(大型の四駆なら楽々なんだろうが、ジムニーだとトレッドがギリギリ)
現存最古のクロカン四駆電気自動車、EVジムニー「SJ2001」号。ジムニーのコンバートはやり易いので、ここ数年でかなりのEVジムニーが誕生したようだが、どの個体もウインチは搭載していない様子だ。 「クロカン」を標榜するならウインチは必須で、どんなトラクションデバイスを使用しようとも、斜度70度15mの斜面はウインチ無しでは登れない。我々の「厳冬期ロシア氷結間宮海峡アタック」のように、命懸けで「チルホールだけで行く」という選択肢も場合によっては有り得るが、それは極限の選択であり、その水準で4X4クロカンを実践している集団を、少なくとも日本の四駆業界内では私は知らない。
「手造りPHEV日本列島縦断の旅」以来、車検を取る活動費が無くて、川崎のピットで惰眠をむさぼっていたこの元祖電動ジムニーを整備して久々にオフロードへ持ち出してみた。オフロードと言っても広大なロシアの大地ではなく、狭く「正解のライン取り」もちゃんと有る有料のコースだが、土の匂いを感じながら電動4WDの強大なトルクを味わう走りは楽しい時間だった。
(足廻りはオフロードサービス・タニグチのソルブスペシャル、もちろん公認だ。15年前、四駆業界にEVの「イ」の字も無かった時代に、あまた有った四駆ショップの中でこのマシンの製作に唯一資金的援助を下さったのが谷口社長だった。)
この日の会場はスポーツランド岡山だったので、ZEVEXの母体となった極限走破の4X4クロカン競技会「アイアン・バール・カップ」時代の仲間である西村君(ランドクルーザークラブ岡山の初代会長)にも声をかけ、広島県三次市から竹藤隊員も参加して、ワイワイと交代でEVジムニーのハンドルを握るほのぼのした走行会となった。
(モーグルのラインを誘導するLCCO初代会長の西村君。「ロバQ」というロックバンドのドラマーでもある。)
SUVと呼ばれる貧弱な「砂利道四駆」が幅を利かせ、ありのままの地球の表面~すなわちオフロード~を走れる堅牢なクロカン四駆が減少して行く中で、各地のオフロードコースが閉鎖に追い込まれた。そんな現状にあって、このスポーツランド岡山はそこそこの面積も有り、V字・モーグル・ロック等サーフェスのバリエーションも豊富で楽しいコースだ。確か2000年だったと思うが「オフロードサービス・タニグチ」さんのクロカン講習会にこのSJ2001を持って来たことが有って、SJ2001にとっても懐かしいコースだった。
(参加者に一番人気だったのがロックセクション。直流直巻を積んだ電気自動車特有の強大なトルクでグイグイ押して行けるので走り易いのだ。ヨンマルの2B3.2Lディーゼルの低速は確かに太いが、5rpmで安定したトルクを出すことはできない。)
上にも書いたが、電気自動車のジムニー自体は現在日本国内に10台近くは存在する。中には多少クロカンっぽいのを売りにしている個体も有る様子だが、そのEVジムニーを使って21世紀に相応しい4X4クロカンを啓発するような試乗会の話は聞いたことが無い。各地の四駆仲間に聞いてみても「EVジムニー試乗会」とか「EVジムニーに乗れるクロカン走行会」というのは聞いたことが無いと言う。
「4x4クロカン」というカテゴリー自体が存続の危機に瀕している今、この状態は非常にマズい。本来は資金力も有り、それが商売のネタになって投資を回収できるビジネスサイドの人がやれば良いと思うが、それはクロカンに対する「志」の問題なのでボヤいても仕方が無い。
そんな「4X4クロカン」への想いも有り、普段は隊員だけで行う走行会に今回は外部のメンバーを誘ってみた。
慢性的な資金不足をメンバーの小遣いを出し合い都度都度誤魔化し、スタッフの力量も貧弱なZEVEXだが、極限の4X4クロカンを額に汗して体現しているチームとして、EVジムニーを使った21世紀型のクロカン走行会やオフロード講習会等も、人・物・金の配分を少しだけ見直して強化して行きたいな、と今回の走行会を通じて感じた。
(この日の「傾き一番」は兵庫の織邊隊員。ランクルロクマルを新車から60万km超で乗る日本屈指のロクマル乗りだ。JAFのA級ライセンスホルダーでもある。)
(「ひっぱり系」らしくウインチも使ってみた。トップレンジャーの24V物を搭載。)
そんな訳なので、21世紀型のオフロードを体験してみたい、という御要望が有れば、可能な範囲でお答して行く所存です。できれば「自分の為の4X4クロカン」だけではなくて、活動の1割2割を「4x4クロカン」全体の為に頑張っている人やクラブと係わりたいというのがこちらの願いです。
別に難しいことではなくて、定期的にクロカンイベントを主催しているとか、河川敷の清掃に四駆で参加しているとかで十分な話です。御興味のある方はZEVEXの公式サイトからメールを下さい。
(ZEVEXの設立15周年記念Tシャツを着て記念撮影。左端が三次から参加の竹藤隊員。ドライバーは保田隊員、助手席は間もなくの嫁さんだ。)
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それにしても元気いっぱいのSJ2001の姿が嬉しいです。
そういえばクロカン、全然してないです。
車検とって走らないとですね。時間を作って地道に作業します(^_^;)
本来そうあるべき、だと思うんですが、そこまでの情熱が無いんでしょうね。
海外で開催される「競技」に参加するショップは有っても、海外でのクロカンを企画・主催しているショップを私は知りません。
「競技」と「クロカン」はイコールじゃないですからね。
主催者のマネジメント下の有るのが「「競技」
自分で自分をマネジメントしてこそ「クロカン」です。