湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

引っかかるの詩パート1

2021-10-17 18:15:53 | オリジナル
新しい共通テーマ「引っかかる」でAが書いた詩を投稿します。

十二対

十二対の骨に引っかかっている
取り返しのつかないものごと
無駄に費やした時間
逃げ出して捨てた場所
頼ってしまった弱さ
背を向けた苦しみ
消滅させた関係
捨てられない手紙
みっともない態度
二度と手に入らない失せ物
今では確かめようのない真相
半分偽物になったエピソード
言わなければよかったことと言えなかった言葉

十二対の引っかかりで
今のわたしができている
そんなきいたふうなことは
胸に引っかけてはいけない
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15句中の上位2句

2021-10-15 10:25:01 | 文学
昨日の小笠原学園俳句教室の兼題のひとつが「柿」でした。
ポピュラーな秋の季語なのに今まであまり詠んでこなかったので、新しく15句作った中から選んで投句。
そのうち本選に入った「柿」の句を発表します。どちらも添削後のものです。

柿落ちて形見のトパーズ小粒なり
夢で訪ふ無人の街の柿夕焼
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11月の湘南文芸

2021-10-13 11:16:12 | 

来月の合評会の日時場所は次のように決定しました。
11月19日(金)14:00~@逗子市民交流センター
次回のテーマは、数を増やして「引っかかる」「知」「慰め」の3つ。提出締切は11月16日(火)です。
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辿るの詩パート4

2021-10-12 23:13:14 | オリジナル
共通テーマ「辿る」でEが書いた詩を投稿します。

たどる

とぼとぼとたどって来て
八十余年
道は平坦だったはずだが
そもそもが虚弱体質
無理が昂じて
骨格がゆがみ
手術台の傘と化して
四時間の苦悶

幸い
昨日の何割かは回復したが
さて余生は何年
役立たずの老人への医療
貴重な公共資源の
浪費とならん

 アリはかしこい
 老蟻は
 危険な外での
 食料探し
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追放の詩パート3

2021-10-11 17:16:40 | オリジナル
共通テーマ「追放」でEが書いた詩を投稿します。

追放

追放って
どこからどこへ
共同体から追われては
死刑も同然
生きてはゆけない

洋上にただよい
はては転覆沈没
たどり着いても
無縁の砂上
窮死に至る

だからいじめ八分をさけようと
不義と知りつつ
心ならずも悪に加担
己れを殺して
生きてゆく
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花野俳句

2021-10-10 16:48:16 | 文学
最初に見た時は春の季語かと思いましたが「花野」とは、萩、薄、桔梗、吾亦紅、釣舟草など秋の草花が乱れ咲く野原のこと。
ちなみに「お花畑」は高山植物が群れ咲く野原のことで、夏の季語。どっちも春じゃないのね

花野より虻来る朝の目玉焼
↑逗子ゆかりの食いしん坊俳人、草間時彦の句。
魔がさして君を抱きけり花野風
↑Aのカナブン俳句入選句。
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曼珠沙華俳句

2021-10-09 07:23:16 | 文学
題詠「曼珠沙華」で、先日のカナブン俳句教室で入選したのは次の3句でした。
ファスナーのごとき背骨や曼珠沙華
捨子花ひとり残りし実家かな
赤よりも白先に逝く曼珠沙華


この日は講師と生徒の選句が揃わないことが多く、3句とも他の生徒さんの選には入りませんでした。
2番目は「捨子花」と「ひとり」が、3番目は「逝く」と「曼珠沙華」がイメージ近すぎという講評。
本人もそう思いつつ、出しちゃったんです~。
そこいくと、1番目の講師本選作品は我ながらうまく二物衝撃ができたかな。…でも生徒さんには選ばれなかったんですよね。
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辿るの詩パート3

2021-10-06 17:08:22 | オリジナル
共通テーマ「辿る」でZが書いた詩を投稿します。

たどる

アミダクジ アミダクジ
私はここに 貴方はそこに
横棒一本加えてみたら
さてさて何処に行き着くやら 
恐る恐る 辿った先は 
天国 それとも灼熱地獄

今度こそはと アミダクジ
今度は 貴方が先に横棒二本 私が三本加え 辿ってみたら
辿った先から流れる ユーチューブ k622
弱った身体を和らげて 優しく奏でるあの調べ
(k622 モーツァルト クラリネット協奏曲)
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辿るの詩パート2

2021-10-05 06:57:48 | オリジナル
共通テーマ「辿る」でTが書いた詩を投稿します。

いつかの街
小さかったある日
父と二人 遠くの街へ行った
春霞の中 桜の街があり
人々は陽炎のようにうすく歩いていた
何をしに行ったのか
今となっては知るすべはないが
父はひどく無口になっていた
私の手を強く握ってはいたが
何かをたずねてもうわの空で
いつもの優しい返事はかえってこなかった
一日中一緒にいたのに ひどく遠かった
私は仕方なく
白っぽい空を見上げたり
行き交う人々を眺めたり
流れる水の香りをかいだりしていた
人に会った という記憶は欠落しているが
父は誰かに別れを告げに行ったのではなかったか
固い決意がにぶらないように
私を連れて行ったのではなかったか
桜の花のしんとした明るさの下に立つと
不思議なあの日がよみがえる
四十半ばの男として私の隣を歩いていた父
あの街がどこだったのか
記憶をたどってみても いまだわからない
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追放の詩パート2

2021-10-04 18:14:37 | オリジナル
共通テーマ「追放」でZが書いた詩を投稿します。大船フラワーセンターのハイビスカスの写真もZの撮影です。

追放

追放されたのでなく 逃げたのだ
欲深な我が身の為に
約束された未来より 逃げたのだ
平凡な生活なんかじゃ満足出来ずに
追放されたのでなく 逃げたのだ 

逃げた先で出会ったものは 
哀しみにまみれた 優しい人々
そろそろ 逃げた先からもどろうとしたが
何処にあるやら 帰る道は
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