花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

お隣さん?

2023年08月05日 | 生物生産科
ここは調理室。彼女たちは今年から活動を開始した食農班です。
現在は生物生産科の2年生女子の2名だけ在籍する名農一小さな研究班で
先輩がいないあたりはFLORA HUNTERSと同じ境遇。
また活動する調理室がFLORAが本拠地とする土肥室の隣ときているので
何かと相談にやってきます。でもそれだけではない深い関係があります。
実は2018年、TEAM FLORA PHOTONICSが地域特産の渋柿である
妙丹柿のパウダー化に成功。ほのかな香りと柔らかな甘味は
和三盆かと思うほど上品な味わい。
文化祭で試食していただいたところ大好評でした。
その後、タイミングがなく長い間、実用化の研究は休止していました。
そんな時、今年食農班が結成されたというのでこの研究を提供。
検討の結果、引き継いでくれることになりました。
今、彼女たちが挑んでいるのはデザート化。
お隣さんのよしみで試食させてもらいましたが、なかなかの味。
専門家である家庭科の先生にかかると、こうも違うものかと驚きです。
そこで食農班は腕試しに食のコンクールに応募することにしました。
この日は応募作品の写真撮影。女子高生ならではの可愛い写真が撮れていました。
初陣。認めてもらうと俄然モチベーションが上がるもの。頑張れ食農班!
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無人販売所

2023年07月22日 | 生物生産科
職員玄関前に設置されている無人販売所。
生物生産科の食品製造班が通年で設置しているアンテナショップで
地元南部町の果物を使ったジャムや
手作りの焼き肉のタレなど多種多様な商品が並びます。
教科「農業」の課題研究は、農業や農村を活性するために
活動することになっています。各校の食品分野の研究班が廃棄農産物の有効利用や
忘れられている伝統食材の再活用などに取り組む学校が多いのはこれが理由です。
家庭科の課題研究とはそこが大きく違うのです。
農業高校にはたくさんの研究班がありますが
長い栽培が伴う研究班と違い、思いついたらすぐにアイデアを試せる
食品製造や加工に取り組む研究班はどの学校の農業クラブにとっても即戦力。
大会ではたくさんのチームが地域活性を図るアイデアで勝負しています。
6次産業化もあり農業高校において、おそらく最も重要視され
熱く盛り上がっているカテゴリーのひとつだと思われます。
さて今回店頭に並んでいるのは、なぜかピーナツのケーキ。
どこかに地域ならではの特色が隠されていると思うのですが
この名前だけではよくわかりません。こっそり教えてもらいたいものです。
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お元気ですか !

2023年05月10日 | 生物生産科
FLORA HUNTERSの本拠地である馴化温室のそばに不思議なものを見つけました。
作物ですが茎が白い筒で覆われています。
第一印象はギブス。どこか折れてしまったのでしょうか。
また眺めているうちにムチ打ち症で首を固定している人のようにも見えてきました。
どちらにしても健康的には見えません。
でも情報では、茎をピンと伸ばすために行っているらしく
このほうが成長が良いとのこと。元気なようです。植物も姿勢が大切なんですね。
これは生物生産科のプロジェクトですが、名農にはたくさんの研究チームがあり
いろいろなユニークな取り組みを見ることができます。
そういえば昔、農業クラブ主催で農場参観デーを開催したことがあります。
来場者は保護者や地域の皆さん。
3年生はそれぞれの実験室や圃場で来場者を待ち
学科の先生方の案内で農場にやってくる方々に
資料や看板を使って研究の概要を説明していました。
これに合わせて農場は農産物販売も実施してくれたような気がします。
自分たちの実力を知るため積極的に外部の大会に出場するFLORAですが
すべての研究班が飛び出していくのは簡単ではありません。
しかしこのように外部の方を招く仕掛けをすると実現可能。
来場者は生徒の発表はもちろん、あまり眺めることのできない農場を
じっくりと見学することができるたと好評でした。
農業クラブは生徒の農業学習をサポートする組織。
独自企画で学校を動かせちゃうのも農業クラブ活動の醍醐味です。
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トイレットパーパー

2023年03月22日 | 生物生産科
これも古い古い写真です。撮影されたのは2009年の秋。
研究班がまだTEAM FLORA PHOTONICSと名乗る前です。
さてこの袋の中に入っているのはなんだと思いますか?
実はキノコ。あまりに昔なのでキノコの種類も忘れてしまいました。
でも袋の中が白い菌糸でいっぱいなのがわかります。
さてキノコも野菜や果物と同じように農業高校で学習するものですが
いったい何の科目で学ぶのでしょう。
いろいろな科目で扱えるとは思いますが、基本的には生物工学系。
培養ということで取り上げることがあります。
ただ一般的に生物工学で教材としてよく扱うのは洋ランの無菌培養。
クリーンベンチの中で試験管に入っている寒天培地などに
無菌状態で植え付ける技術です。しかしキノコは無菌どころか糸状菌そのもの。
これを同じクリーンベンチでやろうと思ったら叱られてしまいます。
そんなことからキノコを扱う機会は極めて少なく、取り扱うのは原木栽培です。
ではこの袋はどうしたのでしょう。実は中に入っているのは
何とトイレットペーパーです。これをキノコ栽培専用のビニール袋に入れて
オートクレーブで加熱滅菌。そして冷えたら袋の口を少しだけ開けて
キノコの菌糸を混ぜるという方法で栽培しました。
つまりクリーンベンチなど使っていません。
でもこのように温度だけ管理するとちゃんと育ちます。
洋ランの培養は播種してから開花するまで3年以上かかるので
高校生は在校中にその花を見ることができません。
しかしキノコは数ヶ月で収穫可能。意外とモチベーションが上がる教材です。
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体験を通した食品学習

2023年02月01日 | 生物生産科
名農の職員玄関には、生物生産科の加工品がいつも並んでいます。
なぜならこの場所は、加工班の人たちが製造したタレやジャムなどの
試作品を販売するアンテナショップだからです。
無人販売ですが、ときどき名農生や来校されたお客様が買い求めています。
さて青森県には名農を含めて、現在農業を学べる高校が5校あります。
各校、特色のある学科がありますが、比較的どこにでもあるのが食品科学科。
農業は昔のように良い農産物を生産すれば良かった時代から
いかに有利に販売するかを考える6次産業という新しい時代に入っています。
そこで大きな力になるのが農産加工。農家が力を合わせて農産加工品を開発し
直売所やインターネットを通じて積極的に販売活動をしています。
多くの高校に食品科学科があるのは、このような社会のニーズに応えてのものです。
では生物生産科と環境システム科しかない名農では、どこで学ぶのでしょうか。
ひとつは加工班。興味のある人たちが地元の農産物を使って
自由に商品を開発してはこのように販売しているのです。
また水耕栽培を学ぶ環境システム科でも植物工場で生産したイチゴを使ったジャムを
これまた試験的に生産販売しています。つまり名農は食品科学科こそありませんが
どの研究班でも食品について学んだりチャレンジすることができるのです。
もちろん環境班であるFLORAだって、機能性ジャムや摘果リンゴのパイなどの
開発に取り組み、高く評価されています。
名農には食品科学科に負けない充実した加工施設があります。
少人数だからこそできる小回りと機動力のある生きた学習も名農の大きな魅力なのです。
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