Various Topics 2

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※旧Various Topics(OCN)

イランが誇るHafezと西欧へ紹介したゲーテ

2024年05月08日 | 芸術・本・映画・TV・音楽
スペインの友人から新緑の5月を楽しむメールが届きました。
彼女は、古代ペルシャの詩を読んでいると書いてきました。
 
「今、古代ペルシャの詩(Hafez, Saadi, Jayyam, Rumi, Attarなど)を読んでいるの。その中には、あなたの詩や私たちの詩のように非常に短いもの(4詩)もあるけれど、ほとんどは私たちの詩や古代日本語のような愛の詩です。 これらは私にとって懐かしい音に聞こえます。 彼らのことを知っていますか? とても奥深くて美しいわ。」
 
詩にはもともと関心がない私は当然知りませんでした。(小学生のころ、詩集を読んでみようとして選んだのはなぜか「バイロン」。小学生には向かない詩人でした。大人になってドイツ人の友人が私にプレゼントしてくれたのが「ゲーテ詩集」。これも詩心がない私には退屈でした。)
 
しかし、バリバリのカトリック教徒の友人が読むイラン人の詩というものに興味を持って、彼女が紹介した詩を詠んだハ-フェズ(Hafez)について調べてみると、彼の詩がゲーテによって紹介されているとのことがわかりました。
 
 
 

ハージャ・シャムスッディーン・ムハンマド・イブン・バハーウッディーン・ハーフィズィ・シーラーズィー((中略)Khwāja Shams al-Dīn Muḥammad Ḥāfiẓ-i Shīrāzī、1325/1326年 - 1389/1390年)、通称ハーフェズ(またはハーフィズ)は、イランの詩人。「ハーフィズ」(Hafiz/Ḥāfiẓ)は古典的な読み方、「ハーフェズ」(Hafez)は現代ペルシア語的な読み方であり、世界的にはどちらも広く用いられている。日本では、黒柳恒男訳『ハーフェズ詩集』(東洋文庫)以降、「ハーフェズ」で定着した感がある[要出典]。

後に編纂された『ハーフェズ詩集』は、東西の文化に影響を与え、ゲーテは晩年、ハーフェズの詩に感銘を受け、『西東詩集』を綴った。ハーフェズの詩についてゲーテは「ハーフェズの詩を理解するには 魂まで一汗かく必要がある」と語ったという。恋と酒と自然の美などを主題とした作品が多く、民衆に広く愛され、現代でも「コーランなくとも各家庭にはハーフェズ詩集あり」とまで言われている。

(中略)
 

ハーフェズの名は、「ガザル」と呼ばれる形式の抒情詩でよく知られる[8][7]。そのほかには、学究的な散文作品もあり[7]、「サーキーナーマ」と呼ばれるジャンルの飲酒詩もイランの古典音楽(ペルシアの伝統音楽)(英語版)にとっては重要であるが、抒情詩ガザルこそがハーフェズ文学の中核であると考えられている[8]。

ガザル詩形自体はハーフェズが発明した詩形ではなく、数百年前からアラビア語詩の世界で詠まれてきたものである[9]。一般的にガザルは「愛」をうたうものである[9]。ハーフェズ作品もその例にもれず主なテーマは「愛」であるといえるが[8]、「恋愛詩人」という一般的なハーフェズのイメージにそぐわないような、世の偽善を暴露するような内容のガザル作品もある[4][8]。

(中略)

神秘と陶酔

15世紀の詩人ジャーミーは、ハーフェズがスーフィーの誰かの弟子であったかどうかは定かではないが、ハーフェズ詩集はスーフィーが読むに値する最良の本であると述べた[11]。近現代の学者の間でも、ハーフェズがなにがしかのスーフィー教団に属していたかどうかという点については意見が分かれる[11]。しかし、ハーフェズを神秘主義思想家(ʿāref)とみなす者は多い[11]。ハーフェズの抒情詩は暗示に富み、詩中にあらわれる「酒」「罪」「音楽」「喜悦」といった言葉が、慎重に選び抜かれた超越的存在のシンボルと解されたり、グノーシス主義的観点から解釈されたりしてきた[11]。イラン・ペルシア文学者の岡田恵美子は、ハーフェズの抒情詩が一見耽美的に見えても、その真意は「神秘主義の陶酔境を巧みな比喩をもって表現したもの」であると述べた[12]。

(後略)

 

詩の一つを

シマノフスキー「ハーフィズの恋愛歌曲集」 第1集 op.24、第2集 op.26 | 翡翠の千夜千曲 (ameblo.jp)

から転載させてもらいます。

 

「朝の微風の息吹きが麝香を振り撒くと

老いた世界がふたたび若返ろう

はなずおうは紅の祝杯をジャスミンに与え

水仙の目はアネモネを見つめよう

別離の悲しみに虐げられた夜鶯は

叫びながら薔薇の王宮に入ろう

私が寺院から酒場に行っても咎めるな

説教の時間は長くて時間がかかろう

心よ、今日の快楽を明日に延したら

生命の元手をだれが保証してくれよう

シャバーン月に酒杯を手から放すな

この太陽はラマザーン明けの祭の夜まで隠れよう

薔薇は可愛い、それとの交りを恵みと思え

花園にこちらから現れ、あちらへ去っていく

楽師よ、親交の宴だ、恋歌を歌え

いつまで過去と未来を語るのか

ハーフィズはそなたのために存在した

歩を運び彼に別れを告げよ、彼は去るだろう (黒柳恒男 訳)

 

参考:

イランの動画・イランでもよく飲まれている「コカ・コーラ」 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

Hafez and Persian Poetry in Song (Part One) (youtube.com)

映画『ハーフェズ ペルシャの詩』予告 出演:メヒディ・モラディ/麻生久美子 (youtube.com)

Helena Bonham Carter reads The Guest House by Rumi (youtube.com)

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ - Wikipedia

ジョージ・ゴードン・バイロン - Wikipedia

ロマン主義 - Wikipedia

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