1両目からのつづきです。
神戸からの便りです。暑い日々となりましたがお変わりございませんか?
兵庫県尼崎のJR宝塚線(福知山線)で先日脱線事故が起こりました。わたしは通勤に神戸電鉄(鈴蘭台方面行き)を利用していますが、この事故以来、乗客の数がいくぶん増えたように感じます。
阪急電鉄で運転士をしている学生時代の友が気になり、電話でいろいろきいてみました。思ったとおり、JRの影響で翌日に訓示があったとか。阪急も、少しのトラブルでも新聞記事になるため、乗客への言葉遣いなどに気をつけるようにと。
JRは元国営鉄道だったため、変なところで当初から合理化をすすめていたようです。たとえば、新聞にも載っていないことですが、JRの線路は阪急・阪神・近鉄より幅が狭い。広かったらその分土地が必要ですし、枕木から鉄道本体にも影響します。当然スピードは出せなくなるわけです。
また、JRは他の鉄道会社より規則が厳しいので、線路に飛びこみ自殺があると、その電車を運転していた運転士が減給処分をうけるとか。本人に落ち度がなくても。でも今回のいちばんの原因は過密ダイヤにあります。JRの場合、一時間に4、5本しか来ないのですが、途中で貨物は走る、回送電車の調整もあるようです。乗客へのサービスをメインにおくとゆっくり安全に乗せないといけない。当然時間の遅れにつながる。しかし次の駅には時間どおりに着かないといけない。なんだか運転士、車掌の嘆きが聞こえてきそうです。
……前回の大阪の読者のメールとあわせて読むと、関西のJRと私鉄の争いは、どうやらもっぱらスピードに主眼がおかれている様子がわかる。特にJR西日本の場合、評価軸がそこにしか無いのだろう。さて、次回は山形県の鉄っちゃんからのレスをお届けする。
3両目につづきます。
画像は東宝「交渉人 真下正義」
この時期にこのストーリー。事件の行方にフジテレビと東宝はヒヤヒヤしただろう。70年代のパニック映画テイストをふんだんにちりばめて、とにかく退屈させない。誰もが忘れていると思っていた「ジャガーノート」を引用しているのはうれしかった。もちろん、何よりも全編が「サブウェイ・パニック」へのオマージュであるあたりも(ウォルター・マッソーの役が國村隼にあたるわけだ)。東京のアンダーワールドの描き方や犯人像は、明らかに「機動警察パトレイバー劇場版」の影響ありあり。本気で感情を動かすのは恋人に対してだけ、という主人公の性格づけは斬新。