函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

教育と軍事の民営化

2023年07月30日 08時42分00秒 | えいこう語る

▼東工大の中島岳志教授が「戦争の民営化・問われぬ責任 政府に好都合」というテーマで、ロシアの民間軍事会社ワグネルについての解説を行っている。(7月25日北海道新聞)

▼プーチン政権の傭兵として戦闘に参加していたプリゴジンが、一時反乱を起こしプーチン政権の打倒に出た。

▼民間の軍隊はロシアの憲法でも違反とされている。だがあえてワグネルを使用したというのは、国家の戦争であっても民間組織であれば、国家はそれらの行動についての責任は、免れるというものだ。

▼民間組織であれば、戦死者の数など発表しなくてもいい。戦死者をすくなく発表できるので、戦局は不利に思われないからだ。

▼だが国家の軍隊でなければ、国家の統制が効かなくなった時、その軍事力により、クーデターの可能性も大きくなるからだ。それが今回のワグネルの乱だ。

▼この中島の論評で、私は「教育」という言葉が浮かんできた。戦争となればまず最初に影響を受けるのが教育だ。

▼「戦争は教育現場から始まる」という、第二次世界大戦に突入した我が国の教育の変遷を思い出したからだ。戦争には国家の意思統一が必要だからだ。

▼教育は文科省の管轄だ。コロナ禍の中でリモート教育が始まり、文科省はICT化を促進し、GIGAスクール構想も学校現場に持ち込んだ。

▼タブレットの生徒全員への供給は、民間組織の教育現場への参入を拡大した。根底にはコロナ禍などで世界経済全体の停滞があるからだ。

▼【資本主義の崩壊は暴力と戦争と競争が支配する野蛮社会が復活する。どの国も債務国家になり、公教育は財政負担となる。教育産業は巨大なマーケットになり、教育の公共性は崩壊する】と主張するのは、学校教育学が専門の東大名誉教授佐藤学が、岩波ブックレットNO,1045で指摘している。

▼これ以上教育を論ずる何の知識も私にはないが、民間軍事組織ワグネルと、我が国の公教育に於ける教育産業の参加は、「公共性の崩壊」をの始まりが予感される。

▼「公共性」とは、常識ある秩序のように思う。そこに民間企業が参入することで、公共性が混乱を招くのではないかと危惧するからだ。

▼さらに自民党改憲草案で特に注目するのは「公共性」という概念を「公や公益の為」にという解釈に重視しようとする内容だからだ。

▼「資本主義の崩壊は戦争がはびこる野蛮な社会になる」との佐藤学の指摘があるが、ア民間軍事組織や、公教育の教育産業界の参入は「国家秩序」を揺るがし、さらに憲法改正への足掛かりになるのではないかという、漠たる不安が湧き上がってくる。

▼世情に疎い田舎おやじの私でも、軍事産業の民営化や、教育現場への教育産業界の参入強化は、戦後の高度経済成長期の真っ只中にいた私たち世代は、なんだか不安というより不気味さを感じる。

▼デジタル時代についていけない世代ということではない。それは「戦後日本人の忘れ物」を個々に検証していた時代の私たちが、第四次産業革命と言われるAI化の前に『ハーメルンの笛』が国内に流れているのを感じるせいかもしれない。

▼それは気候変動という中で、大雨で人類が流されていることにも通じる、予測不可能な社会の幕開けが始まった、そんな気もするが。

マックでデイト・148歳

2023年07月23日 09時00分47秒 | えいこう語る
▼暑が続く函館市内。先日妻とランチをしようと、中華料理が美味いホテルのランチに出かけた。暑さしのぎには中華がいいと思うのも、高齢者の証拠だねと笑いながら。

▼しかし、残念ながら定休日だった。ホテルに定休日があるとは思えない。もしかしてここは市内で古い方のホテルだ。周囲に次々と新しいホテルが建っているので、経営不振になっているのかと心配する。

▼函館の観光客は、コロナ前に戻りつつある。先日札幌の知人が函館市内のホテルを予約したら、素泊まりで9100円だという。私の常識?では考えられない金額だ。

▼札幌観光もホテルの予約が取れなく、一泊10万円から20万円にも高騰しているというのが、新聞で紹介されていた。

▼ぎりぎりまで料金を高く設定し、部屋が埋まらなければ、料金を下げるというホテル側の話も聞く。

▼以前北海道の宿泊業界は、夏は料金を高くし、冬は安くするという設定だった。冬季の低料金時期に、いかにお客を呼び込むかの努力があった。

▼それにしても、10万~20万という料金設定は、外国の富裕層がターゲットに違いない。そんな常識外の業界が多くなり、今後の北海道観光に悪いイメージを与えないかと心配になる。

▼「稼ぐ時に稼いでおく」というのは、ちょっぴり品に欠けるが泥棒商売に見える。そんな北海道観光の未来に希望が湧いてこない。こんな考えなら、頓挫していたIR(カジノ構想)も、復活してきそうな気配だ。

▼北海道はアイヌ語で「アイヌ・モシリ=人間が住む静かな大地」という。そんな素敵な言葉を忘れないで欲しいものだ。

▼中華料理は断念し、デート気分で近くのマクドナルド店に入った。マックのCMは、最近「キムタクとスズちゃん」だ。妻はそのCMの、アイスを食べたいと言う。

▼昼食時なので満席だった。見回しても私たち夫婦が最高年齢だとわかる。だが私たちの若い時分に、ハンバーガーもピザパイも日本に輸入した頃を知っている。我々がファースト・フードに関しては大先輩などだという自負がある。

▼そんな気分で、合わせて148歳の私たち夫婦は「キムタクとスズちゃん」になった気分で、マックを楽しんだ。

▼ちなみに、私は役所の委員会の出席する前に、役所近くのマックを利用する。そこで会議の資料に目を通し、質問する箇所を探すのだ。

▼役所主催の会議は、質問が出るのはあまり歓迎されないようだ。つまり“異議なし”をよしとするからだ。

▼私は質問のない会議は無意味だと思っているので、質問できる個所を探す。「マックで見っけ」と、心で叫び会議に出席する。

▼もし会議の前のマックで、BGMにビートルズが流れていたら、私の発言は会議を混乱(充実?)させるには、十分な準備ができるだろう。

▼役所の会議の前にマックに入店すると、私の心は20代の青二才の考えに変身する。そして会議を混乱させる!?。多少の礼金をもらうが、それは税金から支出されたものだ。

▼税金に見合う発言をするのが、市民代表としての役割だと思っている。マックで身体的には若返ることはできないが、精神的に若返ることができる。

▼いつも思うのだが、このファースト・フード店、様々な部分でお客の心を揺さぶる何かが充満しているような気がする。

▼こんな快い感情にさせるまちづくりを、函館観光にも取り入れて欲しいと思う。例えて言えば「キムタクとスズちゃんになった気分」になれそうな街だ。その二人が歴史と文化的な街並みを散策するというような。

▼148歳のマック初デートは、二人が若かりし頃デートした、当時関東以北最大の繁華街と呼ばれた、函館駅近くにある。

▼今は老舗が無くなり、当時の面影ははないが、妻はこの地で生まれた。私もこの地で青春時代を謳歌した。

▼なので、マックは古い街並みを一新する未来型の店舗だが、私たち夫婦の脳裏には、当時の街並みが鮮やかに再現されていた。

▼青春がよみがえる函館。そんな要素も新たなまちづくりに取り入れて欲しいものだ。

こんなお客様は初めてだ

2023年07月22日 09時22分26秒 | えいこう語る
▼妻と私が営む海岸食堂「SURF・SIDE」。コロナ収束の開放感からか、観光客も多く動き出しているようだ。

▼接客担当の私は、近隣からのお客様か、観光客かは、第一印象で大体判断できる。積極的に話しかけ、雰囲気から判断しているからだ。

▼と思っているのだが、厨房の中の妻に言わせれば「そんなに無駄話をしないで、料理の配膳 を手伝ってよ」と、よく叱咤される。

▼だが私の“接客マインド”は、お客様と様々な会話をし、私の知らない世界観を吸収することにある。何を話すと興味があるかを、瞬時に判断するため、いろんな角度から語り掛けるのだ。

▼先日も、年齢は60代後半と思われる、京都から自転車で来道し、1カ月以上をかけて北海道各地を移動している男性がやってきた。

▼どの地域が気に入りましたかと尋ねると「地面ばかり見て走っていたのでよくわからない」という。こんな男性は、意外と奥の深い人物だ。


▼「道と人間」というような?話題を投げかけた。私が思った通りに、的確な人生論が返ってくる。私とは年代が近いせいか、共通認識を共有できた。

▼私は「道」という、哲学的?な話題を楽しんだが、妻は私の接客は、ただあなたが話したいだけだという。接客の態度を越して、おしゃべりが多すぎるという。

▼普段私は、人口700人程の田舎の漁村に住んでいる。無人島にいて、船が近づいてきた如く、人間を見ただけで喜ぶのだ。

▼それは妻も理解している。以前はこの無人島?にも、数人の仲間がいた。今語れる仲間はほとんど亡くなってしまったからだ。

▼京都の男性は妻が腕を振るった「縄文ランチ」を北海道旅行で一番おいしかったとほめてくれた。これには妻も笑顔を見せ、私の接客態度も、少しは理解してくれたようだ。

▼店内はどちらかと言えば、古き良き時代のアメリカン・スタイルだといわれる。店の庭も芝生仕立てにしているが、実は私は京都のお寺の庭園が大好きだ。

▼若い時分から亡き母と二人で、口喧嘩をしながら作った自宅の庭は、近所のお寺の住職から褒められたこともある。

▼そこで庭に面した大きめのガラス窓の前を、この頃日本庭園風に改造し始めている。この男性、お客様で初めて「いい景色ですね」とほめていただいた。私の気分は絶好調になった。京都の方に褒められた庭だからだ。

▼本題に入る前に前話が長すぎる。これが妻に叱責される最大の理由だ。さて、30代前半と思われる女性サーファーが「テイクアウトできますか」と店に入ってきた。

▼食事が用意ができるまでの10分ほどの間、コ―ヒーを飲んでいただいて話しかけた。店内には対岸の下北半島に建設中の「大間原発反対」のシールが貼ってある。

▼彼女は原発問題について話し掛けて来た。それに原発自体にも相当詳しい。そこで原発問題は、今や「憲法改正」を論ずる状態にまで来ている、ということを私は話した。

▼彼女は「9条と緊急事態条項」について話してきた。ここまでくればもはや遠慮はいらない。「時間がありませんけどちょっぴり憲法改正について話してもいいですか」と尋ねた。

▼「どうぞ話してください」と。こうなれば接客というレベルから脱線する。それでも短めに話すと「テークアウトできました」と妻の声が。

▼私の拙い“憲法解釈”を笑顔で聞いていただいた、若い女性のお客様の対応に、とても充実した気分になった。

▼二人の観光客により、私は自分が旅行に出かけた先での見知らぬ人との会話で、新たな発見をしたという、充実した感情に浸れた。

▼接客の基本は「おもてなし」だというが、お客様に、逆に「おもてなし」を受けた気分になり、1日が充実した。「お客様ありがとう」。

▼ふと思ったのだが、彼女は報道関係の方ではないかと。それにしても若い女性から「緊急事態条項」という言葉が発せられたことに、とても驚いたし、うれしくも思えた。

▼「無駄話をしないで」とシェフ?に叱られるが、自分流の新たな接客スタイルを、完成したいと考えている。

軍拡路線は隣国を刺激する

2023年07月21日 08時47分27秒 | えいこう語る
▼日本の軍拡に対し、隣国のアジア諸国はどう考えているのだろうか。日本国民の視点ではなく、過去の戦争で日本に侵略されたアジア諸国の目線で考えてみる。

▼中国に焦点を絞ってみよう。1937年、日本軍は盧溝橋事件をきっかけに中国に侵略した。
その残虐行為は歴史に刻み込まれている。

▼兵力尽きた日本は降参し、新憲法で「戦争放棄」を宣言した。この宣言には日本国民だけではなく、中国国民も心から喜んだに違いない。もう残虐な日本軍は存在しないと。

▼ところが、都合の良い憲法解釈を繰り返し、今や世界屈指の軍隊(自衛隊)を保有する国となった。最少限度の戦力は保有できるという解釈と、国連憲章で認められている自衛権を拡大解釈したものだ。

▼その憲法解釈を可能にした背景に「日米軍事同盟」がある。それでも「日本国憲法第9条」が足かせとなり、米国と共同で戦うことはなかった。

▼だが台湾独立の機運が高まり、中国と米国は対立を深める。台湾有事となれば、沖縄の米軍基地が最前線となる。沖縄は日本領土だ。もし沖縄が攻められれば、自衛権は行使できる。

▼そう解釈し、実行に移したのは安倍晋三だ。2014年『集団的自衛権』を容認する法案を通す。つまり日本危機に際し、米軍と一緒に戦争するという内容だ。

▼さらに晋三の政治姿勢を継承するというキシダ総理は「敵基地攻撃能力」などという「憲法違反」を堂々と宣言する。

▼日本側は「北朝鮮への脅威」としているが、中国としては台湾を控えているので、自国に対する‟宣戦布告”を想定したものと考える。

▼鬼畜日本!?。盧溝橋事件の先制攻撃の仕返しをしなければと、中国は考えるだろう。日本は福島の汚染水の海洋投棄を、この夏にも始めるという。

▼福島の漁民ばかりではなく、国民の多くも「風評被害」を想定し反対している。そうであれば、日本国民を味方につけ「海産物放射線検査」を実施し、食の安全確保を訴えようと考える。

▼その行為に対し日本政府は、IAEA の基準に適合したのに、強硬策だと非難する。しかし漁民や国民に丁寧な説明がなされないままの放出こそ、むしろ日本政府の強国策ではないかと考えるのが中国だ。

▼14億万人の中国、日本産の海産物制限の影響は計り知れない。それも我が北海道の名産、ホタテやナマコも鮭も直撃を受ける。

▼「日米安保条約」さらには「集団的自衛権」行使容認。何気なく平和そうに過ぎ去る日常。立ち止まることなく真実を追求することを怠るこの頃。

▼そんなボヤっとした日常に、大きな危険性が拡大しているのを感じる。そんな今を『新しい戦前』と称したのは、タレントのタモリだという。

▼「新しい戦前」とは、前の戦前より格段に「恐ろしく残酷な戦前」ではないかと、中国の“仕返し”のようにも見える「海産物放射線検査」に、日本政府の対応に注目したい。

コロナ後の不安

2023年07月16日 07時45分57秒 | えいこう語る

▼コロナウイルスが発生して以来、政府が動揺したので、国民も大きな不安を感じた。発生当初の著名人の感染死亡は、それに輪をかけ不安が煽られた。

▼マスク着用は一気に広がり、社会生活も多くの制限を受けた。さらに、半ば強制的に政府よりワクチンの投与も奨励された。それも米国製のワクチン投与だった。

▼国民も日本製ではないワクチンの投与に、首をかしげながらも、多くが投与に並んだ。それも何度もの投与だ。

▼命の危険を煽られれば‟従う”ということが、コロナ禍で証明された。これは【自衛の為】ということであれば、戦争もやむなしという心理状態が、国民に中に浸透したのを感じ、薄気味が悪い。

▼この薄気味の悪さが、現在の日本社会を包む「不安」の元凶に違いない。さらにこのコロナによるパンデミックで、ICT化が急激に拡大し、さらに人工頭脳(AI)の急激な台頭も‟不安”を後押ししている。

▼IT産業の急拡大は「第四次産業革命」と呼ばれているそうだ。コンピューターの進化に落ちこぼれる私は、AIなどというものには置き去りにされる運命だ。

▼でもAIなるものが今後確実に、世界の発展につながることは間違いないと、落ちこぼれ派の私でも確信する。

▼教育へのIT産業の進出は、文科省は「GIGAスクール構想」だが、教育現場は巨大企業の参入を認め始めている。

▼それを後押しするのは経産省の「未来の教室」というプロジェクトだ。つまり教育現場を「ビックビジネス」と捉え、教育改革を推し進めようという計画のようだ。

▼コロナを機に生徒全員にタブレットを与え、巨大なデーターを分析し、未来をコントロールする。これで教員不足も解消するというが、教師が存在しなくなるという現象も起きる。

▼良くは理解できないが、このような未来を予想するのは、東大名誉教授佐藤学の、岩波ブックレットNO-1045「第四次産業革命と教育の未来」だ。

▼田舎おやじの頭では、読んで軽くは理解はするが、頭に残るものではない。そこで筆者の「あとがき」を紹介したい。

▼「2016年の世界経済フォーラム・ダボス会議で第四次産業革命の概念が提示された。IT産業と教育産業と公教育の関係が問われることになるが、資本とテクノロジーの暴走は、子供の人としての尊厳を破壊し、公教育は崩壊の危機に直面している。新型コロナは第四次産業革命を加速させ、各国の産業、経済、社会、文化、教育を大きく変化させている】。

▼私が感じているコロナ後の‟不安”は、これで大体概要がつかめた。つまり第四次産業革命は「モラル・ハザード」を拡大することなのかもしれないという、‟不安”だったのだ。

▼『新型コロナがやがては風邪の一つになることが最終形であるのと同様、ICT教育におけるコンピューターも文房具の一つになるのが、最良の最終形と言うべきでしょう』。

▼ 著者の最後のこの言葉を唯一の救いとしたい。

▼とは言うが、函館市教育委員会審議委員としての私の‟不安”は、ますます混迷を深めてきたようだ。