保健福祉の現場から

感じるままに

広域食中毒対策

2018年01月17日 | Weblog
平成29年度全国厚生労働関係部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/01/tp0115-1.html)の医薬・生活衛生局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/01/dl/tp0115-s01-09-01.pdf)p3~5「食品衛生規制の見直しに関する骨子案(食品衛生法等の改正骨子案)」では、p3「広域的な食中毒事案への対策強化 ○ 国や都道府県等が、広域的な食中毒事案の発生や拡大防止等のために、相互に連携や協力を行うことを明記するとともに、連携や協力の体制整備のため、厚生労働大臣が、国や都道府県等の関係者で構成する広域連携協議会を設置することができることとする。○ 緊急を要する場合には、厚生労働大臣は、当該協議会を活用し、広域的な食中毒事案に対応できることとする。」が目にとまった。しかし、まずは、広域的な食中毒事案かどうか、タイムリーに把握できる体制が不可欠と感じる。厚労省「腸管出血性大腸菌感染症・食中毒事例の調査結果取りまとめ」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000185284.pdf)p2に示すように、同一遺伝子型のO157VT2 による患者の報告数は、食中毒事案の前に最初の山があったことを重視すべきで、p5「広域発生事例では早期から情報を国でとりまとめ、関係する地方自治体間で共有。」のためには、全国自治体の散発例が広域発生事例かどうか把握できるよう、遺伝子型別の検査情報の一元化と情報共有が不可欠であろう。厚労省「腸管出血性大腸菌感染症・食中毒事例の調査結果取りまとめ」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000185284.pdf)p6「遺伝子型別の検査について来年度中を目途に反復配列多型解析法(MLVA)に統一化してシステム解析を実施。」とあるが、すでに、国立感染症研究所病原微生物検出情報月報;IASR(http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html)の2014年5月号で腸管出血性大腸菌感染症が特集され、「2013年に広域において見出された同一PFGEタイプを示す腸管出血性大腸菌O157およびO26について」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2295-related-articles/related-articles-411/4640-dj4119.html)では「広域分離株の探知のためには、迅速な情報還元を可能とするMLVA法が有効」とされていた。地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000079549.pdf)p16では、「近年広域化している食中毒等飲食に起因する事故に対して、食中毒調査支援システム等を活用し、国、他の都道府県等及び関係部局と連携を図り、必要に応じて実地調査を行う疫学の専門家等の支援も得ながら、原因究明、被害拡大防止、再発防止対策等の一連の措置を迅速かつ的確に行うことができるよう体制を整備すること。」とあるが、一つの自治体で完結しないことはしっかり認識したい。まさに、ヒトの広域移動、モノの広域流通、長期保存にあった対策が要請されている。
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