函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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表現の自由と人権保障

2024年04月04日 12時52分35秒 | えいこう語る

▼憲法第19条は「思想良心の自由は、これを侵してはならない」とあり、第21条は「一切の表現の自由はこれを保障する」とある。

▼第13条には「人権は‟公共の福祉”に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする」とある。

▼「公共の福祉」という言葉があり、この解釈は一般には難解だ。だが『自民党改憲草案』を見ると、現憲法での政府の考えがはっきりする。

▼改正案には「公共の福祉に反しない限り」を『公益や公の秩序に反しない限り』と書き込まれている。

▼素直に解釈すれば、国策に反対する者には「表現の自由」も認めないということだ。原発稼働は国策なので、反対する者は『公益や公の秩序に反する者」』として、憲法違反に問われるからだ。

▼現政府の『憲法改正』とは、国家が国民を統治するという、帝国憲法の考えを復活させようという、強い意志を感じる。

▼というような上記の発言も、憲改後は制限というより罰則の体表にされるということになる。それなら今の憲法のままで、良いということになる。

▼昨今の「表現の自由」の問題について、取り上げてみたい。静岡県の川勝平太知事が、職業差別問題で辞意を表明した。

▼知事は国策であるリニア問題を、環境が悪化するとし、工事中止を訴えた。県民も支持している。

▼この問題は「公共の福祉に違反する」と、国側が知事を訴えればよい。だが、国民も新幹線止まりで、リニアまで必要ないのではないかと、思う人も多いのではないか。

▼一方沖縄県では、県民の多くが辺野古基地建設に反対している。だが国は「国家安全保障」を盾に、県民の人権を無視している。

▼そうであれば、国は神奈川も沖縄同様に強硬策をとってもいいのではないか。それが出来ないのが今の矛盾した政府だ。

▼川勝知事は、以前日本学術会議の会員候補6人を、当時の菅義偉首相が任命拒否した。その時の発言だ。

▼『菅義偉という人の教養レベルが露見した
』と発言した。これはもっともな発言だと思い、私も北海道の片田舎から拍手を送る。

▼首相にこう言えるのが「現憲法」の良さだ。だが、その意識レベル?の高さが災いするのが、川勝知事だ。

▼職業差別発言を公然としてしまった。どんな弁解をしても‟懺悔の値打ち”もない。県民の支持を得て権力の座につけば、誰もが陥る試練なのかもしれない。

▼次は仙台高裁の岡口基一地判事だ。SNSで裁判事例に対し、個人見解を述べ、事件の遺族から名誉棄損で訴えられた。

▼国会議員で構成する、裁判官弾劾裁判所(裁判長衆議院議員、船田元)は、「裁判官としての威信を著しく失うべき非行とし、罷免とした。

▼船田元と言えば『憲法改正賛成派』の自民党の論客のイメージがある。判事だから襟を正せというなら、今の自民党議員など全員が解雇だ。

▼真っ当な意見がある。ジャーナリストの江川紹子だ。【受け手の感情ですべてが決まるという驚きの判決だ。被害者に寄り添うという言葉が肥大化し、発信者の意図や動機が、無視された。他者を傷つけないよう配慮するという、道徳と憲法で保障されている表現の自由は、天秤にかけられるべきものではない。判決が表現の萎縮を招く事の重大さを、国会議員が理解していないことが恐ろしい】。

▼憲法改正派の船田裁判長の、現憲法を十分理解しない姿勢が恐ろしいという、江川の発言を注視したい。

▼次に国の『指示権』問題だ。政治資金問題でキシダ政権が混乱している最中に、国が非常事態に、自治体に「指示権」を行使できる改正案が国会に提出されるという。

▼2000年の地方分権一括法により、国と地方の関係は、対等・協力に変わった。だが大震災や感染症対策で、国と自治体の連携に混乱があったとして、改正に踏み切るようだ。

▼すでに「感染症法」や「災害対策基本法」も改正され、いずれも「指示権」が盛り込まれているという。

▼キシダ政権が目指すのは【緊急事態条項】を憲法に書き込みたいということだ。だが、この条項は、総理自身に「戦争発動」の権限を認めさせることになるので、成立が難しい。

▼世界で軍隊を持つ国は「緊急事態条項」はセットだ。セットでなければ戦争はできない。「憲法第9条」を戴く我が国総理が【敵基地攻撃能力の保有】などと言うようでは、とても認められない法案だ。

▼「非常時という反対しずらい状況を持ち出し、国の権限を強める意図が透けるので、危ないというほかない」と、北海道新聞3月4日の社説も、警鐘を鳴らす。

▼というわけで、キシダ総理は政治倫理問題で、国民の監視をそらせ、平気で戦争ができる国へとの流れを作る、巧妙かつ信頼に与えしない、総理なのかもしれない。

▼NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を思い出した。次々自分に対抗しそうな人物を抹殺する。

▼自民党大幹部たちの処分。キシダ総理は「源頼朝」なのか?。その後の北条義時は誰なのか?。見逃してはならない「令和の鎌倉殿」だ。

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