ZEVEX~行動する自動車環境問題NGO~

手造りPHEVで、そしてプリウスPHVで二度の日本列島縦断を達成し、世界初EV南極点到達を目指し活動する冒険チームです。

上級者向け4X4ウインチ講習会

2014年10月11日 11時08分52秒 | オフロードの電気自動車(EV)

日本の4x4クロカン界はイビツな構造をしていると感じます。面積は狭くとも、有料のオフロードコースで行う走行も4x4クロカンの一部だと思いますし、1泊2日で行く郊外の山へのアタックは日本のオフローダーがイメージするクロカンそのものでしょう。ただ、それを越えてに広い面積と長い時間軸を持った4WDクロカンが日本の4x4クロカン界には極端に少ないのです。

(ロシアのタイガ森を往くZEVEX遠征チーム。ここはまだ「道」っぽいが、この後森の防火帯となる。そもそも「道」を作ったのではなく、防火帯として造った森の隙間を道として使っているだけだ、とは途中で逢った猟師さんの話。)

だからなのか?5000km・10000kmというスケールの4X4クロカンで必要な技が日本のオフローダーにはほとんど知られていません。8000m級の山は存在しない日本でも、登山をする方は高度順応の必要性を理解しています。「無いから知らなくても良い、だから知らないままでも上級者だ。」という理屈はオカシイと私は思いますし「500kmなら走破できますが5000kmは出来ません」ではオフローダーとして未完成と言わざるを得ないと思いますので、そんな日本の4X4クロカン界に足らない部分を補う一助になればと、東南アジアのジャングルからロシアのタイガ森、果ては氷結した海の上までも4WDで走ったZEVEXの経験を伝える講習会を行いました。

(草原を堂々と走り回れる場所は日本では極めて珍しい。講習会の会場として、ここ桧山高原を使わせて頂けたのは幸いだった。)
今回の講習会は、我々ZEVEXと、F3というクロカン催事を長年運営している福島県のオフロードチーム「パイナップルレンジャー」のコラボ企画として実現しました。催事としてはZEVEXのEVジムニー1号機「SJ2001」号のデータ取りやパイナップルレンジャーさん運営の芋煮会でもあった為、限られた時間で有効な講習会とすべく、内容をウインチワークに限定し、特に1万kmスケールの4X4クロカンで必須となるポイントを選び、座学を中心に構成しました。

(時間軸が短いクロカンでは誤魔化しが効くポイントが、1万kmスケールのクロカンを実行するには不可欠の知識となる。)

幸い今回の参加者にはPTOウインチユーザーは居なかったので、講義は電動ウインチに限定しました。特に一定の水準でクロカンを実践する人達だったので、「皮手袋をしましょう」的な初歩の話は端折って、モーターの構造やバッテリーの科学を中心に講義しました。リップサービスも含むのでしょうが、この講義内容は概ね好評で、感覚でしかわかっていなかったウインチの駆動特性が、何故そうなるか原理が分かったと言って頂けました。

(翌朝、早速マスター巻をするF3実行委員長の青山氏。ZEVEXのメンバーでもある。)

(電動ジムニーを使ってのフィールド講義。パイナップルレンジャー会長の菅野氏も参加。彼もZEVEXメンバーである。クロカンだから当然土木作業も有り。)

2日目は15年前に造ったEVジムニーに搭載された電動ウインチを使って、短いながらもフィールド講義も行いました。この後パイナップルレンジャーさんが段取りして下さったこの催事の会場「桧山高原」の広大なフィールドを皆で移動しながらオフロード走行を楽しんで、今回の催事は幕となりました。
1万kmスケールの4X4クロカンに必要なのはウインチワークだけではないので、機会を作って第2回を行いその他のノウハウも伝えられる機会を作りたいと考えています。
もちろん、ZEVEXに入隊して頂ければ、常の活動で身に付けて頂ける機会は多々有る訳ですが、非隊員のオフローダーの皆様にも、ZEVEXの長いクロカン経験から得たノウハウをお伝えできる機会を持ちたいと考えています。

(SJ2001を囲んで記念撮影。今回は告知が不十分で少人数でしたが、その分濃い内容が出来ました。)

(パイナップルレンジャー女性スタッフ力作の芋煮。美味でした。女性スタッフの力量が厚いこともパイナップルレンジャーがリスペクトされるべきポイントだと思います。)

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ERK Cup Japan第4戦(電動レーシングカートのシリーズ戦)

2014年10月04日 12時07分10秒 | ZEVEXの活動

運営側に回った第3戦から1ヶ月、ERK Cup Japan第4戦に再び「選手」で参加しました。今回の構成はスプリントレース5ヒート、それも正回り6LAP、逆回り6LAP、逆回り5LAP、正回り5LAP(ジョーカーLAP有り)、正回り4LAP(ラッキーLAP有り)というバラエティーに富んだ構成でした。

リチウムを積んだスペシャルクラスは電力量的には余裕なので、基本常に全開でのバトルになりますが、鉛ー酸バッテリーの02クラスは全ヒート全開では電力量が足りません。そこで、攻めるヒート退くヒートの戦術を考える必要に迫られることになります。

(ZEVEX Racing Teamの第1ヒート担当は藤井尚孝隊員。前回はグリップの切れたタイヤで散々だったが、今回はタイヤの状態もバッチリ。)
02クラスは他のチームがどのヒートを勝ちに来るかも重要です。同じ勝つでも他のチームとバトルして電力を消費して勝ったのでは、他のヒートの戦術に影響が出てしまうからです。その辺の様子を見つつスタートした第1ヒートは、現役ガソリンカーターのZSSチームがストレートでもぐいぐいアクセルを踏んで来たので勝負は諦め、スタートグリッドで前に居たアドバンテージを生かして強豪JKB(女子カート部)を何とか抑えて2位でまとめて上々の滑り出しとなりました。

そして第2ヒート、逆回りを得意とする内山豊隊員のドライブです。第2戦ではTOPを走っていながらも、残り200mでハーフスピンして3位に留まったので、その雪辱戦でもあります。

(常にも増して気合いが感じられるスタート前の内山隊員。スタートはヒート1のチェッカー順なのでフロントローアウト側だ。奥に見えるのが強豪女子カート部。)
詳細は下の動画をご覧頂くとして、このヒート踏んで来た女子カート部との一騎打ちを3周目にかわして、そのまま逃げ切って見事1位を取りました。トランスポッダーの調子が悪くて一部タイムが取れてないLAPが有りますが、このヒートで出した内山選手の38秒650が、この日の02クラスファステストだった様子です。

第3ヒートはバッテリー温存の為にDNSして、私の乗る後半2ヒートです。1・3ヒートを取ったZSSチームと競うには、この第3ヒートは落とせません。スタートグリッドは最後尾でしたが、スタート直後からZSSの後ろに付けてジョーカーLAPも後ろに付けたままこなします。1ヒート目で明らかな速度差が有ったストレートでもZSSチームとの差が開かないので「このヒートは抑えている」と判断して前に出ました。そしてそのままチェッカーを受けて1位。この時点で、2位・1位・DNS・1位なので、最終ヒートで1位を取れば初優勝の目も出て来ました。
そして最終ヒート、スタートで飛び出した女子カート部の後ろに付けますが既にパワーが出ません。練習走行用のバッテリーが不調で、6LAPを決勝用のこのバッテリーで走ったのが響いている様子です。ピット無線を繋いでいる女子カート部が上手くラッキーラップに入ったところで勝負有りでした。レースに「たられば」は有りませんが、練習走行で使った6LAP分が無ければ計算通りこの最終ヒートもレーシング速度を維持できたと思われるので残念でした。

ま、それでもこの日は2位表彰台。第2戦が3位で、欠席の第3戦を挟んで第4戦で2位。徐々にセッティングが出て来た手応えが有ります。

(2位表彰台は久々。2014のシリーズタイトルは全戦出場の東自大チームと中央のZSSチームに可能性が有ります)

(ちょっとはレーシングチームっぽくなって来たか?「ZEVEX Racing Team」 でも主戦場はオフロードでの4x4クロカンEVなチームです。)

ERK Cup Japan 4th Oct 2014 [The Sprint5] heat2 ~ZEVEX Racing Team win~

コメント (1)
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