▼毎月一回、町会館で「とどっこ塾」という高齢者サロンを開催している。参加者の平均年齢は80歳に近い。
▼「とどっこ」とは、2004年に函館市に吸収合併された、私の故郷「椴法華村=とどほっけむら」から名付けたものだ。
▼子供の頃に戻って、少し学びの時間を楽しもうという試みだ。朗読は私だ。以前からやってみようと思っていたが、機会がなかった。
▼この塾は、私が企画しながら進めるので、独善的であるが「朗読コーナー」を設けた。回数を重ねれば、読む方も少しは上手になる。
▼朗読の最中は、きちんと聞いてくれる。終わった後の拍手がとてもうれしい。私も高齢者だが、他の高齢者の心に響くものを提供できることを、うれしく思っている。
▼少しでも人のためになれることが、故郷への恩返しだと、自分で納得している。明日がその開催日だ。
▼芥川賞作家で元電通マンの新井満さんが、文章を書き、それに絵を描いたのが佐竹美保さんだ。「千の風になって」という物語だ。
▼歌も随分ヒットした。この絵本を初めて手にし感動したので、私が絵を模写し、紙芝居形式で母校の中学校で朗読した。
▼朗読は地元のおばさんに頼もうと思ったが、朗読などもちろん経験はない。そこで知り合いの、隣町のおばさん二人に頼んだ。
▼私は後ろで音響を担当し、その場面に合う曲を流した。米原住民族の環境には‟姫神”というシンセサイザーを中心の、音楽がとてもぴったりだったからだ。
▼その様子が北海道新聞に掲載された。札幌から編集委員の方が取材にやってきて、新聞のコラム欄にその時のことが掲載された。
▼新井満さんはその後、函館の近くの大沼公園近くに永住し、2021年12月に‟千の風”になった。その後新井さんが訳した「イマジン」と「般若心経」を購入している。
▼この二冊も、わかりやすいので、そのうち朗読コーナーで使用しようと考えている。「般若心経」を暗記している、女性の高齢者はいる。ご主人を亡くした方だ。
▼だが意味を理解している人は、ほとんどいないはずだ。私たちも永く生きてきて、意味をよく知らないで使用しているものが多い。
▼「とどっこ塾」とは、そんなところに焦点を定め、ちょっぴり勉強しようと言う高齢者塾だ。ちょっぴり難しそうだが、楽しく行うというところが特徴だ。
▼今世界が戦争をし始め、多くの無辜なる人々が犠牲となっている。「理不尽」な世界になったものだ。
▼今朝は一面の銀世界だ。我が夫婦も雪かきには閉口する。でも真っ白な雪を、血で染めてはならないと願う。
▼♪冬はダイヤのように きらめく雪になる♪。千の風になっての主人公は、最愛の妻が子供を産んで、旅立つ。
▼残された若い夫は「ウパシ=雪」という。亡くなった妻の名は「レイラ=風」という。
▼明日の朗読は、ウクライナやパレスチナの戦場に思いを馳せ「戦争の無意味さ」を、知ってもらおうと思っている。
聞いてみたい!いい朗読会になったことでしょう。