函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

函館大火を米軍が分析していた

2022年03月31日 09時12分48秒 | えいこう語る

▼【黒く焦げて死んでいるお婆さんを、抱き起していたお爺さんに、ある人が慰めていた。お爺さんは「あの砂山のところで、可愛い孫を腹の下にかくして、こうやって死んでいました」と笑顔を見せながら話したが、涙をぽたりと落とし、遂には泣きじゃくり、その死人の胸に顔をうずめて泣き出した。・・・遠くから死人の霊を慰める鈴の音が響いてきた。私は思わず「南無阿弥陀仏」と唱えた】。

▼読み始めて、ウクライナ戦争を思い出した方も多いに違いない。これは1934年(昭和9年)3月21日、焼死者2166人、市内3分の1を焼失した【函館大火】の、災害誌に記載された女子学生の文章だ。

▼この大火を米国人が調査し、米軍に資料として提供されていたことが分かった。その後木造家屋が多い日本国内の20都市の壊滅には、焼夷弾の量が3倍以上になったというのが、28日の北海道新聞の記事だ。

▼米軍は日本都市部への爆撃計画で、木造家屋を建設し焼夷弾を投下し、消滅状態の実験を行っていたというのも知られている。

▼戦争は突然始まるのではない。十分に計画され勝てると判断したら、相手が仕掛けてきたような理由をつけて開始される。この奸智にたけた卑劣な行為が戦争だ。

▼ということで、いくら歴史で学んでいても、人間はまた繰り返す。なぜかといえば国家があり、国境(縄張り)があるからなのだろう。

▼ウクライナ戦争はロシアではなく、プーチン一人だけの問題のようだ。ロシア国民の中からも反プーチン運動が起きている。もちろん軍は弾圧する。

▼いずれは国内からの動きで、プーチン政権は崩壊するだろう。だが、停戦協定が進み戦争が中断されれば、国内の反プーチン勢力の壊滅計画に向かうに違いない。

▼国民にそっぽを向かれたプーチンは【粛清】という、人類史上まれにみる行動をとるに違いない。プーチンはなぜそんな力を持ったのか。それは世界屈指の「軍隊」を保持しているからだ。

▼そんな人間が我が国には出現しないかといえば、サリンをばらまいた「アサハラ」を思い出す。彼は軍事力も保有しようとしたからだ。

▼他は自衛隊のトップに、8年も鎮座したシンゾウだ。プーチンとの27回もの会談を持ち、北方領土交渉を粘り強く交渉していたと思っていたら、まったくそうではなかった。

▼能天気にもほどがある。ロシアが戦争の最中に、我が国も【核共有】をという、アサハラ以上の国家破壊的発言をした。

▼ロシアはこの言葉に反応し「北方4島問題」は、無しにすると宣言した。領土返還運動団体と野党は団結し、シンゾウを国会で糾弾してほしいものだ。

▼と思っていたら最近の世論調査では「米国の核兵器を国内に配備して共同運用する政策についても議論をする必要がある」という意見が5割を越えたという。

▼2発の核を落とされた国ということを、忘れているのだろうか。そういえば【8月15日】を知らない若者が増えてきたというのを思いだした。

▼もしかして「憲法改正」の国民投票が行われたら「過半数」は超えると現政権は予測し、次の参議院選挙には、最大の選挙資金を投入してくるに違いない。

▼突然シベリア寒気団が侵入してきた様に、背筋に悪寒を感じた。軍靴の足音は、サハリンや千島列島に響いているのではないだろうか。

▼驚くべきことがある。2020年2月に、陸上自衛隊が記者向けに実施した勉強会で配布した資料に「予想される新たな戦いの様相」というのが記載してあった。

▼テロやサイバー攻撃と共に【反戦デモ】を例示してたという。記者たちから不適切だとの指摘を受け、資料を回収し【暴徒化したデモ】に修正したという。北海道新聞(3月31日)

▼さらにその資料を保存期限前に、誤って廃棄したという。公文書管理法で期間内に廃棄してはならないとされているのに「再発防止に努める」というのでは、次もこの言葉を繰り返すだけだろう。

▼それが30日の衆院外務委員会で質問された。質問するのも遅いが、記者たちがそれをトップ記事にしなかったのが解せない。政府の圧力がかかっていたのだろうか。

▼戦争はある日突然起きるのではない。戦争できる準備がある程度整った時、走り出すのだ。その時に政府の命令を行き届かせる強制手段が【緊急事態条項】だ。

▼そうなれば「戒厳令」や憲法を停止し、日本も「全権委任」できる権利も与えてしまう。プーチンはそんな権力を持って戦争を行っているので、反対する者は全員牢屋行きとなる。

▼現自衛隊でも【反戦デモ】の取り締まりをしようとしているのだから【9条改正】を見越しているのだろう。

▼ウクライナ戦争は、日本の軍備強化に拍車をかけるに違いない。ロシアの北海道侵攻を煽り【憲法改正】へと突進しそうだ。

▼我が国の政治の裏舞台で起きていることを、いち早く報道して、国民がいたずらに国防意識を高めないよう【新聞の力】を発揮してほしいと思う。

▼【人間として許してはならない、踏み越えてはいけない一線に対し、自分の中に湧き上がってくる『反抗』の精神を大切にしよう】と呼びかけるのは、東工大教授の中島岳志だ。

▼昨日もヘリコプターが5機、私の目の前の海上を飛んで行った。5機も飛んでいるのは生まれて初めて見た。随分前に亡くなったが、元兵士から聞いた話を思い出した。

▼戦闘機から襲撃されたら、前に逃げると完全に後ろから打たれ死ぬ。飛行機に向かって走った方が銃弾の流れが見えて、助かる可能性が大きいと。

▼本当にそうだろうか。でも戦場で考えたそうだ。この言葉も忘れないでいようと思う。

ヤジは表現の自由の範囲か

2022年03月26日 17時19分54秒 | えいこう語る

▼2019年の参議院選挙の札幌駅前の街頭演説。シンゾウが演説を始めたら『安倍辞めろ』『増税反対』など二人が叫んだ途端、道警が排除した。

▼この映像は何度も流された。市民を守るはずの警察が総理を守った。その頃すでにシンゾウは総理の資質を疑われていた。「辞めろ」「増税反対」も国民の真摯な声だ。

▼演説が聞こえないくらいの妨害なら、排除も適法だろうが、一瞬のうちに反対の声は遠くに連れ去られた。

▼そのシーンは、権力者に反対するものは排除するという、道警の隠れた任務を垣間見せられた気がした。戦時中の特攻(特別警察)に変身できるということを、見せつけた感じがした。

▼だが東京でのシンゾウの街頭演説では、札幌の比ではない。その反対ヤジに向かって「こんな人たちに負けるわけにはいかない」とシンゾウも応酬する。

▼国会内のヤジなど街頭以上ではないか。シンゾウまでがヤジを飛ばす。「共産党みたいではないか」「同じことを言うな」と、まるでトランプ同様の品のなさだ。

▼ヤジも停滞する議論を、勧めるようなエスプリのきいたヤジを期待したいものだ。笑いが起き、興奮状態が和らぎ議論が深まる、そのようなものであってほしい。

▼私は話の途中にヤジを飛ばす人間が嫌いだ。最後まで聞いてから反論すればいい。途中でヤジが多ければ相手も動揺し、相手の考え方が見えないからだ。

▼私もたった一度だけ、私の発言中にヤジが飛びすぎたのでこう対抗したことがある。「日本国憲法第21条に、表現の自由は保障されている。あなたたちは憲法さえ守れないのか」と大声で叫ぶと、黙り込んでしまったことがある。

▼この時【憲法】という言葉が、水戸黄門の「印籠」のような効果があった。一般市民の集まりで「憲法」という言葉が出たので、ドラマのように「印籠」につられヤジが止んだのだ。

▼今回の札幌地裁の判決は、表現の自由を認めたまともな判決だ。だがシンゾウなら自分のヤジも認められると解釈するに違いない。

▼堀内健志著【憲法】(信山社)の中の「表現の自由」の記述では「表現とは内心の自由を外部へ表そうとする意志と行為をともなった精神作用であり、その内容は真実であるを要しない」とあるからだ。

▼これをシンゾウは「嘘をついてもいい」と、憲法学者が判断していると解釈するだろう。常識的な識字能力があれば「真実であることを要しない」というのは、表現の自由は原則的にそうであっても【嘘をついてはならない】という普遍的な考えの上に立ってである、ということを理解しなければならないはずだ。

▼そんなシンゾウだから【核共有】などという言葉を発する。この男が自民党派閥の領袖だから【自民党改憲草案】通り憲法改正となれば
、自衛隊を日本軍と改め、最強の武器である「核兵器」を持つに違いない。

▼この判決は道警側の越権行為だとして、道警に罰金を科した。ヤジが正当化されるとすれば、今後相当なヤジの応酬が飛び交うことになる。

▼そうであれば、第12条の「自由・権利の保持の責任とその乱用の禁止」を持ち出し「国民はこれを乱用してはならないのであって、常に“公共の福祉”のためにこれを利用する責任を負う」という文言を、前面に掲げて裁判を進めてくるに違いない。

▼さて、自民党改憲草案の重点目標がここに潜んでいる。【公共の福祉】という文言を【公益及び公の秩序】と変えてある。

▼つまり、国家の意向に沿わなければ、すべての人権を保障しないという改憲内容だ。今道警が憲法違反だとしても、自民の改憲草案通りに改憲されれば、今度は道警が勝訴することになる。

▼「憲法改正」とは、今まで日本社会に定着された基本秩序が、逆転する現象が現れるということだ。私は「自民党会見草案」は、「国民主権」から【国家主権】への移行を目指しているという解釈だ。

▼私のように憲法をまるで知らなかったものでも、コロナ禍の引きこもり状態の中で、関係本を数冊読んだだけでもそう理解する。

▼問題はウクライナ戦争だ。遥かかなたの戦争が、北方領土問題にも影響し始めている。敵はロシアだなどと煽れば【憲法改正】への“国民の熱狂”が起きる。

▼こんな時に「核共有」をちらつかせるシンゾウは、プーチン同様の性格のようだ。そして米国の核の傘下で、プーチンを脅かそうとしているからだ。

▼「核共有」で、我が北海道を突然恐怖にさせたのはシンゾウだ。北海道知事もロシア批判だけでなく、むしろシンゾウの発言を批判しなければならない。

▼道警もシンゾウに忖度し、市民を敵視してはならない。シンゾウの警備に過剰に忖度する、組織のありようについて反省しなければならない。

▼ウクライナ戦争はロシア国民が悪いのではないが、プーチンという独裁者を許した国民にも、その責任はある。

▼「憲法9条」がある国家にもかかわらず、シンゾウに8年もの政権を託し「核共有」を言わせた日本国民にも責任がある。

▼その独裁を防ぐために選挙がある。選挙に投票者の名を記入するわけではない。選挙こそが独裁国家を防ぐ最大の武器ではないか。

▼間もなくやってくる参議院選挙。この一票は国民の最強の武器だと考えさせられる。ウクライナ戦争の教訓は、我々日本人にもすでに示されている。

▼一見何気ない「札幌でのヤジ問題」も、考えてみれば「憲法改正」への、局地戦とも思えてくる。


   戦争はウクライナから飛び火した
                三頭下

日本は軍事国家に向かうのか

2022年03月25日 19時21分33秒 | えいこう語る

▼ウクライナがどんな位置にあるか、よく知らなかった。今回の戦争で地政学上、非常に不安定な場所にあるのは確認できた。

▼理解できたがあまりにも我が国から遠いので、戦争自体の恐怖感の実感は薄い。と思っていたら、北朝鮮がまた日本海上にミサイルを発射した。

▼EEZ外だと思っていたら、なんと我が国の領海内に飛んできたという。その着弾地点が渡島半島沖150キロに落ちた。

▼渡島半島と言えば、函館市がある半島だ。今年に入って北朝鮮は、今までになく発射実験を繰り返している。何が目的なのだろうか。

▼北海道周辺では最近ロシアもミサイル発射訓練をしている。津軽海峡は公海とはいえ、晴れた日には対岸の青森県が見える。そこをロシア艦隊がウクライナに向け補給活動のために通過している。

▼今や北海道は、ロシアと北朝鮮に狙われている気がして、多少心も不安定になる。ある日津軽海峡にロシア艦隊がずらりと並ぶ光景は、何度か夢に見ている。

▼ノルマンディーや沖縄の上陸作戦は、映画で観ているので、その映像と重なりとてもリアルな夢になるからだ。

▼そんな夢は何度も見たくない。次に見る時は、北海道と青森の津軽海峡の最短地点である、函館市戸井町汐首地区の小高い山の上に、ゴジラを登場さようと思う。

▼ゴジラが火を噴いてロシア艦隊を全滅させ、北朝鮮から飛来するミサイルを、ゴジラが捕まえて、北朝鮮に投げ返すという、最高に痛快な【ゴジラ津軽海峡の戦い】という夢の映画を制作したい。

▼因みに戸井町汐首付近の山は、日露戦争の203高地と似ているらしく、NHK大河ドラマ「坂の上の雲」の撮影現場になったところだ。

▼日露戦争の日本海海戦では、ロシアのバルチック艦隊が対馬海峡を通過したが、日本海軍は津軽海峡を通過すると考えていた。

▼その判断が間違って、海軍が津軽海峡に集結していれば、日露戦争は日本が負けていたと思われる。

▼そうであれば、北方4島ではなく、北海道までロシアに獲られていたというのが、私の歴史認識だ。

▼そこで最近周囲の方に【北方5島】説を解説すれば、皆笑いはするが、さもありなんという心配も顔に浮かぶ。

▼ほとんどが【北方5島】説に反応するぐらい、北海道民はウクライナな問題を身近に感じているようだ。

▼今回ミサイルが着弾した海域は、6月から始まるイカ漁の漁場だ。「イカのまち函館」も今や不漁で見る影もない。イカの塩辛の原料さえ獲得できない状態だ。

▼となれば、ゴジラ・フアンの私としては、キシダ総理よりキシ防衛大臣より、ゴジラに期待したい。ゴジラのフィギアは、友人からいただいた南極の石の横に置いてある。

▼南極の石からエネルギーをもらい、我が家のゴジラはパワー全開だ。さらに私の机には、焼き鳥の竹串に、ウクライナ国旗を貼り付け【ウクライナに栄光あれ】と心で応援している。

▼今急に思い出した。数年前に函館の自衛隊が、津軽海峡に侵入した戦艦を攻撃する訓練を実施した。そのことを思い出した。

▼自衛隊も北海道が、極東のウクライナになりかねないという認識で、訓練をしているのだろう。この頃の北海道はそんな危険が迫っているのではないかという、気がしてならない毎日だ。

▼ロシアや北朝鮮に制裁を加えるのも理解できるが【核兵器禁止条約】の先頭に立ち、被爆国(福島も含め)の国として、胸を張って世界に核のない平和の理念を掲げることが【かっこいい日本人】ではないかと思う。

▼ウクライナ戦争は「軍事大国は独裁化して戦争する国になる」ということを、世界の人々に教訓を与えたのではないか。


▼ここで作家故城山三郎さんの言葉を、改めて心にしたい。

【戦争はすべてを失わせる。戦争で得たものは憲法だけだ】。

北海道が狙われる

2022年03月24日 12時03分50秒 | えいこう語る

▼映画監督森達也著【すべての戦争は自衛意識から始まる】「ダイヤモンド社」を読み返している。その中に「自衛の意識は簡単に肥大する」という文章がある。

▼自衛の意識は解釈次第でどうにでもなる。かつて日本が戦争の大義にしたのは、欧米列強からのアジアの開放だ。

▼ナチスによるポーランドへの侵攻は、祖国防衛が目的だった。ユダヤ人の虐殺はゲルマン民族を守るためだった。

▼ブッシュ政権のイラク侵攻も、大量破壊兵器を持つテロリストから、世界の平和を守ることが大儀だった。

▼人は自衛を全面に持ち出し、都合の良い大義をつくり人を殺す。巨大な軍事力を持っていては、過剰防衛になりやすい。そこで敗戦後武器を捨てようと、日本は憲法に明記した。

▼我が国は米国に追従するように、躊躇せずロシアに経済制裁を加えた。ゼレンスキー大統領は、日本がアジアで一番先に経済封鎖をしたことを感謝した。その瞬間ロシアは日本を敵とみなした。

▼もし私がプーチンなら、ウクライナ侵攻に集中している最中に、日本は北方領土を奪還するに違いないと考えるだろう。日本は世界有数の“軍事力”を有し、日米同盟を維持しているからだ。

▼案の定、ロシアは北方領土問題を含む【平和条約締結交渉を拒否】してきた。だが、日本には攻めてこないだろうと考えるのは、プーチン政権下では安易な考えではないだろうか。

▼日本が北方領土奪還で侵攻してくる恐れがある。なので自衛のために北海道に侵攻する。そんな大義をプーチンが考えていやしないだろうか。

▼終戦後、ソ連は北海道を分割統治する考えがあった。それを思い出させるように、ウクライナ侵攻中にも関わらず、北方領土海域でミサイルの発射訓練や、津軽海峡をロシア艦隊が通過している。

▼私は懸念する。「北方4島」が【北方5島】になりはしないかと。万が一はないというが、万が一を平気で行うのがプーチンだからだ。

▼27回もの出会いで「ウラジミール」「シンゾウ」と、まるで親友の様に呼び合っていた仲なのに、ウクライナ侵略を機に、米国と「核共有」すると脅かす。

▼ウラジミールは、青筋を立てて怒っているに違いない。ウクライナの次に、北海道にも一発落としてやろうかと。

▼防衛省防衛研究所室長の高橋杉雄は、外交と軍事は一体化し「軍事力の復権」を期待することを唱える。政治家にも国民にも、軍事力をめぐる深い知識と理解が求められると話している。(24日北海道新聞)

▼ウラジミールは、シンゾウを裏切り者と罵るだろう。日露戦争の敵を討ってやると、国民に訴えるかもしれない。妄想は果てしなく続く。

▼24日の北海道新聞の川柳欄に、こんな句が載っていた。

   蜜月を誇示した島のカエラ手形
               加藤悟
それを受けて、こうつないだ。

   日本外交ガキの使いか
               三頭下

薬を毒だと言っていた友

2022年03月22日 09時19分05秒 | えいこう語る

▼3年前に癌で亡くなった高校時代からの悪友は、当時癌に効くと言われた薬を、本当は「毒」なんだと私に話した。

▼そのことを書いた本を貸してくれた。確かに癌の薬の説明書には「毒」という字が記載されていた。

▼考えてみれば癌の治療をしている患者は、髪の毛が抜け落ち、薬を飲むのが辛そうで、食欲もなくなっている。

▼友人は学生運動のデモ隊の指揮をしていただけに、自分の考えを曲げることはなかった。癌治療を拒否した。

▼癌の手術では名が通っている医師の執刀だったが、態度が横柄だと話していた。彼の状態は私が見ても長くはないと思っていたが、彼は医師に「あとどのくらいか」と聞いたという。

▼【あと3日だ】と言ったという。彼は怒り心頭に達し自宅に戻った。だが自宅療養は困難となり、別の病院に入り宣言されてから10日ほど頑張り、私が見舞った後に亡くなった。

▼医師の予想を7日も覆したのだから“勝負師”?らしい最後だった。勝負師と称したのは、彼が競馬の大フアンだったからだ。

▼亡くなった時、看護婦さんが競馬新聞を顔にかぶせてくれたというのがうれしい。競馬は負けが多かったようだが。

▼彼はゴルフのシングルで、ゴルフはめっぽう強かった。ゴルフ仲間に医師たちが多かったので、その関係ですんなり病院の確保ができたのだ。

▼昨夜、佐高信著『安倍「日本会議」政権と共犯者たち』を読み終えた。そこでこんな文章に出会い、ちょっぴりおっちょこちょいで、憎めない男だった、悪友のことを思い出した。

▼「薬学」のことを、昔は【毒物学】と言っていた。クスリは毒であり、毒にもならないクスリは、それこそ何にも役に立たないと。

▼彼はそのことを知らないで、「癌」の薬は、毒と書いていたので、毒を患者に飲ましてわずかに延命させ、高い治療費を取っていると考えていたのだ。

▼私のあの世で彼に出会ったら、そのことを教えてやろうと思うが、彼が考えてそれを実行しすべて終了しているのだから、黙っているのが悪友らしさなのかも知れないなどとも考えている。

▼だが彼は「毒」だと思ったが、もしその医師が丁寧に親切に教えてくれたら、彼も納得し治療を受けていたのかもしれない。

▼ふとこんなことを考えさせられたのも、プーチンとゼレンスキーの「言葉の応酬」が、私の頭を覆っていたせいかもしれない。

▼言葉は「生きる意欲を与えてくれる」意思伝達の手段であってほしいものだ。


 騎手になっているのではないかと思う悪友
                 三頭下