フィナーレを終えた際の「ブラボー!!」
これは、開演前からそうなることをだいたい想像していた。
演奏は関フィルなりの演奏で「上手いかどうか」という基準で測れば難しいところである。
けれども、何故だか心に何か熱いものがこみあげてきた。
中学生の時分以来幾度となくシンフォニーホールに足を踏み入れているけれども
観客席からのこれほどまでに熱い拍手は未だかつて聴いたことがなかった。
鳴り止まぬ拍手・・・いや、鳴り止まぬだけではない。
決して衰えることのない拍手の波・・・
指揮者の金聖響氏の手招きで、作曲者の佐村河内守氏が観客席から舞台に上がる。
その瞬間、拍手の音はひときわ大きく鳴り響き、観客が一人また一人と立ち上がる。
私もまた立ち上がらずにはいられない衝動にかられ、周囲よりも先に立ちあがった。
立ち上がることが、氏に対する敬意を示すことであると思ったからである。
いつしか観客は総立ちとなり、拍手いつまでたっても鳴り止むことはなかった・・・
佐村河内氏が舞台から去った後も拍手は続く・・・
演奏後の拍手は、たいていの場合、アンコールの催促やカーテンコールのための
単に形骸化しただけの通過儀礼に過ぎないのだが、この瞬間(とき)の拍手は
アンコールのためでも単なる儀式でも無く、唯一、作曲者のために鳴らされていた。
舞台袖に戻っては、再び舞台に戻る。一体何度この動作が繰り返されただろうか。
指揮者が何度か、佐村河内氏に対して指揮台にあがるように促していたが
かたくなに断り続けていた。いやそれどころか、観客席に向けて手を伸ばし、
我々対し座るよう促すゼスチャーを何度も何度もやっていた。
ようやく最後の最後になって断りきれなくなり壇上に立った。
我々の拍手は更に大きなうねりを持ってシンフォニーホール中に響き渡った。
耳の聞こえない作者のために・・・しかし、氏はどう感じているのだろうか。
耳の聞こえないことのむなしさを感じているだろうか?、果たして拍手をしても
良いのだろうか?と自問してみる。
しかし、自問したところで答えなぞ出やしないのだ。氏がこの瞬間をどう感じようが、
私はこの時間を氏と共有できたという感動を、氏に伝える手段は拍手しかないのだ。
この拍手の音が氏の胸に届けばいいのにという想いを持って手を打ち続けた。
テレビでちらっと聴いて、なんだかただならぬ感じがしてCDを探してみたりしてたんだけど、どこが演奏してるのかにもよるんじゃないかと買えずにいました。
日本で総立ちのコンサートなんて、なかなか経験できないし、迎合じゃなく、純粋に熱い拍手の嵐だったことだろうな~と、感動を分けてもらった感じです。
ツアーコンサートは下記の日程でやっていて、直近では6/28(金)の大阪フェスティバルホールがあるよ。
あとは、
2013年11月24日(日)14:00 神戸国際会館 こくさいホール
2013年12月19日(木) 19:00 京都コンサートホール 大ホール
かなぁ。。。
オーケストラは似たり寄ったりなので、オススメの日にちはないけれど、この曲はCDで聴くよりも生で聴く方が心に響くのでオススメだよ~。
そう!2階席3階席をも巻き込んだ総立ちは私も初めてでした。
もしかすると人生で唯一の体験になるかもしれません。
ホール全体が温かい気持ちに包まれているようで、
拍手している途中から涙が出そうになりました。