日々震災関連の情報が入って来る。
その中で気になる報道が有ったので、ひとことコメントしようと思う。
今被災地はガソリン不足が甚だしいらしいのだけれども、その被災地に向けて「EVバイクを寄贈した」とか、「EVを積極活用してガソリン不足に対応」などと言うニュースが流れていた。
ちょっと待て!
東北は今被災地であるけれども、東京電力エリアと同じように、東北電力エリアも今輪番停電を実施中のエリアでもある。
24時間停電しているわけではないので、電気が来ている間にEVに充電すれば、確かにガソリンが無くても走ることはできる。
・・・が、電気ポットの保温を切って節電している横で、平均的な家庭なら1件分を丸々賄えるくらいの電気を喰う電気自動車の充電をするのは、ちょっとおかしくないか?
電力会社が輪番停電しているのは、カバーエリアの電力需要を賄うだけの十分な発電ができないからであって、不公平が無いように順番に地域を切って停電にしている。ということだ。
つまり、電気が来ている間でも、極力節電に努めるのが正しい姿勢で、電気自動車の充電にジャブジャブ電気を使えば電力不足は益々酷くなり、全体で見れば計画停電のエリアが広がるか、頻度が増すかの結果に繋がる。これでは「自分だけは良いかもしれないが周囲の人は大迷惑だ」
にも関わらず「被災地で電気自動車を活用・ガソリンを節約」と、さも良いことであるかのように大手メディアが報道しているのを見るとゲンナリしてしまう。「こんなにも電気自動車に関して無知な人達が情報を発信しているのだ」と思うと泣けて来る。
どうしても系統の発電能力が不足したエリア内で電気自動車が使いたければ自分で発電して充電すれば良い。
石油製品以外の物からでも発電はできる。太陽光発電しかり風力発電しかりだ。
(ロシア・サハリン州 凍った間宮海峡の上で自然エネルギーから電気自動車に充電中)
ちょっと普通じゃないが「人力充電」という方法も不可能ではない。「行動で確かめてから発言する」がモットーのZEVEXでは、実際に検証している。
■ユーチューブ動画
http://www.youtube.com/watch?v=av9FawcKedU
上記のような特殊な覚悟が無い人でも、この震災でEVを有効に使う方法が有る。
富士川より西60ヘルツ領域でEVを満充電にして、東京電力エリア(50ヘルツ領域)に移動して、そこでV2GなりV2Hなりを行うということだ。
V2Gとは「Vehicle to Grid」電気自動車の電気を系統に逆に流し込むことであり、
V2Hとは「Vehicle to House」電気自動車の電気で家電を動かすことだ。
V2Gは難しいがV2Hなら比較的簡単だ。ホームセンターで売っているDC12V-AC100Vインバーターを買って来て、50ヘルツ領域のどこかの御家で、家電の電源として使ってもらえば良い。そのお宅が壁コンセントを使わずに済む分域内の電力が節電されたことになる。