深大寺は天平五年(733)、満功上人によって開創されたと伝えられます。この界隈は週末と
もなれば、寺を取り巻く自然や、名物の深大寺蕎麦にひかれて家族連れ、老若男女で大いに
賑わいを見せます。武蔵野の面影を残す周辺は、昭和36年(1961)に開園した隣接の都立
神代植物公園と併せて、いい散策地、憩の場として有名です。
正暦二年(991)第十八代天台座主慈恵大師良源(じえだいしりょうげん)大僧正の自刻像が
大師の高弟である滋忍和尚、恵心僧都両師の意を受けた寛印により、はるか叡岳より深大寺
に遷座された大師堂です。 江戸時代の遊歴雑記には、「この村は渓あり坂あり、高低定めがた
くて莫大に広し・・・深大寺の辺は大樹繁茂し、野猿の清澄(せいちょう)、澗水の音のみ聞こえて
更に一切の俗事をはなれ、心月を観ずるべき勝地ならんかし」と伝えています。(写真Mr麹町)