事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

JR 2両目~神戸から。

2008-05-04 | ニュース

1両目からのつづきです。

神戸からの便りです。暑い日々となりましたがお変わりございませんか?
 兵庫県尼崎のJR宝塚線(福知山線)で先日脱線事故が起こりました。わたしは通勤に神戸電鉄(鈴蘭台方面行き)を利用していますが、この事故以来、乗客の数がいくぶん増えたように感じます。
 阪急電鉄で運転士をしている学生時代の友が気になり、電話でいろいろきいてみました。思ったとおり、JRの影響で翌日に訓示があったとか。阪急も、少しのトラブルでも新聞記事になるため、乗客への言葉遣いなどに気をつけるようにと。
 JRは元国営鉄道だったため、変なところで当初から合理化をすすめていたようです。たとえば、新聞にも載っていないことですが、JRの線路は阪急・阪神・近鉄より幅が狭い。広かったらその分土地が必要ですし、枕木から鉄道本体にも影響します。当然スピードは出せなくなるわけです。
 また、JRは他の鉄道会社より規則が厳しいので、線路に飛びこみ自殺があると、その電車を運転していた運転士が減給処分をうけるとか。本人に落ち度がなくても。でも今回のいちばんの原因は過密ダイヤにあります。JRの場合、一時間に4、5本しか来ないのですが、途中で貨物は走る、回送電車の調整もあるようです。乗客へのサービスをメインにおくとゆっくり安全に乗せないといけない。当然時間の遅れにつながる。しかし次の駅には時間どおりに着かないといけない。なんだか運転士、車掌の嘆きが聞こえてきそうです。

……前回の大阪の読者のメールとあわせて読むと、関西のJRと私鉄の争いは、どうやらもっぱらスピードに主眼がおかれている様子がわかる。特にJR西日本の場合、評価軸がそこにしか無いのだろう。さて、次回は山形県の鉄っちゃんからのレスをお届けする。

3両目につづきます。

画像は東宝「交渉人 真下正義
この時期にこのストーリー。事件の行方にフジテレビと東宝はヒヤヒヤしただろう。70年代のパニック映画テイストをふんだんにちりばめて、とにかく退屈させない。誰もが忘れていると思っていた「ジャガーノート」を引用しているのはうれしかった。もちろん、何よりも全編が「サブウェイ・パニック」へのオマージュであるあたりも(ウォルター・マッソーの役が國村隼にあたるわけだ)。東京のアンダーワールドの描き方や犯人像は、明らかに「機動警察パトレイバー劇場版」の影響ありあり。本気で感情を動かすのは恋人に対してだけ、という主人公の性格づけは斬新。

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JR 1両目~大阪から。

2008-05-04 | ニュース

2005年4月25日に発生したJR福知山線の脱線事故について、当時「この1冊」でも特集しているので紹介します。

JR西日本の事故(高見運転士の、ではなく、JRの体質そのものが問われている)については、読者からいくつか興味深い指摘があったのでご紹介しよう。

Mail02a JR事故、残念の一言につきるが関西(大阪)には東京に負けたくないというあせりみたいなものが常にある(はなから勝負ありなのに)。会社にも焦りがあったんとちがうかあ。おまけに関西は私鉄との競争が激しい。また、東京みたいに寝てても人が集まらないし、収益を上げようと思えば無理が生ずる。ATS-Pの設置なんか、JR東日本の規模なら無理なく設置したけど、こちらはごらんのとおりや。安くあげて儲けるほうにつき進んだんやねえ。会社はもちろん悪いけど東京と張りあった結果の、地方都市の悲哀を感じるよ。
震災といい今回の事故といい、池田小事件といい寝屋川事件といい、すべて関西やなあ。
ここから出発して安心安全安泰な町や学校づくりを発信したいものやねえ。いままでに関西から全国に発信したものがたくさんあるよねえ。それでいかなあかんねえ。

PS
JRの京都線・神戸線に乗るといかに速いかがわかるよ。
新快速が快速を走行中に追い越す場面なんか度々。以前、ラジオなんかでもJRはスピードが出て怖いときが度々あるといっていた人がいるけど、同感。私鉄はスピードでは勝てないと踏んで早々と線路変更?いや路線変更したなあ。ノンストップから停車駅を増やしていったよ。負けるが価値?、勝ち?停まるが価値?勝ち?

PS
「JR社員、事故と知りつつ二次会・三次会に行く」
JRに勤めてたらおれも三次会に行ってやろなあ。これから勤務時間外でもおちおち酒も飲んでられへんなあ。30分おきに近辺で事故が無いか確かめて二次会を始める前に確認してからはじめやなあかんなあ。
一体、いつ酔えるんやあ。

………地元ならではですな。地元、といっても山形県の人間にとってはこの読者の住む大阪と尼崎の距離感がいまひとつつかめないんだけど。

本格的な地元と言えば、今度は筑波の研修で班がいっしょだった人が送ってくれた連絡のなかに、興味深い裏話が載っていたので次号に。

2両目につづく。

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「アイランド」THE ISLAND

2008-05-04 | 洋画

Theisland  タイトルを直訳すれば「島」。監督が「アルマゲドン」や「パールハーバー」のマイケル・ベイ。どう考えてもわたしが観たいタイプの映画ではなさそうだった。でもどうにも気にかかったのは主演女優が「ロスト・イン・トランスレーション」のスカーレット・ヨハンソンだったこと。彼女が「謎の円盤UFO」みたいなコスチュームに身を包み、近未来を(といっても2019年の設定。ほんとに近いぞこりゃ)右往左往する……なんか、急に観てみたくなる。

究極のワンアイデアものなのでストーリーは紹介しない方がいいみたい。ヒントは、主演のユアン・マクレガーの役名がリンカーンであることで……ま、ここまでですか。

 よくよく考えれば陰惨な話で、同じコンセプトの映画には「ソイレント・グリーン」や「コーマ~昏睡」がある。どちらも苦い後味。しかしさすがマイケル・ベイ。とにかくスカッとさわやかな娯楽超大作に仕立てていて、2時間をこえる長尺を退屈させない。でもこれはハリウッドの力業であると同時に限界も露呈している。どうころんでも面白く見せてしまうパターンに、近ごろ観客は飽きがきているのではないだろうか。もう描けないものはないCG、無駄に派手なカーチェイス、およそ生き残れるはずもない危機を「神の恩寵だ」と切り抜ける厚顔さ……。今年は昨年よりも北米の観客数が激減し、この「アイランド」も製作費の回収もむずかしいほどの大コケときく。やむなくアジアから数々のネタや才能をひっぱってくることで延命をはかっているハリウッドも、それだけでは見通しは暗い。

 でも、こんな超大作の主演にほとんど実績のないヨハンソンを起用するあたり、さすがバクチ慣れしている余裕も感じる。極東の映画好きの予想もつかないような新展開を、ひょっとしたらあのユダヤ人たちは用意しているのかもしれない。期待しているぞ。わたしはまだまだ、彼らに騙されていたいのだ。

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入学式 PART4

2008-05-04 | 受験・学校

PART3から続いています。

Astory  問題の、高校の職員がこだわった千葉県の条例とは「県施設の使用料や手数料についての条例に従い、県立高校の入学金は、手続きをする入学式当日に納付する」(朝日)これ、知ってました?当日納付を定めている道県でも、多くは猶予期間をもうけているのに、千葉県はそんなシステムもない(後日、千葉県知事は見直しを検討すると表明)。

 それでは山形県はどうなっているだろう。気になったので調べてみる。あったあった。

「入学料の徴収は、入学の許可のあった日から20日以内に行うものとする」
山形県立高等学校の授業料等徴収条例第6条

お気づきだろうか。千葉県と山形県では、入学料の納付と入学許可の順番がまるっきり逆になっていることに。身びいきなようだが、これは山形県の方が自然な流れではないだろうか。教育の恩恵をまったく受けないうちに入学金を“前納”しなければ「入学式で呼びあげを(未納の生徒だけ)行うことができない」という発想はやはりおかしい。入学金は“入場料”とは性格が違うはずだ。

 加えて、そこまで“儀式”に拘泥する考え方はやはり学校の封建制を象徴していると思う。日ごろからうんざりしているのは、学校職員の「式」なるものへの熱狂だ。厳粛であることが感動につながる、とばかりにあらゆる努力をおしまない。東京で映画を観まくっている方が楽しいから、とばかりに大学受験は終わっているにもかかわらず、高校の卒業式をパスしたわたしの言うことだから普通じゃないのかもしれないけどね。

「入学式」シリーズの最後に、これだけは言っておきたい。式の1時間前に未納の事実を確認し、あたふたと対応に走ったこの学校って、どう考えても段取りが悪すぎないだろうか。要するにそんな事態を想像もしていなかったのだろう。「毎月10通も督促状を出すような状況で」この高校は困っているのだそうだ。おいおいたった10通かよ!(T_T)

Middle_1167034879  いかん、さみしい結論になりそうだ。今回の騒動で、しかしもっとも冷静な対応策を提案したのは毎日新聞の社説だった。

 各学校がすべて個別に問題を抱え解決を図るのでは、限界がある。例えば、一定範囲の地域、教育委員会の管内などで各公的機関が連携し、事態の把握や利用しやすい相談窓口の設置、不当な不払いに対する迅速適正な措置などができるようにしてはどうか。
 学校も保護者・子供も、孤立するとえてして極端な手法を選択しかねない。
 子供を一時的にしろ引き離した今回のケースは、それを示唆している。

……学校はとかく批判されやすい組織だ。しかしそれを嘆くあまり、“極端な手法”しか思い浮かばなかったあたりに、今回の不幸があったのだろう。
【入学式・おしまい】

画像は伊坂幸太郎「フィッシュ・ストーリー」。
所収の「動物園のエンジン」が泣かせる。ここに出てくる河原崎さんの息子が後に……

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入学式 PART3

2008-05-04 | 受験・学校

PART2はこちら。

020845  読売が問題にしているのは千葉県における入学金の納付方法なのだ。

「入学式当日に学費現金納入」県立高の制度・運用に問題も
 千葉県八千代市の県立八千代西高校(生徒339人、大迫太校長)が入学料などを納めていない新入生2人を入学式に出席させなかった問題で、学校側が未納を把握したのは、式の1時間前だったことが16日、わかった。
 2人は保護者と連絡を取るなどして当日に納めたが、式には間に合わなかった。式当日に入学料などを現金で納める制度は千葉県のほか12道県にあるが、猶予期間を設けるなどしている例が多く、学校、生徒側ともに余裕を持った対処のできない制度や運用が問題になりそうだ。
 千葉県では県立高校の入学料(5650円)や教科書代などを合わせた入学金を式当日に納入する。八千代西高では、3月上旬の合格通知に同封した文書と、同月中旬の説明会で計9万円の納入が必要と説明し、分納も可能と伝えていた。
 2人が入学金を持参していないことを学校側が知ったのは午前9時ごろ。県教委によると、入学料が未納でも校長が個別事情を考慮して入学を許可できる。だが、大迫校長は、生徒や保護者とやりとりをするなかで「滞納の可能性がある」と判断。入学許可を出さないまま出席させることも検討したが、他の生徒が名前を呼ばれて起立する中で2人は座ったままという状況を避けるために見送った。
【4月17日読売新聞】

……おわかりだろうか。まとめると

・千葉県は入学式当日に入学金を納入する条例になっている。
・猶予期間はない。
・校長は“個別事情はない”と判断して入学許可を出さなかった。
・その判断の基礎となったのは生徒、保護者の面談。要するに「この親は払いそうにない」と校長が入学式直前に判断した。

439620797209 こんなところだろうか。かつて「授業料取り立てマニュアル」で特集したように、滞納が続いた場合に生徒にアルバイトを勧奨するかのような取り決めをしたのも千葉県立高校の事務長会という存在だった。悪意にとるようだが「条例で決まっていることだから」と今回の対応をしたのも千葉。なにより、入学式当日に納付しない場合に入学許可が出せないのを当然のこととしているのも千葉なのだ。なぜ許可できないかというと……以下次号。

画像は石持浅海「君の望む死に方」The Death You Desire(祥伝社)
“被害者になりたい男”が“加害者になりたい男”に望むことがすごい。「オレのようになれ」「オレのように殺人を経験しろ」「その経験を活かしてオレのような経営者になれ」……究極の自己愛(笑)。前作「扉は閉ざされたまま」よりもわたしは好き。

PART4につづきます。

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