大学生活も4ヶ月の息子。高校時代と違って、『暗記力』に頼るだけの勉強でないものが多くて四苦八苦しているようですし、教授陣に対して、「あの先生は、講義というより自分の著書の話ばかりしている。『もうじき定年だから仕方ない』って先輩が言ってたけど。」「あの人は課題が多すぎで、しかも相手がすべて上級者だと思っている。理解できない。」等、批判たらたら。
そんな息子が今興味を持って一生懸命に取り組んでいるのが中国語です。入学前、英語が大嫌いな息子が私に、「第二外国語、ドイツ語、フランス語、中国語の中からどれを選ぼうか」と聞いてきたときに、「アルファベット嫌いのあなたには、中国語が良いでしょ。中国語は発音は難しいけど、初級レベルだったら文法は覚えるのが楽。ドイツやフランスに興味があるのなら、大変でもその言葉を勉強したほうが覚えが早いでしょうけど、あなたは外国に興味なしだしね。」とアドバイスしました。
実は私も昔2年間中国語を習ったことがあります。私の昔の勤務先では、英語の他に、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、それぞれ初級~上級のクラスがあって、希望者は就業時間が終わってから週1回2時間授業を受けることができました。
私は最初フランス語の初級クラスを覗きにいったのですが、どうも敷居が高くて断念。次に人に誘われるままに覗きに行った中国語の初級クラスでは先生が良かったのと、「日本人にとって中国語は簡単」というのを実感して、ここでその後2年間学ぶことになったわけです。
中国語の文法は、日本人で英語を習ったことがある人ならば大変覚えやすいです。初級中国語の場合は、英語と日本語を単純化してミックス、と言っても良いかもしれません。
中国語は、例えば、「私」という単語は「我」。英語だと「私」は、主格、目的格によって、“I”と“me”、所有格だと“my”ですが、中国語の場合は主格、目的格は「我」のまま。所有格の場合は、「我的」と後ろに「的」をくっつけるだけです。
また、中国語は英語のように動詞自体を、三人称や過去形ということで変化させることはなく、過去形であれば「了」をつけるだけです。疑問文も、肯定文に“マ(中国語の文字)”をつけるだけで疑問文になります(日本語の「-か?」に相当。)。
私が中国語を習ったクラスは途中で先生が交代したりもしましたが、少人数であったこともあり和気あいあい。その為、結局はおしゃべりの時間が多くなってしまい、結果的には中国人の先生の日本語の方が上達、生徒の中国語はあるところで伸び悩んでしまった・・・というのが実情でしたが、旅行で知り合った台湾人のお医者さんと簡単な会話をするまでにはなっていました。
ということで、その後も私が中国語を続けていたら、案外使い物になったかもしれませんが、残念ながら中国文化も中国の観光名所も興味がない私にとって中国語は『頭の体操』くらいの価値しかありませんでした。
語学はセンス-しかし、そのセンスは英語ができない人が他の言語ができない、とは限りません。私に知人で、英語は苦手だけどフランス語はできる人もいます。
英語嫌いがここまで増えている現状を考えたら、たとえば中学までは英語の基礎をみっちり勉強させ、高校からはたとえば英語と中国語のどちらかを選択させる、というのも案外良いかも知れません。
(ただし、外国語を使う職場において、いくら中国語やフランス語などが堪能であろうともそれだけでは駄目。同時に英語の能力は求められる場合が多いと思います。)