処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

湖のほとりで

2009-09-04 13:51:20 | 映画

原題:LA RAGAZZA DEL LAGO

英題:THE GIRL BY THE LAKE

 

          

 

イタリアのアカデミー賞と言われるダヴィッド・ディ・ドナッテロ賞で史上最多の10部門を受賞。サンツィオ刑事に扮した主演のトニ・セルヴィッロは、今、イタリアで最も忙しい人だそうだ。

当初は、小さな映画館で封切られたが、やがて、口コミで評判を呼び、240館にまで拡大されたというから、観ておくに越したことはない。

なるほど、北イタリアの風景画が美しい。湖畔の小さな村に起きた殺人事件の捜査が進むにつれて、地域や家族の人間関係が次第に明かされていく。親子、恋人、友人・・・・。

障害を持つ子供に素直な愛情表現ができない親。子供のことは全て理解しているという偏った愛。間違った両親の元に生まれてきたと感じる思春期の子供…

一見何事もないかのように過ぎ行く日々の中で、誰もが皆、“一番身近な人にも言えない悩み”を抱えて生きていた―。

主人公の刑事もまた、若年性認知症に冒され、家族のことを忘れていく妻の姿を、娘に見せられないという人知れない問題を抱えていた。

殺人事件が主題の映画にもかかわらず、静謐でスローテンポの展開は、景色をより美しく際立たせている。

ラストの刑事の家族の結末が、味わい深い。

オフィシャルサイト

銀座テアトルシネマ。

 

 



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