函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

脳が多様性を失う

2010年08月31日 11時11分30秒 | えいこう語る
7月から8月にかけ、新刊を含め10冊ほど本をいただいた。
こんなに本をいただいたのも初めてだ。
ところが昆布漁が続き、寝床に入ると1ページも読まないうち、本が手から落ち寝入ってしまう。
読書どころか、ゆっくり音楽を聴く余裕さえない。
大好きなお酒はといえば、味わって飲むという体力も気力もない。
晩酌を一杯飲むと、もう一杯という気持ちにもなれない。
疲労困憊である。
それに今年の異常な暑さが、すべてを奪っているようだ。
※夕方の銚子ビーチ。海までが暑さでぐったりしている。


温泉に入り体力回復と思うのだが、その温泉に行こうとする気力さえ失ってしまっている。
身体や精神をコントロールする、脳の働きが鈍ってきているのを実感する。
こんな状態になるまで昆布命?の生活をし、ふと思うことがある。
私たちが手塩にかけた昆布、それを食する人間が、果たして感謝の気持ちを抱いてくれる人が、どれほどいるかということだ。
「この昆布、出汁が出ない」などとおっしゃる奥さん方「それはあなたの料理の腕が悪いからだ」と、断言したい。
料理の基本は「愛情」だと言うじゃないですか。
昆布漁に携わる人たちに「感謝の気持」を持っていただくと、おいしい料理ができるのです。
8月31日。「昆布採取中止」の回転灯が、漁業組合の鉄塔に力強く回った。
6日続いた昆布漁も、ついに浜の母さん方の呪いが天に届き、昨夜から今朝にかけ雷が落ち、雨を降らしたからだ。
今朝は、村中が久しぶりの笑顔を見せているに違いない。
脳が疲労し多様性を失ったときのブログは、こんな内容になりました。


壮絶な戦い

2010年08月30日 16時44分35秒 | えいこう語る
ボクシングの世界タイトルマッチ。
どちらが倒れるか、まさしく死に物狂いの戦いを観戦し、テレビを観ているほうも疲れきってしまう、壮絶な戦いがある。
朝4時。寝床で耳をすましても、波の音がまったく聞こえない。


「今日も昆布漁だ」
布団から起き上がると、身体の節々が痛い。
今日で連続6日目だからだ。
漁師の奥さんたちだって、沖に出ているのだ。みんな同じ条件なのだと、気を引き締める。
しかし、若船頭は連日海底からの昆布の引き揚げ作業で、腕を痛めたらしく腕にはたくさんの湿布薬を張り、歯をくいしばりながら今日も頑張った。
陸に上がると、大船頭が私に話しかけてきた。
今日の俺たちの漁場には、昆布漁のエース級ばかりが集まった。
他は50歳代で俺だけが60歳代だ。開始から3時間半「壮絶な戦い」が繰りひろげられたんだ。
H丸(漁師は船の名で相手を呼ぶ)が山ほど昆布を積み上げた。俺は負けたかなと思ったら、乗組員のKが(大船頭の先輩で、船を操作する役)H丸は、高く積んで見た目は多く見えるが、俺たちの船は平均して横並びに積んだから、俺たちのほうが多いぞと言ってくれた。
俺は勝利を確信した。・・・と、真剣な顔をして話してきた。
若船頭と漁師見習の私は、いつもH丸が誰よりもたくさん昆布を山済みにして、意気揚々と港に帰る姿を、うらやましく尊敬の眼差しで見ていた。
大船頭クラスになると、同じ場所で勝負すると漁師の闘魂が湧き、絶対負けられないと思うのだろう。
今日は特別暑かった。若船頭も私もお湯を浴びせられたように、身体中から汗を噴きだしていた。
「壮絶な戦い」この言葉は家族を養うための戦いの言葉だ。
翻って民主党の党首選、国民ないがしろの茶番劇に見えてくるのだが。
私はぎりぎりのところで、小沢一郎は辞退すると思っている。
政治家小沢一郎が、こんな成り行きで「壮絶な戦い」をしてしまえば、自分の政治生命は終わりだと知っているからだ。
※世のなかがどうであろうと、ひまわりはひまわり。


5日連続の昆布漁

2010年08月29日 16時14分42秒 | えいこう語る
よくもまあ、こんなに凪が続くものだ。
今朝もまた、沼のような穏やかな海だ。
漁業組合から「昆布漁」の放送が流れる。
疲れた身体に、真っ赤な朝日がエネルギーを満充電にしてくれる。
漁師に嫁ぎ30年。今だに船酔いするという奥さん。
「毎日大丈夫なの」と声をかけると「船酔いの薬飲みながら頑張っている」と、苦笑していた。
問答無用の昆布採取。
70歳半ばの知り合いの奥さんも、私に大きく手を振って沖に出て行った。
今日の漁場は、昨日下調べをした岬の陰だ。
誰も周囲にはいない。事故があったら命が危ない。誰も助けてくれないからだ。
普段潮の流れがきついので、ほとんどこの場所での漁はしないようだ。
ところが今日の潮の流れは緩慢だ。
崖の上から大きな岩が海に落ち、その上に昆布がたくさん生育している。
採取しやすいが、周囲もよく注意しなければ、岩に乗り上げる。
乗り上げるとなかなか離岩しにくい。そこに横波を受ければ転覆だ。
断崖絶壁からは蝉が鳴き、海で漁をしているというよりは、大きな川の淵で船を浮かべている感じだ。
海中では小魚の群れがキラキラと光っている。
船の上で寝そべって、読書でもしたい感じだ。
若船頭は汗みどろで、奮闘中だ。
採取時間終了の放送が流れた。「大漁だ!」と、若船頭が満面の笑顔を見せた。
やったぜ、ベイビー!
夕方、二人でビールで乾杯した。
明日もやったるぜ!



よく見ればガウディ

2010年08月28日 14時18分09秒 | えいこう語る
ROUTE278南茅部地区は、海の側の崖っぷちに民家が建ち並んでいる地区が多い。
集中豪雨の多い地区でもあるので、当然防災工事がいたるところでおこなわれている。
立岩と呼ばれる、岩が直立している場所もある。


危険箇所はコンクリートの壁で覆うような工法が多いが、よく見ればなかなか趣のあるものもある。
防災工事担当者も、景観にこだわっているのだろう。
無駄な公共事業の最たるものとして、仕分けの対象にされがちな仕事の一つだが、そこで家族を養っている方々の、仕事にかける情熱が伝わってくる。
普段車で通り過ぎるだけだが、たまには車から降り防災工事担当者の仕事ぶりを注目して欲しいものだ。
この写真は、古部と椴法華の間にある滝ノ沢トンネルの、古部側の防災工事だ。


アントニオ・ガウディ並みではないか!
防災工事の芸術性に敬意を称したい。


田舎の町会長

2010年08月27日 13時47分11秒 | えいこう語る
731部隊ではありません。


町内のスズメバチを退治しようとする、会長の勇姿です。
隣のおばさんがスズメバチに刺され、頭が割れそうになり、病院で治療した。
その一週間後、また刺された。
こうなれば会長の出動だ。
防護服に身を包み、いざ出陣。
物置の板をはがすと、小さめだがスズメバチの巣が2個見つかった。
出入り口にキンチョールを噴射し、弱ったところで袋に詰めた。
妻と隣の老夫婦、3人のギャラリーは、その行動の機敏さに唖然としていた。
田舎の町内会長、面目躍如の一齣。なにぶん私の町内会は、八幡町町内会。
ハチが万といる町内会だ!
業者に頼むと1万はとられるという。
隣から冷えたビールが届いた。
その後、町内の一人暮らしのお年よりから、地デジテレビ使用の料金についての問い合わせ。
役所の担当に電話をかけ、処理してあげた。
人の役にたち、チョッピリ幸せな気分の昨日でした。
今朝の朝日。
暗闇のシャッターをこじ開けるように朝が始まる。
♪新しい朝が来た。希望の朝だ。♪
もちろん今日も3日連続の昆布漁だ。