ZEVEX~行動する自動車環境問題NGO~

手造りPHEVで、そしてプリウスPHVで二度の日本列島縦断を達成し、世界初EV南極点到達を目指し活動する冒険チームです。

東京~大阪 途中無充電ミラEVの旅(そんなに走ってどうするの)

2009年11月12日 01時40分07秒 | その他

我々ZEVEXは、日本EVクラブの催事をお手伝いする時は「日本EVクラブ京都支部」を名乗る。活動の中心は関東のZEVEXだが、本部は京都にあるので「京都支部」なのだ。
1998年の入会だから、思えば日本EVクラブとのお付き合いも11年になる。
そんな「日本EVクラブ」が、来週の火曜日11月17日に、
東京の日本橋から大阪の日本橋までを、途中でバッテリーに充電すること無く走り切るアタックを行う。
http://www.jevc.gr.jp/news.php?id=70
アタックに使用するマシンは、EVクラブがコンバートしたミラのEV。乗用車ではなく、4ナンバーの商用車ミラだ。

(4ナンバーの5速MTだから、L275Vというモデルか?アタック当日には、派手なラッピングがされるらしい)

このアタック、上手く行けば560kmを無充電で走ることになるので、去る10月27日にテスラ・ロードスターを使ってオーストラリアで樹立された、501kmという電気自動車の公道無充電走行世界記録を塗り替えることになる。ギネスにも申請しているらしい。
もっとも、「そんなに走ってどうするの?」とサブタイトルに有るように、この旅の本当の目的は電気自動車の連続走行可能性を示すことではない。何回説明しても、1充電の航続距離を問題にしてああだこうだ言う不勉強な人達(特にメディア)に対して,「じゃあガソリン車と変わらない航続距離を電気自動車で走ってやるわ!!」という舘内代表お得意のイヤミだ。手間のかかったイヤミではある、周囲のスタッフは大変だ。
「400km500km走れてこそ車だ」というテーゼに対して、「じゃあ560km走れる電気自動車が出たら買うんだな!?」というアンチテーゼを示すことで、自動車に求められる必要充分な資質とはなにか?を、バイアスを外したバランスの取れた眼で見つめ直す機会を創造することが、このアタックの核心だ。


(後席は外されているが、荷室としてはオリジナルより広いくらいだ。560km走れるからと言って「荷室がバッテリーで一杯」なんてことはない)

ZEVEXのアドバイザーでもある、日本EVクラブ技術員の薄井武信ビルダーがコンバートしたこのマシン、モーターはS200系ハイゼットに搭載されていたPM同期(定格14kW、MAX35kW)を積む。PM同期だから回生が使えるが、我々のARK-2号ほどギンギンには回生ブレーキは効かない。S200系ハイゼットEVが販売されていた当時はバッテリーが鉛だったので、あまり大きな回生電流は受け切れなかった為だろう。ガソリン車から乗り換えた人に違和感を与えないことを目的に、アクセルを戻した時に抵抗感を出した、というのが実情のようだ。つまり、制動時のエネルギーを回収して航続距離を伸ばすことは、残念ながらそんなに大きくは期待できない560kmの連続長距離走行を可能にするのは、もっぱら搭載バッテリー電力量の大きさ、マシンの高効率化、ドライバーの腕、ルート選択、根性、に拠る。
搭載するバッテリーは三洋電機さんのリチウムイオン。時間率は聞いていないが、総電力量は74kWhらしい。軽自動車にPM同期を積んでコンバートすると、実走行電費は110~130Wh/km程度になるから、電費走行に長けたドライバーが運転すれば、560kmは充分狙える距離だ。バッテリーSOC10以下まで追い込んで良しとするならば恐らく大丈夫な距離だが、そんな三洋電機さんが冷や汗をかくような運用は、EVクラブはしないだろう(と思う)。



(床下からチラリと見えるのがリチウムイオンのバッテリー。240.5Vの74kWh。構成はちょっと複雑で、大きくはバッテリーバンクを8バンク搭載している。各バンクはモジュール5Sの構成で、そのモジュール内部で更に13Sのセル列が並列に組まれている)

このミラを支える足回りは、タイヤが省エネルギー性能に優れた新発売のトーヨータイヤの「ECO WALKER」、ホイールはRAYSの鍛造ワンピース「SUPER ECO」、アブソーバーはエナペタル(ビルシュタイン)の組み合わせになる。

スタート場所は東京日本橋の「日本橋COREDO」前、11月17日(火)の朝3時と少々早い。大阪日本橋へのゴール予定は同日15時30分。
走行中の様子はネットで同時進行動画配信もされるらしい。
http://www.jevc.gr.jp/

世界記録の更新を期待したい。

もちろん鈴木他の関西在住ZEVEXメンバーは、大阪日本橋にお出迎えに赴くつもりだ。


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38 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
応援してます! (クロイノ)
2009-11-13 01:35:58
走行コースは国1なのでしょうか?
事故なく無事に走り抜けるよう祈っております。
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ヒーヒー言ってます (ビルダーうすい)
2009-11-13 01:40:31
旅の主旨を押さえた解説ありがとうございます笑。

ちなみに16日朝の、
NHK「おはよう日本」で生中継予定です。
7時半頃らしいのですが、首都圏だけかな?
意識して観たことないのでわかりませぬ・・・。

派手なラッピングは出発式まで秘密とのことなので、
その中継ではまだマスキングした状態です笑。
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本来の仕事 (ゆーつー)
2009-11-13 01:54:59
を、忘れないで下さい。
って、そっちがそうだったんですね?(笑)

道中お気を付けて。
返信する
RE:クロイノ様 (アイアン・バール鈴木)
2009-11-13 02:09:50
ルートは浜松から暫く一般道を使って、再度高速に復帰し、また一般道に降りて、大阪都市部の信号を避ける為に最後は高速を使います。

「下道マイスター」の私が解説した中から舘内代表が選んだルートです。
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RE:薄井さん (アイアン・バール鈴木)
2009-11-13 02:12:07
準備ご苦労様です。

>NHK「おはよう日本」で生中継予定。7時半

寝てるなあ~(笑)。

大阪でお待ちしてますね。
返信する
RE:ゆーつー様 (アイアン・バール鈴木)
2009-11-13 02:16:03
EVフェスティバルには、この旅の影は閉会式の舘内代表の話に出て来たくらいで、現車が無いので実感無かったですもんね。

ネット中継で見て下さいませ。
一度に50人くらいしか見られないらしいけど。サーバーの制限で。
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これはいい!! (anzai)
2009-11-13 03:26:51
やあ、動機がいいですね。こういう嫌味はどんどんやってください。頭の閉鎖性を壊すことが、なんでも第一歩ですね。
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航続距離 (おりべ)
2009-11-13 03:36:31
ウチも最初は航続距離とパワーばかり気にしてましたが、今は1充電で1000キロ走れるより1~2分の充電で200キロ走れる方がうれしいなぁ。
それとガンガンにエアコン、オーディオ、デフォッガ、ヘッドライト使いながら遠慮なくアクセル踏んでも電費が殆ど変わらないとか。(笑)

って今回のアタック完全否定してるわけじゃないですよ!(笑)

誰でも「一回の充電でいくら走れるか」って気になると思うんで一回の充電で560キロ走れるって聞いて電気自動車に興味持ってくれる人が一人でも増えれば良いですね。

是非ギネス記録更新してください。
準備で忙しいでしょうけど頑張ってくださいね。
期待してます!

ウチも大阪お迎えに行きますよ~
待ってます~
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無事達成を! (こふね)
2009-11-13 09:47:44
無事にミッション達成をお祈りしまぁす!
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RE:anzai様 (アイアン・バール鈴木)
2009-11-13 10:44:26
>頭の閉鎖性を壊すこと

なかなか難しいですね。
できる人が行動で見せて、周囲を活性化するのが一番なのかもしれませんね。
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