函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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民主主義を濫用し憲法改正へ

2024年05月05日 18時12分57秒 | えいこう語る

▼キシダ総理の顔は温和そうに見える。誠実そうに感じる。ということは、本心も誠実に違いない。心は顔に表れるからだ。

▼だが、ポーカーフェイスと言う言葉がある。感情を表に出さず、人をたぶらかすというものだ。キシダ総理はどうやら、このタイプのようだ。

▼民主主義とはよく話し合い、その結果多数決で決める。その過程を省略し、自分の閣僚たちで、すべてを決めてしまうのは、民主主義の濫用だ。

▼キシダ総理がアベシンゾウより受け継いだ得意技に『閣議決定』がある。これは適法だが、やりすぎは民主主義の濫用だ。

▼『閣議決定』について、おさらいをしてみたい。内閣法第4条には「内閣がその職権を行うには‟閣議”によるものとする」とある。

▼さらに憲法65条には「行政権は内閣に属する」と定められている。つまり閣議決定は「行政権を持つ内閣の決定」ということになる。

▼そのようにして決められた決定は、政府内における最高の意思決定として、政府全体に貫徹されるべきものと、みなされている。

▼閣議決定は国会審議を得ないため、内閣にとってはスピード感をもった対応ができる、メリットがある。

▼だが法的効力はなく、国会を縛る拘束力もない。なので閣議決定は「国会のチェックが働かず、内閣の暴走を許す余地とリスクがある」。

▼権力の濫用を防ぐため「三権分立」があるが、閣議決定のような行政が法を凌駕する事態を『例外状態』という。

▼これが行き過ぎれば「例外状態は民主主義国家を、全体主義国家へと変容させることを可能とする」。

▼なぜ閣議決定が常態化したかと言えば「コロナ危機」を理由に、行政権力が緊急事態を宣言し「例外状態」が長引いて、国民が‟やむをえない”と受け入れ、慣れてしまったからだ。

▼キシダ総理は、自分の総裁任期期間中に【憲法改正】を行うと明言している。短期間で改憲などできるかと思うが、国民の‟やむをえない”という状況が続く間に、勝負をかけようとしている。

▼それはヒットラーが、ワイマール憲法を形式上は廃止することなく「例外状態」を12年間も続けたのとよく似ている。

▼長く続いたので、ワイマール憲法は、事実上無効化されてしまった。「閣議決定」という「例外状態」を多様化したのは、アベシンゾウだ。それをキシダ総理が継続している。

▼これが『憲法9条』を無効化させている。パトリオットや戦闘機の国内製造と販売、これは完全に憲法の無効化作戦だ。

▼有事の時の衆議院の任期延長などと言いながら、【緊急事態条項】の設立などというのは、国民を馬鹿にしている行為だ。

▼「緊急事態条項」とは「軍隊」とセットだからだ。戦争できる権限を総理に一任する法律だ。

▼大規模な災害の時に、素早く行動するというような説明は、全くのペテンだ。国民はそんな「例外状態」を、総理に一任させてはならない。

▼災害はいくら大きくとも「災害対策基本法」で、処理できるからだ。災害も多くの人間が犠牲になる。だが戦争は「大量虐殺」を容認することだからだ。

▼【閣議決定阻止】。これが平和憲法日本の生きる道ではないか。「ヒットラー文雄」の早期の退陣を、声高に訴えようではないか。
 
※岩波書店「世界」5月号、松本一弥氏の「閣議決定」に係る記事を、参照とさせていただいた。