ZEVEX~行動する自動車環境問題NGO~

手造りPHEVで、そしてプリウスPHVで二度の日本列島縦断を達成し、世界初EV南極点到達を目指し活動する冒険チームです。

フィスカーの「カルマ」また燃えたの!?

2012年11月01日 23時55分38秒 | NEWS

アメリカ東部を襲った台風サンディーの被害の中で、
フィスカーのカルマ(EVと言い張っているけど、どう考えてもPHEV)がまた燃えたらしい。
http://sankei.jp.msn.com/wired/news/121101/wir12110116030001-n1.htm

カルマが燃えてる様子はこちらのサイトで以前見たことがあるが、
http://jp.autoblog.com/2012/08/17/fisker-flambe-second-karma-spontaneously-combusts-w-video/?ncid=jpInfoAB

今回は爆発したと・・・。
バッテリーというよりインバーター系のショートかな?

ジャングルレースのメンバーは、
ディーゼルでぼぼ冠水して走ったけど、
EVでもそれくらいになって欲しいもんだ。

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パリダカの増岡浩選手パイクスに挑戦

2012年03月14日 20時30分19秒 | NEWS

三菱自動車のプレスリリースで、
2012年「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」
に『i-MiEV』のプロトタイプで参戦

というニュースを見た。
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2012/news/detail4545.html

2010年にZEVEXが三菱自動車さんからi-MiVEをお借りして、JAF公認競技初の「EVクラス」を成立させた時休日にかかわらずわざわざ増岡選手が来場し、観客からのリクエストでデモランを見せて下さったことが思い出される。

その時の増岡選手のデモラン動画がコレ↓
パリダカの増岡浩選手、i-MiVEでジムカーナに参加electric vehicle in a slalom event
(へにゃへにゃのエコタイヤにノンスリも無い為、イン側のタイヤにトルクが逃げてしまう「どノーマル」アイミーブでとても走り難そうだった増岡選手。)

「EVのモータースポーツには可能性を感じている」と語っていた増岡選手の活躍を期待したい。

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寒冷地仕様の電気自動車(EV)

2012年01月18日 14時14分31秒 | NEWS

昨日北海道の知人から「北海道でジムニーの電気自動車がニュースになっていた」と、新聞の切り抜きが送られて来た。なるほど昨日のアクセス解析で「EVジムニー」の検索でこのブログにいらっしゃった方が普段より多い。
検索サイトでニュースを検索してみると、「寒冷地仕様のEV」ということでニュースになっている。

<毎日jp様のサイトから引用>
電気自動車:寒冷地仕様できた 道内で試験走行
北海道立総合研究機構(道総研)と道内企業4社が、寒冷地仕様の電気自動車(EV)を開発し、7日、北海道工業大(札幌市手稲区)で初の走行試験を実施した。電池消耗が激しいなど寒冷地特有の課題があったが、車載の小型発電機で電力を補給できるようにした。
 道総研によると、EVは走行にリチウムイオン電池を使い、排ガスがなく環境に優しい半面、寒さで電池の性能が低下する。暖房を使えば持続時間はさらに縮まるという。
 道総研などは昨年6月に研究会を発足させ、主に電気工事会社「エル電」(同市東区)が国産四輪駆動車をベースに車両の設計・製作を担当。電池の消耗に応じ、
LPG(液化石油ガス)を燃料に使う小型発電機を車両下部に搭載した。
 また、省電力のため、ドアやボンネットをFRP(繊維強化プラスチック)製にして車体を軽量化したほか、ライトにLED(発光ダイオード)を採用。断熱シートを車内に張り付けるなどして暖房効率も向上させた。
 試作車は2月17~19日に同市豊平区の札幌ドームで開催される札幌モーターショーに出展する予定。エル電の長内豊治社長(61)は「断熱と省電力の対策に最も苦心した。寒冷地以外のEVでも通用する技術と思う」と話している。【岸川弘明】
毎日新聞 2012年1月7日 19時20分(最終更新 1月7日 19時29分)

記事を読んで率直に感じた。
「これ、EVやなくてシリーズハイブリッドやん!」
このマシンがもし充電器を車載していたら、プラグインハイブリッドってことになる。

ここ2~3年EVが一般的になり、また一部の実情を知らない学者が「EVのコンバートは簡単」と無責任に煽った為、ビジネス化を考えてEVコンバートの業界に新規参入して来る集団が急増している。
EV業界が活況になるのは嬉しいことだが、EVもハイブリッドもプラグインハイブリッド(PHEV)も
ごった煮で話をするのは如何なもんだろう?
報道する側ももう少し勉強するか?勉強する時間が無いなら詳しい人に確認するとかしないと、造っている側も経験が乏しいのだから、配布された資料の丸写しじゃあ駄目だろう、と言いたくなる。

LPG発電機を搭載している以上、それは通常EVとは呼ばないし、排気ガスも立派に出る。
我々がジムニーPHEVで2007年~2009年に日本列島縦断をした時に取材に来て下さったメディアさんは、概ねEVとシリーズハイブリッドの違いは説明すれば分かってもらったけどなあ~

<ジムニーPHEV日本列島縦断:宗谷岬スタート>

いずれにしても我々がロシアでテストした「寒冷地仕様EVジムニー」とは随分違うなあ~、いうのが感想だ。

(間宮海峡で風車とソーラーパネルから充電中のEVジムニー2号機「ARK-2」号)

屋根もドアも無いけど、根性が有れば乗れるのが4WD電気自動車冒険チームが造る「寒冷地仕様EV」ってことか?

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間宮海峡に橋を架ける?

2011年12月18日 13時29分56秒 | NEWS

報道によると、ロシアのプーチンさんが間宮海峡に橋を架けてユーラシア・ロシアとサハリンを結び、更には宗谷海峡にトンネルを掘って日本まで繋げ「シベリア鉄道を日本の荷物で満載にする!」と、ブチ挙げたらしい。

■時事通信
ロシアのプーチン首相は15日、大統領選を控えて国民と行ったテレビ会見で、極東のタタール海峡(間宮海峡)に架橋して本土からサハリンへ鉄道を通す計画に関し「(サハリンから)日本までトンネルを建設することも可能で、われわれは検討中だ」と語った。
 サハリンへの架橋は経済面で「重要な計画」と指摘。その上で、計画は「シベリア鉄道を日本の貨物で満載することにつながる」と期待感を示し、日ロ間をトンネルでつなげる構想に言及した。ただ、外交筋は「日ロ政府間で検討している事実はない」としている。(2011/12/16-00:45)

(厳冬期に凍りついた間宮海峡。サハリン側ポギビ村からユーラシア大陸側ラザレフを目指して、海峡を進む4WD電気自動車ARK-1号)

実は間宮海峡を繋ぐ話は昔から有ったらしく、2004年の間宮海峡調査の時、スターリンは海峡にトンネルを掘ろうとしたらしいと現地の住民に聞かされた。ZEVEXでは悪路走破用にチューニングを施した4WD(これは電気自動車ではない)で、間宮海峡のユーラシア大陸側の街ラザレフまで調査に行ったことがあるのだが、ラザレフ側から海峡を見ると、スターリン時代に掘り始めたトンネルの換気口跡が、海峡の中程に島のようになって残っているのを見ることができた。


(間宮海峡ユーラシア大陸側の街ラザレフからサハリン島側を眺める。海の中にスターリントンネルの換気口跡が島のように見える)

支持率が低下しているらしいプーチンさんの、大統領選挙を睨んでのリップサービスなのだろうとは思うが、仮に間宮海峡に橋を架けても、サハリン島東部に有るサハリン鉄道終着点のノグリキまでも、大陸側のバム鉄道からラザレフまでも結構なオフロードだった。
更には、バム鉄道は1520ミリの広軌、サハリン側は日本の植民地時代の設計がベースなので、所謂サブログゲージ1067ミリの狭軌。
ちょっと考えても鉄道を繋げるって線は無い話だなあ~と、間宮海峡のアッチとコッチに行った人間としては感じる次第。


(第2シベリア鉄道とも言われるバム鉄道のディーゼル機関車。広軌だけにデカイ!)


(サラリーマン隊員を中心とした
間宮海峡横断アタック隊後発隊はサハリン急行を使ってサハリン島内を北上した。北緯50度を越えて、ティモフスク駅で列車を降りる勝股康平隊員と斉藤浩城後発隊隊長)

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計画停電とEV(電気自動車)

2011年03月18日 02時06分09秒 | NEWS

日々震災関連の情報が入って来る。
その中で気になる報道が有ったので、ひとことコメントしようと思う。

今被災地はガソリン不足が甚だしいらしいのだけれども、その被災地に向けて
「EVバイクを寄贈した」とか、EVを積極活用してガソリン不足に対応」などと言うニュースが流れていた。

ちょっと待て!

東北は今被災地であるけれども、東京電力エリアと同じように、東北電力エリアも今輪番停電を実施中のエリアでもある。

24時間停電しているわけではないので、電気が来ている間にEVに充電すれば、確かにガソリンが無くても走ることはできる。
・・・が、電気ポットの保温を切って節電している横で、平均的な家庭なら1件分を丸々賄えるくらいの電気を喰う電気自動車の充電をするのは、ちょっとおかしくないか?
電力会社が輪番停電しているのは、カバーエリアの電力需要を賄うだけの十分な発電ができないからであって、不公平が無いように順番に地域を切って停電にしている。ということだ。
つまり、電気が来ている間でも、極力節電に努めるのが正しい姿勢で、電気自動車の充電にジャブジャブ電気を使えば電力不足は益々酷くなり、全体で見れば計画停電のエリアが広がるか、頻度が増すかの結果に繋がる。これでは「自分だけは良いかもしれないが周囲の人は大迷惑だ」

にも関わらず「被災地で電気自動車を活用・ガソリンを節約」と、さも良いことであるかのように大手メディアが報道しているのを見るとゲンナリしてしまう。こんなにも電気自動車に関して無知な人達が情報を発信しているのだ」と思うと泣けて来る。

どうしても系統の発電能力が不足したエリア内で電気自動車が使いたければ自分で発電して充電すれば良い。
石油製品以外の物からでも発電はできる。太陽光発電しかり風力発電しかりだ。

(ロシア・サハリン州 凍った間宮海峡の上で自然エネルギーから電気自動車に充電中)

ちょっと普通じゃないが「人力充電」という方法も不可能ではない。「行動で確かめてから発言する」がモットーのZEVEXでは、実際に検証している。
■ユーチューブ動画
http://www.youtube.com/watch?v=av9FawcKedU

上記のような特殊な覚悟が無い人でも、この震災でEVを有効に使う方法が有る。
富士川より西60ヘルツ領域でEVを満充電にして、東京電力エリア(50ヘルツ領域)に移動して、そこでV2GなりV2Hなりを行うということだ。
V2Gとは「Vehicle to Grid」電気自動車の電気を系統に逆に流し込むことであり、
V2Hとは「Vehicle to House」電気自動車の電気で家電を動かすことだ。
V2Gは難しいがV2Hなら比較的簡単だ。ホームセンターで売っているDC12V-AC100Vインバーターを買って来て、50ヘルツ領域のどこかの御家で、家電の電源として使ってもらえば良い。そのお宅が壁コンセントを使わずに済む分域内の電力が節電されたことになる。

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二人乗りコムス(COMS)

2011年02月09日 02時41分26秒 | NEWS

四駆乗りである私には「アラコ」という社名の方が馴染みが好いが、現「トヨタ車体」からコムス(COMS)という原付四輪電気自動車が販売されている。
販売が開始されたのは確か2000年頃だったと思うので、i-MiVEやLEAFが販売される10年も前から、メーカー製の市販EVが有ったと言えば有ったわけだ。ここ2~3年毎年のように「EV元年」と言う人が居るが、長くEVをやって来た人間からすれば、何が元年だかわからない。本人にとっては元年なのかもしれないが、EVは急に沸いてきた物ではないので、表現としては疑問が残る言い方だ。

さて、2月6日付けのアサヒコムでこんな記事を見つけた。
***********************************************
高齢者にやさしいクルマ、軽よりも小さく 新規格提案
35道府県の知事でつくる「高齢者にやさしい自動車開発推進知事連合」(会長、麻生渡・福岡県知事)が、「シルバー向け自動車」の概要をまとめた。今後メーカーに開発をもちかけ、軽自動車より小さい新規格づくりを国に働きかける。
概要によると、定員2人で最高時速60キロ、1回の充電で走れる距離が60キロの電気自動車。サイズは長さ2.5メートル、幅1.4メートル、高さ1.5メートルで軽より一回り小さい。高速道路を走らないので衝突安全基準を緩和でき、価格を抑えられる。
国も車両規格のあり方について議論中で、国交省自動車交通局は「世界的に小型車の開発は進んでおり、技術と安全の比較で議論を進めたい」と話している。
イメージデザインの最優秀賞には福岡市の花岡大輔さん(24)の作品が選ばれた。高齢者の足確保と自動車業界の新市場開拓で地域経済を発展させるため、「シルバー向け自動車」開発をめざす知事連合が09年に発足、議論を進めてきた。(今村建二)

***************************************************
EVの普及にとって、これは好い政策だと思う。
上記のコムスは非常に出来の好い電気自動車なんだけれども、原付登録なので1名しか乗車できない。
家庭の主婦が旦那を駅まで送って行くことも、子供を幼稚園に送って行くこともできない。
この記事によれば、コムスの2名乗車が可能になる。
「長さ2.5メートル、幅1.4メートル、高さ1.5メートル」と言えば、軽2輪側車付きの寸法に近いか?
記事には車輪の数には言及が無いが、恐らく4輪車なのだろう。
だとすると、コムスロングを2座化して即市販可能だ。そうか自分でやっても好い。乗車定員の変更くらいなら、それほど困難な作業でもない。
・・・というか、
05年の「愛・地球博」では場内救急車としてコムスロングの2名乗車モデルが実際に走っていた。
ワイド化して、スペースが空いた分バッテリーを増やして、1充電航続距離を70kmくらいにすればバッテリーのサイクル寿命が延びるだろうし、画像のようなリチウムモデルを出してもらえれば相当実用性が有る。


(以前、ショーモデルで展示されたCOMSリチウム。ドアを付けても法規に触れなくて、且つ電力量に余裕を持てるリチウムモデルなら、エアコンを使っても納得の航続距離が維持できるだろう。)

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【速報】ミラEV連続無充電走行世界記録、ギネスに正式認定!

2010年04月14日 23時41分33秒 | NEWS

日本EVクラブの発表に拠ると、昨年11月17日(火)に東京「日本橋」スタート、大阪「日本橋」ゴールで達成された、電気自動車による無充電連続世界記録555.6kmが、無事ギネス事務局から世界記録として正式に認定されたそうだ

(2009年11月17日火曜日午後4時26分、大阪「日本橋北詰め」にゴールするミラEV。報道陣でごったがえす中でのゴールとなった。)

今回、認定された記録は以下。

★ギネス認定内容★
【実施日】2009 年11 月17 日(火)
【走行ルート】東京日本橋→大阪日本橋
【途中無充電走行距離】555.6km
【走行車両】ミラEV(日本EV クラブ製作)
【ドライバー】舘内端(日本EV クラブ代表)
【認定書内容】
GUINNESS WORLD RECORDS CERTIFICATE
The longest journey by electric vehicle (non-solar) without recharging the batteries is 555.6km (345.23 miles) and was achieved by Tadashi Tateuchi (Japan) who drove his Mira EV from Tokyo to Osaka, Japan, on 17 November 2009.

それまでの世界記録は同じ2009年の10月27日にアメリカTesla Motors社が樹立した501kmだった。このテスラ社の記録は、交通量が極めて少ないオーストラリア大陸を舞台に達成されたもので、今回の日本EVクラブの走行ルートが、省電費走行には不向きな高速道路や、アベレージが中途半端な一般道を含んでいることを考え合わせると、かなり余裕を持った世界記録更新と言えるだろう。

(ゴールの大阪「日本橋」で書き込まれた555,6kmの文字が光る記録掲示ボード)

改めて今回のチャレンジに使用されたマシンを御紹介しておくとベース車両は4ナンバーのミラ。それをZEVEXのアドバイザーでもあり、日本EVクラブ技術員である薄井武信ビルダーが電気自動車に改造した。ベース車両がダイハツのミラであることは、三菱自動車と並んで昔から電気自動車には熱心だったダイハツ工業の作るマシンには、きっと電気自動車に改造するのに向いた素養が秘められているからに違いないと私は考える。
ここ最近、電気自動車に関してはちょっとお静かなダイハツ工業さんだが、市民団体がコンバートしたミラが世界記録を出せるのだから、水面下ではきっと物凄い電気自動車を開発していると思って間違いないと、20世紀から電気自動車を使っている私の触覚にビンビンと響く。近い将来。ダイハツ工業さんがどんなスーパーEVを出して来るのか楽しみだ。

(帰路は途中で充電も入れつつ、淡路島から四国を抜けて東京に戻った。写真は帰路のある夜、奈良市内のホテルの駐車場に止められたミラEV。充電の為にコードに繋がれることも無く、ごく普通に止められている)

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プリウスのブレーキ、残り1つの気になる点

2010年03月09日 00時11分04秒 | NEWS

最近は人の噂も七十五日まで持たない様子で、何となくプリウスのブレーキトラブルを取り巻くドタバタも収束の方向に向かっているように感じる。

だが、電気自動車ヲタクな私としては、後1点だけ指摘しておきたい論点が有る。

トヨタさんの「お客様相談口」に送ったメールの返事が来れば、ある程度ははっきりすると思うのだが、今日現在までは何の回答も無いので、後2~3日だけ待って、回答が無ければ推論で書くしかないと思っている。

やはり、何度考え直しても、ブレーキの改修を受けると、ZVW30プリウスはABS作動中のステアリング操舵性能が低下すると思う。ガツンと踏んでもロックしない優秀なABSが、ロック→グリップ回復→ロック→グリップ回復を繰り返す、標準的なABSの水準になってしまうように思う。
標準以下になるわけではないから、「優」を「可」に落とすことと引き換えに、「抜ける」と称される踏み応えの変化を出なくすることは「アリ」なのか悩み所だ。

制動力が足らなければブレーキを思いっきり踏むことはできると思うから、私なら改修を受けずにABS作動時のステアリングの効きを保持するかなあ~。

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リコール改修後のプリウス、ABSに副作用の可能性。

2010年02月18日 22時39分35秒 | NEWS

直接間接に、ZVW30プリウス乗りから今回のブレーキリコールの問題に対して意見を聞かれて、情報が乏しくて適正な判断ができなくて困っているのは前述の通りなんだけれども、
トヨタさんの「お客様相談メール」に4日前に
投げた質問に
未だに何の回答も無い。
調査中です・・・って返事さえ無い。
「忙しいんだから、これ以上話をややこしくするな!!」
ってことなのかなあ~。

トヨタさんからは、自動受信の返事だけは戻って来たので
////////////////////////////////////////////////////////////
----- Original Message -----

From: "トヨタ自動車" <toiawase_za@mail.toyota.co.jp>
Sent: Sunday, February 14, 2010 8:30 PM
Subject: Re:【問合せ】リコール改修後の車の挙動変化に関して

> メールを受付けいたしました。ありがとうございました。
/////////////////////////////////////////////////////////////

私が、今回のプリウスの問題に関しては
「そもそもリコールするほどの問題ではないんじゃないの?」
という立場であることも
前述の通りであっても、
「頭を下げて世間のバッシングが過ぎるのを待つ方針に決めたんだ」
ということで、今更「あれは技量の無いドライバーに免許を与える制度が悪い」という声が世間から上がっても、文字通り「今更」で、返って不都合なん
でしょうか?

それはそれとして、私は「モーター駆動自動車ヲタク」なので、
真実が知りたい訳です。

リコールの改修を受けたプリウスは、連続でABSが作動する場合、改修前よりタイヤがロックする時間が増えている。つまりステアリングでマシンを思った方向に操縦する性能が落ちている・・・という副作用の可能性へは配慮しなくて良いのでしょうか?
「要らぬ心配」
ならば、それで良いのですが、トヨタのHPにあるリコールの改修の内容を読むと

(出展:トヨタのHP)

ABS作動時の油圧を改修前に比べて上げたわけですから、高くなった油圧を抜くにはより時間が必要(つまりロックしたタイヤがクリップを回復するまでの時間も長くなる)なのが理論であるような気もします。

ちなみに、私がトヨタの「お客様相談メール」に送った内容は以下の通り。
///////////////////////////////////////////////////////////////////
突然のメール失礼致します。
自動車の環境問題に取り組む市民団体を主宰しておる者です。リコールへの対応でお忙しいことと思います。御見舞い申し上げます。
私は10年以上前から電気自動車を手造りしている為、周囲の人間からハイブリッドにも詳しいと思われております。現在、プリウスユーザーの数名から「プリウスの改修は早く受けた方が良いのか」と質問を受けております。

ディーラーさんの指示に従うように言うのですが、私の意見を聞きたいと言われます。お忙しい所恐縮なのですが、以下の点を教えて頂ければ幸いです。

A「回生油圧協調モード」から「ABSモード」に切り替わった後、再び「協調モード」に復帰する条件を教えて下さい。
B今回のリコール改修では「ABSモード」に切り替わった後の油圧が、改修前より高くなる様子ですが、連続してABSが作動する場合、2回目以降のABS作動時に車輪のスリップ時間がコンマ何秒かでも増加しませんか?

C「新型車解説書」を拝見させて頂くことはできませんでしょうか?

今回のリコール改修で、車に別の挙動が発生する可能性を感じておりますので、友人に意見を言えずにおります。宜しくお願い致します。
////////////////////////////////////////////////////////////////////

別に何か「難癖」を付けられることを警戒されるようなメールでも無いと思うんだけどなあ~。
返事欲しいなあ~。


 

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リコール改修後のプリウスの挙動変化

2010年02月15日 03時38分55秒 | NEWS

ここ2日間に渡って、
新型プリウスのブレーキ問題の真相は?
新型プリウスのブレーキ問題の真相は?2

として指摘して来た
リコール改修後のZVW30プリウスに発生するのではないか?と心配される挙動変化
(特にABSが連続して働く状況下でのステアリングの操舵性能低下)
について、トヨタのサイトに有った「お問い合わせ」から質問を送ってみました。

ここ数日、ZVW30PRIUSのブレーキリコール問題に関して、情報を求めて色々なサイトを見て廻りました。結果「今回リコールの対象になったブレーキ抜けの原因解析や問題発覚前後のメーカーの姿勢」に関して議論しているサイトは沢山見たのですが、
改修を受けたら他のブレーキフィーリングが悪くなる
可能性を心配する発言にはほとんど出逢いませんでした。技術士の方で、漠然と「他に影響しないのか?」と書かれていたサイトは有りましたが、ABSの効き方の変化に的を絞って影響を心配する発言とは今現在まで出会えていません。

雪道を頻繁に走られる方なら、
慣れ親しんだABSのフィーリングを変えられたら嫌なんじゃないかと思うんだけどなあ~。
何で誰も気にならないんだろう?

さて、トヨタさんからはどんな回答が帰って来るのか?それとも帰って来ないのか?楽しみに待つことにします。

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新型プリウスのブレーキ問題の真相は?2

2010年02月13日 03時16分58秒 | NEWS

昨日書いた「新型プリウス・ブレーキ問題の真相は?」という日記の中で、トヨタがHPで公開している「改善箇所説明図」を引用し、今回のリコールで改善するとしているポイントとして、
現状 ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力 としているプログラムを
    
ABS作動前の制動力 = ABS作動後の制動力 に変更する
としている点を御紹介しました。今日は、その内容について、もう少し考えてみたいと思います。

徐々にあきらになって来た情報を寄せ集め、EVヲタクの経験を加えて判断すると、現行プリウスのブレーキ制御は下のチャートのような感じなのかと思います。手書きなのは御勘弁下さい。

これを前提に、 ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力
になる理由を考えてみます。通常走行時エンジンが停止していれば、プリウスは回生ブレーキと油圧ブレーキとの「協調制御モード」で走行しています。途中何らかの理由でタイヤロックが発生すると、ブレーキ制御は「協調モード」から「ABSモード」に切り替わります。「ABSモード」は回生ブレーキを使わない油圧ブレーキだけのモードですから、

「ABSモードになって、回生ブレーキの制動力が消えた分、トータルの制動力が下がるのではないか?」だから
ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力
 になるのではないか?

・・・という話は、今ちょこちょこと、マスメディアでもネットの世界でも語られ始めている様子です。

私も基本的にこの考え方に沿う者ですが、ヲタク的な留意点を2.・3挙げておきます。
●低速域の回生ブレーキ制動力は僅か。
モーター回転が低い状態で回生ブレーキを使うと、「コギング」というカコカコした感触がモーターから発生します。これは意外と気持ち悪い感触なので、低速域まで強い回生ブレーキを使うことは考え難いと思います。つまり、上のチャートでは回生ブレーキと油圧ブレーキの比を5:5にしていますが、実際は回生ブレーキの方がもっと小さくて、3;7とか2:8とかなんじゃないかと思います。ABSモードになって回生ブレーキ相当分が消えても、そもそもそんなに大きな制動力を負担していた訳では無いなら問題無いんじゃないの?と言いたい訳です。
●バッテリーの種類と大きさが回生ブレーキの強度を決める。
サイクル寿命に影響を与えない電流の容量比強度は、バッテリーの種類で概ね決まっています。鉛ー酸なら0.3~0.5C、リチウムイオンなら5~6C(物によっては10CでもOKだったりするみたいですが)、ZVW30PRIUSのニッケル水素バッテリーは1Cを大きく越えることは無いと思います。回生ブレーキを強く使うと、1Cなんて簡単に越えてしまいますから、そんな側面からも、低速まで回生ブレーキをガンガン使うセッティングにはなっていない気がします。
参考「Cレート」 
http://shibuya.cool.ne.jp/k_garage/battery/c.html
●「ABSモード」から「通常モード」へ復帰するのは何時か?
不具合は「通常モード」から「ABSモード」に変わった時に発生することはあちこあちで書かれていますが、一旦「ABSモード」になったブレーキ制御が、どの時点・条件で「通常モード」に復帰するのか?この点は不思議にどのメディアでも書かれていません。不具合の核心に迫る重要なヒントになる内容だと思うのですが・・・。

本題に戻ります。
ネットで情報を探していて、「Car Watch」さんのサイトで2月9日に行われたトヨタ自動車の記者会見の画像を発見しました。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100210_348129.html
下の2つのスライドを見ると、トヨタが今回のリコールで「改善」しようとしている内容がよくわかります。
ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力 

ABS作動前の制動力 = ABS作動後の制動力 
に変更するとしているのは、まさにコレ↓で、

(Car Watch のサイトから引用)
ABS作動後には低かった制動力が、改修後にはABS作動前と同じ水準にまで高められています。
そして、その改修がどんな結果を生むかは、下のスライドを見れば想像が着きます。

(Car Watch のサイトから引用)
上の新型プリウスの車速が、ABS作動後の凍結路でも直線的な減速を示しているのに対して、通常ABSでは車速のラインが折れ曲がっています。
私が赤線を入れた部分(車速が落ちていないので線の傾斜が緩い)は、タイヤがロックして2発目3発目のABSが働こうとしている瞬間ですから、この赤線の部分ではステアリングが効かないことになります。
今回リコールではプリウス特有だったABSの制御プログラムを、通常のABSと同じに改修するという話でしたから、改修を受けると上グラフだった車速の変化が、下グラフのように変わることになります。
これを「改善」と評価して良いのでしょうか?
タイヤがロックすることも無く(つまり常時ハンドルの操作性を維持しながら)、スムースに減速している「上グラフ」の現状から、時々タイヤのロックが発生してステアリングが効かなくなる「下グラフ」の制御へ変更することは、少なくとも「ABSはステアリング操作性維持の為の装置」という観点からは「改悪」だと感じます。
今回の改修で、騒動になった症状は出なくなるのだと思いますが、引きかえにABS作動時のステアリング操作性が低下するとしたら、
「リスクを別の条件下に移しかえただけ」
であるように思えます。

更に言えば、グラフには止まるまでの距離は示されていませんが、他日の記者会見では、ブレーキペダルの踏力が同じならば現状の方が停止までの距離は伸びると説明があったものの、
「踏み増しすれば当初の目標地点で止まる」
とも説明が有りました。
「踏み増しすれば止まる」のならば、そもそも何の問題も無いようにも思います。「緩いブレーキング時にABSが作動するとブレーキが抜ける、更に踏み増しても止まらない」のならばリコールですが、「制動力が足らないと感じたら床が抜けるまででもブレーキペダルを踏み増す」のはドライバーの責任であると私は感じます。
公道を運転する免許を持ったドライバーは、制動力が足らない時は適宜踏み増しすることができるはず、と期待される立場にあると思いますし、運転免許を持っている以上できて当然の行為です。
制動力が足らない!と感じても、ブレーキを踏み増しできない人が運転免許を持っていることが不適切なのだと思います。
当然自動車メーカーは、適切な技能を持った人が運転することを前提に車を作れば良いわけで、制動力が足らないと感じた場合に踏み増しさえできない人を射程に入れてまで車を作る責任は無いと思います。

そう考えると、今回の騒動で判明したのは、プリウスのABSプログラムに修正が必要だ、ということではなくて、
モーター駆動車を運転する人は、それ相応の教育を受けるように免許制度を修正する必要があるのではないか?ということだと感じます。

今回のリコールの核心部分には、世間の騒ぎが大きくなり過ぎた為
「何か“もっともらしいこと”をやって、企業として反省している姿勢を示そう」
それによって事態の収拾を図ろう、という目的で行われた臭いを感じます。自動車工学の臭いではなくて、政治・社会科学の臭いがします。

今、私の元にはZVW30プリウスに関する相談が何件か来ています。「友達の友達がプリウスに乗っているんだけどどうなの?」という類の質問です。
私が手造り電気自動車でロシアに行ったり、手造りプラグインハイブリッドで日本列島を縦断したりしたことが周囲には知られているので、そんな相談が集まるわけです。

さて、私はその相談にどう回答するべきでしょうか?
「ディーラーに持って行って改修を受けた方が良いですよ」と言うべきなのか?
「今回問題になった症状は消えると思いますが、他の状況下ではこれまでに無かった症状が出る可能性もあるからよく考えなさい」と言うべきなのでしょうか?
トヨタの「お客様相談センター」に聞いたら教えてくれるかなあ~。

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新型プリウス・ブレーキ問題の真相は?

2010年02月12日 04時16分44秒 | NEWS

巷で話題のZVW30型プリウスのブレーキトラブル。リコールになったことで、メーカーとしてのトヨタの対応は決まったのだと思いますが、
正直何かスッキリしません。
本当にあれはトラブルだったのでしょうか?世間からはバッシングされましたが、横山常務の言うように「フィーリングの問題」だった可能性は無いのでしょうか?モーター駆動ヲタクの観点から私なりの疑問点を書いてみようと思います。
昔自動車雑誌で物書きをやっていた時代には、モーター駆動が絡んだ車両の「新型車解説書」はメーカーからもらっていたのですが、ZVW30PRIUSの新型車解説書は見たことがないので、限られた情報の中での意見だと御了解頂きたいと思います。


■主な疑問点
①ABSの機能に関する説明
今回のブレーキ抜けは滑り易い路面特有の現象だったらしく、多くのマスメディアでABSの関与が指摘されていましたが、その前提として「ABSとは制動距離を縮める為の装置」だと説明していたメディアが散見されました。けれども、ABSに対するこの理解は違うと思います。
ABSはタイヤがロックした時に、そのロック(回転0)を検知して、ロックした車輪のブレーキを緩め、当該タイヤがグリップを回復した
後再びブレーキを効かせる装置です。端的に言えば「ガツン!!とブレーキを踏んでもハンドルの方向性を失わせないようにする為の装置」で、「制動距離は伸びる場合もあります」と取説にも書いてあったと思います。

②プリウスで使われるブレーキは2種類ではなくて3種類

(出展:アルファードHV ATH10W系 新型車解説書)
ハイブリッド車と言えば「回生ブレーキ」という条件反射なのか?「プリウスには油圧ブレーキと回生ブレーキの2種類のブレーキが使われています」と多くのマスメディアが伝えていました。・・・が、プリウスでも通常の内燃機関車と同じようにエンジンブレーキも効きますから、プリウスのブレーキは3種類ということになります。

③プリウスのブレーキの「足応え」は創られた物(ダミー)であることを伝えない。
のこっちゃ?と思われる方も多いかと思いますが、EV走行モードを持つプリウスは、エンジンの吸気負圧をブレーキ倍力に使うことができません(エンジンが止まると負圧は発生しないので)。我々ZEVEXがコンバートしたEVでは電気ポンプで負圧を作っていますが、

(コンバートEVで使用中の電動負圧ポンプ。12V系で駆動するが結構電気を喰う)
トヨタのハイブリッド(THS)では、電動で油圧ポンプを動かし、ストロークシュミレーターという部品で人工的な「足応え」を創り出してブレーキペダルに返しています。それは、ドライバーが積極的な操作を行わなくても、回生ブレーキと油圧ブレーキを良いさじ加減で使う為らしいです。
つまり、ドライバーがブレーキング時に感じているのは演出されたペダルフィーリングであるわけです。実際に体感したことが無いので推測の域を出ませんが、演出が介在する分、通常ABS作動時に感じられるガガガッ
!!というペダルフィーリングは感じ難いかも知れません。換言すれば、THSのドライバーはABSが作動していることに気が付かない可能性が、通常の内燃機関車よりも高いのだと思います。
特に、急制動時にしかABSは働かないというイメージをドライバーが持っていると、軽いブレーキングで思いがけずABSが働いた場合、ペダル感覚からはABSの作動を認識し難いでしょうから「ブレーキが抜けた!」と思ってしまうかもしれません。

(出展:アルファードHV ATH10W系 新型車解説書 ストロークシミュレーター) 
③改修内容に関して追及しないマスメディア
マスメディアは、トヨタが発表したリコール内容は伝えますが、今のところ改修後車の挙動がどう変わるのか?に関しては伝えません。
私はこの部分が気になっています。
トヨタのHPで公開されている今回リコール分の「改善箇所説明図」を見ると、

(出展:トヨタのHPより)
現状の問題点として
ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力
となっている点を挙げて、この点を修正するとしています。
疑問が有るのはここです。
上に図を引用しているアルファードHV等も含めて、NHW20型PRIUSとZVW30型PRIUSとでは、ブレーキシステムの細部が異なるらしいのです(主にコストダウンの方向で)。なので、ABSのプログラムもZVW30用に新設計された物だと考えた方が自然そうです。

(ZVW30プリウス ハイドロブースター 株式会社アドヴィックス製)
なるほど上に図を示したアルファードHVのマスターシリンダー&ストロークシミュレーター一式とはかなり趣が異なります。油圧を発生させるポンプ部分も一体化された様子です。
システムが異なり、プログラムも新設計ならば、
ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力
としたプログラムも狙ってそう設計したようにも思えます。新設計で狙って設計したのならば、何でこんなチューニングにしたのでしょう?

仮説を立ててみました。

ABSが作動する場所は、通常その周囲にも滑り易い路面が多いことが予想されますから、ABSは1つの箇所で1回だけ働く場合よりも、作動する場所では2度3度と続けて働く場合の方が多いのではないでしょうか?その場合、2度目3度目のABS作動でタイヤグリップをより早く回復させる為には、 ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力 というプログラムにしたとしても不思議ではありません。どうせ再び油圧を抜かなければならないのならば、元の油圧より低い圧力までしか戻さない方が楽です。マンションの10階に住む住人が出かけようと1階まで降りて来た時にトイレに行きたくなったとして、再度10階自宅まで戻るよりも、3階に住む知人宅でトイレを借りた方が1階へ戻って来るまでの時間が短くて済む理屈と同じです。
上記①で指摘したように、ABSの目的がステアリングの操作性維持にあることを考えればABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力という設定は合目的的です。

もし、上記仮説が当たっている場合、苦情が出た「滑る路面で一瞬ブレーキが抜ける」という症状は改修後は出なくなるのでしょうが、車両には別の挙動が出ると思います。

今回のリコール改修で、ABSの設定が
ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力   から
ABS作動前の制動力 = ABS作動後の制動力 
になったわけですから、連続したABS作動時の2度目3度目でタイヤグリップが回復するまでの時間は伸びることになります。改修前より高圧になった油圧を抜かなければならないのですから、改修前より時間がかかるのは当然です。ということは、連続してABSが働く場合、2発目3発目のABSはロック気味で、ステアリングの効きはリコール改修前よりも悪くなることが予想されます。
今回リコールで対策を施して安心なようですが、リスクを別の条件下に移しかえただけではないのか?心配になります。この点は是非マスメディアさんに追求をお願いしたいところです。

こんなプログラム設計がなされた原因として、トヨタには「ブレーキの効きが悪ければ、ドライバーはペダルをガツンと踏んで対応してくれるだろう」という前提が有ったとしたら、通常、より多いと思われるABS連続作動時の2回目3回目のタイヤロック時に備えて、敢えて 
ABS作動前の制動力 > ABS作動後の制動力 と設計するかも知れません。もしそうなら、トヨタとしては設計で狙った通りのマシンを製造しただけのことと言えます。ABSのプログラム設計者が、一般ドライバーが「採るであろう運転操作のパターン」を読み間違って設計した可能性が有るということです。その場合でももちろん責任はメーカーに有りますが「工作不良」ではないことになります。

そう考えると、ユーザーから苦情が届けられ、一般ドライバーの運転パターンを遅まきながらも理解できた1月以降、こっそりプログラムを修正した理由は分かります。「こっそり」修正するのが不誠実な対応だったことは言うまでも有りませんが、「完全解決」する選択肢は無く、「リスクをどの条件下に負担させるか」の選択肢しか無い問題なのだとしたら、メーカーとしては「こっちのリスクを、こっちに付け替えました」とは言えへんかもなあ~、って気もします。それを言ってこそユーザーの信頼を得られるのだと思いますが・・・。

最後にもうひとつ、2月9日の会見で、
ZVW30型プリウスのABSは通常のABSに比べて、ABSの作動時間が0.06秒長い、
という説明があったのを報道で知りました(上の③で引用した「改善箇所説明図」では触れられていませんが)。説明では、これがユーザーが「ブレーキが抜けた」と感じる原因のひとつとされていた様子でしたが、クラクションを「プッ」と鳴らすのよりも短い0.06秒をF1レーサーでもない一般ドライバーが峻別できるとは思えません。多分私も峻別できないと思います。
ただ、何故0.06秒長くなるのか?理由は気になるところです。その説明は会見では無かった様子でしたが、ここで言う「通常」とはハイブリッド
ではない車種という意味でしょうから、ハイブリッドのABSには有って、内燃機関車のABSには無いシステムを探せば、推理のヒントになるかもしれません。ここでもZVW30型プリウスの「新型車解説書」が無いのが痛いところですが、再びアルファードHVのブレーキ廻りを参考にすると、

(出展:アルファードHV ATH10W系 新型車解説書)
通常のABSでは見かけない装置としては、赤で囲った「ストロークシミュレーター」「ポンプモーターとアキュームレーター」が有ります。また、青と緑で囲んだソレノイドバルブも、計10個とどちらかと言えば多い方に感じます。ちなみに、新型プリウスのブレーキシステムでは、緑で囲んだリニアソレノイドバルブの多くが、安価なPWM制御型の製品に変更されたと聞いています。
通常のABSに無いシステムがこれだけ有れば、ABSの反応時間が0.06秒程度遅れるのは当然だと思います。もっとも、ソレノイドを安物にしたことが遅れの原因ならば「それくらいケチるなトヨタ」と、ユーザーとしては言いたいところです。

■残る心配
私は、ZVW30型PRIUSは今回のリコールによる「改善」でより良い車になったのか?より安心して乗れる車になったのか?という点について疑問を持っています。
悪くなったとは思わないのですが、リコールで修正したABSのプログラム変更で、別の性能が元より低下したのではないか?という疑問を払拭できずにいます。
具体的には、
連続したABS作動時に於いて、2度目3度目のABS作動時にステアリングの効きが悪くなっているのではないか?
という心配です。
今回リコールの対象となっているZVW35プラグインプリウスは、日本のプラグインハイブリッドの魁チームである我々ZEVEXが、今最も注目しているマシンです。今後より一層情報を公開して頂き、
政治的なバイアスの無い、純粋に自然科学の視点から納得できる説明をして頂きたいとトヨタ自動車さんには願うものです。

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電気自動車に擬似エンジン音!?

2010年01月30日 20時34分05秒 | NEWS

報道によると、「静か過ぎること」が問題になっていたモーター駆動車両に強制的に擬似エンジン音を出させることが決まったらしい。

■NIKKEI NET から引用
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20100130ATDG2903K29012010.html
ハイブリッド車、疑似エンジン音で指針 国交省
ハイブリッド車などの走行音が静かすぎて歩行者に危険とされる問題で、国土交通省は29日、エンジンに似た音を出す装置取り付けをメーカーに求めるガイドラインを発表した。新車への搭載は「可能な限り早期に」義務付け、現行車への装着も促す。
 取り付け対象はハイブリッド車、電気自動車などモーターだけで発進できるタイプ。特に走行音が小さい時速20キロ以下で、バンパー裏などに付けたスピーカーから疑似エンジン音を自動的に出す装置を求めた。
 サイレン、動物の鳴き声、風や川の音など自動車から出ていると分からないような音は歩行者が気付かない恐れがあるため認めない。音量は通常のエンジン車の音の大きさを超えない程度とし、詳しい数値規制は3、4月ごろ発表する。(29日 21:43)

この規制の話自体は少し前から話題になっていたところだし、10年以上前からモーター駆動を中心としたモビリティーの問題点のひとつとして言われて来た内容なので、特に厳し過ぎる規制だとは感じないが、唯一気になるのは「サイレン、動物の鳴き声、風や川の音など自動車から出ていると分からないような音は歩行者が気付かない恐れがあるため認めない。」という部分だ。
ということは、現在手造り電気自動車では定番となっている、カーチスのコントローラーから出る電子音(ドライバ回路の発信音)では駄目だ・・・ということなのだろうか?

(6年前に造った、EVジムニー2号機ARK-1号に搭載されたCurtisのコントローラー。アンバー色の配線が繋がっている黒い箱がソレ)

擬似“エンジン音”でなくても、必要ならば、「電気自動車はこういう音がしますからね」と、事前にメディアで周知すれば視覚障害者にもそれが電気自動車だと認識できるわけで、擬似「エンジン音」じゃなければ駄目・・・とするのは如何にも役人のセンスで“行けてない”現場の声を聞かず、役人が偏った範囲で「国民の声を聞いて」も、出て来る結果はこんなもんだ、という典型だ。
私も協力したパブリックコメントをどこまで検討したのだろうか?
せっかく超長期自民党独裁に終止符を打ったのだから、もっとドラスティックに変革させてくれ。民主党<

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PLUG-IN PRIUS(プラグイン・プリウス)市販開始

2009年12月14日 12時26分55秒 | NEWS


(東京モーターショーで展示されていたプラグイン・プリウス)

いよいよトヨタからZVW30プリウスのプラグイン・ハイブリッドが発売されたらしい。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091214k0000e020048000c.html

「プラグイン・ハイブリッド(PHV・PHEV)日本列島縦断」を達成し、
「2050年はピュアEVの時代だが、2015年はPHEV(PEV)の時代」
を標榜して来た我々ZEVEXにとっては、まさに予想した通りに時代が進んでいる感が有る。

今回のプラグインプリウスのチャージ・ディプリーティング走行距離(EV走行距離)は23.4kmと発表されている。外気温を特定しないまま「コンマ4」まで公表しても意味ないだろ!?と思うが、東京モーターショーのプレスデイで見た展示では、確かにバッテリーSOC100のプラグインプリウスのチャージ・ディプリーティング距離は23kmになっていた。

(充電モニターのデモ画面)

それにしても525万円はちょっと高くないかい?
どういう見積もりから出た値段なのかはわからないが、PHEVでしか使わないパーツ代だけではなくて、その設計代やプラントの償却費なんかもガッツリ織り込んでいるのか?

ZEVEXの傘下には「日本PHEV倶楽部」なんて組織も有るので、そっちのHPにも記事を書いてみようかなあ~。
http://www.phev.jp/ (JAPAN PHEV CLUB 公式HP)

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東京~大阪無充電の旅 2

2009年11月15日 15時58分01秒 | NEWS

「東京~大阪途中無充電ミラEVの旅」
に専用サイトが開設された様子です。
http://www.jevc.gr.jp/no-charge/index.html

天気がちょっと心配ですが、無事に世界記録を達成することを祈ります。
私もZEVEXのメンバーと共に、大阪日本橋にお出迎えに行きます。

コメント (4)
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