増上寺は、浄土宗の七大本山の一つです。酉誉聖聡(ゆうよしょうそう)上人によって江戸貝
塚(現千代田区平河町付近)の地に、浄土宗正統根本念仏道場として創建されました。その後
文明2年(1470)には勅願所に任ぜられるなど、増上寺は関東にえける浄土宗教学の殿堂と
して宗門の発展に寄与してきました。
17世紀中頃の増上寺は、広大な寺有地に120以上の堂宇、100軒を越える学寮が屋根を
並べる、とても大きなお寺でした。当時は3000人以上の学僧のお念仏が全山に鳴り響いたと
いわれています。苦難の明治期と戦災を乗り越えて、増上寺は、昭和49年(1974)に悲願の
大殿再建を果たし、以後、諸堂宇を完成させました。二階に本堂、三階に道場、一階に檀徒
控室、地下に増上寺宝物展示室があります。二階の本堂にはご本尊阿弥陀如来が祀られ
ています。(写真Mr麹町)