでした。それどころか、炎症は顔や手足を中心に全身に広がり、かゆみが止まらなくなったということです。荻野さんは体中かきむしってしまうため傷が絶えなくなり、誰にも会いたくないと家に閉じこもるようになって、企業から得た就職の内定も辞退したということです。それから5年後、荻野さんは27歳の頃に家族の強い勧めで、都内の医療機関に8日間入院し、ステロイドを使った集中的な治療を受けたところ、皮膚の状態は劇的に改善したということです。そして今は、結婚して2人の娘を産み、育児をしながらエアロビクスの講師をしているということです。荻野さんは「今は普通の生活を送ることができるようになったが、アトピーが悪化していた時は、ステロイドを使わなくても治るという医師の言葉を信じて大切な20代の5年半が暗いものになってしまった。誰もが適切な治療を受けられるような体制を整備してほしい」と話しています。アレルギー疾患の対策を検討している厚生労働省の委員会は、平成17年にまとめた報告書で「全人口の3人に1人が何らかのアレルギーを患っていると考えられる」と指摘していました。その後、患者が増加し続け、平成23年の報告書では「全人口の2人に1人」と推計を見直しました。このうちぜんそくの患者は、少なくともおよそ800万人と推計しています。花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、国民の40%以上が患っていて、今後も増えると予想されています。また、アトピー性皮膚炎は、国民のおよそ1割が発症しているほか、食物アレルギーについては、0歳児全体の最大で10%が何らかの食べ物のアレルギーがあると指摘しています。>
 
アレルギー疾患対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-Allergy.html?tid=327078)の資料が出ればみておきたい。資料「アレルギー疾患対策に関する状況の調査(結果報告)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/201606214.pdf)では、アレルギー疾患対策基本法に定められた、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーのうち、何らかの対策を講じている自治体は、0疾患37.7%、1疾患40.6%とまだまだ低調である。全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126469.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/857KB_4.pdf)p53にあるように、アレルギー疾患対策基本法では「第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、アレルギー疾患対策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めなければならない。」「第十三条 都道府県は、アレルギー疾患対策基本指針に即するとともに、当該都道府県におけるアレルギー疾患を有する者に対するアレルギー疾患医療の提供の状況、生活の質の維持向上のための支援の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるアレルギー疾患対策の推進に関する計画を策定することができる。」と規定されているが、自治体で取り組まれなければ意味がない。アレルギー相談センター(https://www.immune.jp/allergy/consults/)では自治体の計画や取り組み状況が公開されてもよいかもしれない。なお、「食物アレルギー」対策は、学校・保育現場のほか、旅館・飲食店等でも対策が必要と感じる。全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078305.html)の資料p65「リウマチ・アレルギー特別対策事業」にある「⑤ エピペン講習」(http://www.epipen.jp/teacher/)は学校保健で取り組まれており、学校保健会「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(http://www.gakkohoken.jp/modules/books/index.php?fct=photo&p=51)、「学校のアレルギー疾患に対する取り組みQ&A」(http://www.gakkohoken.jp/modules/pico/index.php?content_id=40)は知っておきたい。
 
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ニコチン依存症管理料と敷地内禁煙

2016年12月01日 | Weblog
徳島新聞「医師や職員 隠れ喫煙常態化 県立中央病院」(http://www.topics.or.jp/localNews/news/2016/11/2016_14804759054288.html)。<以下引用>
<2005年4月から敷地内禁煙を義務付けている徳島県立中央病院(徳島市)で、医師や職員が敷地内で隠れて喫煙していたことが29日、病院などへの取材で分かった。病院は常態化していた職員らの敷地内喫煙を黙認していた。病院などによると、医師らが喫煙していたのは敷地西側の徳島大学病院との境界近くにある倉庫の裏側。周辺は職員以外の往来はほとんどない場所で、缶に穴を開けた灰皿が置かれ、複数の医師や職員が喫煙場所として利用していた。県民から通報を受けた県病院局が22日、病院に連絡し、病院は24日に灰皿を撤去した。病院幹部によると「以前から職員らの敷地内喫煙は把握していた」と事実を認めたが、指導や注意喚起などは行わず、「患者らに迷惑が掛かりにくい場所だった」という理由で黙認していた。病院は29日、幹部らでつくる調査委を発足させ、今後、医師や職員への聞き取りを行いながら、いつから、どれくらいの人数が喫煙していたかを調べ、再発防止に向けた対策を検討する。竹田伸也事務局長は「誠に申し訳なく思う。職員らへの周知徹底を行い、再発防止に努める」と話した。中央病院は05年4月、受動喫煙を防ぎ、患者や来院者の健康を守ろうと、県内の公立病院では初めて敷地内禁煙を導入した。医療機関の敷地内禁煙に関する論文もある金沢医科大の中島素子教授(公衆衛生看護学)は「患者らの健康を守る立場の医療従事者が敷地内で喫煙していたのは残念だ。職種を超えて再発防止に取り組む必要がある」と話した。>
 
診療報酬のB001-3-2 ニコチン依存症管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1/b001-3-2.html)の施設基準(http://www.nosmoke55.jp/nicotine/index.html)には「敷地内が禁煙である。なお、保険医療機関が建造物の一部分を用いて開設されている場合は、当該保険医療機関の保有又は借用している部分が禁煙であること。」の要件があり、施設基準に係る届出書添付書類(http://osaka-hk.org/pdf/t_4.pdf)の届出がある。医療機関届出情報(地方厚生局)検索(http://caremap.jp/cities/search/facility)の「ニコ(ニコチン依存症管理料)」をみれば、どの医療機関がニコチン依存症管理料を算定しているかわかる。受動喫煙防止対策強化検討チームワーキンググループ公開ヒアリング(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000140821.html)が行われており、厚労省「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000140971.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000140972.pdf)の行方が注目される。「美唄市受動喫煙防止条例」(http://www.city.bibai.hokkaido.jp/jyumin/docs/2015121700027/)、兵庫県「受動喫煙の防止等に関する条例」(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/judoukitsuen_jourei.html)、「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6955/p23021.html)が出ており、検証も必要であろうが、その前に、厚労省をはじめ、官公庁の敷地内禁煙はどうなっているであろうか。そういえば「厚労省庁舎の喫煙所利用停止時間を設定」(保健衛生ニュース平成28年11月14日号)と報道されていた。
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地域緩和ケアが喫緊の課題

2016年12月01日 | Weblog
キャリアブレイン「がん緩和ケア、拠点病院以外の実態把握を- 厚労省検討会が整理案を大筋了承」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50097.html)。<以下引用>
<厚生労働省の「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」(座長=福井次矢・聖路加国際病院長)は、これまでの議論の整理案を大筋で了承した。整理案では、がん診療連携拠点病院(拠点病院)以外の病院での緩和ケアをさらに充実させる必要があるため、そこでどのような緩和ケアが提供されているか、まず実態などを把握することを求めている。厚労省によると、拠点病院以外の病院でがんの入院治療を受ける患者は約4割いるが、そこでの緩和ケアの実施状況について、国は十分に把握していないのが実情だという。こうした状況を踏まえ、整理案では、拠点病院以外の病院での緩和ケアの提供をさらに充実させるため、そこでの緩和ケアの実態や患者のニーズを各都道府県が把握する必要性を指摘。実態の把握などで明らかになった課題を踏まえて、緩和ケアの提供体制を充実させるべきだとした。また、医師の不足により、患者の疼痛や嘔吐などを和らげる「緩和ケアチーム」の設置が難しい病院では、研修などを通じて緩和ケアの質の向上や提供体制の充実を図るべきだとした。さらに、拠点病院とその二次医療圏の医療機関が参加する「地域緩和ケア連携協議会」(仮称)を開催する必要性も強調。その協議会で、「地域におけるがん医療の状況を把握するとともに、地域の実情に応じた緩和ケアの提供体制について協議する場などを検討すべき」とした。■苦痛スクリーニング、院内でノウハウ共有を がんに伴う患者の苦痛を拾い上げて専門的な緩和ケアにつなげる「スクリーニング」に関しては、拠点病院でも外来化学療法室などの限定された部署で実施されているケースが多いなど、がん診療に携わる医療者への普及が進んでいないことを問題視。今後は、がん診療にかかわる病院でスクリーニングについて周知した上で、がん診療にかかわる医療者が患者やその家族と話し合い、対応できる体制の整備を求めた。また、病院全体でスクリーニングのための人員確保や実施マニュアル作成によるノウハウの共有、苦痛への対応方法の研究などに取り組むべきだとした。■緩和ケア研修、拠点病院は積極的に受講勧奨を 整理案では、がん診療に携わる医師を対象にした緩和ケア研修会に関する取り組みも示された。2015年9月時点で、拠点病院に勤めるがん患者の主治医や担当医が緩和ケア研修会を受講した割合は5割未満で、拠点病院以外の病院の医療従事者の受講率も低いことから、「より一層の受講率向上が求められる」と強調。今後の対策として、拠点病院の負担を軽減するために複数の拠点病院が共同で研修会を開催できるような仕組みにすべきとした。また、拠点病院が二次医療圏の拠点病院以外の病院に積極的な受講勧奨をし、基本的な緩和ケアを実践できる人材の育成に努める必要があるとした。>
 
「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=355813)の資料が出ればみておきたい。今年9月の総務省「がん対策に関する行政評価・監視-がんの早期発見、診療体制及び緩和ケアを中心として-<結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107650.html)(http://www.soumu.go.jp/main_content/000441365.pdf)のp45「がん診療に携わる全ての医師に対する緩和ケア研修の受講促進」が出ていたが、医師だけではいけない。訪問看護ステーション連絡協議会の実績報告書をみれば、がんによる訪問看護が多くなっていることがわかる。厚労省「緩和ケア提供体制(拠点病院以外の一般病院)について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000131542.pdf)p4現状「拠点病院等の専門的緩和ケア(緩和ケアチーム、緩和ケア外来等)の提供体制が、地域緩和ケアにおいて整備されていない。また整備されていても十分活用されていない。地域緩和ケアを担う施設(病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーション、緩和ケア病棟等)に関する情報が医療機関間で十分に集約・共有されておらず、また患者・家族のみならず、医療従事者に対しても情報提供が十分になされていない。地域緩和ケアを担うスタッフ(地域の医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師等の医療従事者、社会福祉士、介護・福祉従事者等)の人員が不足しており、また、診療・ケアの質が十分に担保されていない。」では全然ダメである。がん、在宅医療は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱でもあるが、がん対策推進計画(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000131547.pdf)との一体的な推進が欠かせない。介護保険の特定疾病(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)には、末期がんも含まれていることも認識しなければならない。がん対策基本法改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)第10条7項の計画期間が5年から6年に変わる意義は大きい。平成30年度からの第7次医療計画(6年間)、第7期介護保険事業計画(3年間)、第3期医療費適正化計画(6年間)等と揃うことになるからである。「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p55「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」を打ち出すのであれば、チームによる地域緩和ケアを地域包括ケアシステム(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/)に組み込むべきである。
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認知症の増加と認知症施策

2016年12月01日 | Weblog
毎日新聞「沖縄県内高齢者 要介護の9割に認知症状 8年連続増」(http://mainichi.jp/articles/20161201/rky/00m/040/002000c)。<以下引用>
<2015年度末現在で要介護認定を受けている県内の65歳以上高齢者5万6244人のうち、88.8%に当たる4万9937人に何らかの認知症の症状が見られ、高齢者全体の約5.7人に1人(約17.5%)に上ることが県高齢者福祉介護課のまとめで分かった。認定者数に対する何らかの症状を持つ高齢者の割合は過去8年間で伸び続けており、施策の推進が求められる状況となっている。 3月末現在、「認知高齢者の日常生活自立度」で何らかの認知症症状が見られる「ランク1」以上と判定されたのは4万9937人。そのうち何らかの支援が必要とされる「ランク2」から一時的な精神状態の悪化で専門医を受診する必要がある「ランクM」までの高齢者は3万8628人で、認定者の68.7%を占めている。 要介護認定者数に対する「ランク1」以上の割合を年度別で見ると、08年度84.9%、09年度87.1%、10.11年度87.2%、12年度87.3%、13年度87.4%、14年度88.4%となり、年々増加していることが分かる。同課担当者は「高齢化に伴い増加していると考えられる」と説明した。>
 
認知症に関する評価は、3年ごとに全国の市町村が実施している「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-2.pdf)も活用したい。地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)に「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138618.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138620.pdf)が再び組み込まれる意義は大きい。また、それぞれの市町村において、認知症による医療保護入院の状況を認識しておきたい。それには保健所運営協議会の資料等で、「器質性精神障害(http://health.goo.ne.jp/medical/10410100)による医療保護入院」をみればよい。全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000115521.html)の「若年性認知症施策総合推進事業実施状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115513.pdf)、「都道府県別認知症疾患医療センターの整備状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115512.pdf)、「平成27年度認知症初期集中支援チーム配置予定市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115503.pdf)、「平成26年度認知症カフェ設置市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115506.pdf)、「平成26年度市民後見推進事業実施市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115509.pdf)、「平成27年度権利擁護人材育成事業実施予定市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115510.pdf)、「各都道府県における「成年後見制度利用支援事業」実施状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115511.pdf)、「平成27年度認知症地域支援推進員配置予定市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115504.pdf)、「都道府県別キャラバン・メイト数、認知症サポーター数(自治体型)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115507.pdf)をみれば、認知症対策の取組格差が非常に大きいことがわかる。例えば、「保険者データヘルス全数調査」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/dhcs28/)の結果が日本健康会議データマッピング(http://kenkokaigi-data.jp/datamap/)に、介護保険でも同様の見える化(都道府県や市町村ごとの実施状況の公表)があってもよいように感じる。地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)では、「総合事業による週1回以上の通いの場の参加率」「在宅医療・介護連携推進事業の実施状況」が市町村ごとに出ているが、認知症対策事業の実施状況も公表すべきと感じる。全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000115521.html)の資料「介護サービス情報公表制度の活用等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115405_1.pdf)にあるように、介護保険法改正で「市町村は地域包括支援センターと生活支援等サービスの情報を公表するよう努めなければならない」と規定され、昨年10月から、介護サービス情報公表システムを活用して公表できるようになった。厚労省の介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.jp/)による生活関連情報の公表項目(http://www.kaigokensaku.jp/publish_seikatsu/)には、見守り・安否確認、配食(+見守り)、家事援助、交流の場・通いの場、介護者支援、外出支援、多機能型拠点などがあり、市町村ごとに取り組み状況が公表されていることになっているが、入力されていない自治体が少なくない。いくら法改正し、莫大な予算で全国レベルの公表システムが構築されても、各自治体で取り組み・入力されなければ全く意味がない。それにしても、平成29年3月12日施行の改正道路交通法(https://www.pref.shizuoka.jp/police/anzen/jiko/kotsuho/documents/koreitaisaku.pdf)の普及徹底が急務と感じる。認知症診断で運転免許がなくなる高齢者の支援充実や介護予防の充実も不可欠であろう。「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138618.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138620.pdf)によるそれぞれの地域における生活支援リスク、フレイルリスクの評価はどれほど行われているであろうか。
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療養病床の転換

2016年12月01日 | Weblog
メディウォッチ「介護療養などの新たな転換先、転換準備期間と新設制限期間が争点に―社保審・療養病床特別部会」(http://www.medwatch.jp/?p=11415)。<以下引用>
<介護療養病床や介護配置4対1などを満たさない医療療養病床などの新たな転換先(新類型)の創設に向けた議論が煮詰まってきました。新類型の施設要件や人員配置要件の詳細などについては大枠で合意されつつあり、残る争点は専ら「転換準備期間をどの程度(3年あるいは6年)に設定するべきか」、「新設や一般病床などから転換を制限する期間をどの程度に設定するべきか」の2点に絞られたと言ってよいでしょう。新類型、医療・介護・住まいの機能を兼ね備える 11月30日に開催された社会保障審議会の「療養病床の在り方等に関する特別部会」では、これまでの議論を踏まえた「議論の整理案」が厚生労働省から提示されました。大枠は10月26日に示された素案を踏まえた内容です。まず新類型(医療内包型)は、▼現在の介護療養病床が持つ「日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れ」「看取り・ターミナル」などの機能▼入院生活が長期にわたり、実質的に生活の場になっている実態を踏まえた「生活施設」としての機能―を兼ね備えた「新たな介護保険施設」(特別養護老人ホーム、老人保健施設に続くもの)となります。介護保険施設であることから、「補足給付」(低所得者に対する居住費負担を補填する給付)の対象となる見込みです。主な入所者像に応じて、(1)介護療養の療養機能強化型ABに相当する人が入所する「介護療養病床相当」の施設【I型】(2)(1)よりも比較的容体が安定した人が入所する「老人保健施設相当以上」の施設【II型】―の2つに区分されます。介護報酬や施設要件(床面積や構造設備など)・人員配置要件(看護、介護配置など)の詳細は今後、社会保障審議会の介護給付費分科会で議論されますが、床面積について厚労省は「1室当たり定員4名以下、かつ、入所者1人当たり8平米以上」とすることが適当であるとの原則を打ち出しました。ただし、多床室の場合でも▼家具▼パーテーション―などで間仕切りをするなどし、プライバシーに配慮した療養環境を整備すべきことを述べています。さらに、▼個室などの生活環境を改善する取り組み▼身体抑制廃止の取り組み―などを推進するために、これらの適切な評価を検討すべきとも指摘しています。また、より多様な選択肢を用意することが「介護療養病床などからの転換」を円滑に進めることになるため、医療機関と居住スペースとの併設(医療外付け型)が可能なことも明確にされる見込みです。転換準備期間、3年とすべきか6年とすべきか ところで、新類型の介護報酬設定は早くても2018年度の介護報酬改定時となります(報酬の告示は2018年2月頃の見込み)。一方、介護療養病床などの設置根拠(介護保険法の経過措置など)は2017年度末(2018年3月末)で切れるため、何の規定も置かなければ「2か月弱」で転換方針を決め、必要な準備(例えば人員確保など)をしなければいけないことになります。これはあまりに非現実的なスケジュールであることから、「転換に向けた準備期間」(各種の報酬を比較しどこに転換するかを検討する時間や、人員確保などの時間)を一定程度確保する必要があります。この期間をどの程度にすべきかについて、現在▼3年間(介護保険事業計画の対象期間)▼6年間(介護保険事業計画2期分、次の同時改定までの期間)―の2案が浮上しています。また看護配置4対1などの基準を満たさない医療療養病床(介護療養と同じく2018年3月で設置根拠が切れる)についても、厚労省医政局総務課の中村博治課長は「20対1医療療養への移行や新類型への転換などに向けた準備期間を設定する必要がある」と説明しています。前者の3年間を提唱する白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は、「現在の介護療養病床に大きな影響が出るような報酬設定などは行われないと考えられる。1-2年で転換計画を出してもらい、3年目に転換してもらえば十分ではないか」との考えを示しました。また同じく費用負担者代表である小林剛委員(全国健康保険協会理事長)も早期の転換が必要とし、「早期に転換するほど大きな恩恵を受けられるようなインセンティブを検討してはどうか」とも提案しています。一方、医療提供者の委員である鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)や武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)、加納繁照委員(日本医療法人協会会長)、松本隆利委員(日本病院会理事・社会医療法人財団新和会理事長)らは、十分な準備期間が必要として「6年の転換準備期間」を強く求めています。なお、この問題について土居丈朗委員(慶應義塾大学経済学部教授)は、「どの程度の転換準備期間が必要かは『介護報酬』決定(前述のように2018年2月)まで明確にならない(仮に現行の介護療養から大きく変わるのであれば長期間の準備期間が必要だが、大きな変化がないのであれば短期間でもよいと判断できる)が、一方で移行期間は介護保険法改正案に明確に規定しなければならない」と、この問題の難しさを強調しています。一般病床などからの転換制限期間、どの程度に設定するべきか 新類型は、「介護療養病床などかの転換先」として議論されていますが、その過程で「医療、介護、住まい」の3機能を持った新たな施設類型は、今後の高齢化の進展を考えたときに「非常に魅力的」(田中滋委員:慶應義塾大学名誉教授)とし、一般病床などからの転換や、新設も認めるべきではないかとの要望が出ています。この点「介護療養病床などからの転換に限定すべき」との意見もありましたが、議論の中で「限定はせず、一般病床からの転換や新設も認めてよい」との方向で収束しつつあります。この背景には、「新類型は介護保険法の本則に規定する予定であり、恒久的な施設となるため、限定はできない」という点もあります。一方で「新設などを認めてもよいが、『法律上の設置根拠がなくなる介護療養病床など』からの転換を優先する」という点でも委員間で合意があると考えられます。つまり「一般病床からの転換や新設は一定期間に限り認めない(転換制限)」という合意が一定程度できており、議論の争点は「転換制限の期間をどの程度に設定するべきか」というところに移っているのです。この点について鈴木邦彦委員らは「転換準備期間と同じく6年間とすべき」と主張していますが、岩村正彦委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は「過度の制限は憲法22条第1項の『営業の自由』に抵触する可能性もあり、3年程度が限界ではないか」との考えを示しています。厚労省保険局医療介護連携政策課の黒田秀郎課長は「転換準備期間と転換制限期間は独立した論点である」と説明しており、両期間は必ずしも一致させる必要はないようです。また、厚労省大臣官房の濵谷浩樹審議官(医療介護連携担当)(医政局、老健局併任)は「転換制限期間を法律に書くことはできず、介護保険事業計画の『総量規制』の中で対応することになる」と説明しています。介護療養病床からの転換では、後述するように「大規模修繕までは6.4平米・4人部屋」が維持される見込みです。すると大多数の新類型で「個室の施設」はないことになります。この点について岩村委員は「利用者負担を考えなければ、個室を望むと思う。私も高齢になれば個室を希望する。転換制限期間を長くすれば、個室施設の新設ができず、利用者のニーズを阻害してしまう点も考慮すべき」とコメントしています。生活機能を重視すれば「個室」が望ましいが、円滑な転換のためにどう考えるか 介護療養病床などからの転換を円滑に進めるためには、できるだけ「大きな変更」(とくに建物の構造)をしないことが求められます。部会でも鈴木邦彦委員や武久委員の要望を受け、厚労省は「6.4平米・4人部屋」の存続を大規模修繕まで認めることなどを、今後、介護給付費分科会で議論していく方針を示しています。鈴木邦彦委員らはさらに、大都市部では容積率基準が厳しいことから▼サテライト型を認める▼大規模修繕後も6.4平米・4人部屋を特例的に認める―ことなどを求めています。こうした指摘に理解を示す委員も少なくありませんが、岩村委員や井上由起子委員(日本社会事業大学専門職大学院教授)らは「新類型は『生活機能』を重視するのであるから、個室を目指すべきであり、大都市の特例は認めるべきではない」と反対しています。特別部会ではこうした争点について最終的な調整を行い、12月上旬の次回会合で意見(議論の整理)を取りまとめる予定です。>

療養病床の在り方等に関する特別部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=353786)の議論の整理案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000144537.pdf)が出ているのであるが、人員配置基準、施設基準、報酬(介護、医療)、経過措置期間がはっきりしないと、具体的な検討が進まないように感じる。医療療養から新施設への移行が進めば、当然、介護保険事業計画に影響する。厚労省「第6期計画期間・平成37年度等における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000083954.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12303500-Roukenkyoku-Kaigohokenkeikakuka/shuukei.pdf)が出ていたが、見直しが必要であろう。ところで、高齢者医療確保法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S57/S57HO080.html)第14条「厚生労働大臣は、第十二条第三項の評価の結果、第八条第四項第二号及び各都道府県における第九条第三項第二号に掲げる目標を達成し、医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内における診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる。」が実際に運用されれば非常に大きい感じがする。果たして、保健医療の現場ではどれほど認識されているであろうか。
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医療・介護の負担増と見える化の徹底

2016年12月01日 | Weblog
メディウォッチ「70歳以上の高額療養費、住民税非課税世帯でも引き上げるべきか―社保審・医療保険部会」(http://www.medwatch.jp/?p=11405)。<以下引用>
<2017年の医療保険改革に向けて、厚生労働省は30日に開催した社会保障審議会・医療保険部会に見直しの方向性を提案しました。例えば70歳以上高齢者の高額療養費について、現役並み所得世帯の月額自己負担上限を69歳未満と同じく設定した上で、(案1)一般所得区分世帯で外来特例を廃止し、かつ住民税非課税世帯の外来特例上限を引き上げる(案2)一般所得区分世帯で外来特例は維持するが上限額を引き上げ、住民税非課税世帯では現状を維持する―という2つの案が示されています。委員の意見も分かれており、年末にかけて最終的な調整が行われます。70歳以上の高額療養費、高額所得者は月額上限を引き上げ 厚労省が提示した2017年の医療保険改革に向けた方向性を眺めてみましょう。「世代間・世代内の負担の公平化」が重要なキーワードになっています。なお厚労省提案は「法改正不要」な範囲にとどまっています。まず高額療養費については、次の2案が示されました。【案1】現役並み所得世帯の月額自己負担上限を69歳以上と同じに設定する。一般所得区分の外来特例を廃止し、月額自己負担上限を69歳以上と同じに設定する。住民税非課税世帯で外来特例を維持するが、月額自己負担上限を引き上げる【案2】現役並み所得世帯の月額自己負担上限を69歳以上と同じに設定する。一般所得区分の外来特例は維持するが、月額自己負担上限を引き上げる。住民税非課税世帯で現状を維持する いずれの提案も、「所得の高い高齢者には応分の負担を求める」との考えに立っており、【案1】はより「負担の公平」を目指すもの、【案2】は高齢者に配慮したものと言えます。なお、厚労省保険局総務課の城克文課長は「激変緩和を避けるために、2段階での導入をしてはどうか」との考えも示しています。来年(2017年)8月から月額自己負担上限の金額のみを変更し(第1段階)、再来年(2018年)8月から所得区分の見直しと外来特例の廃止を行う(第2段階)というものです。また、両案ともに「現役並み所得」相当世帯で月額自己負担上限を引き上げる(69歳以下の世代と同じくする)方針ですが、その対象者は約30万人と推計されています。医療保険部会では、主に費用を負担する側の委員(白川修二委員:健康保険組合連合会副会長、小林剛委員:全国健康保険協会理事長、望月篤委員:日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会長、藤井隆太委員:日本商工会議所社会保障専門委員会委員ら)や岩村正彦部会長代理(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、「世代間の負担の公平を図る必要がある」「年齢ではなく能力に応じた負担に移行する必要がある」とし、【案1】を支持する見解を明らかにしました。一方、兼子久委員(全国老人クラブ連合会理事)や遠藤秀樹委員(日本歯科医師会常務理事)、菊池令子委員(日本看護協会副会長)らは、「住民税非課税世帯に負担増を求めるのはいかが」とし、仮に高額療養費を見直すとしても【案2】とすべきとの考えを示しています。また後期高齢者医療制度を運営する横尾俊彦委員(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長、佐賀県多久市町)は、激変緩和を避けるために、「第1段階(2017年8月から)は【案2】とし、第2段階(2018年8月)から【案1】に移行してはどうか」との提案も行いました。このテーマについては、「住民税非課税世帯」に負担増を求めるかどうかが大きな論点になります。医療保険部会では【案1】を推す意見が想定程度見られましたが、低所得者世帯の負担増には批判も強いと考えられ、今後の調整が注目されます。なおこれに関連して城総務課長は、高額介護合算療養費制度の見直しも提案しています。医療区分2・3の療養病床入所者(65歳以上)にも光熱水費負担を求める 医療機関に入院する患者に居住費(光熱水費)を負担してもらうべきかという論点について、厚労省は、65歳以上で療養病床に入院する▼医療区分1の患者について、現在の光熱水費負担1日320円を、来年(2017年)10月から370円に引き下げる▼医療区分2と3の患者について、光熱水費として新たに来年(2017年)10月から200円、2018年4月から370円の負担を求める―ことを提案しています。ただし難病患者については、光熱水費負担は求めません(関連記事はこちらとこちら)。この提案に対し、新谷信幸委員(日本労働組合総連合階副事務局長)や松原謙二委員(日本医師会副会長)は「医療区分2と3は医療費の必要性が高く入院している人で、光熱水費負担を求めるべきではない」と反対。一方、白川委員は「療養病床だけでなく、一般病床にも長期入院患者は少なからずいる。そういった人にも光熱水費負担を求めるべきである」と厚労省に提案しています。介護保険では、施設入所者に光熱水費負担を求めていますが、これは「居住」者に応分の負担を求めるという考えに立つものと言えます。医療保険の病床に入院する患者に、「居住」者としての負担を求めるべきか、年末に向けた最終調整を待つ必要があります。子ども医療費の助成に基づく国庫負担減額、どこまで見直すべきか 子どもの医療費(患者自己負担)を助成する市町村が圧倒的多数ですが、患者自己負担の減免は、医療費の増加を招くことが知られています(長瀬効果)。このため厚労省は「市町村が独自の判断で子ども医療費の助成(現物給付)を行った場合、増加する医療費を国民全体で負担することは不合理であり、国庫負担を減額する」措置を取っています。この減額措置が「少子化対策に逆行する」との指摘があることから、厚労省は今般、次の2つの見直し案を提示しました。いずれも減額措置の範囲を縮小するものです。【案1】未就学児までの医療費助成を対象として減額措置を見直す【案2】未就学児までの医療費助成を対象として減額措置を見直すが、「何らかの一部負担金」や「所得制限」を設けている場合に限定する 都道府県や市町村を代表する委員・参考人は、少子化対策の重要性や住民ニーズの大きさを訴え、【案1】【案2】以外の「年齢制限を設けずに、医療費助成の減額を見直す」ことが妥当としています。厚労省の調査によれば、【案2】の対象となる(つまり減額措置が見直される)自治体は24-27%程度となるため、渡邊廣吉委員(全国町村会行政委員会委員、新潟県聖籠町長)は「自治体間で不公平が生じてしまう。制限を設けるべきではない」と強く主張しています。これに対し白川委員らは「全国一律に行われている医療費助成は『未就学児まで』を対象としたものであり、年齢制限は公平性に資する」旨の考えを述べたほか、「例えば年収2000万円の世帯に対し、子どもだからといって医療費を助成するべきであろうか。【案2】の対象市町村は限定されているが、逆に市町村側が【案2】の方向にシフトしていくべきである」と反論しています。後期高齢者の保険料、軽減措置をどこまで見直すべきか また現在、毎年の予算措置で行われている「後期高齢者に対する保険料負担の軽減措置」についても、次のような見直し案が提示されました。【案1】所得割の5割軽減措置を来年度(2017年度)から本則に戻し(廃止)、均等割の9割・8.5割軽減措置を来年度から段階的に本則に戻していく(新規に後期高齢者となる人では軽減措置は適用せず) 【案2】所得割の5割軽減措置を来年度(2017年度)から本則に戻すが、均等割の軽減措置については「介護保険料軽減の拡充」「年金生活者支援給付金の支給」と合わせて実施する(現段階では軽減措置を維持する)このテーマについては社会保障制度改革推進本部による「医療保険制度改革骨子」で「介護保険料軽減の拡充」「年金生活者支援給付金の支給」と合わせて実施することが明確に支持されていることから、【案2】のほうが有力な選択肢と言えるかもしれません。このほか医療保険部会では、(1)かかりつけ医以外を受診した場合の別途定額負担の導入(2)スイッチOTC化された医薬品の保険償還率見直し(3)金融資産を考慮した負担のあり方―についても議論されましたが、城総務支持については「引き続きの検討課題」と位置づけるにとどめました。なお、(1)は外来の機能分化を目指すものとされており、今後「選定療養による定額負担」(特定機能病院や一般病床500床以上の地域医療支援病院など)の対象見直しなどを含めて、幅広く議論していくことになっています。なお、任意継続被保険者制度(健康保険の被保険者が、退職後も自らの選択で、最大2年間、従前の健康保険に加入できる仕組み)について白川委員から見直しを求める強い要望が出ていました。しかし厚労省は「短時間労働者の適用拡大(3年後)と合わせて議論すべき」とするにとどめました。白川委員は「就労者は被用者保険に、それ以外は国保にという流れに逆らう」として、強い不満を述べています。>
 
医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126706)で「各事項の見直しの方向性について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000144392.pdf)が出た。高額療養費制度の見直し、保険料軽減特例の見直し、入院時の光熱水費相当額に係る患者負担の見直し等、負担増が目立つ。医療だけではない。高額介護合算療養費制度(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-29.html)の見直しだけではなく、介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)で利用者負担(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000143988.pdf)の見直しが検討されている。介護納付金のあり方(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000143989.pdf)も注目である。おそらく負担増に対するクレームは避けられないであろうが、医療費適正化、介護給付費適正化につなげる必要がある。そのためには、徹底した医療保険と介護保険の見える化の徹底が不可欠と感じる。国レベル、都道府県レベルの見える化では自分たちのこととしての認識が弱くなり、不十分であろう。地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)によって、保険者ごとの介護保険に関する様々な見える化が進められている。一方、第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)は都道府県単位どまりである。また、厚労省「在宅医療の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)の「在宅医療にかかる地域別データ集」では市町村別の居宅死亡割合や施設死亡割合をはじめ、在宅医療に関する市町村別の各種データが出ているのであるが、なぜかレセプト分析データは除外されている。医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データは詳細に出ているが、平成27年7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」、平成28年9月14日医政局地域医療計画課事務連絡「医療計画作成支援データブック【平成27年度版】の利用について」では、医療計画作成支援データブックのNDB分析データの活用は医療計画・地域医療構想関係者に限定され、NDB分析データ(生データではない!)の活用には「国が定める誓約書」による厳格な規制がかかっており、地域包括ケアを担当する行政職員すら閲覧できないでいる。官邸資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai2/siryou8.pdf)p5の工程表では「産官学が多様な⽬的で医療・介護データを活⽤できる。」は2020年度からとされる。なぜ、国は見える化を先送りするのであろうか。
 
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鳥インフルエンザの行方

2016年12月01日 | Weblog
河北新報「<鳥インフル>自然に近い動物園 接触リスク」(http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201612/20161201_43014.html)。<以下引用>
<秋田市の大森山動物園でコクチョウ3羽がH5N6型の高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した問題は、希少種の保存や繁殖の役割も担う動物園に深刻な課題を突き付けた。園内の池や沼で自然に近い姿を観察してもらうことは、結果的にウイルスを持った鳥獣と接触する機会を増やすことになる。死角だったとも言える展示方法の在り方を巡り、模索が続く。園によると、コクチョウは園内の沼で飼育し、飛来した野鳥と共存していた。沼の工事に伴い、10月19日に園内の動物病院に移した。ウイルスの潜伏期間は通常、1週間~10日前後と言われている。コクチョウは11月15日以降に相次いで死んでおり、今回の感染源は沼ではなく、網や鉄格子で囲った動物病院のおり内で感染したとみられる。ウイルスの侵入経路は(1)飼育員や獣医師の足に付着(2)野鳥のふんや抜け落ちた羽根、小鳥や小動物に付着-のどちらかの疑いが強まっている。ただ、小松守園長は「沼での感染の可能性はゼロではない。自然の沼での飼育はリスクが高い」と話し、飼育方法を見直す可能性を示唆した。国内の動物園で飼育する鳥類が鳥インフルエンザに感染したのは、高岡古城公園動物園(富山県高岡市)に次いで2例目。2010年12月にコブハクチョウ1羽が感染した同園は、渡り鳥が飛来する堀での飼育をやめた。高田数孝園長は「本来であれば野外展示したいが、園内での感染拡大を避けた」と説明する。日本動物園水族館協会(東京)によると、園内外の池や沼で鳥類を飼育する動物園は全国的に多い。協会の成島悦雄専務理事は「自然に近い状態で観察する飼育形態とは相反するものの、鳥インフルエンザの流行期は野鳥との接触を避け、希少種を隔離するのが現実的だろう」と話す。大森山動物園は、絶滅危惧種で国の天然記念物のニホンイヌワシの繁殖に力を入れている。小松園長は「15年前まで高病原性の鳥インフルエンザは広がっていなかった。全国の動物園は、どう対策すべきか戸惑っているのが正直なところだ」と胸の内を明かした。>
 
北海道新聞「鳥インフル 円山動物園も警戒 鳥類とふれあうイベントを中止」(http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0343816.html)。<以下引用>
<青森県、新潟県などで高病原性鳥インフルエンザウイルスの検出が相次いでいることを受け、札幌市円山動物園は来園者と鳥類がふれあうイベントを中止したり、展示方法を変更したりしている。同園は、道内で鳥インフルエンザウイルスの検出は確認されていないが、予防のため、11月22日から園内「こども動物園」のアヒルやガチョウの放し飼いを中止。これらの鳥は小屋の中におり、窓越しに見ることはできる。また、23日からは飼育員の指導の下で、トビなどの猛禽(もうきん)類を飛ばして来園者の腕に止まらせる「タカ匠体験」も中止した。30日からは、アフリカゾーン「キリン館」のダチョウの屋外展示もやめ、屋内展示だけとしている。オリ越しに観察するフクロウやワシなどは通常通り。同園飼育展示課の白水彩課長は「園内の鳥は元気。日々の消毒などを続け、鳥インフルエンザへの警戒を続けたい」と話している。>
 
NHK「新潟 上越の養鶏場 詳しい結果待たず23万羽処分へ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161130/k10010789911000.html)。<以下引用>
<新潟県上越市の養鶏場でニワトリが相次いで死んでいるのが見つかり、県の簡易検査で、6羽から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出ました。県は現在詳しい検査を行っていますが、農林水産省からの要請に基づいて、詳しい検査の結果を待たずに、30日夜のうちに、この養鶏場のおよそ23万羽の処分を始めることを決めました。新潟県によりますと、上越市の養鶏場の鶏舎の中で、29日と30日、ニワトリ合わせて100羽ほどが死んでいるのが見つかったということです。県がこのうちの7羽を簡易検査した結果、6羽から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たということです。この養鶏場ではおよそ23万羽を飼育していて、新潟県は鳥インフルエンザの疑いがあるとして、この養鶏場への部外者の立ち入りを制限し、出入りする際の消毒の徹底を指示しました。また、この養鶏場から半径10キロ以内にあるほかの養鶏場などに対して、ニワトリや卵などの移動を自粛するよう要請しました。新潟県はウイルスの遺伝子を調べる詳しい検査を行っていますが、結果が出るのは30日夜遅くになる見通しです。このため新潟県は、農林水産省からの要請に基づいて詳しい検査結果を待たずに、この養鶏場のおよそ23万羽の処分を30日夜のうちに始めることを決めました。新潟県では、上越市から150キロ余り離れた県北部の関川村の養鶏場で29日、鳥インフルエンザウイルスが検出されています。上越市でも対策会議 新潟県は30日夜、対策会議を開き、2か所で50万羽を超えるニワトリの処分を早急に行うため、自衛隊や県内の市町村に支援を要請することなどを確認しました。県庁で開かれた会議には、県の幹部のほか自衛隊や警察などおよそ20人が出席しました。この中で米山知事は上越市の養鶏場のニワトリから簡易検査の結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たことについて、「国からは『遺伝子検査の結果を待たずに対処を始めてほしい』と言われた。関川村と2方面でやるのは大変だが、封じ込めに全力を尽くしてほしい」と述べました。このあと、会議は非公開で行われ、県によりますと、2か所で50万羽を超えるニワトリの処分を早急に進めるため、自衛隊や県内の市町村に支援を求めることを確認したということです。会議のあと、米山知事は「非常に重大な事態だと受け止めている。県内のどこでも感染が起こるおそれがあり、徹底的に対処し、封じ込めを行いたい。養鶏業者には新たな感染が起きないよう全力を尽くしてもらいたい」と述べました。>
 
環境省「高病原性鳥インフルエンザに関する情報」(http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/)、農林水産省「鳥インフルエンザに関する情報」(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/)、官邸「鳥インフルエンザ関係閣僚会議」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/influenza/)の資料はチェックしておく必要がある。以前の「鳥インフルエンザA(H5N1)」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/)、「鳥インフルエンザA(H7N9)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html)の経験を活かしたい。それ以外の鳥インフルエンザ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-21.html)は四類感染症であり、今回のH5N6によるヒト感染がないか、警戒が必要であろう。通常インフルエンザの流行時期と重なって少々厄介かもしれないが、疑われる鳥との接触歴などがあるインフルエンザケースでは、検体検査体制構築が必要と感じる。環境省「高病原性鳥インフルエンザに関する情報」(http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/)を踏まえると、動物園は大変かもしれない。
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医師の勤務実態と医療勤務環境改善支援センター

2016年11月30日 | Weblog
キャリアブレイン「医師の勤務実態などで約10万人を調査へ- 厚労省、ビジョン策定に反映」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50086.html?src=catelink)。<以下引用>
<厚生労働省は29日、医師の勤務実態や働き方の意向などを把握するため、約10万人の勤務医を対象に全国調査を実施すると発表した。同省によると、「これほど大規模な医師への働き方の調査は初めて」としている。厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」が今年6月に公表した中間とりまとめでは、医師の働き方や勤務状況などの実態について、より精度の高い推計を行った上で、将来の医療提供体制のあり方と医師の新しい働き方を示すビジョンを策定すると明記。さらに、医師の働き方や勤務状況などの現状を把握するため、今年度中に「新たな全国調査を行う」とされた。また、先月に開かれた厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」では、医師の勤務実態などについて詳細に把握すべきとの意見が出た。こうした指摘などを踏まえ、厚労省は来月8日から14日にかけて、全国の病院や診療所に勤務する医師約10万人を対象に、勤務実態やキャリア意識などに関する全国規模の調査を実施する。主な調査内容は、▽出身地や出身医学部の所在地、家族構成、年収 ▽他職種との役割分担やキャリア意識といった将来の働き方 ▽将来の勤務地の意向―など。厚労省は早ければ来年1月にも調査結果をまとめ、同ビジョン検討会に報告して、その議論に反映させる方針だ。>
 
M3「群馬県立病院に是正勧告 残業代未払いカルテで発覚」(https://www.m3.com/news/general/480783)。<以下引用>
<群馬県立心臓血管センター(前橋市)が、残業代の未払いがあり労働基準法違反に当たるとして、前橋労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが25日、分かった。患者の電子カルテが夜間に更新されていたのに、職員が更新した時間帯の残業を申告していなかったことが労基署の調査で判明し、未払いが発覚したという。センターによると、勧告は8月26日付。センターは管理職を除く正規職員約300人について、4~8月の残業時間を調べ直し、不足分を今月21日に支払ったとしている。経営に影響がないことなどを理由に、センターは対象人数や総額を明らかにしていない。担当者は「引き続き勤務時間の適正な把握に努める。正しく記録し、自己申告するよう周知したい」としている。県立小児医療センター(渋川市)も、就業規則を10年以上労基署に届け出ていなかったとして9月、是正勧告を受けた。規則は作成していたが「届け出る必要があるとは知らなかった」としている。>
 
「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=384675)の「今後の検討の全体構造(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000143785.pdf)が出ていたが、医師10万人調査との関連がはっきりしない。医療従事者の需給に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=315093)、医師需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=318654)、看護職員需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=338805)における検討の具体化に期待したい。医療従事者の需給は医療計画の見直し(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)にも影響するが、スケジュールはどうなるのであろうか。医師の勤務実態把握のための調査といっても、調査対象となる医師が勤務する医療機関や診療科等によって大きく異なるように感じる。調査結果は、各都道府県の医療勤務環境改善支援センターの活動に役立てられるべきである。資料「我が国の医療の現状」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000138746.pdf)p43「各都道府県における医療勤務環境改善支援センターの設置状況 (平成28年9月1日現在)」が出ていたが、医療従事者にその存在や活動はどれほど知られているであろうか。
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公立病院の経営と新公立病院改革プラン

2016年11月30日 | Weblog
毎日新聞「生駒市立病院 患者数、計画の85% 2年目上半期 /奈良」(http://mainichi.jp/articles/20161129/ddl/k29/040/594000c)。<以下引用>
<昨年6月に開院した生駒市立病院の今年度上半期の利用患者数は外来が1日平均で112人と計画の85%、入院は同85人で87%だったことが、このほど開かれた病院の管理運営協議会で報告された。患者数は想定の半分の水準だった初年度実績を踏まえた計画値に届かず、市は「市民や地域医療機関への積極的な情報提供が必要」としている。報告によると、整形外科の常勤医が確保できたため、外科系の入院患者が23人と前年度からほぼ倍増。一方、救急患者を受け入れた880件のうち38件が他の医療機関に転送された。転送率は前年度より下がったが、脳神経外科の常勤医が確保されていないことが転送の要因の一つだ。地域連携については、他医療機関からの紹介患者の割合は41・2%で、前年度より9・6ポイントアップ。一方、患者を地域の医療機関に逆に紹介した割合は14・2%だった。>
 
地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行する「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)は今年度までの策定である。総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)で、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も出ていたが、「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)はどうなっているであろうか。「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)では、一般会計が負担すべき経費の範囲についての考え方及び一般会計等負担金の算定基準を示すことになっており、この情報公開徹底が不可欠と感じる。自治体からの情報公開・詳細説明なしに「市民を守るためなら赤字でも仕方ない」「希望的観測の大幅経営改善」はあり得ない。総務省通知(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)p8では、「過去3年間連続して病床利用率が70%未満」である病院に対して、抜本的な検討が要請され、総務省資料(http://www.soumu.go.jp/main_content/000343695.pdf)p5「公立病院の運営費に係る地方交付税措置(病床当たり単価;707千円)の算定基礎を、許可病床数から稼動病床数に見直す」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)は常識としたい。常勤医を増やして経営改善を図るということは、他の病院に受診している患者を奪うことにつながりかねない。そもそも健康増進や地域包括ケアを進めれば進めるほど、病院の需要が減ることを認識したい。
 
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医師会非加入の医療機関

2016年11月30日 | Weblog
埼玉新聞「校医の大量辞任…吉川市長が登録制導入の意向 医師会と関係改善」(http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/29/05.html)。<以下引用>
<今年3月に吉川市の小中学校医らが大量辞任していた問題で、吉川市と吉川松伏医師会が「定期予防接種で同医師会非加入の医療機関と市が個別に委託契約を締結しないこと」「市民の健康増進に取り組むこと」の合意を巡り、中原恵人市長は28日、定例記者会見で、予防接種医療機関登録制度の導入の意向を示した。中原市長は「医師会に加入していない医療機関に登録してもらい、(市民が医師会に非加入の医療機関で公費予防接種を受けたとしても)市民はいままでと変わらず利用できるようにする。市民の利便性は下げない」と話した。市は予防接種の業務を医師会に委託しており、医師会非加入の医療機関では受診者が一時、予防接種の費用を立て替えなければならなかった。2015年の市長選で中原市長が当選後、市は医師会非加入の医療機関と個別契約を結んでおり、市議会では市と医師会の関係悪化が指摘されていた。松伏町と医師会が既に締結している災害協定についても、今回の医師会との合意による関係改善で、中原市長は医師会と協定締結を進める意向を示した。>
 
行政側は医師会非加入の医療機関の存在は無視できないかもしれない。しかし、健診・予防接種、学校保健、地域包括ケアなど、様々な施策で行政側は医師会の協力を得ている。それは、歯科医師会、薬剤師会、看護協会などでも同様である。医療機関側にとっても、医療事故対応、各種研修、情報収集、行政や他職種との連携などを踏まえると医師会に加入するメリットは大きい。病院勤務時代は医療管理に関心がないかもしれないが、例えば、開業後に行政の立入検査を受けると実感されるかもしれない。そういえば、「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「意見のとりまとめ(たたき台)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000143663.pdf)p2「CT・MRI 等の医療機器を有する診療所については、都道府県において、それらの機器の保守点検を含めた医療安全の取り組み状況について、定期的に報告を求めることとする。」とあった。
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感染防止対策加算2と感染症ネットワーク

2016年11月30日 | Weblog
一昨年12月に「医療機関における院内感染対策について」(http://www.medic.mie-u.ac.jp/kansen-seigyo/)(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20141219_01.pdf)が出されている。平成24年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021ele.pdf)p149~で、感染防止対策チームを持つ医療機関と300 床未満の医療機関との連携、及び感染防止対策チームを持つ医療機関同士が相互に感染防止対策に関する評価を行った場合や連携して院内感染対策に当たった場合の評価が行われており、保健所・地方衛生研究所とのネットワークが推進される必要がある。全国各地の病院で感染防止対策加算(http://2016.mfeesw.net/?page_id=2273)が算定されているが、感染防止対策加算2を算定する病院は感染症指定医療機関との連携が不可欠と感じる。感染防止対策加算2の施設基準(http://2016.mfeesw.net/?page_id=6620)には「少なくとも年4回程度、感染防止対策加算1に係る届出を行った医療機関が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していること。なお、感染防止対策加算1に係る届出を行った複数の医療機関と連携する場合は、全ての連携している医療機関が開催するカンファレンスに、それぞれ少なくとも年1回程度参加し、合わせて年4回以上参加していること。」があるが、当該医療圏内の感染症指定医療機関が開催するカンファレンスへの参加を要件とすべきであろう。ところで、エボラ出血熱(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html)の対応で、一昨年11月の厚労省通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20141128_01.pdf)で「消防機関との事前の協定等の締結が必要」とあったが、現在、どうなっているであろうか。
 
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医療介護連携と在宅医療データ

2016年11月29日 | Weblog
メディウォッチ「医療計画、介護保険計画の連携強化に向けた改訂「総合確保方針」、年内に告示へ―医療介護総合確保促進会議」(http://www.medwatch.jp/?p=11358)。<以下引用>
<2018年度からスタートする新たな医療計画(第7次)と介護保険事業(支援)計画(第7期)の整合性を図り、これまで以上の医療・介護連携を目指すため、「総合確保方針」が改訂されます。28日に開かれた医療介護総合確保促進会議では、改訂案を概ねで了承。厚生労働省は文言調整などを行った上で、年内に改訂「総合確保方針」を告示する考えです。医療計画と介護保険事業(支援)計画の整合性確保が重要課題 2025年には、いわゆる団塊の世代((1947-49年生まれの人)がすべて後期高齢者になるため、今後、慢性期医療や介護のニーズが加速度的に増加すると考えられます。こうしたニーズに、従前の医療・介護提供体制で対応していくことは困難なため(そもそもベッド数などが足らず、費用も高騰し、患者・利用者のQOLも低くなる)、国は「地域包括ケアシステムの構築」や「病院・病床の機能分化・連携の推進」などを柱とする医療介護総合確保推進法(地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)を制定。2013年から順次施行されています。医療介護総合確保推進法では、例えば「地域医療構想」や「病床機能報告制度」などのほか、医療計画のサイクルを従前の5年から6年に見直しも含まれています。これは3年単位の介護保険事業(支援)計画と整合性をとることが狙いです。2018年度から新たな医療計画、介護保険事業(支援)計画がスタートし、以後、両計画はいわば車の両輪として医療・介護提供体制のベースとなります。これらの計画はサイクルだけでなく、内容についても「整合性」をとることが求められ、厚労省は上位指針となる「総合確保方針」を2014年9月に策定しました。今般、新たな計画が策定されることを踏まえ、総合確保方針について、より医療・介護連携を強化するための見直しが行われるものです。厚労省保険局医療介護連携政策課の黒田秀郎課長は、「診療報酬や介護報酬、各種補助金、さらに地域医療介護総合確保基金によって医療提供体制、介護提供体制が整備されている。総合確保方針では、こうした整備がしっかりとなされることを前提に両者の整合性確保を目指している」と、改訂の意義を強調しています。特に在宅医療・介護連携に向け、行政、サービス提供者、利用者の各レベルで連携を 主な見直し内容は14日の前回会合で示されており、28日には、さらなる修正・追加案が厚労省から提案されました。前回の提示内容も含めて、見直し内容を眺めると、次のような点が目を引きます。(1)医療計画・介護保険事業(支援)計画の一体的かつ整合的な策定を目指し、「都道府県と市町村の関係者が協議を行う場」を設ける (2)医療計画の基礎となる2次医療圏(地域医療構想の構想区域も2次医療圏がベースとなる)と、介護保険の基礎となる老人福祉圏域について可能な限り一致させるよう努める (3)在宅医療の整備目標(医療計画)と、介護サービスの整備目標(介護保険事業計画)とを整合的なものとする (4)在宅医療・介護の連携を図るため、市町村の実施する「在宅医療・介護連携推進事業」について都道府県が必要な支援を行う【行政による在宅医療・介護連携の推進】 (5)在宅医療・介護を担う提供側(医療機関や訪問看護ステーションを含む介護サービス事業者などはもちろん、医師会などの職能団体)が、▼入退院支援▼日常の療養支援▼急変時の対応▼看取り―などの場面で切れ目のないサービス提供に努め、サービス利用者も医療・介護サービスについての理解を深める【利用者も含めたサービス提供側による在宅医療・介護連携の推進】 (6)医療・介護両分野に精通した人材の確保を進める (7)医療・介護連携はもとより、地域包括ケアシステムのベースとも言える「住宅や居住」に係る施策との連携も進める (8)医療・介護連携が特に重要な場面の1つとして認知症施策があり、地域ごとに、認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを確立し、早期からの適切な診断や対応などを行う必要がある (9)医療・介護連携を進めるための重要なツールとして情報通信技術(ICT)があり、多様な活用方法が期待されるが、「互換性が十分に確保されていない」といった課題があることを踏まえる (10)地域包括ケアシステムにおいては疾病予防・介護予防も重要な施策であり、疾病予防において、医療保険者(協会けんぽや健康保険組合、国民健康保険など)が実施する保健事業(ヘルス事業)との連携も重要である このうち(8)の認知症対策は、樋口恵子構成員(高齢社会をよくする女性の会理事長)や馬袋秀男構成員(民間介護事業推進委員会代表委員)の強い要望を踏まえて新たに追加された見直し項目です。高齢化の進展とともに認知症患者も飛躍的に増加すると見込まれており、早期の確定診断を前提とした初期集中支援が重要とされており、医療・介護の両方の側面からの支援が必要な分野です。(9)は、例えば「電子カルテにおいて、ベンダーが異なるとデータの互換性が極めて低い」といった課題を認識した上で、今後、医療・介護双方のデータを蓄積・連結してさまざまな事業に結びつけることの重要性を指摘したものです。医療・介護分野においてビッグデータを活用した研究(例えば画期的な医薬品の開発)や保健事業(いわゆるデータヘルス)が期待されており、将来を見据えた重要なテーマと言えます。また(10)は西澤寛俊構成員(全日本病院協会会長)の要望を踏まえた追加項目です。当初、「医療保険者はさまざまであり、総合確保方針などに医療保険者の保健事業を盛り込むことは困難」(盛り込まれずとも保健事業は当然推進する)とされていましたが、連携の重要性が謳われることになりました。部会では、こうした見直し案について前向きな「追加修正」意見が出されています。(5)のサービス提供者による在宅・医療介護連携の推進に関しては、「サービス提供者自身が予防の重要性を認識した上で連携することが重要である」(菊池令子構成員:日本看護協会副会長)、「サービス利用者はもちろん、背後にいる地域住民が医療・介護について理解を深めるべきである」(馬袋構成員や樋口構成員)といった指摘が出ました。厚労省保険局医療介護連携政策課の黒田秀郎課長は、こうした指摘を踏まえて、より分かりやすく記述する考えを示しています。また(6)の人材確保については、黒田医療介護連携政策課長から「医療の専門家が介護分野にも視野を広げ、介護の専門家が医療分野にも視野を広げる」ことで、両分野に精通する人材が育つという考え方が説明されています。この点について平川則男構成員(日本労働組合総連合会総合政策局長)は「自治体では人事異動があり、専門的人材の育成が難しい。また両分野に精通した人材はなかなおらず、そこで連携が重要になる」と指摘したほか、「具体的にどういった人材が必要とされ、先行自治体ではどういった取り組みで人材確保しているのか」などを解釈通知などで示すよう厚労省に要望しています。さらに(7)の「住宅や居住」施策との連携に関連し、馬袋委員らから「地域づくり」の視点を盛り込んではどうかとの提案も行われています。こうした意見は、厚労省と田中滋座長(慶應義塾大学名誉教授)、森田朗座長代理(国立社会保障・人口問題研究所長)で忖度し、具体的な修正内容を固めることが了承されました。黒田医療介護連携政策課長は「修正内容を固め、年内に告示を行う」ことを明確にしています。なお、医療計画や介護保険事業(支援)計画の策定方針は、厚労省の別の審議会・検討会で議論が進められています。総合確保方針はこれらのベースとなるもので、医療計画などの策定論議の中に、医療介護総合確保促進会議で出された意見や考え方は随時盛り込まれていきます。具体的には、24日に「医療計画の見直し等に関する検討会」で示された意見とりまとめ(叩き台)や、25日に「社会保障審議会・介護保険部会」で示された意見素案には、両計画の整合性を図るために(1)の「協議の場」を設置することなどが、すでに盛り込まれています。>
 
医療介護総合確保促進会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=206852)は、医療計画については、医療計画の見直し等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)、在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=370580)、地域医療構想に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)、また、介護保険事業(支援)計画については、介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)の動向とセットでみておきたい。平成30年度から第5期障害福祉計画がスタートするが、障害者部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126730)の「平成30年度に向けた障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針の見直し」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000139973.pdf)も踏まえたい。今年6月の「ニッポン一億総活躍プラン」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/plan1.pdf)p16「子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる「地域共生社会」を実現する。」とあった。医療介護総合確保促進会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=206852)は障害者を除外してはならない。また、医療介護連携でますます重要になるのは、認知症のほか、地域緩和ケアがある。がん対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-gan.html?tid=128235)、「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=355813)で協議されているが、国会がん患者と家族の会がとりまとめた「がん対策基本法の一部を改正する法律案」(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/index.html)の動向にも注目である。「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保促進法)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000052238.pdf)第二条「この法律において「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。」と、地域包括ケアシステムが「高齢者」に限定されている点の見直しが必要であろう。そもそも介護保険の特定疾病(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)には、末期がん、神経難病、若年性認知症なども含まれており、法律で地域包括ケアシステムを高齢者に限定すること自体が間違っている。医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p55「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」を打ち出すのであれば、チームによる地域緩和ケアを地域包括ケアシステム(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/)に組み込むべきである。ところで、地域包括ケアシステムにおける在宅医療・介護連携は市町村主体と位置づけられているが、第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)での在宅医療データは都道府県単位のみである。厚労省「在宅医療の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)の「在宅医療にかかる地域別データ集」では市町村別の居宅死亡割合や施設死亡割合をはじめ、在宅医療に関する市町村別の各種データが出ているのであるが、なぜかレセプト分析データは除外されている。分析データがないわけではない。医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データを公開すればよいだけである。しかし、平成27年7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」、平成28年9月14日医政局地域医療計画課事務連絡「医療計画作成支援データブック【平成27年度版】の利用について」では、医療計画作成支援データブックのNDB分析データの活用は医療計画・地域医療構想関係者に限定され、NDB分析データ(生データではない!)の活用には「国が定める誓約書」による厳格な規制がかかっており、地域包括ケアを担当する行政職員すら閲覧できないでいる。官邸資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai2/siryou8.pdf)p3「ICT・AI等を活⽤した医療・介護のパラダイムシフト」、p2「蓄積したビッグデータを国⺠・患者のために活⽤(真のデータヘルス)」とあるが、p5の工程表では「データベースの分析により、「科学的に裏付けられた介護」が受けられる。」「産官学が多様な⽬的で医療・介護データを活⽤できる。」は2020年度からとされる。なぜ、国はビッグデータの活用を先送りするのであろうか。「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129210)の資料「「レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン」の主な改正内容」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000135183.pdf)にあるように、レセプト情報等の提供依頼申出者の範囲に「市区町村」が追加されていることを踏まえ、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データを、少なくとも地域包括ケアに関わる行政職員に直ちに開放すべきである。また、地域住民への分析データの公表を規制してはならない。そういえば、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)については、「地域包括ケア「見える化」システムを用いた地域分析」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138621.pdf)が出ていたが、それと比べると、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の厳格規制は全くヒドイといわざるを得ない。せめて、第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)での在宅医療データは二次医療圏単位で公開すべきであろう。厚労省「在宅医療の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)の「在宅医療にかかる地域別データ集」にもレセプト分析データを出すべきであろう。
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糖尿病の医療連携体制構築が急務

2016年11月29日 | Weblog
朝日新聞「糖尿病予備群や患者のための賢い主治医選び(忍び寄る糖尿病6)」(http://www.asahi.com/articles/SDI201611162529.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<早期発見や治療のためには、主治医を中心としたネットワークを持つ医師との出会いが重要だと、日本糖尿病学会専門医・指導医である岩岡秀明さん(船橋市立医療センター代謝内科部長)は言います。忍び寄る糖尿病シリーズ(2型糖尿病)の最終回は、「糖尿病予備群や患者のための主治医選び」についてアドバイスをもらいました。糖尿病予備群でも糖尿病患者になってからも、主治医選びが重要になってきます。糖尿病専門医や内科専門医の資格を持つ医師を受診した方がいいでしょう。厚生労働省の統計では、日本には約30万人の医師がおり、主な診療科を「内科」と表示している医師は約60000人います。しかし、専門医の資格を持っている日本内科学会の総合内科専門医は約22000人で、日本糖尿病学会の糖尿病専門医も約5300人しかいません。また、インターネットで日本内科学会(http://www.naika.or.jp/nintei/seido/meibo/)や日本糖尿病学会(http://www.jds.or.jp/modules/senmoni/)のホームページを調べないといけません。ただし、内科を標榜しているいわゆる内科医の中には、もともと外科医や皮膚科、産婦人科だった医師も含まれます。血液検査はしても、尿検査はしない医師もいます。できるなら、糖尿病専門医を受診した方がいいでしょう。日本糖尿病学会のホームページ(http://www.jds.or.jp/modules/senmoni/)には、専門医の名前と勤務先の住所が出ています。糖尿病専門医なら、境界型であっても「急性心筋梗塞のリスクは2倍です」とまずきちんと説明します。問題は、境界型の血糖値の人は、糖尿病専門医のところまで受診しない場合が多いことです。まず、健診の結果を受けて自宅や職場の近くのクリニックに行くケースが多いと思います。そこの医師が、あなたにどう説明するかによって、あなたの10年後の健康を左右します。実は、境界型の人の方が、糖尿病や循環器の専門医を早く受診した方がいいとも言えます。境界型でも、その時点から合併症の治療は始めます。血糖値を下げる薬を使わなくても、脂質、血圧と禁煙、ダイエットについてはすぐに介入しないといけないためです。合併症の急性心筋梗塞のリスクがあるからです。つまり、リスクファクターをしっかり評価して、必要な治療を開始してくれる医師を探すということが重要です。■どこを受診するか 30代、40代、50代の人は仕事をしている場合が多く、大学病院や大病院での受診は難しいです。これらの病院は、平日の夕方までしか外来診療をしていないためです。土曜日に診てくれるところというと、開業医か民間病院になります。その中で糖尿病専門医の医師がいるところを探すと、かなり絞られてしまいます。平日は、東京の場合、会社の近くで受診できるかもしれませんが、地方だとなかなかそれもできません。この前も、30代の患者が紹介されてきましたが、食後血糖値が350mg/dlあり、ヘモグロビンA1cが9%でした。昔なら、すぐ教育入院を1週間しなければいけないくらいです。私が「外来でやりましょう。平日に毎月通えますか」と聞くと、「土曜日以外は、無理です」といわれました。その日は「たまたま代休で受診した」と言います。私は、検査データを渡し、すぐに土曜日に診てくれる開業していてかつ信頼のおける糖尿病専門医を紹介しました。治療を中断してしまうのを避けるための医師選びには、土曜日や平日の夜に通院できるところに診てもらっているかというところも重要なポイントになります。今、教育入院ができる人は、70歳以上の仕事をしていない人が中心です。私が勤務する病院も教育入院のベッドがありますが、毎週2人ぐらいしかいません。ほとんどは外来で対応しています。月に1回、平日に休みがとれて通院できる人はまだいいと思います。実社会では、それさえもできない人がいっぱいいます。最近は、24時間やっているクリニックも出てきていますが、コンビニエンスストアではありませんので、やはりどのような医師が診ているかが重要です。平日夜間や土曜日に診てもらえる糖尿病専門医のクリニックはとてもニーズがあると感じています。■いい糖尿病専門医の見分け方 糖尿病の専門医に主治医として診てもらいつつ、合併症がでてきたらそれぞれの合併症の専門医を適切に紹介してくれるかがポイントになります 目なら眼科、歯周病なら歯科、心臓なら循環器科、ED(男性機能不全)なら泌尿器科といったように、幅広いネットワークを持っている糖尿病専門医のことです。ただ、ネットワークを持つ糖尿病専門医を、一般の人が探すことは難しいです。日本糖尿病学会のホームページで専門医を検索しても、そこまでの情報はありません。みなさんが暮らす地域ですごく評判のいい糖尿病専門医は、そのようなネットワークを持っている可能性が高いと思います。口コミ(評判)と専門医資格の両方が大事です。混んでいるところは、レストランと同じようによいところが多いと言えるかもしれません。もう一つ重要なことは、「糖尿病診療はチーム医療が大切」という点です。日本糖尿病療養指導士(CDE-J)の資格を持った看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士が常勤でいる医療機関を選びましょう。(日本糖尿病療養指導士認定機構:https://www.cdej.gr.jp/modules/cdej/index.php?content_id=2)■民間療法に注意 健康食品や特定保健用食品(トクホ)は世の中にいっぱいあります。よくあるのは、「これを飲めば血糖値を下げる」というものです。血糖値を大きく下げるものではないので、これだけ飲んでいればよくなるわけではないということです。民間療法に頼ったとしても、糖尿病専門医への受診は続けて下さいと言いたいですね。民間療法に頼ると、通院をやめてしまう人がいるためです。糖質制限すればインスリンをやめていいというような本に頼って、インスリン注射をやめて、血糖値が上がって具合が悪くなって運ばれてきた患者もいるからです。■ショック 糖尿病と診断を告げると、「薬を一生飲み続けるんですか」とよく患者に聞かれます。ショックを受けますが、40代や50代になれば、普通に病気の一つもでてきます。血糖値がよくなって食生活が改善でき、体重を減らすことで薬を中止することもできます。ただ、今、80キロの人に「あと10キロやせて欲しい」と言って取り組むのは難しいでしょう。患者には、「薬を飲みながらでも適度に食べて、たまにならば、夜中にラーメンを食べてしまっても大丈夫ですよ」と言うことも伝え、「どちらが良いですか」と聞きます。ストイックに体重を減量して、食生活を改善して、薬をやめる人もいますが、現実はなかなか難しいです。無理な糖質制限食で体重を減らしても、リバウンドして病気が悪くなってしまう人もいます。半年ならできても、これは10年以上続けることですから薬の力も借りながら、適度な食事をして長生きしようというライフスタイルがよいと私は思います。>
 
「保険者努力支援制度における評価指標の候補」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T160506S0020.pdf)では糖尿病の重症化予防(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)の取組は「かかりつけ医と連携した取組であること」が条件の一つになっていることは認識したい。大きな病院では、糖尿病透析予防指導管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)で、透析予防診療チームによる指導が行われ、eGFR (ml/分/1.73㎡)が 30未満では腎不全期患者指導加算が算定されている。しかし、大半の診療所では、透析予防診療チームの設置は厳しい。保険者による「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)では、受診勧奨の抽出基準、保健指導の抽出基準を示して、医療連携による糖尿病透析予防指導管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)で対応すべき対象を明確にした方がよいであろう。この際、かかりつけ医は大病院ではなく、診療所を中心に考えたい。第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)では、特定健診結果について都道府県別の性・年齢階級別のデータが出ており、各都道府県において、40代、50代の男性で血糖コントロール不良者がかなり多いことがわかる。日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」(http://docs.jsdt.or.jp/overview/)の「導入患者の主要原疾患の割合推移」(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2015/p011.pdf)では「糖尿病性腎症」が圧倒的で、2014年の糖尿病性腎症による透析導入の平均年齢は67.2歳である(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2015/p012.pdf)。これはまさに現役世代の健康管理の悪さが反映しているであろう。「保険者インセンティブ」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)はまさに現役世代こそ急務と感じる。定年退職後からの取り組みでは遅い。例えば、大企業が多い「健康保険組合」(http://www.kenporen.com/)や公務員の「共済組合」(http://www.kkr.or.jp/)(http://www.chikyoren.or.jp/)が率先して、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)に取り組むべきであろう。今年は「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定の締結」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000117513.html)、「糖尿病性腎症重症化予防プログラムの策定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)、「国保・後期高齢者医療制度における糖尿病性腎症重症化予防プログラムに関する説明会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000125442.html)と進められてきたが、「医療計画の見直し」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)では、糖尿病の医療連携体制構築が急務と感じる。ところで、「医療機関届出情報(地方厚生局)」(http://caremap.jp/cities/search/facility)の「糖尿病合併症管理料(糖管)」「糖尿病透析予防指導管理料(糖防管)」をみれば、算定は専門医がいるような病院であるが、保険者が医療機関と連携して糖尿病重症化予防を進めるには、例えば、医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p37「地域包括診療料、地域包括診療加算」に保険者との連携を明確化する等があっても良いかもしれない。
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在宅看取り

2016年11月29日 | Weblog
キャリアブレイン「患者のほとんどは在宅医療を知らない-「在宅」進化論(5)」(http://www.cabrain.net/management/article/50055.html)。<以下一部引用>
<地域包括ケアシステムの構築に向け、国策として推進されている在宅医療。約1万5000施設が在宅療養支援診療所になるなど、一定の成果が見える。しかし辻彼南雄・ライフケアシステム代表理事は、「在宅医療のことを知っている患者はほとんどいない」と指摘。根強い病院志向を放置すれば、2025-40年に“看取り難民”が現れると警鐘を鳴らす。ライフケアシステムは、日本在宅医学会の佐藤智初代会長が中心となって1980年に設立した会員制組織だ。「病気は家庭でなおすものである」「自分たちの健康は自分たちで守る」がモットーで、医療に関する会員の相談に24時間応じるほか、在宅ケアを提供。さらに健康教育なども行っている。訪問診療は水道橋東口クリニック(東京都千代田区)から提供しており、辻氏はその院長も務める。佐藤氏との出会いをきっかけに、在宅医を約27年続けている。■40年には167万人が亡くなる 医療・介護サービスの提供が不足し、十分な看取りを受けることができない“看取り難民”はショッキングな問題だ。厚生労働省によると、昨年の死亡数は129万444人で、前年と比べ1万7440人増えた。死亡数は、高齢人口の増加などを受けて増え続け、40年には約167万人に膨れ上がると推計されている。昨年病院で亡くなった人は96万2597人で、全体の74.6%を占めた。この状況を踏まえれば、死亡数の増加への対策として、まず病院のベッドを増やすことが考えられる。しかし、病棟を新設すれば建築コストが掛かるし、維持コストもかさむ。現実的には難しい。そこで国が打ち出した対策は、在宅看取りを普及させ、死亡数の増加分をカバーするものだ。しかし、昨年自宅で亡くなった人は16万3973人(12.7%)で、その割合は前年と比べ0.1ポイント低下。病院で亡くなった人数には程遠い。在宅医療を提供する体制の整備が進んでいるにもかかわらず、在宅看取りが増えないのはなぜか-。辻氏は、その答えが死亡の場所の割合に表れていると指摘する。「日本では、医療といえば病院医療だ。専門家の間で知られるようになっても、一般市民で在宅医療を知っている人は1割くらい。それ以外の人は『病院で死んだ方が安心だ』と思っている」。■地域包括ケアは“災害”に強い街づくり 辻氏は、「医療=病院医療」というイメージは悪くなく、日本の病院が患者に信頼されている証しだと話す。しかし、病床数は限られる。本格的な“多死社会”が到来し、そうした患者が病院に殺到すれば、一部が受け入れを断られるのは明白だ。「高齢者が行き場を失う。このままでは危ないと、一般市民に伝えないわけにはいかない」(辻氏)。また、増加する高齢者の生活を支える地域包括ケアシステムは、在宅医療に在宅介護、地域住民の自身の健康づくり活動などを合わせたものだ。逆に言えば、一般市民の協力を得られなければ完成しない。「(高齢化の)波が押し寄せる。地域包括ケアシステムは、“災害”に強い街づくり。一般の人の協力が不可欠だ」と辻氏は訴え掛ける。■在宅医療やらざるを得ない時代に? むろん、この「街づくり」には病院も参加が求められる。訪問診療や訪問看護の提供に乗り出すほか、在宅医を養成すれば、「受け入れを断って悪くなった地域住民の信用を取り戻せる」と辻氏は指摘する。>
 
医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)での在宅医療は、「退院支援」「日常の療養支援」「急変時の対応」「看取り」の機能充実が図られている。すべて重要である。また、平成27年度からの第6期介護保険事業計画(http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/02/dl/tp0219-06-01p.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000076407.pdf)における地域支援事業の目玉として、「在宅医療・介護連携推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)が実施されている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000143082.pdf)p16「在宅医療・介護連携推進事業の都道府県別平均実施数(8事業項目の実施数)」は、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)で市町村の実施状況が一般公開されていることは常識としたい。「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=370580)の「在宅医療に関する見直しの方向性について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000135466.pdf)p3「在宅医療・介護連携推進事業にかかる8つの取組の中でも、医療に係る専門的・技術的な対応が必要な「(ウ)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進」や「(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援」、二次医療圏等の広域の視点が必要な「(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携」などが特に対応が必要な取組と考えられる。これらの取組については、在宅医療にかかる圏域毎の課題に鑑みて、医療計画に記載して確実に達成するよう支援するなど、重点的な対応の視点が必要である。」とあった。まさに保健所と市町村の連携・協働が不可欠である。医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあり、圏域連携会議(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000066602.pdf)での保健所の役割を重視したい。ところで、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=370580)の「在宅医療に関する見直しの方向性について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000135466.pdf)p2「在宅で看取りまで実施した症例のみに評価が偏重することのないように、在宅死亡者数のみがアウトカム指標として設定されている点について、看取りに至る過程を把握するための指標を充実する等、見直しを行う必要がある。」とあったが、どうなっているであろうか。日本創成会議「高齢者の終末期医療を考える ―長寿時代の看取り―」(http://bookstore.jpc-net.jp/detail/books/goods003835.html)のように、それぞれの地域において、「長寿時代の看取り」を考えなければならない。「在宅医療・介護連携推進事業について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)p12「(カ)医療・介護関係者の研修」、p13「(キ)地域住民への普及啓発」において、「人生の最終段階における医療」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000078983.pdf)の周知を図るべきであろう。DNAR(do not attempt resuscitation)も全く普及していないように感じる。日本老年医学会(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/)「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン ~人工的水分・栄養補給の導入を中心として~」(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/guideline/index.html)よりも病院経営が優先されてはいけないであろう。
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