グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

大阪府議会傍聴記:維新の圧力に屈しなかった小河委員

2013-09-30 17:11:22 | 中原教育長下の大阪の教育

本日(9月30日)、大阪府議会を傍聴しました。

府議会HPに維新の会大橋一功議員が代表質問するとあり、しかもその質問予定概要には、「 7あるべき大阪教育の実現 ⑭今年行われた教科書採択の手続きについて所見を伺う。⑮来年度以降の教科書採択手続きをどのように改め、公正なシステムづくりに取り組んでいくのか。⑯8月の教育委員会会議における発言について、所見を伺う。」とありました。

これは、誰が見ても明らかに、大阪維新府議団が、実教出版「日本史」教科書を「不採択」にしなかった教育委員会を責めるつもりで質問を用意したとわかります。維新が過半数を占める圧倒的与党の府議会でどのような質疑応答が行われたかを見て来ました。なお、府議会ライブは下記HPで観ることができます。下記報告はあくまで傍聴の際のメモを起こした概要であることを最初にお断りしておきます。

http://www.gikai-web.jp/dvl-osakahu/

しかし、大橋議員が最後に言った「何も圧力をかけているわけではないんですよ」というお断りは、そのまま裏返して「圧力をかけているんですよ。おわかりですね」と私には聞こえたが…


大橋議員
 教科書採択の健全化を目指して2点お聞きしたい。私たちは8月27日に申し入れを行ったが、平成23年6月、府の国旗国歌条例ができ、23年5月には最高裁判決もあったにもかかわらず、意図的に不正確な記述を行なっている実教出版教科書採択の件。もう一点は、採択手続きについて時系列で整理すると、5月17日の教育委員会会議で採択要領を示され、6月27日東京都教育委員会は使用を不適切とした。大阪府教育委員会はなぜ気づかなかったのか、疑問を持つ。教育委員長の考えを聞きたい。
 また、8月30日の教育委員会会議で、(実教出版教科書採択について)蔭山委員長が「特定の会派の発言によって云々」と言われたこと、小河委員が「政治団体よって云々」と言われたことついてその所見をお聞きしたい。

蔭山委員長
 実教出版の教科書の問題があると言われていることについては承知している。採択についての手続きについであるが、実教出版「日本史」教科書は府教委が補完教材を使用するいう条件で採択となり、現在事務局がそれを考えている。採択については、事務局に3点の注意事項を確認している。1点目は、各学校の選定は校長が責任もって行う。2点目は、選定の方向性に誰もが納得できる方針であること。3点目は、いろいろな問題点があるなら事務局で適切に処理すること。
 8月8日(維新の会府議団と中原教育長が)勉強会をもたれ、我々にもメールが届き「前提が崩れたので5月17日決定はやり直す必要がある」と。我々も驚いた。
 8月8日の勉強会で5月教育委員会会議で決めたことを(中原教育長が)無効であると判断されたのは困ると思った。一会派の要望だけ聞き判断したように見えないかが心配だと思った。
 8月27日に申し入れがあったが、不採択にすることはハードルが高かった。

大橋議員
 来年度以降の教科書採択をどのように公正なものにしていくつもりなのか。

中原教育長
 実教出版の日本史教科書については、補完教材をすでに決めている。8月30日の教育委員会会議で教育委員会に採択権があることを決定した。これは、①(学校が選定したとおりに)採択する。②条件付採択をする。③不採択をする。の三つにうちのどれかになるが、それを教育委員会が行うことを明確にした。

小河委員

 まず、8月30日の教育委員会会議での発言「政治団体」は「特定会派」に訂正したことを報告しておきたい。

 教育においては政治的中立性は最も大事である。教育内容や実践が政治的圧力や干渉を受け入れ変えられることはあってはならない。とりわけ教科書についてはなによりも重大な課題だ。自由に選定できる環境が大事だ。教育委員会にその責務が負わされている。

 8月8日、中原教育長は維新の会の勉強会に参加、委員会において採択途中であるにもかかわらず教科書選定理由書を提出した。事務局はまったく読んでいなかった、膿が出たと話、議決をやり直すと言った。。そして、それらの学校に乗り込んでいくと維新の会府議が発言したことに対して「ぜひ、おおいに議論してほしい」と発言した。教育の中立性を重んじなければならない教育長の責任は極めて大きい

 30日の会議では、そのようなプロセスでゼロに戻すことは納得できないと30日と申しあげた。5月17日に適切な方針を決定したにもかかわらず、8月8日の勉強会でゼロにすると発言した教育長の責任は極めて重大であると考える。私がお詫びしなければならないのは中原教育長に対する監督不行き届きだ。

【傍聴しての感想】

中原教育長は、よく「権限と責任」という言葉を使う。ところが、大阪維新の会大橋府議は、今回採択が混乱したのは事務局の責任であるにもかかわらず、中原教育長の責任は一向に問わない。むしろ、8月30日の教育委員会会議で中原教育長の責任を追及した陰山委員長や小河委員の責任を問うている。まるで、中原教育長は身内つまり維新の会のエージェントであることを自ら明らかにしたも同然だ。

しかし、それにしても、小河委員は教育委員としての矜持を保った。陰山委員長も彼なりに維新の会とは一線をおいた趣旨の発言であった。それとは対照的に、維新の会の言いなりの中原教育長の姿が鮮明になった。

本日の会議をもとに、私たち市民は、中原教育長の責任を追及しなければならない。


まっすんサポーターズ結成集会へどうぞ起こしやす

2013-09-30 07:49:36 | 集会案内

今週土曜日(10/5)にグループZAZAの一員である増田さん(まっすん)の支援集会が開催されます。「君が代」不起立の先生ってどんな先生なん?と思われている方の参加歓迎です

詳細はこちら⇒http://blog.goo.ne.jp/zaza0924/e/5a15e443a3d908b917baefc5ba64b37d

歌あり!

「イマジン」(「君が代」はいらないVer.)
ブルーハーツの「青空」
BOOMの「島唄」を三線とともに

打ち上げあり!

初めての人も大歓迎!遠慮なくどうぞ、どうぞ。

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池北「君が代」処分を撤回させる会(まっすんサポーターズ)結成集会
                              

日時;10月5日(土)14:00~16:30 
場所;豊中市千里文化センターコラボ2階第4講座室
内容;代表あいさつ…嶋田孝彦                       
     当該あいさつ&事実経過…増田俊道                     
      担当弁護士あいさつ&人事委員会の動き…池田直樹・谷次郎(予定) 

記念講演中野五海「『君が代』処分撤回闘争の歴史と意義」        


大阪発ー「君が代」不起立の闘い:プロローグ

2013-09-30 06:38:31 | 「君が代」裁判

昨日(9/29)の堺市長選で維新候補が敗北しました。橋下政治の瓦解は決定的と言えます。下記は、9月初めの大阪の状況をまとめたものです。週刊新社会の記者さんから依頼され書いたものですが、動いていく歴史に「大阪発」として続編をかかなければならないかもしれませんね。

大阪発―「君が代」不起立の闘い

辻 谷 博 子

石原慎太郎都政の下、職務命令で「君が代」起立斉唱を強制した、いわゆる「10.23通達」から10年が経つ。あの頃、大阪では職務命令など考えられないことであった。府教委は、職務命令はなじまないとの姿勢をかろうじてではあったが維持し続けていた。それが、変わったのは、橋下大阪府知事が登場してからのことだ。

2008年橋下知事政権誕生。府立高校で初めて「君が代」不起立処分が出たのは2010年春のことだ。閉校を前にした東寝屋川高校が狙い撃ちされ、4名の教員が不起立というだけで戒告処分を受けた。知事(当時)は、「府教委の毅然たる態度に感謝」と述べている。以降、橋下大阪維新体制のもと、「君が代」不起立は思想・良心の自由の問題ではなく、ルールを守らない公務員の問題に置き換えられ教員の人権は踏みにじられていく。その最たるものが、2011年6月13日施行「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」いわゆる「君が代」強制条例である。あろうことか、橋下知事(当時)は条例によって全教員に「君が代」起立斉唱を義務付けたのである。いわば憲法で保障されている人権を教員から剥奪したにも等しい。

大阪では1999年の国旗・国歌法制定後、「愛国心」教育が押し付けられていくことに危機感を感じた教員・市民らが組合の枠を超え「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪に結集していた。2011年8月、大阪維新の会は不起立3度で免職を含む教育基本条例案を公表、それは競争原理と「愛国心」を軸に、大阪の人権教育を根こそぎ解体するような代物であった。9月24日、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪が中心となり、教育基本条例案に反対する全国集会が開催され、橋下教育改革に異議を唱える多くの教員・市民がそこに集まった。

2012年1月、「君が代」強制条例下初めて行われる卒業式を前に、府教委は全教員に起立斉唱の職務命令を発出した。しかし、「不起立」は途絶えることはなかった。大阪府・市で、37名といういまだかつてない大量処分があり、橋下市長(当時)は「大人の対処法がある」「式場内での不起立を許さないよう現場でしっかりやってもらえればいい」と、教育条例制定後の入学式では、維新の威信にかけ「全員起立斉唱」の体裁をなんとか作り出そうとした。しかし、それでも2名が不起立、不服従を貫いた。

そして、うち7名が大阪府人事委員会へ処分撤回の不服申立を行った。ここに大阪「君が代」不起立処分撤回の法的闘争が始まった。20人余りの弁護団も結成され、それと共に支援体制も進んでいった。また、法的闘争にとどまらず、2013年2月11日には大阪から全国へ「私たちは黙らない!」全国集会を発信し、教育複合汚染的な全国状況に対するネットワークの結成を呼びかけた。大阪では橋下維新体制が登場して以来、その政治観と政策に危機を抱いた人たちのネットワークができつつあった。

不服申立を行った7名は、当該として連帯しようとグループZAZAを結成。私もその一員である。因みにZAZAとは、「座座」から来ている。座るなかまとでも言うようなニュアンスを込めている。

条例下2度目の2013年卒業式では、さらに「君が代」処分者は13名となり、うち3名は減給処分。再任拒否も出た。新たに4名がZAZAに加わり現在11名が人事委員会闘争中である。橋下維新体制下で始まった大阪発「君が代」不起立撤回の闘いは、大阪にとどまらず全国へ呼びかけ、そして「君が代」反対にとどまらず、教育・労働・平和の問題ともに考え運動を広げていこうと模索しつつある。支援と連帯をお願いしたい。


府教委が公表した実教「日本史」補完教材は一面的事実

2013-09-28 09:50:50 | 中原教育長下の大阪の教育

引き続き、府教委通知にある「別紙 補完教材」を掲載します。これも一面的な事実です。なぜなら職務命令に敢えて反し不服従を示し大量処分された教員らのことは何ら記載されていないからです。もちろん人事委員会に不服申立をしている私たち11名の存在は意図的に排除されています。結局都合のいい「事実」を教え「不都合な事実」は隠したいがために今回の条件つき採択は行われたということです。


府教委通知 別紙 補完教材


 本書は、実教出版高校日本史A教科書の185ページ6印(もしくは高校日 本史B教科書の247ページ6印)で示された記載につき、補足をする文書で す。
 該当個所では、「国旗・国歌法が憲法第19条の思想・良心の自由(注1)に 違反するおそれがあり、日本政府が国民には国旗掲揚、国歌斉唱などを強制す るものではないと国会審議であきらかにしたにもかかわらず、一部の地方自治 体では公務員に強制する動きがある」との趣旨の記載がなされています。
 この記載に関する事実関係を整理すると以下の通りです。
 平成11年に国旗は日章旗、国歌は君が代と認める国旗・国歌法が成立した 後、大阪府では平成23年に大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員によ る国歌の斉唱に関する条例が制定されました。
 条例は、各地方自治体の選挙を通じて選ばれる住民の代表者である議員によ って構成される議会が多数決によって決議する法です(注2)。
 この条例に基づき大阪府教育委員会は府立学校で勤務する公務員(生徒・保 護者は対象ではありません)に対し、入学式及び卒業式等、国旗を掲揚し、国 歌斉唱が行われる学校行事において、起立して国歌を斉唱することを命じる職 務命令を発しました。つまり、議会が成立させた条例(法)を、行政機関であ る教育委員会が国民ではなく公務員に対して執行したのがこの職務命令です。
 議会で正式に成立した条例を行政機関が執行する場合、当該条例の執行が憲 法や法律に違反していないかを別の独立した機関が判断しうることが必要であ り、この判断権を持つのが裁判所です(裁判所の司法権)(注3)。
 国民・住民の代表者が議員を選挙で選び、この議員によって構成される議会 が立法権を持ち、立法府が制定した法を、行政権を持つ行政機関が執行し、そ の違法性を審査する権限(司法権)を裁判所が持つことにより、権力の相互抑 制を実現しているのが三権分立の考え方です(注4)。
 最高裁判決平成24年1月16日(懲戒処分取消等請求事件)の裁判では、 東京都立学校校長による国旗掲揚、国歌斉唱の職務命令が憲法第 19 条の思想・ 良心の自由の侵害にあたるかが争点になりました。
 つまり、職務命令が違法なのではないかという点を最高裁判所に判断しても らうための裁判が行われたのです。その結果、判決では、国旗に向かって起立 し、国歌を斉唱するという職務命令は、憲法第19条の思想・良心の自由を侵 害するものではなく、合憲であるという判断がなされ、国旗に向かって起立し、 国歌を斉唱するという職務命令の合憲性が確定されました。
 この判決により、同趣旨の職務命令を発令した大阪府の職務命令及び大阪府 の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例の合憲性 が確認されたと解されます。      

 一方で、条例に批判的な意見をもつ人々は表現の自由(憲法21条)(注5)などの権利を行使して自分の意見を述べることができます。                                                  

 このように、意見の分かれる事項について議論し、憲法・法律・条例といった法に従った適正な手続きを経て、国民・住民が意思決定するというのが民主主義の考え方です。                   

 今回は、当該記載の事実関係につき、補足が必要であるとの考え方に立ち、皆さんにこの補助教材を提供する運びとなりました。生徒にみなさんには、三権分立、表現の自由、民主主義といった制度や考え方をご自身で考え、理解を深めていただきたいと思います。

注1~5については、別文書にて、各学校で使用している公民教科書の該当ページを示すこと。


大阪府教委、実教出版日本史教科書使用に際して現場介入

2013-09-28 09:36:28 | 中原教育長下の大阪の教育

大阪府教育委員会は、実教出版日本史教科書使用に際して補完教材の指示を通知しました。各高校では、それぞれ授業を行うに当たって教科書だけでなく様々な補完教材を教員の工夫により使用するのはごくごく当たり前のことです。今回の府教委指示は教員の本来の仕事にまで踏み込んで行政が介入する道を開くことになります。これでは、教育は時の権力者によってどうとでも利用されることになります。問題は極めて深刻です。まずは、府教委通知を掲載します。


関係府立高等学校 校長・准校長 様
教科用図書の補完教材に関する指示事項(通知)

実教出版株式会社の教科用図書「高校日本史A(日A302)」及び「高校日本史B(日B30 4)」(以下これらの図書をまとめて「本教科書」といいます)の使用に際しては、下記に従った 指導を行ってください。


1 対象生徒 「本教科書」をすでに使用している在校生、及び今後使用する在校生または新入生
2 指導方法 対象生徒全員に別紙補完教材を配付の上、教員が同教材を使用し、同教材の内 容に従って、生徒の理解を深めるよう指導を行うこと。その際、公民教科書関 連箇所を生徒に指摘すること(別紙補完教材注1から注5を参照)。

必要に応じて下記の参考資料を用いてもよい。

教委高第2528号 平成25年9月27日
教育長

参考資料
・日本国憲法19条
・国旗及び国歌に関する法律 ・大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌斉唱に関する条例 ・平成24年1月16日最高裁判決
・高等学校学習指導要領 公民(現代社会・政治経済)
3 報 告 対象となるすべてのクラスの授業終了後、速やかに別紙様式の確認報告書を提出すること。なお、12月末に中間集計を予定している。
4 提 出 高等学校課 教務グループあて(逓送による)


《本件連絡先》
教育振興室 高等学校課 教務グループ 植木・平岡 TEL:06-6941-0351(内線 3467) FAX:06-6944-6888