事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

ブラック・レインがわからないPART2

2016-02-17 | 洋画

PART1はこちら

ブラック・レインの監督はリドリー・スコット。「エイリアン」で宇宙船を、まるでゴシック・ホラーの館のように仕立て、「ブレードランナー」で未来を酸性雨と鈍色のネオンで薄汚く(そして魅力的に)描いた才人。特にブレードランナーの画調をそのまま大阪にもってきたことでこの作品は異様な雰囲気に縁取られることになった。

さあオープニング。日本を象徴するライジング・サン。なにしろ日出ずる国ですから。赤い地に白文字でBLACK RAINと出る。

まずここでタイトルにつまずく人もいると思う。

黒い雨、とくればどうしたって井伏鱒二だし、映画化された今村昌平作品を想起する。原爆のお話。亡き田中好子がお風呂の中で、抜けていく自分の黒髪を見て薄笑いをうかべたシーンは今も鮮烈。

ヒロシマとナガサキは、アメリカが他国に対して行った最大の虐殺であり、それをわざわざこのサスペンス映画の題名にした意味はなんなのか。あとで(大俳優によって)解説はされるものの、少しわたしも考えこんだ。

しかしそんなとまどいをハードな音楽が押し流す。書いたのはハンス・ジマーです。他国を舞台にした作品のときは、その国の楽器を使用することにしているとDVDの特典映像で語っています。それでも、ジマー節なんですけどね。

製作はシェリー・ランシング。このお姉さんはFOXの社長に抜擢されるも、確か業績不振で解雇され、しかしプロデューサーとしての手腕は誰しもが認めていた。

そして肝心の撮影はヤン・デ・ボン。のちに「スピード」を監督して名を上げ、「ゴジラ」で評判を落としたあの人です。すごいスタッフ。そしてキャストがまたとんでもないのだった。以下次号

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