Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

「日本に資源はない」というのは説明不足

2011年05月31日 | 環境・エネルギー

△△ 様

興味深いものを見つけたので、よかったらどうぞ。

探検コム

新潟エネルギー街道を行く

あるいは「原油採掘」の始まり

http://www.tanken.com/oil.html

前に南関東のガスのお話をしましたが、これは、

「そういえば、昔『船橋ヘルスセンター(総合レジャーランド。今風の温泉のヘルスセンターではなく、大型プール、遊園地等が広い敷地にあった。)』というのがあったけど、あれこそ千葉のガスを使っていたのではないか。」

と思って調べていた時にたまたま見つけたものです。

『船橋ヘルスセンター』は、やはり千葉の天然ガスを使っていたようですね。ウィキペディアによると、ガスの使用禁止が閉園に繋がったように書いてあります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E6%A9%8B%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC 

(中略)

このように、地盤沈下が原因で南関東のガスは一部を除いて採掘ができなくなったわけですが、たとえば新潟などでは、地盤沈下の問題はないのでしょうか?

私は別にそれを(採算にあったとしても)無理やり採掘すべきとも思いませんが、「日本は資源が無い国」というのが、ガスに限らず、説明が不足だったように思えます。

先日、日本近海に埋まっているメタンハイドレートのことを話題にしたときに、「日本の近海に有望なエネルギー源があったとは知りませんでした」と博識の知人が言ったので、驚き、こう返信しました。

「日本近海には、メタンハイドレート他、思ったより豊富に資源はあるようです。

それを採掘することが良いのか、採算に合うのかはさておいて、これを知らない人が多いことの方が不思議です。

山田衆三さんという方の『衆の雑感』に、以下のようなものがありましたので、ご参考までにリンクを送ります。

世界初の深海探鉱ロボット開発

http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/52007075.html 」

ゆかり

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韓国の大手菓子メーカー、クラウン・ヘテ製菓からの暖かい申し出

2011年05月30日 | CSR(企業の社会的責任)

本日の東京新聞夕刊に、こんな記事がありました。

Web版にはないようだったので、転載させてもらいました。

(折角のご厚意、被災者の方はじめ、いろいろな人に知ってもらいたくて。)

韓国の大手製菓

被災100人招待へ

「ゆっくり休んで」

韓国の大手菓子メーカー、クラウン・ヘテ製菓は30日、ソウル郊外の京畿道楊州市にある同社研修院に、東日本大震災の被災者計100人を招く計画を明らかにした。

期間は最長1年で、居住費は無料、韓国までの往復航空券代については貸与可能という。部屋は約30平方メートルで、二人一部屋。生活に必要な電気製品などの備品がそろっている。

伝統芸能に関心を持ち、日本をたびたび訪問している尹永達(ユン・ヨンダル)会長は「被害を受けた人を思うと心が痛む。海から離れ、地震もなく、ゆっくり休んでもらえる場所を提供したい」と話している。

同社研修院には、宿泊施設のほか、伝統音楽や彫刻、陶芸を体験できる施設も併設されている。

問い合わせ先は電子メール ray@crown.co.kr (海外事業部・朴光南さん)か、同社の日本連絡先・阿部裕子さん 080(5053)4337 へ。

参考:

タウンニュース

韓国企業が被災者受け入れ 区内在住の男性を通じて実現

20114 1日号

http://www.townnews.co.jp/0203/i/2011/04/01/100527.html

食の情報源-日本食糧新聞社

クラウン・ヘテ製菓、日韓の「伝統芸術」交流 名人クラス14人が美音を披露 

2010104

http://news.nissyoku.co.jp/Contents/urn/newsml/nissyoku.co.jp/20101004/AOYAGI20100929100820246/1

(会員以外は、途中までしか読めないようですが。)

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『福島原発事故のデータ』が『資産』にしか見えない人たち

2011年05月30日 | 原発・核・311

以下に先週末のJBpressのコラムのリンクを貼り付けます。

福島を「聖地」にするか「廃墟」にするか

世界の頭脳と資金を被災地に~上昌広・東大教授の復興プラン

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/9497

このコラム、3ページまではともかく、4ページ以降を読みながら、私は著者に対して失望してしまいましたが、皆さんはどう思うか、その部分を貼り付けます。

-放射能被害のデータは日本の資産-

しかし、不幸にして放射能を浴びてしまった人々の追跡調査と健康診断は、そうした人々の健康被害を最小限にするだけでなく、日本の将来にとっても実は重要な意味を持つ。

 上教授たちの試みは絶対に必要なのだ。

 チェルノブイリ以上の原発事故となってしまった福島第一原発は、今後万が一、世界のどこかで原発事故が発生した際の貴重な教訓となる。そうした意味も含めて、飯舘村など放射能汚染の大きい地域の住民の健康診断、健康相談はきめ細かく行う必要がある。

 もちろん、地域住民のためが最大の目的だが、ここできちんとデータを取って今後の医療に役立てることは、世界最大の原発事故で地球を長い年月にわたって汚染し続けることになった日本が果たすべき役目でもある。

 上教授は言う。「私は福島を世界の聖地にしなければならないと思っています。不幸にしてここで起きてしまったことは、二度と同じような轍を踏まないように、人類の資産にしなければならないからです」

-福島県に世界中のお金と頭脳を集めよう-

「ここで、放射能の健康被害に対してきちんと向き合い、徹底的に診察・診療していけば、そのデータのおかげで福島は世界の聖地になれると思うのです」

 「例えば、原子力を推進してきた米国やフランスなどの国々は、そうしたデータを喉から手が出るほど欲しがるでしょう」

 「その際、広島に原爆が落とされた時のように、タダで米国にデータを吸い上げられるようなことがあってはいけません」

 「非常に貴重なデータなのだから、欲しいなら高いお金を取って買ってもらえばいい。被災者の支援のためです。そのお金の一部で福島県を再生させるのです。原子力に関する国際会議などは、必ず福島県で開くようにする。世界中のお金と頭脳を福島県に集めるのです」

世界の優秀な頭脳と資本が集まれば、そこにサービスが生まれ新産業が育つ。しかもそのレベルは高い。本物の復興計画とはそういうものではないだろうか。

-米・仏に高い技術を高く売りつけられ、日本のデータはただで供出?-

 しかし、うかうかしていると米国やフランスが乗り込んできて、支援の美名の下に貴重なデータをさらって行ってしまうかもしれない。今の日本の政権には国を守る意識など皆無に見えるのであり得る話である。

 何しろ、フランスで行われているG8の冒頭演説で菅直人首相は「福島第一原発の事故に関するデータはすべてオープンにして世界の資産にしたい」と発言しているのである。

 それはまことに結構な志である。しかし、いま福島第一原発で最大の問題となっている汚染水の処理にもし、何十兆円もの資金が必要になり、そのほとんどがフランスのアレバ社に流れるようなことがあったら、何とも間抜けな話ではないか。

 日本の首相にいま最もふさわしい言葉はこれに尽きるだろう。「身を棄ててこそ浮かぶ瀬もあれ」。いつになったら真剣に日本や国民のことを考えてくれるのだろうか。

筆者が言うように、確かに「福島県にお金」は必要ですが、正しく言えば「日本にお金を」ということでしょう。

-福島県の人たちは被ばくし、(作為的にか)正しい情報も貰えず、適切な処理をされずにきて、何でモルモットになりながら日本政府が負担しなければならないお金を稼ぎ出す必要があるのか?

データを日本の国益にすることを訴えるよりも前に、もっと訴えるべきことは、刻一刻と健康を蝕まれているかもしれない福島の避難者(他、避難しないでいる少なくとも原発から50キロ県内の人)の健康を守ること、なのではないでしょうか。

極論をいえば、今の福島の人たちを助けるのに尽くしている医師や団体(国籍問わず)にデータを託し、責任を持って管理してもらっても良い-私がもし被ばくした本人や家族だったらそう思います。

(ついでに「福島第一原発の事故に関するデータはすべてオープンにして世界の資産にしたい」と言っている菅首相を、まず福島の放射線量の高い地域に移住させる運動でもしましょうか。大体、こうしたデータを間接的加害者でもある政府が好き勝手にできるというのがおかしいと思います。)

さて、放射能被害-広島、長崎の人たちは、日米政府のよる被ばく検査や健康診断を受けながら、その結果を本人に知らされなかったと聞いたことがあります。それは、国が補償を求められることを避けるため、とも聞きました。

いずれにしても、今後被ばく検査は福島県民だけでなく、他県の人間にも行われることになると思いますが、検査結果は包み隠さず本人に伝え、被ばくと因果関係がはっきりしない場合でも何かしら身体に変調があった場合は、本人にそれなりの償いをするように、と強く願っています。

追記:若い頃医者をしていた加藤周一は、原爆の広島を米国の医師達と調査に回ったことを著書に書いています。

この時の経験したであろう絶望感のようなものが、子供の頃から研ぎ澄まされていた感性、洞察力をより鋭敏なものにし、正義、人権に対しての意識をより高めたのでしょう。

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原発推進者でもロジカルであればまだ良いですが・・・

2011年05月29日 | 原発・核・311

昨夜海外から帰ってきた友人から、上川たけおさんという方のブログ『根無し草の彷徨い』のなかの、朝日新聞の記事について書かれているものを教えてもらいました。

原発推進、自民党内での始動-低線量放射線身体にいい(東電顧問-元参議院議員)-

http://yakume.sblo.jp/article/44862075.html

この中には、自民党内の原発推進組が原発を守る為に、『エネルギー政策合同会議』とやらを立ち上げている話、そしてそのメンバーの一人の加納時男氏(元東電顧問、議員)のインタビューなどが紹介されています。

以下がその加納氏の言葉:

原子力を選択したことは間違っていなかった。地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ」

「太陽光や風力という言葉にはとってもロマンがある。しかし、原子力の選択肢を放棄すべきではない。福島第一原発第5,6号機も捨てずに生かす選択肢はある」

「東電をつぶせという意見があるが、株主の資産が減ってしまう。このような乱暴な議論があるのは残念だ」

「低線量の放射線は「むしろ健康にいい」と主張する研究者もいるし、説得力があると思う。むしろ低線量は体にいい、とこれだけでも申し上げたくて取材に応じた」

福島原発事故のあと、原発を擁護していた人たちを叩く風潮ができました。原発擁護派批判をビシバシしている私でも、意見の違う人たちを封じ込めること自体には問題があると思い、政治家でもない勝間和代氏(原発推進派だったらしい)や、東電のCMなどに出ていた人たちをつるし上げていることや、今までの原発推進派政治家が急に態度を変えたりしている姿には、違和感を持っています。

そういう意味では、批判を浴びようが何しようが、自分の信念を貫こうとしている面々はある意味“立派(?)”なのかもしれない、とも思います。

しかし上の加納氏の上のインタビュー、さすがにこれには知性や論理性が微塵も感じられません。

こういう発言をするのも自由ですが、旧共産圏の幹部を飛び越えて、太平洋戦争のときの戦争推進派や、ナチスドイツの将校が脳裏に浮かんできてしまいます。

蛇足ですが、加納氏は、414日のウォールストリートジャーナルの記事

『石炭は核よりも危ない』http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_222310

でも読んだのでしょうか。

このコラムには、

“・・・かつては評価されていた広島と長崎の研究では、低線量の被ばくでは、がんのリスクはほとんど、あるいはまったくないという結果だった。むしろ、低線量の被ばく者は「がん以外の」病気による死亡が少ないことから、長寿につながるとも考えられた。・・・”

“・・・ほかにも、さまざまな説がある。研究所内の実験では、低レベルの放射線は細胞自体の修復機能を刺激すると考えられた。放射線科医を対象とした研究では、エックス線の危険性が知られる前に仕事に従事していた人たちの間では、発がん率が高いことが示された。しかし、のちの調査では、少量の放射線を一生涯浴び続けても、まったく影響がなかったという結果も示された。 ・・・”

という記述があり、私は以前この記事を紹介したブログで、「勘違いする輩がでてきそう」と書きましたが、まさに加納氏はその『輩』だったのでしょう。

(参考:http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110416

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『みえない雲』というドイツの小説と映画

2011年05月28日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

先の記事で池田香代子さんのブログのリンクを貼り付けましたが、彼女の526日の記事『3年前、チェルノブイリの日のために書いた映画エッセイ』を読み、『みえない雲』というドイツのヤング・アダルト小説、映画のことを知りました。

http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51789283.html

この小説を是非探してみようと思っています。

なお、この小説と映画については、詳しくウィキペディアに紹介されていますが、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BF%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%84%E9%9B%B2

ここに、映画の撮影時、ドイツの鉄道会社が駅での撮影を断わったため一部撮影がベルギーで行われたこと、主演女優がチェルノブイリ事故の時に胎児であり、心臓に穴が開き、肺が一つしかないという障害を負っていることなどの裏話も紹介されています。

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政治発言をしない日本の芸能人、日本にない『緑の党』

2011年05月28日 | 社会(歴史・都市計画含む)

俳優の山本太郎氏が、反原発を唱えていましたが、迷惑がかかるからと言って事務所を辞めたそうですね。

この山本氏のニュース記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110527-00000042-flix-movi

に寄せられているコメント-ほとんどのものは、山本氏の行動を賞賛するものですが、中には「山本太郎は嘗てラジオ番組で「竹島は韓国にやってしまえ」という発言をしたプロ市民だ」という書き込みもあるようです。

反原発発言を芸能人がすることは、一部のスポンサー(電力会社、原発メーカー系列)の圧力はもちろんあるでしょう。

しかしスポンサーの圧力だけでなく、政治的発言、政府批判をする芸能人(TVに出演することの多いスポーツ選手も含む)を特殊扱いする人が日本で多いこと-これも、大きな問題だと思います。

(皮肉なことに、自民党や民主党が候補者として出馬を打診するほとんどは、政治的発言をしてこなかった人たち-たとえば、柔道家だった女性など・・・。そして、そんな候補者が当選してしまう不思議な国、日本。)

その辺欧米(東南アジアもそうか?)は自由。

嘗て(70年代)、たとえば反戦運動をした映画女優ジェーン・フォンダなどが異端扱いされていた時代もありましたが、今は芸能人が政治的発言や活動をすることは、もう当たり前になっているように思えます。

米国のネット新聞で、The Huffington Post http://www.huffingtonpost.com/

などでは、映画やテレビスター他有名人の意見が掲載されていますが、彼らの主張は票にしか関心がない政治家のものより優れたものも多いようです。

それにしても・・・「山本太郎さんが仕事を干された」ということの真偽はわかりませんが、もしそれが本当だとしたら、これに抗議してくれる俳優の組合などはないのか、と思います。

さて、政治的発言で思いだしましたが、日本で「緑の党」がないのは何故でしょうか(神奈川ネットや、中村敦夫氏が似たような存在の動きをしていたと思いますが、あまりに規模が小さい)。

暇人の私は、学者や文化人から、「緑の党」を結成、立候補して欲しい人の名前を、独断と偏見で選んでみました。(年齢は勘案していません。今思いついた人だけ。)

宇沢 弘文 経済学者

内橋 克人 経済評論家

金子 勝 経済学者

山口 二郎 政治学者

孫 正義 ソフトバンク会長

池澤 夏樹 作家

ブログ(311): http://www.impala.jp/3.11/index.html

池田 香代子 翻訳家

ブログ: http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/

伊集院 静 作家

森 達也 映画監督、作家

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チェルノブイリの教訓がいかされなかったのは何故?

2011年05月27日 | 原発・核・311

今日は午前中に『2011NEW環境展』に行き、午後は友人Rさんと遅い昼食をとろうと思っていたのですが、3日前から入院していた義父の調子がよくないので、急遽取りやめることになりました。

3日前の早朝、父は脳梗塞を起こし救急車で運ばれたものの、翌日には元気になり安心していたところ、昨日また他の箇所の脳梗塞を起こしてしまいました。

それでも案じたほど容態は悪くないので今後のリハビリでよくなるだろうとは思っていますが、それでも義父のことが気になり、夜も度々目を覚ましてしまいました。

身内に何かある-仮に今回の義父ほど重い状態でないとしても、健康だった身内一人が入院しただけで相当なストレスになります。まさにその最中であるから余計、今回震災・津波で家族の何人かを一遍に亡くされた人、家族が怪我をしたり避難地で病気が悪化したという人、被ばくの危険がある学校にわが子を送り出さねばならない福島の親たち・・・彼らの心の痛みや不安がいかほどのものだろうか、と改めて考えます。

さて、福島原発事故について丁度、朝日新聞のGLOBE、『チェルノブイリから130km。キエフの記録と教訓』(525up)というレポートがありました。

http://globe.asahi.com/movers_shakers/110501/01_01.html

抜粋:

・・・大河ドニエプルを見下ろす丘に開けたキエフは、人口250万を超える近代都市だ。スラブ文明のふるさとと言われ、世界遺産のソフィア大聖堂やペチェールスカヤ大修道院が観光客を引きつける。

近年のロシア資本の流入もあって、市内では高級車が走り回り、一流ブランドのブティックが並び、着飾って散策する人々であふれている。

チェルノブイリから約130キロ。事故時は風上で、公式には放射能汚染の被害を免れたとされる。確かにいまの街並みに、当時をうかがう要素は乏しい。しかし人々の記憶はなお鮮明だった。

キエフ言語大学の日本語講師イリーナ・シェペリスカヤ(31)にとって、最も幼いころの記憶は6歳の時。

市内北部オボロニ地区にある9階建てマンション最上階の自宅で、窓を閉める母ナタリア(54)の姿だった。どうして閉めるの、暖かいのに。そう問いかけるイリーナに、母は答えた。「悪い空気が入ってくるからよ」

今思えば、それが原発事故の時だったと、イリーナは振り返る。

1986426日未明の原発爆発について、ソ連は当初、一切事実を公表しなかった。翌日の夜から28日にかけて、北欧各国で放射能が検出されて騒ぎとなり、問い合わせを受けて渋々認めた。西欧ではニュースが駆けめぐったが、情報を遮断されたキエフの市民には伝わらない。

ソ連当局は29日から、キエフへの外国人の立ち入りを禁止。キエフの状況も外に漏れなくなった。

もっとも、事故のうわさが市民の耳に届くのに、さほど時間はかからなかった。救援に入った消防士らが伝えたからだ。

イリーナの家の周囲で事故の情報を最初に入手したのは、母の同郷の友人タチアナ・スキビナ(54)だった。夫が26日、仕事先で「原子炉が爆発したらしい」と聞き込んだのだった。

しかし、ニュースも新聞も、何も報じない。「だから、冗談だと思ったんです」とスキビナ。消防署員の親せきから28日に「早くキエフから逃げなきゃ」と諭された。親しいナタリアに伝え、2人の郷里のウクライナ東部アルチェフスクに避難することにした。

列車のチケットはすでに奪い合いだった。切符を取れない母親が見知らぬ乗客に「この子を連れて逃げて」と子どもを預ける姿もあったという。

30日、タチアナとナタリア、イリーナはようやく確保した3等車に乗って、親戚の元に身を寄せた。

5月に入ると、キエフから子どもの影が消えた。大人ばかりの妙な街になってしまった。散水車が毎日、街路に徹底的に水をまき、積もったほこりを洗い流した。

ろう学校教師のナタリアは、勤務のため5月初旬にキエフに戻ったが、祖父母に預けられたイリーナはアルチェフスクにとどまり、現地の幼稚園に通った。

「知らない子ばかり。早くキエフに帰りたい一心でした」。半年あまり後に帰宅するまで、だだをこね続けたという。

イリーナの父ユーリ・シェペリスキー(54)は、871月から約1年間、チェルノブイリに食料品を運ぶ仕事に携わった。

現在、リクビダートル(事故処理を担った人)としての補償を受ける。「何も怖くなかった。放射線は見えないからね」と笑う。

ウオツカを飲めば放射能が消える、といわれて、朝から晩まで飲んだ。「お陰でみんなアル中になっちゃったよ」とユーリ。ウオツカが放射線から体を守るという説は、ウクライナやロシアで広く信じられている。チェルノブイリ事故後に買い占められて、キエフの酒屋から商品が消えたともいわれる。

情報不足は、パニックを招いただけではない。食品による内部被曝の情報がなかった結果、ミルクなど汚染された飲食物を摂取して甲状腺がんをわずらうことになる人が相次いだ。当時、食品の危険性についてソ連当局はほとんど広報をしなかった。

イリーナの家庭でも食物には特に注意を払わなかったという。「何も知らなかったから」。

危険を市民に知らせる点で、当時のソ連のシステムは全く機能しなかった。ソ連の社会でいかに安全が軽視されていたか、人命が軽んじられていたか。

キエフでのこうした経緯と、今回の日本での事態との間には、大きな差があるのは事実だ。だが、まったく次元を異にするとも言えない。・・・

「キエフ の経緯と、今回の日本での事態との間には、大きな差があるのは事実だ。だが、まったく次元を異にするとも思えない」と筆者は述べていますが、これには「当事のソ連政府より日本の方がマシ」というニュアンスが含まれています。

しかし、特に福島の学童のことたちのことを思うとき、「果たしてそう言えるのか?」と考えてしまいます。

追記:冒頭に書いた友人Rさんですが、彼女は左のブックマークにある“my favorite things”のブログの管理人です。彼女の514日の『それぞれのチェルノブイリ』に、ロシア人ご友人の以下の言葉が紹介されています。

「チェルノブイリはウクライナにあるけれど、ソビエト全体にとって大変大きな試練だったわ。知識も十分な経験もなくてどうしていいのかわからずに、さまざまの国籍の人たちが参加して対処した。当時はまだ子供だったけれど、放射能雲がとても恐ろしかったことをよく覚えているし。25年経って、あの大災害をなんとか解決できたと思えるわ。 ・・・だから、ロシアの人々は他の国より日本の人々の気持ちを理解してあげられると思うの」

http://favorite-fountain.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-13c4.html

福島だけでなく、日本全土の子供たちは、今回の震災、津波、原発事故について、政府や大人達のことを、将来どう評価するのでしょう。

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消防団の減少-企業の貢献、徴兵制度代わりの貢献

2011年05月26日 | CSR(企業の社会的責任)

今月の13日に、東京新聞に、『消防団員 企業から 止まらぬ減少 獲得へ奥の手』という記事がありました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20110513/CK2011051302000041.html

減少に歯止めがかからない消防団員の新規獲得策として、横浜市消防局は本年度から、神奈川中央ヤクルト販売と郵便局会社南関東支社、郵便事業会社南関東支社の三社に消防団への登録を持ち掛け始めた。

 消防団員の募集はこれまで、自主的な登録に任されていた。しかし、地域のつながりが弱まり、市外通勤者の増加で昼間人口が減ったため、団員の減少傾向が進み、全国的な課題となっていた。

 市内の団員は、本年度は七千三百二十三人で、十年前に比べて千人以上減少。高齢化も深刻化している。

 一方、東日本大震災発生時に消防団員は、帰宅困難者の誘導や食料の提供などを担っており、重要性が再認識されている。

 このため、地域に根差して活動しているヤクルトの配達員と郵便局員に働き掛けることにした。特定の会社に直接呼び掛けるのは珍しいという。

 今後は新聞配達員や大学生、農協職員らにも呼び掛ける。市消防局は「今回のような大災害が、また起こるかもしれない。早めに備えておきたい」としている。 (志村彰太)

この記事を読んだCSRの研究と推進している知人は、阪神淡路大震災のときに、三ッ星ベルトという会社が周辺住居地の火災鎮火を務めた話を教えてくれました。

そして彼は、CSRとして、企業が消防団に貢献することをグッドアイディアとしつつも、ドイツの消防団のケースも紹介しながら、

「もっとも自社に消防団が組成されていても、工場所在地や職場にその人たち全員が常時いるわけではないので、その機動性にどの程度信頼が置けるかの点が残ります。

そうなると、やはりそこに住んでいる人たちで、相互扶助の気持ちを高める必要がありますね。動ける人(青年、壮年)に登録をしておいて貰い、いざと言うと駆け付ける方式が良いでしょう。

韓国やタイでは若者の兵役があるようですが、日本ではその代わりに消防団員として活動する社会サービス役というのをもうけてはどうでしょう。」

と、若干冗談まじりの、面白い提案をしてきました。

これに対し私も、

「ドイツは兵隊に行く代わりに良心的兵役拒否で福祉の関係他のボランティアをすることが選べ、その一環が消防隊だったと思います。ドイツの徴兵制度廃止が決定していますが、これでドイツでも益々消防団の人員が減るのではないでしょうか。

兵役について前に調べた時に、『ある国、あった国』というのが思っていたより多かったので、驚きました。(ストラスブール近くに兵役で行っていたパリジャンから、「フランスは90年代半ばまで徴兵制度があった」と聞いたのが、調べたきっかけでした。私のドイツの友人や彼らの息子たちは皆「良心的兵役拒否者」でした。フィンランドの友人はどうだったか。)

企業のCSRとして消防団もですが、兵役代わりとしなくても、遊びほうけている(!)日本の大学生に消防団として訓練をさせるのも、良いかもしれません。

いずれにしても、イザというときにきちんと機能するかどうかは分りませんが。

また、ちょっと危険な考えのようですが、時々「就職浪人となった人たちから希望者を募り、兵役的業務(自衛隊補助、消防団、福祉関係他)に付いてもらうのも良いかな」と思ったりします。従事中は、国がある程度の賃金を彼らに払って。

(「新卒枠」を残したいが為、大金を払って大学に籍を残しているより、このほうが健全な気がします。)」

と、これまた半分冗談交じりに返事をしました。

さて、この返事を書いた後、フィンランドの友人に、「あなたは兵役は、どうされたんでしったけ?」という質問メールを送ったところ、彼から、フィンランドの兵役の説明と彼の兵役経験や感想を送ってきてくれました。

「僕は、86年から87年に“coast artillery”に従事したよ。バルト海の小島の海岸をランニングしたり・・・そんなことを覚えているってことに気が付くと笑っちゃうんだけど・・・でも、もう二度とごめんだね。」

このフィンランドの友人は、筋肉隆々のスポーツマンなんですが、そんな彼でも規律の厳しい生活や訓練にはうんざりだったようです。

日本の、草食系男子達には、たとえ消防団の訓練だけでも、耐えられないことでしょうから、私達の提案が日の目を見ることはないでしょう。

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菅首相に読んでもらいたいレポート

2011年05月26日 | 原発・核・311

英文ですが、ご参考まで。

(菅首相や枝野官房長官にも是非読んでいただき、参考にしてほしいと思います。

なお、本文下方の、12歳くらいと思われる男の子が両手を挙げさせられ、緊張した面持ちで被ばく検査を受けている写真はロイターのものですが、3月にアルジャジーラの記事でも使われていました。この時は記事を読みながら写真を見て、しばらく涙が止まりませんでした。)

Global Research Canada May 24, 2011

“The Severity of the Fukushima Daiichi Nuclear Disaster: Comparing Chernobyl and Fukushima ( Asia Pacific Journal)

by Prof. Matthew Penney and Prof. Mark Selden

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=24949

抜粋:

“.....The analysis of the health impact of radioactive land contamination by the accident at the Fukushima Daiichi nuclear power plant, made by Professor Chris Busby (the European Committee of Radiation Risk) based on official Japanese Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology data, has shown that over the next 50 years it would be possible to have around 400,000 additional cancer patients within a 200-kilometer radius of the plant.

This number can be lower and can be even higher, depending on strategies to minimize the consequences. Underestimation is more dangerous for the people and for the country than overestimation.

Based on the Chernobyl experience, he made the following recommendations:

1. Enlarge the exclusion zone [from 20 kilometers] to at least about a 50-km radius of the plant;

2. Distribute detailed instructions on effective ways to protect the health of individuals while avoiding the additional contamination of food. Organize regular measurements of all people by individual dose counters (for overall radionuclides) at least once a week. Distribute radioprotectors and decontaminants (substances which provide the body protection against harmful effects of radiation) of radionuclides. . .

3. Develop recommendations for safe agriculture on the contaminated territories: reprocessing of milk, decontamination of meat, turning agriculture into production of technical cultures (e.g. biofuels etc.). Such ''radionuclide-resistant'' agriculture will be costly (it may be up to 30-40 percent compared with conventional agriculture) and needs to be subsidized;

4. It is necessary to urgently improve existing medical centers -- and possibly create new ones -- to deal with the immediate and long-term consequences of the irradiated peoples (including medical-genetic consultations on the basis of chromosome analysis etc.);

5. The most effective way to help organize post-Fukushima life in the contaminated territories (from Chernobyl lessons) is to create a special powerful interagency state body (ministry or committee) to handle the problems of contaminated territories during the first most complicated years......”

“.....Hirokawa argues that while the Soviet government may have been irresponsible in its initial approach to the Chernobyl radiation release, it undertook a massive effort to evacuate children from Kiev, 120 kilometers away from the crisis zone, between May and September 1986. Fukushima City is just over 50 kilometers away from Fukushima Daiichi. At the currently approved 20mSv, Hirokawa points out, Japanese children could be exposed to four times the radiation of children in Ukraine in 1986. He writes, “… an hourly rate of 3.8 microsieverts is a number not all that different from readings at the dead ruins of Pripyat. I don’t want to imagine Japanese children running and playing in this ruined shell of a city.” Pripyat, built originally to house Chernobyl workers, is the abandoned city at the heart of Ukraine’s “Zone of Alienation”......”

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個人が人の命を奪うと罰せられるが、政府やIAEAには許される理由は?

2011年05月25日 | 原発・核・311

昨夜、毎日新聞のネット配信ニュースに、『福島第一原発「土壌汚染600平方キロ」推計値を報告』という記事がありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110524-00000024-maip-soci

抜粋:

東京電力福島第1原発事故で、原子力発電環境整備機構(NUMO)の河田東海夫(とみお)フェローは24日、内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)の定例会で、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)で居住禁止となった区域と同レベルの土壌汚染が、福島県内で約600平方キロにわたって広がっているとの推計値を報告した。河田氏は「大規模な土壌改良が不可欠だ」との見解を示した。

この記事を読む少し前に、仏リベラシオン紙の『仏の独立研究機関「福島県内でチェルノブイリ原発事故後のベラルーシに匹敵する土壌汚染」』の記事の要約(フランスねこさんの524日のブログ)を読んでいたので、上の毎日の記事を読んでもショックは少なかったのですが、

「土壌汚染より、住民のことについては何も言及されないのか?」

「こういう発表が行われたということは評価できる。(先日のWHO総会で、日本代表が「汚染はチェルノブイリより少ない」「福島原発では死者はでていない」と戯言を言っていたので、比較してそう思える。)でも、フランスの新聞で発表されたのが20日、日本は一体何をしていたのか。今回の発表ですらフランスの新聞より遅いのはなぜ?」

と思わずにはいられませんでした。

不信ついでにもう一つ言うと、今日の読売に、

「気象庁は25日、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づき行っていた福島第一原発事故による放射性物質の拡散予測について、IAEAの要請が終了したため、予測を中止すると発表した。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110525-00000471-yom-sci

と書いてありましたが、この時期にIAEAが要請を打ち切ったことも、気象庁がそれを受け入れたことも、腑に落ちません。

『拡散予測」は『予測』にすぎませんが、原発事故が収束したわけでもないですし。

大体、福島のチェルノブイリ並の汚染についてはフランスの独立研究機関ではなく、当事国の日本政府か、“安全な”原子力促進の為の組織IAEAが調査し発表すべきものだったと思います。まあ双方とも、いろいろ理屈はつけますが、結局は原子力の怖さや都合の悪いことに蓋をしておきたいのでしょう。

日本政府もIAEAも、個人の命には責任を持たないのでしょうか。(チェルノブイリ並なら、汚染地域が福島の一部だけとも思えません。)

私たちは自衛するしかないのかもしれませんが、自衛しきれないことが多すぎます。

本来、法が本当に人権を守るものであるなら、日本政府はもちろん、IAEA(ついでにWHOも)も訴えたいところです。

追記:先に福島を訪問したり、風評阻止キャンペーンで農作物を食べたり、晩餐会では関東、東北の食材でもてなされた中韓の首脳。

あの後なんとなく菅政権に冷たい発言をしたようでしたが、「こんなに隠蔽体質の国が太鼓判を押した食料、食べさせられて大丈夫だったのだろうか?」と心配して、そんな心配をさせた菅首相に不信感を持ったかもしれませんね。

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「フリーズ」状態のエネルギー政策、人工メタンハイドレートや南関東のガス

2011年05月24日 | 環境・エネルギー

ニューズウィーク日本版のコラムより:

「フリーズ」状態のエネルギー政策、濃厚な空気を打開する道筋はあるのか 

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/05/post-298.php

それにしても日本における原発懐疑の空気は濃厚で、定期点検中の炉の再稼働をスムーズに認められる県はどこにもなくなる中、現在稼働中の炉も続々定期点検に入るという流れが続きそうです。事故直後の早い時期から一部の原発懐疑派から「脱原発は意外に早く可能」だという発言がありましたが、こうなると本当に2012年の前半には日本の原発は全炉が停止状態になってしまいます。

 いくら何でもそんな事態は行き過ぎだと思うのですが、今のところ政府には「福島の事故を受けた安全基準」を責任をもって示す動きはありません。それどころか、政府から発信されるメッセージのほとんどが、福島第一の問題だけでなく、日本全国での「脱原発」の動きを加速するようなものに結果的にはなっているように見えます。

 例えば、先週には経産省サイドから「原発輸出政策の見直し」という方針が出されたかと思うと、海江田経産相は「ベトナムと韓国を対象とした原子力協定について国会承認を見送る」方針を発表しています。「事故を起こして申し訳ないので、危ない日本の技術を供与するのは日本として遠慮したい。ついては政府間で署名している合意だが国会承認をストップする」というわけで、これも「脱原発」の潮流に沿うためなら相手のあることでも仕方がないという感じです。

(中略)

そのように官界や財界が「超防衛モード」に入っているのであれば、中長期的なエネルギー政策など冷静に議論できるはずもないのです。世論が感情的だからだけではなく、官界や財界が「過度に恐れて」いることも理由の一端です。

 キッカケをつかむためには、とにかく世論調査の方法を変えることです。

 NHKが浜岡停止の直後に行った調査のように、「浜岡の停止に賛成か反対か」とか「原発は拡大、維持、縮小、廃止のどれか」などという単純な調査で、中長期の日本経済の盛衰が判断されてはたまったものではありません。第一、聞かれた方も聞かれたままに答えただけで、そんな責任を押し付けられても迷惑でしょう。

 例えば浜岡ですが、再稼働についても聞くべきです。「(1)津波防護壁が完成したら再稼働しても構わない、(2)防護壁に加えて全電源喪失の対策が講じられれば再稼動しても構わない、(3)全国的な新安全基準を政府が決定し、その基準を満たせば良い(4)再稼働は一切行わず浜岡全機は廃炉」少なくとも、こうした4つの選択肢を示せば、その差異、現地と遠隔地の違い、恩恵を受ける中京圏の反応、福島の反応、東京の反応などから立体的な世論が浮かび上がって来るのではないかと思うのです。

 原発政策もそうです。「(1)国際的な競争力も国民の生活水準も低下して構わないので原発依存からの脱却を加速すべき、(2)脱原発を前提とするが、産業の競争力と国民の生活水準を維持しながら順次エネルギーの多様化を実現すべき、(3)まずこの夏の電力需要に不安のないように発電量を設定して、そこから許される原発の稼働数を逆算すべき、(4)浜岡以外の津波の危険が低い原発は従来の基準で再稼働すべき」このような選択肢で調査をすれば、世論の複雑さや濃淡は明らかになるでしょう。

(後略)

このコラムの題名は、『「フリーズ」状態のエネルギー政策・・・』ですが、むしろ『「フリーズ」状態の原子力政策・・・』とすべきだったと思います。

書き手の冷泉彰彦氏は比較的好きな論客なのですが、今回のコラムの場合、私の考えが彼と対極にあるせいもあって、彼の案じることが私には「歓迎すべきこと」だったり、違和感を覚える部分がいくつかあります。

世論調査については、私は『原発容認派が過半数以上とした調査結果』しか目にしたことがないので、反対の意味で彼の「世論調査の方法を変えよう」という意見には同意します。

(ただ、彼が提示する質問項目は偏りがあるように思われるので、そのまま使うのは問題だと思います。)

『「フリーズ」状態のエネルギー政策』という題名を使うとしたら、これは現在ではなく、原発政策を推し進めようとした段階で使うべきだったのでしょう。

最近ガスのことを勉強しだしましたが、たとえば、「日本近海の天然メタンハイドレートには注目が集まっているけど、人工のメタンハイドレート技術をもっと促進させれば良いのに」「南関東にはガスがたくさん埋まっているが、地盤沈下を理由に採掘を認められているのは昔から採掘している数社といくつかの個人だけ。採掘しなくても空気中に放出されたり、ガス爆発を起こしたりしているのだから(大地震が関東を襲うと地中からガスが出て大火災を起こす可能性もあり)、本当はもう少し採掘しても良いのではないか」「ガスの幹線パイプラインの整備は、もっと国が主導してやるべきだったのではないか」等々、素人ながら、ガスについてだけでもいろいろ疑問が沸いてきます。

エネルギー政策をフリーズさせたのは政府のせいだったと思いますが、元を正せば、勉強してこないで受入れた、国民一人ひとりのせいでもあったのでしょう。

参考:

①「天然ガス、輸送と日本における幹線パイプラインの敷設の問題点」200412月の論文(札幌学院大学 山本純氏、秋山雅彦氏)のPDFをネットで検索してみてください。古いものですが、大変勉強になりました。

②経産省資料、メタンハイドレート (2008)

http://www.meti.go.jp/press/20080423006/06.m_h.pdf

③関東天然瓦斯開発株式会社-天然ガスの歴史、質問コーナー

http://www.gasukai.co.jp/gas/index2.html

http://www.gasukai.co.jp/gas/index6.html

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風評阻止も必要だけど、中韓首脳の心中はいかに

2011年05月23日 | 国際・政治

中国の温家宝首相と韓国の李明博大統領が、避難所を訪問して、膝を突いて一人ひとりに語りかけ、交流してくださったニュースは、日本人の多くがありがたく思ったのではないでしょうか。

もちろん、そこには原子力発電をめぐるもの他、様々な政治的思惑もあり、必ずしも『善意だけの訪問』ではなかったでしょう。が、それでも、自国まで放射能汚染の影響を与えている国にこうしてやって来て、被災者たちにこれだけのことをしてくださった。ありがたいことには変わりません。

ところで、この関係の記事を読んでいたところ、呆れ、そして(不謹慎ですが)苦笑してしまった箇所がありました。

いずれも522日の東京新聞の記事からの抜粋ですが-

三首脳は福島市内の「あづま総合体育館」に到着すると、用意された福島産のサクランボやキュウリ、ミニトマトを試食した。菅首相は「おいしいですね」と中韓首脳に話しかけた。

→普通の接待であっても、自宅に招いた招待客に自分の用意したものを「おいしいですね」と先に褒める招待者はいないと思います。

ましてや今回は自国の農作物の風評阻止のパフォーマンス。付き合ってくれている二人の首脳にむかって「おいしいですね」と菅首相が本当に先に言ったとしたら、センスを疑います。

菅直人首相は21日夜、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領を歓迎する夕食会を開いた。東日本大震災の被災地の食材を使ったメニューで、両首脳を歓迎する夕食会を東京・元赤坂の迎賓館で開いた。東日本大震災の被災地の食材を使ったメニューで両首脳をもてなした。前菜に千葉県のカマス、たき合わせには茨城県のウド、宮城県産のアワビが並んだ。焼き物では岩手県の前沢牛、青森県のサケがふるまわれた。日本酒は福島県の「飛露喜」が出された。

→上記の農作物にしても晩餐会の食材にしても、『風評』というのが証明されていない以上、外国人(そしてやはり日本人)には警戒する人が当然多いでしょう。

中国や韓国が「輸入規制を緩和してくれる」といっても、「輸入規制撤廃」というわけでもありません。

何も放射能汚染が一時でも疑われたことがある地域のものばかり出す必要もなかったのではないでしょうか。内心、二人の首脳はどう思っていたことか。

4月にオーストラリアのギラート首相やヒラリー・クリントン米国務長官が来日したときにも、こういう接待をしたのでしょうか?今後仮にオバマ大統領やサルコジ大統領が来日しても、こうした風評作物試食パフォーマンスはもちろん、被災地の食材(含む風評被害があるもの)オンパレードの接待はしなかったのではないかと思います。)

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干ばつで自国の原発を停止するかもしれないフランス、インドのジャイタプール原発建設

2011年05月22日 | 国際協力・プロジェクト

今年、フランスは干ばつで水不足-農作物への影響も当然ありますが、このまま干ばつが続いた場合冷却水も不足するため、原子力発電の大規模停止も発生するかもしれないとのこと。

(フランスは島国ではないので発電所は内陸にもあり、そういうところは川の水を利用)

さて、そんなフランスですが、ル・モンド・ディプロマティークの記事から一つ:

ジャイタプールの原発反対運動

http://www.diplo.jp/articles11/1104.html

この記事の終わり方に、

「ジャイタプールの原発計画にかかっているのは、アレヴァの採算だけではなく、原子力分野における世界の主導権争いだ。新星のインドと中国は、国内のエネルギー生産を原子力によって3倍、4倍に引き上げるつもりでいる。もし両国の原発計画が頓挫すれば、原子力産業の世界的凋落が一気に加速することになろう。」

とありますが、世界の主導権争いをしている国は、フランスの他、米国と日本、そしてロシアと韓国が含まれます。

それなのに、フランスは干ばつで自国の原子力発電を止めることになるであろうし、米国は竜巻で原子力発電所の外部電力が失われ、日本は原子力発電で放射能を撒きちらし-

他国にセールスをしながら、自国のニュースが原子力発電所の脆さや危険性、事故を起こした場合の被害の大きさをアピールしているのは、皮肉なことです。

とはいえ、「それでも原発を買いたい」という国があることの不思議さ。

まあ、そうした買う側も賢くなっていくので、

「インド政府は、同年10月に原発事故時の外国企業の責任を規定した原子力損害賠償法を可決させている。アレヴァが大きな圧力をかけていた法案だ。」

と、この記事にも書いてありますが、買い手も、今までのような『売り手が有利になるような商売』をさせないようになっていくことでしょう。

(それが、原発産業の足を引っ張ってくれることを期待したいですね。)

参考:

「原子炉メーカーの製造物責任は問わず」というのが国際標準!?

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110420

「原子炉メーカーの製造物責任は問わず」というのが国際標準!?-2

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110420

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加害者になってまでの経済成長は必要か

2011年05月21日 | 経済

本日の東京新聞朝刊の記事から:

枯れ葉剤「韓国の米基地に埋めた」

 【ソウル=辻渕智之】韓国紙、東亜日報は二十日、ベトナム戦争で米軍が使った枯れ葉剤の残りを韓国南東部の在韓米軍基地内に埋めたと元米兵が証言し、韓国環境省が米軍側に事実確認を求め、調査に着手すると報じた。

 同紙によると、韓国慶尚北道漆谷郡にある米軍漆谷基地に服務経験のある元米兵三人が「枯れ葉剤に使う毒性物質を入れたドラム缶二百五十個を一九七八年に命令で穴を掘って埋めた」と米アリゾナ州の地方テレビ局の番組で証言した。ドラム缶は約二百八リットル入りで側面に「一九六七年ベトナム」「オレンジ(枯れ葉剤の別称)」などの文字が英語で書かれていたという。

 元米兵たちは首や背骨に重い関節炎などを患い、「後遺症だ」と主張。埋める作業時にも足がマヒしたり、はれて歩行不能になったりして当時、軍の病院で治療を受けたと話したという。

 韓国環境省は報道を受け、在韓米軍側に確認したところ、米軍側は「現在のところ過去の資料では確認できない」と回答。同省関係者は「二十日までに今後の調査計画を策定する」としている。

 東亜日報は、付近の地下水への漏出や、基地が韓国南東部の大河である洛東江の上流部にあるため釜山などの都市も含めた流域の汚染も懸念されると伝えた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011052102000025.html

米軍基地内(治外法権適用)とはいえど、米国が他国の土地に枯葉剤を埋めたことは現在話が進められている『日米のモンゴルへ放射性物質廃棄場プラン』と重なり、ドラム缶を埋める作業を命じられた兵士達は、『原発処理に携わっている下請けの人たち』と重なります。

前回のブログで、「何故経済成長を続けなければいけないのか」という問いの話をしました。その答えのひとつに、「個人レベルであれ、国レベルであれ、力のないものがいつも貧乏くじ(命や人間の尊厳を脅かされるくらいのものまで)をひかされるから、経済的に上位にいなければならないのだ」ということもあるのでしょう。しかし、「貧乏くじを引きたくないから、上位にい続けようとする」は理解できても、「上位にいるために、加害者になる」とまでなると、私には理解できません。

以前アメリカやオーストラリアのウランのことを考えていたときに、「先住民族の住む土地にウラン鉱山があるのはなぜか」と一瞬考え、直ぐに、「ウラン鉱山があるところはそもそも植物もきちんと育たないような土地なのだろう。そこに、彼らが白人に追い立てられ、そこに居住せざるを得なくなったのだろう。」と気が付きました。

現在は、そのままそうした不毛の土地の住民である先住民族は、ウラン採掘などで生計を立て、健康を害していく人も多いと聞きます。

(ウラン採掘場は日本の人形峠(鳥取)にありましたが、現在は閉山されています。)

「経済成長のために原発ビジネスは絶対必要。放射性廃棄物がでるから原発が売れないのなら、廃棄場を他所の国に作ってワンセットで売ろう」

「原子力発電なしには日本の産業界には大きな痛手。原発で出た廃棄物の処理問題がクリアしない頃からずっと日本が原発を作り続けたこと?いいんじゃないの。これからだって、増やしても構わないし、原発をなくす必要もない」

これらは政財界の主流の考えだと思いますが、「先を見ないで目先の判断だけで方向を安易に決めたり、自国の成長の為にモラルを欠いたことも是とする人たちが国を率いている状態が続いたら、いずれ日本は滅びるのではないか」と危惧します。

(日本だけでなく先進国の多くも反省すべきなのに、事態は変わらないばかりか、逆に新興国も同じような道をたどっています。本当に地球の未来は大丈夫なんでしょうか。)

参考:

①“インド東部・ジャドゴダ・ウラン鉱山の村”のキーワードで検索してみてください。

②モンゴル関係のブログ記事

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110509

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110510

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Intellectual Opposition

2011年05月20日 | 原発・核・311

「原子力発電は何故必要なのか」「経済成長は何故続けなければならないのか」ということを自問自答、時に息子から友人まで投げかけています。

昨日もふと考えながら何気なく検索してみたところ、『原子力発電は必要か』という題名のページを見つけました。

http://www.ne.jp/asahi/box/kuro/report/genpatu.htm

これは、村田浩さんという方(社会科教師というより哲学者)のサイトです。このページでは、原発をめぐる動きや環境についてのレクチャーの内容と、レクチャー後の「もし自分が海辺の小さな村に住む高校生だったら、村に原子力発電を受け入れるか、受け入れないか」という問い(課題)に対しての生徒たちの意見を紹介してくれています。

肯定派、否定派ともにしっかりした生徒たちの意見、是非ごらんください。

(この村田氏のことを、教え子たちは何十年後も忘れることはないでしょう。

それから、これは英語のものですが、イギリスから:

Peak oil, nuclear power and the ecolonomics of existential reality

http://www.energybulletin.net/stories/2011-04-20/peak-oil-nuclear-power-and-ecolonomics-existential-material-reality

著者のポール・モッブス氏の、およそ30年前にエネルギーと環境について興味を持ち出したきっかけ(3冊の本を読んだこと)※から始まるこのレポートもどうぞ。

Almost thirty years ago I bought a copy of a book from a second hand shop ? The Energy Question[1], published in 1976 ? that raised my interest in energy. A little while later I found another second hand book ? Fuel's Paradise[2], published in 1975 ? that raised my interest in the subject further. About that time I also read Small is Beautiful[3]. All of these books described limits ? the finite nature of the environment, and the problems of an exponentially growing human economic process within that system. For example, Fuel's Paradise even lays out the reasoning behind why there is a finite limit to the use of uranium because of the net energy issue.

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