共通テーマ「埋める」でAが書いた詩を投稿します。
エトス
勉強を見てやっていた子が言った
――有名になりたい
そうだね 人々の記憶に残って
ただ死んで終わるだけにならないものね
――先生は有名になりたい?
大学生の足りない頭でどうなりたいか考えた
――先生は有名になりたくない
知らない人たちのフィルターに引っかかって
もがく自分が見えたのだ
地表に層をなす捲られないページ
風に吹き散らされるひとり語り
物語は人の数だけあるが
ほとんどは最後に燃やされ埋められる
創造しても結局無になる けれど
虚しさに目を向けてはいけない
あの子は有名になっただろうか
ならなくても何かを表現しているだろうか