湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

句集「つちふる」

2021-10-27 14:27:50 | 文学
逗子市浄水管理センター敷地内にも秋の野原が広がってます。

NHK俳句の司会もしているエッセイスト岸本葉子さんの第一句集「つちふる」を読みました。
新型コロナウイルス蔓延による在宅時間増加と、自身の還暦というふたつの機会が重なってできた一冊。
8章それぞれのタイトルは、収められた句から採られており、第Ⅶ章のタイトルが句集のタイトルにもなっています。
季語を書名にした句集ってあまり見ないけれど、すっきり潔い感じ。
各章の標題になった句を抜き出してみました。
Ⅰ 対岸     対岸のことに明るき紅葉かな 
Ⅱ 水の重さ   釣忍水の重さの加はりぬ
Ⅲ もの炊く匂ひ 叢林にもの炊く匂ひ夏のくれ
Ⅳ だらだら坂  蓑虫の啼くはだらだら坂の果て
Ⅴ 方位磁石   月夜茸方位磁石の回り出す
Ⅵ 人のかたち  黒南風や人のかたちの雨具着け
Ⅶ つちふる   つちふるや汀の線のかく歪つ
Ⅷ 自画像    自画像の右の眼に秋の蝶

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