著 者 矢吹 孝男
発行元 幻冬舎
定 価 1200円+税
著者とは同じ年の生まれである。彼が綴る半生の時代は、私と重なる。
叙述される背景や雰囲気は、まるで自分のことのよう。それはディテイルに及ぶ。
私も御三家(橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦)よりも松島アキラの『湖愁』を好んでいた。バイクが青春の一頁。東海道新幹線の開通。第4次中東戦争。”日本鋼管”とは、これまた懐かしい。共感・共有、まだまだ、上げればきりがない。
会社倒産の末の関西への逃避行。途中一泊の名古屋が、その後の事業の主舞台になろうとは・・。
著者の生命力には圧倒される。しかも世のため人のためが身上。見事としか言いようがない。
こうした半生記、悪戦苦闘の末の成功譚に共通するのは、" 主人公 "の揺るぎない信念と飽くなき意欲、それに出会いだろう。読む進むうちに、そのドラマに泪し悔悟し高笑いする。人生は波乱万丈だから面白いのだ。
著者は、間違いなく日本の国の介護システムのパイオニアの一人であろう。
それにしても、政治のなんと遅いことか。規制どころか障害と言うに相応しいほどだ。民間活力とは片腹痛し。
話題書で眩い幻冬舎が、この種の出版に注力しているとは知らなかった。見直した。
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