事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「裂けた明日」佐々木譲著 新潮社

2023-02-21 | ミステリ

「沈黙法廷」はこちら

と思えばこちらは内戦状態の日本を舞台にした逃走劇。外交センスのない保守政権が、同盟国アメリカは絶対に日本を攻撃しないと慢心した結果、わがまま放題のふるまいをしたら、あっという間に敗戦。多国籍軍の駐留を許すことになる。

それに反駁した“北”と呼ばれる盛岡政府(このネーミングはリアル)から逃れる母と娘。その逃亡を助ける70代の退職公務員。

東京に逃げ込むために、ありとあらゆる手を駆使する3人。スマホを徹底的に利用するあたりの展開もおみごとだ。福島や東京の地図を見ながらだともっと楽しめるはず。南武線はいまそういうことになってるのか。むかしは典型的な田舎の電車だったけどなあ。

静かな筆致だが、それだけにラストの叙情は必要だったか微妙。

あ、そうか。これも某西部劇のラストをいただいているんだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする