事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「フレンチ・コネクション1&2」

2015-02-26 | 洋画

なんのつもりかうちの奥さんがTSUTAYAから「フレンチ・コネクション」「フレンチ・コネクション2」を借りてきて、たいそう感激していた。

「あのね、火事のシーンで出ていた消防士さんたちは、みんな本物なんですって」

「あのね、ジョン・フランケンハイマー監督はフランス語がペラペラなんですってよ」

な、なんでそんなことまで知っているんだ。

※彼女は気に入った映画は何度も何度も見る人なので、コメンタリー入りでも鑑賞したらしい。

うーん、なんか悔しいぞ。わたしもディスカスする。負けず嫌いの亭主。

「フレンチ・コネクション」の1作目が日本公開されたのは72年。小学生だったので知らないのは仕方がないとはいえ、まもなく読み始めた「スクリーン」などのファンジンで、やけにこの作品への言及がたくさんあって、いったいどんな映画なのかと中学生なりに期待に胸をふくらませていた。

「フレンチ・コネクション2」が封切られたのは75年。キネマ旬報を読み始めたころで、特集号には熱中した。映画館でも狂喜。前作ではカーアクションが有名だが、2はひたすらに走る……ということで2を先に観てから1に向かうという通常とは逆のルートになったけれど(のちに1はテレビで鑑賞)、やはりこれは1→2と見るのが順当だと納得。まるで、違う映画なのだ。2が1への返歌になっている。

主人公のNY市警察薬物対策課のドイル(ジーン・ハックマン)は、優秀ではあるけれども、強引な捜査手法で仲間を死なせたりしている(これが1のラストへの伏線になっている)。

彼の激情型の捜査と、沈着冷静な麻薬シンジケートのボス(フェルナンド・レイ)の対照が作品のテーマ。殺し屋とともにレストランで食事を楽しむボスと、厳寒のなか、ピザをぱくつきながら見張るドイルのからみは有名。犯罪者が優雅で、刑事が野卑。

2は、はっきりとジーン・ハックマンの演技を見せるためにつくられている。巴里ならぬマルセイユのアメリカ人にして、禁断症状から立ち直るドイルだからこそ、最後の全力疾走が効く。どちらもすばらしい作品だ。

「あのね、奥様ご存じ?フェルナンド・レイの役は、実は別の人がやるはずだったのに、手違いで選ばれたんですってよ」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする