函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

「国道278号線」寄貝歌物語

2009年12月10日 13時37分34秒 | えいこう語る
函館方面から車で走ってくると、恵山町に「寄貝歌(よりかいうた)」という場所がある。
地名はアイヌ語なのだろうが、その由来を地元の人に聞いたがよくわからない。
貝が寄って来て歌う。なんと素敵な地名であろう。
ちょっと昔の話である。
妻との結婚を決め、私の両親に始めて紹介するのに、函館の繁華街生まれの妻を車に乗せつれてきた。
当時国道なのに、まだ未舗装の部分もあった時代だ。
出発して40分、だんだん田舎・田舎した淋しい風景が続出する。
「こんな地域イヤだ」なんて言われたら・・・と、内心焦りが出てくる。
そんな重い気分の中、この辺の地域でもっとも小さな集落の寄貝歌に入った。
私はとっさに「寄貝歌物語」を妻に語った。
『昔、アイヌの美しい女性と、漁師の若者が恋をした。周囲の猛反対にあい、女性は海に身を投げた。若者は毎日海に向かい恋人の名を叫んだ。
満月の夜、美しい貝殻が浜に打ち寄せ、若者が拾うと、貝が歌い出したのだ。それはまさしく恋人の声だった。』
こんな由来のある地名なのだよと、私は熱っぽく妻に語りかけた。
勿論私の創作物語である。
寄貝歌は私の村のすぐ近くだ。今朝、私の前浜の銚子海岸を散歩した。
貝殻がたくさん打ち寄せられている。
その中で全体は白いがピンクがかった、姿の美しい貝がある。
私はこの貝を『寄貝歌物語の貝』と命名している。


「寄貝歌物語」を思い浮かべながら、この恵山町寄貝歌地域の海岸風景を見ると、なんだかとてもロマンチックに思えてこないだろうか。


出来ればこの岩のどこかに、女性の像が立っていれば、国道278号線で最も、人気のスポットのなるに違いないと思うのだけれど。
フランス生まれの「テトラ」(波消しブロック)が、美しい風景をじゃましています。防災担当者も景観を重視してほしいものですね。


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4 コメント

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Unknown (うたのすけ)
2009-12-11 06:14:34
お早うございます。
早朝よりロマンチックなお話を読ませて頂き、ありがとうございます。
「お主、やるのう」
本当に女性の像がうってつけの景色です。あたしとしては、横たわる一糸もまとわぬ裸像が希望です。
Unknown (■かわぐち えいこう)
2009-12-11 14:13:45
うたさんへ。ローレライのように、見とれて岩に乗り上げる船が続出するのではないでしょうか。でもその裸像に挨拶しながら沖へ出て行くというのも、なかなかのものですね。
Unknown (花てぼ)
2009-12-11 23:18:40
寄貝歌物語・・・今度民話の会で語りたいようです。とどほっけ村出身でなくて残念!だって出
身の方言で語るというのが原則なのです。でもそちらのでかまわないですから、いつか、10分余りで語れる新作民話を作ってくださいませんか。九州のとどほっけ村出身ですと偽ります。
Unknown (■かわぐち えいこう)
2009-12-12 13:49:49
花てぼさんへ。このような内容の民話は、たくさんありそうですが、北の海の美しく、そして儚い恋物語、自分で口からでまかせだったのですが、気に入っているストーリーです。小さな入り江の美しい海岸が、このような物語を自然に語らせてくれます。方言を交えて、書き残してみたいという気持ちになっています。冬休みの宿題にしたいと思います。ウニ漁に励みながら、鼻歌交じりで書こうかな!

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