函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

なれ過ぎた後に

2010年12月29日 11時30分10秒 | えいこう語る
先日、石狩管内のK元村長が亡くなられた。
Kさんの村には、石狩川河川を利用した村営のゴルフ場があり、低料金なので平日は村民の方がゴルフを楽しんでいた。
私も当時のY知事に誘われ、何度かこのコースでプレーしたことがある。
河川敷のフラットなゴルフ場に日本海の夕陽が落ちると、写真で見る世界の有名ゴルフ場のような、すばらしい光景が心を揺さぶったものである。
プレー中Y知事が「Kさんはいつもボールがフェアウエーをキープしてますね。
右でもない左でもない、常に中道を行く」そんな粋なジョークが印象に残っている。
※この写真は函館の郊外だが、この場所がゴルフ場になったようなコースでした。


Kさんは当時3期目だった。もはやKさんに対抗する人物など、ありえないと思うほどの人格者に見えた。
「どんな立派な人間でも、長期政権になると周囲が崩れるので、3期ぐらいが頃合ですよ」と、若輩の私が言った言葉に「譲る人間は決めている」と言明した。
石狩の広大な大地は、このような人物を輩出するのだろうと、感動したものである。
新聞の死亡欄では7期を務めたとあった。村の発展に命を捧げ、長期になったのかと思う。
今朝の新聞に、檜山管内0町の第三セクターが解散したと出ていた。
国の補助事業を受けていたが、条件を満たさなかったため、町が5千万円強の補助金を国に返還するという。
T町長は地元出身で元中央官僚出身、現在7期目で、今や道町村会長も勤め、道内有数の実力者だ。
私の村の元村長も6期務めた方がいる。人柄は北海道庁でも評判だった。
振り返ってみれば我が村も、補助金を導入した、すでに流行遅れの企業誘致あたりから、ほころびを見せたようである。
その失敗あたりから、徐々に吸収合併への道を歩み始めたような気もする。
人間には初めから悪い人間などいるはずはない。
権力の座に着くと、やがて過信が出る。周囲もその過信を戒めることができなくなり、やがてその周囲も、変革を望まず怠惰の中で保身を貫くのだ。その寸前が引き際なのだが、当初は理解していても、軌道に乗るとその時期を見失うのである。
来年行われる、我が函館市長選挙に思いを馳せてみる。
現職と対抗馬、共に副市長経験者で、役人生活40年近くの行政のベテランである。
今の世の中の閉塞感を打ち破るには、従来の議員や役人の組織で考える発想では、立ち行かなくなっているというのが、世間の常識である。
市行政や議会運営に精通し、そこで育ち組織の色に染まった人間に、どれほどの変革が期待できるだろうか。
天下りと同じではないか。
やることはせいぜい現状維持が妥当であろう。
変革とは少なくとも、現状を否定することだ。
役人が役所や仲間を否定できるのか。それは自分の今までの存在をも否定することになるからだ。それは普通の人間では出来ないであろう。
「名人が漬けた漬物も、時間が経ち過ぎたら、匂いがしてくる」
そう思いませんか。


進化と退化

2010年12月28日 12時39分14秒 | えいこう語る
物まねのコロッケさんが,NHKテレビで1時間半のワンマンショーを行った。
圧巻だったのは、100人の物まねを連続して行った企画だ。
物まねする人選、曲の配分、本人とバックダンサーのパフォーマンスも、おそらくコロッケさん自身による、総合演出だったに違いない。
演ずるコロッケさん、そしてバックダンサーの表情を注視しても、みんなが楽しんでいたのが印象的だった。
そして、観客も一体となり、コロッケワールドに引き込まれてしまった。
コロッケさんはテレビの物まね番組で優勝し、ブレークした。
その後この業界では、常に第一線をリードして来た。
その30年間を振り返り「ありがたい」という言葉で締めくくった。
自分に物まねをさせてくれる個性ある人々がいて、自分がここまでやってこられたという意味に受け取った。
しかし、普通の物まねように、ただのそっくりではない。真似する人物をコロッケさん流にデフォルメし、さらに強く印象付け、物まねの概念を進化させ続けてきたのである。
そのコロッケさんをトドホッケ村に招待したのは、25年ほど前のことである。
それからのコロッケさんは、周囲の素材(物まねする有名人)を十分生かしきり、昨日のワンマンショ-を成功させたのだ。
さて、コロッケさんが来村してからのトドホッケ村は、どうなったであろう。


周囲の素材(風景・温泉・魚影豊富な魚田・恵山道立自然公園・海浜露天風呂・函館空港より車で40分の地の利・等)を生かす演出力もないまま、人口は当時から1,000人も減少させ、村を退化させてしまったのだ。
しかし、諦めるには値しないのだ。
不可能とは 自らの力で世界を切り抜くことを放棄した 臆病者の言葉だ
不可能とは 現実に甘んじるための言い訳に過ぎない
不可能とは 現実ですらなくただの先入観だ
不可能とは 誰かに決め付けられることではない
不可能とは 通過点だ
不可能とは 可能性だ
不可能なんてありえない

先日、北海道新幹線フォーラムに参加した時のことである。
函館まで伸長された時、周囲のマチで期待できるのは「トドホッケ村」だと、東京から参加した講演者が発言したのである。
昨日のコロッケコンサートは、以前訪れたトドホッケ村に、大きなメッセージを送ってくれたと、私は受け止めた。
「不可能なんてありえない」素材を進化させるだけだ、と。


日ロ漁業問題

2010年12月27日 10時14分07秒 | えいこう語る
今朝の北海道新聞一面に「漁業4社・ロシアに裏金」という、トップ記事が掲載されている。
北方領土などで操業するスケソウ漁等の、国レベルの漁業協定枠を超えた以上のものを取らせてもらうため、稚内・釧路・東北地方の漁業会社が、3年間で5億円をロシア側に支払っていたという。
協定枠を超えた漁獲量が水揚げされているのなら、漁業組合はその事実は黙認していたのである。しかしこの事件は、単に漁業関係者のモラルの問題ではない。
とはいっても、血税から多額の補助金が出ているのである。特定の漁業者だけが「俺だけはいいんだ」ということでは済まされない。
先日ロシアの大統領が、突然北方領土を視察した。こんなときはすばやく、ロシア側に遺憾の旨を伝えた。
その後、前原外相が飛行機に乗り、北方領土上陸かと思わせたが、上空を旋回しただけだった。せめて「タッチ&ゴー」を数回繰り返して欲しかった。
世界的に見たら、巨大シロクマにペットの小犬が吠えたようなものである。
大臣が代わるたび視察に訪れるが、領土返還運動に携わる人たちは、あきれ返っているに違いない。
私たち道民でも、期待感ゼロの視察だと思っている。
※雪の中に昆布を干しているのではありません。車が走って雪が融けてそれがシバレます。今朝はアイスバーン状態です。


さらに政権が不安定すぎる政府には、領土返還などという期待は、万に一つも感じられない。
今年の北海道漁業。温暖化の影響で、鮭・秋刀魚・イカ漁の不振が際立った。今回の事件は、自らお金を払ってでも生き延びなければならないという、危機感の表れでもあろう。国税局が所得隠しだとし、調査に入ったという。これでは真の問題解決にはならない。とりあえず、国税局を出向かせたというだけだろう。
政府は今回の件に際し、どのような見解を示すのであろうか。
「このような個人的な違反により、領土解決が遠のく可能性があるので、以後厳重に注意してほしい」と、お茶を濁すのであろうか。
「菅首相、尖閣列島問題も北方領土問題も沖縄基地問題も、苦しんでいるのは、総理あなた一人ではありませんよ。そこに住んでいる国民なんですよ」
「北朝鮮・ロシア・中国・米国」の各首脳。彼等は日本語が解らないないかもしれないが、一郎さんは誰が見たって日本人ですよ。
一郎さん一人も処理できなくて、国際問題など解決できないと思いますが。
「ロシアに裏金問題」は、漁業関係者を官邸に呼び、実体はどうなっているのか、現場の声を聞いたほうがいいと思いますよ。
「馬の耳に念仏内閣」「暖簾に腕押し内閣」「自分にバカヤロウ解散」なんて、北海道のどこかの村で、元あなたのフアンだった誰かが叫んでいますよ。


再生・北海道!

2010年12月26日 11時18分11秒 | えいこう語る
昨日は、雪かきの1日だった。
朝の5時半が最初で、就寝前の午後11時を最後に、計5回だ。
今朝外に出ると、すでに車道はブルトーザーで、排雪されている。
車の走行だけを優先し、家の前の歩道に雪を盛り上げているだけだ。これが重くて身体に堪える。
雪をダンプカーに積んで、除雪してくれればいいのだが、そんな予算などまったく無いのが、函館市であり北海道だ。
雪がちょっぴり降っただけで、北海道の経済の低迷を、実感してしまうこの頃である。
※銚子ビーチも冬景色。サーフサイドは25日をもって、本年の営業を終了させていただきました。
ありがとうございました。OPENは11年4月です。


昨日隣町のSさんと、日ハムに入団が決まった、斉藤祐樹選手の話題で盛り上がった。斉藤選手のさわやかな人柄は、道民の多くが、北海道を再生してくれそうだと、期待を持たせてくれるるからだ。
1年目から1軍で活躍した場合の経済効果が報じられ、また来年も国内やアジアからの北海道観光が好調のようなので、うさぎ年の来年は、躍進のいい感じの年になりそうである。
こんな高揚感、以前味わったことがあったような気がした。
1983年の北海道知事選挙だ。
革新知事の横路孝弘さんが、まさかの大逆転で当選し、そのさわやかさが、北海道の再生を期待させられた時である。
就任早々「一村一品運動」を提唱し、当時、212の市町村の北海道で、自分のマチの中で、一番輝くものを探し出す運動を推進した。
このわかりやすい政策は道民の心をつかんだ。
地域が一丸となり、他のマチと競い合いながら、活性化の道を切り開いたのである。
道民が自治の基本を学んだ時代でもあった。
自治とは、そのマチの住民が、自分たちのマチをどんなマチにしたいのかを、実践することなのである。
行政が用意した予算内の狭い範囲でのマチづくりは、自治の精神とは違うということを、教えられた運動でもあった。
斉藤選手が、道民に向けたメッセージを考えてみよう。
「自分は何かを持っていると思います。・・・それは“仲間”です」
私たち道民は、斉藤選手の活躍のみに期待してはだめなのである。
地域で「仲間づくり」をし、地域ぐるみで、盛り上げなければ北海道の真の活性化にはならないのである。
来年はくしくも知事選挙である。
「北海道仲間づくり運動」そんな北海道の再生プロジェクトを、立ち上げてほしいものである。
斉藤選手が活躍する日ハムの強さ、それと各地方自治体の底力は、共に強力な「仲間づくり」であると思うのだが。


津軽海峡が危ない!

2010年12月25日 13時55分44秒 | えいこう語る
25日のトドホッケ村。目覚めると一面の銀世界、粉雪で軽かったので、雪かきも簡単に済ませることが出来た。
朝飯前の一丁上がりっていう感じで、身体も軽く鼻歌の一つも出そうな感じである。
そんなわけで、過疎の村の雪かきの風景を、一句詠んでみました。
「高齢者 そろいぶみの 雪の朝」   三等下
朝刊を開く。
昨日の函館地裁での「大間原発建設差し止め訴訟」第1回口頭弁論。
大間原発は、ウランとプルトニュームを二つ混ぜたMOX燃料を燃やす、日本初で最大級の原発。
ウランは広島、プルトニュームは長崎の原爆だ。


原子炉を冷却するのに大量の海水を使うが、その排水は海水より7度も高くなり、放射能を含んだ温排水を、毎秒90トン津軽海峡に放出するという。
か、か、勘弁してちょうだい!!と、漁師見習の私はぶったまげてしまう。
冬場は津軽海峡の女王サクラマス様のお出ましである。
さらに大間マグロや戸井マグロ大王が、海峡で踊り出すのである。
放射能をたれ流してなんとするのだ。
ところが昨日の地裁、クリスマスイブらしく盛り上がったようだ。
原告側に、海峡の生態系に影響があると、大間のマグロさんと戸井のマグロさんも加わったのだ。
被告側は、相当驚いたに違いない。ま、ま、マグロが原告!?
民事訴訟法上の当事者能力を認められないとし、マグロさんたちの訴えの却下を求めたという。
マグロさんたちは、今や寿司だねとしては、世界中の人々に称賛されているのだ。マグロさんを救う署名活動をし、応援してはいかがだろうか。
沖縄米軍基地問題や原発問題は、国家という巨大組織との戦いである。
まともに戦っては勝てない。
原告の人たちも、マグロの帽子をかぶって裁判に臨む、そんなユーモラスな戦いをしていけばいいと思う。
漁師見習の私としては、原発反対のパンフレットを店に置いているのと、たまには酒の席で、原発の恐ろしい話を、一席うかがっていきたいと思っている。