保健福祉の現場から

感じるままに

治療中の方への保健指導

2011年05月30日 | Weblog
5月19日の国保中央会「市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会」(http://www.kokuho.or.jp/statistics/an_hoken.html)で、特定保健指導の対象外になっている治療中の者に保健指導を提供した場合に薬剤の減少や医療費の増加抑制効果が認められたという(保健衛生ニュース5月30日号)。保険者には特定保健指導の実施が義務付けられているが、「標準的な健診・保健指導プログラム確定版」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/02.pdf)p48の受診勧奨判定値以上の方には、医療機関紹介されている場合が多いであろう。しかし、その後のフォローはどれほどされているであろうか。もっと電子レセプトを活用したいところかもしれない。なお、糖尿病、高血圧、脂質異常症での服薬者も特定保健指導対象から除外されているが、先般再開された「保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001a65z.html)では、服薬中の患者に対する保健指導の実施方法も論点の一つになっていることは知っておきたい。そういえば、厚労省資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/22487f2561e33a4c4925784f001eb3b2/$FILE/20110310_7shiryou3_2.pdf)p24~28で、Ⅲ度(重症)高血圧者とHbAlc8%以上の者に対する優先的な保健指導によって、レセプト分析で心血管イベントが減少し、医療費適正の結果がみられた事例が紹介されている。国保中央会の検討会でもそれが証明されたということであろう。こうした客観的なデータが活用できれば、現場では、保健師や管理栄養士の人員要求の理論化が図れるかもしれない。「行財政改革=人員削減」の盲目的信者に理解してもらう必要があると感じないではない。厚労省資料「医療費の適正化対策等の取組みについて」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/3e57b28a279ed19e492577ee0026d9fa/$FILE/20101203_2shiryou6.pdf)では、①「健診情報から健診異常値の方を抽出し、レセプトと突合して医療機関未受診者に受診勧奨を行う。」、②「レセプトから生活習慣病で医療機関に通院していた患者を抽出し、一定期間通院していない患者に受診勧奨を行う。」、③「レセプトから抽出した対象病名毎に指導対象者を選定し、個別に指導を行うことにより重症化を予防。」などが示されていたが、それぞれの保険者、例えば市町村国保では実施されているであろうか。
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