青に候 (新潮文庫) 価格:¥ 660(税込) 発売日:2009-09-29 |
なるほどー、もう完全にハードボイルドミステリなのだ。読者の半歩先を歩む(しかし若さが隠せない)主人公が探偵。ひんぱんな衣装替え、弱点としての船酔い、へらず口の数々……名探偵の資質十分。
敵対する藩内の派閥の間を、誰を信用していいのかわからないために慎重に動き回り、みずからの潔白を証明しようとする。しかしその動き自体が藩をゆるがすために……
ラストのどんでん返しもミステリとしての魅力がたっぷりつまっている。ハメットっぽい。
女性たちがこの主人公の青さを含めて愛してくれるあたり、みごとな孤高の騎士ぶり。いやはや堪能した。今年はシミタツをたっぷり楽しむとしよう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます