▼戦争は他国の人々を殺害し領土を奪うことだ。そこにどんな理由をつけても、約分すれば結果はそれに尽きる。歴史を紐解けば人類の最大の過ちは戦争だ。私はそう確信している。
▼だがプーチンは、第2次大戦の平和の秩序をすべて崩壊しようとしている。今でも世界中には戦いがある。だが、大国ロシアのウクライナ侵攻は、第2次大戦以前の侵略意識に基づいている。
▼そんな中でウクライナ侵攻は、単なる二国間の対立ではなく、欧米諸国とロシアの対立となり、第3次大戦へと拡大しそうな流れになってきた。
▼国連のグレテス事務総長が仲介に入り、プーチンとゼレンスキー両方を訪問した。プーチンは「核使用」をほのめかし、事務総長がキーウに滞在中にミサイル攻撃した。
▼この行為は第二次大戦後の世界の常識を覆し、米国が日本に落としたように、ウクライナにも「核使用」すると宣言したも同然だ。
▼ロシアに歯向かうものは、地球上から消滅させるという態度を示している。最早地上に存在する悪魔がプーチンだと思いたいが、プーチンはあらゆる国にもいるような気がする。
▼国連で拒否権を持つロシアがいるため、国連総会でロシアの軍事侵攻を批判する決議を行った。賛成多数だったが、ラテンアメリカやアフリカの小国が賛成しなかった。
▼その矛盾を社会学者の大澤真幸は、北海道新聞28日に投稿している。「欧米はあまりに偽善的だから」と。これらの小国は、欧米列強により植民地化されたり搾取されてきた。(今もしている)。
▼そんな連中を、なぜ積極的に応援しなければならないのか。そんな意思の表れが国連総会が満場一致にならなかった理由だという。
▼この考えを納得する出来事を思い出した。アフリカの中央部にマリ共和国という小国がある。その部族の酋長の娘だという留学生と話をしたことがある。
▼「部族間では小さな争いは昔からあるが、話し合いで解決していた。米国が入ってきて以来、部族間に新たな問題を起こし収拾がつかなくなっている。全て米国が悪いので出て行ってほしい」と。
▼対立を激化し、漁夫の利を収めようとする統治だ。植民地時代の欧州の列強も今のロシアと変わらない考えだった。第2次大戦後の米国も同じ考えで、世界の警察を自負していた。
▼米国に占領されたわが国は、終戦後も一貫して米国の統治下におかれ、米国追従をしている状態を、世界はどう見ているのだろうか。
▼国連総会でのロシアへの非難決議の反対票を、日本はもっとデリケートに分析しなければならないのではないか。
▼米国に追従しわが国もロシアへの経済制裁を行った。曲がりなりにも友好関係を築こうとした日ロだったが、プーチンはそれを「手のひら返し」と見たのだろう。「北方領土は返さない」というだけではなく、この付近での軍事訓練を行う。
▼プーチンが「核使用」をほのめかしているのに、シンゾウは「核共有」などと、馬鹿げた発言をする。米国に2発も核を落とされた日本の元総理がだ。
▼北方領土を起点に「第2次日ロ戦争」を誘因しかねない発言だ。ウクライナの次は日本へと、プーチンは狙いを定めるかもしれない。
▼ここに日本が望む、国連の常任理事国になれない最大の要因が含まれている。世界は戦争は好まない。国連はそのようなことで成立された機関だ。
▼「核兵器禁止」の先頭に立つのは、被爆国日本の世界的使命だ。さらに【憲法第9条】という、人類史上最高の理想を掲げた憲法がある。この優位性を国連で発揮するのが、わが国の役割ではないか。
▼米国の押し付け憲法だから、改正するという流れが増してきているようだ。ここは米国から押し付けられたという【不戦】の考えを、世界中に広めることだ。
▼米国がなしえない世界平和を、日本が実現する姿勢こそが、憲法前文に謳われている、日本が世界に貢献できる崇高な精神ではないか。
▼私は今夜こんな夢を見たい。キシダ総理が国連総会でこんなスピーチをしている夢だ。それは菊池寛の小説【恩讐の彼方に」】を引用し、ロシアとウクライナの停戦を訴える姿だ。
▼敵討ちとは戦争の連鎖だ。それを超えたところに、真の平和と人間性が発揮されるのだということを。
▼国連加盟国は、満場一致の拍手で沸きたつに違いない。被爆国日本には、その世界的使命が期待されているはずだからだ。
ガンバレ日本!踏ん張れ9条!
三頭下