グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

「日の丸・君が代」強制の行き着く先

2013-04-29 22:09:15 | 渡部通信
渡部秀清さんからのメールの転載です。

昨日(4月28日)、
戦後初めて、「主権回復式典」なるものが政府主催で開かれた。
サンフランシスコ講和条約発効(1952年)から61年目を迎えてである。
この講和条約により占領が終わったからだという。
しかし、同時に旧日米安保条約が結ばれ(1951年)、アメリカ軍の駐留(占領)が現在まで継続することになったのである。「主権回復」などというものでは決してない。

沖縄では昨日「屈辱の日沖縄大会」(1万人)が開かれ怒りの声が上げられた。本来なら日本全体が「屈辱の日」として怒りの声を上げなければならなかった。有史以来、外国の軍隊がこれほど長期間に渡って、日本に居座ったことなどないのである。
(「どこに主権があるというのか!」と言って右翼が騒いでもおかしくない。)

ところで、昨日の式典の際に次のようなことが起こった。

式典に出席していた天皇、皇后が終了後に退場する際、
「天皇陛下万歳」が唱和され、
演壇の安倍首相ら三権の長はそろって両手を上げ、声を合わせたのである。

これは明らかに「国民主権」を公然と踏みにじる行為である。

戦前、財閥・軍閥に結びついていた支配勢力は、戦後一貫して支配の立て直しを図り、「日の丸・君が代」の強制を通して、日本社会の戦前回帰に力を入れてきた。それがついに、第二次安倍政権に至り「天皇主権」を公然と表現するにまでになったのである。

戦後一貫して進められてきた「日の丸・君が代」の強制は、単に個々人の思想・良心の自由を侵害するだけのものではなく、戦後日本社会の性格を旧制度に戻す(戦前回帰)手段として
目論まれていたと考えることができるのではないだろうか。

イギリスでもフランスでも革命後、王政復古はあった。しかし、イギリスでは名誉革命(1688年)で、
フランスでは二月革命(1848年)でいずれも再び打倒された。
日本では敗戦と戦後改革により天皇制は弱体化し、国民主権となった。
しかし、今また天皇制が息を吹き返し「王政復古」が起きようとしている。

「日の丸・君が代」強制の行き着く先である。

「歴史は繰り返す」、ということだろう。それならば、また新たな社会変革が起きてこよう。その芽は、この間の粘り強い「日の丸・君が代」強制反対闘争や一般ピープルの様々な闘いの中に確かに息づいていると言えよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<「再発防止研修」抗議・支援集会>

5月8日(水)
東京都教職員研修センター前
(JR水道橋東口、地下鉄水道橋 都立工芸高校隣)
8時20分 集合・行動開始
8時35分弁護団申し入れ
8時50分該当者(受講者)入場、
激励行動
12時30分頃(予定) 
研修終了後、該当者激励行動 
*呼びかけ:被処分者の会
************************************************

「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://houinet.blogspot.jp/

「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ

http://homepage3.nifty.com/hinokimi

都教委、再び減給処分を強行

2013-04-26 22:06:23 | 
都教委が入学式「君が代不起立」教員3名に処分発令~田中聡史さんに再び減給1ヶ月

4月25日、都教委定例会の傍聴席(20席)はほぼ満席だった。「君が代」処分への関心の高さをうかがわせた。冒頭の報告事項を終え、いよいよ非公開の処分議案に入る直前、傍聴者の中から「君が代処分をやめてください!」の声があがった。複数の人が「処分をするな」「減給は違法」などのボードを持ち、教育委員に訴えた。この日、都教委は、今春の入学式で「君が代」不起立をした3人の教員に対する処分を決定した。3月の卒業式に続き、連続5回目の不起立をした田中聡史さん(都立板橋特別支援学校)は減給10分の1・1ヶ月、他の二人(都立大森高校)は戒告処分だった。昨年2012年1月の最高裁判決で、減給以上の処分は原則違法とされたにもかかわらず、都は3月に続き田中さんへ二度目の減給1ヶ月の処分を言い渡した。

最高裁判決以前の「君が代」処分は、戒告、減給1ヶ月・6ヶ月、停職1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の順に加重されていった。今回、都教委がこの累積加重処分に踏み込めなかったのはなぜだろうか。最高裁判決の重みとともに、直接の申し入れや電話・FAX・メールで届く「処分をするな」の元教員・市民の声、「東京新聞」特報欄の(君が代不起立)再発防止研修批判などが、都教委に少なからずプレッシャーを与えたことは十分考えられる。処分を繰り返す都教委が何よりも恐れているのは世論なのだ。

今春、都教委は二名の新教育委員を任命した。(教育委員は全部で6名。他に内館牧子、竹花豊、木村孟委員長、比留間英人教育長)。一人は、女子柔道の暴力告発問題でサポート役を引き受けていた山口香氏。もう一人はイジメ問題などでマイノリティーの立場から積極的に発言をしている乙武洋匡氏だ。これらの問題では、まっとうな人権感覚を発揮した両氏が、基本的人権の中でも最上位におかれるべき「思想・良心の自由」に対してはどのような態度をとったのか。定例会の議論の中身はわからないが、少なくとも教育委員の一員として、両氏の責任は免れない。「みんなちがって、みんないい」(乙武氏のことば)の中身が問われている。 (佐々木有美)

なお、5月8日(水)には、入学式処分の再発防止研修が予定されている。
5月8日(水)東京都教職員研修センター前
 (JR水道橋東口、地下鉄水道橋 都立工芸高校隣)
 8時20分 集合・行動開始
 8時35分弁護団申し入れ
 8時50分該当者(受講者)入場、激励行動
 12時30分頃(予定) 研修終了後、該当者激励行動 
    *呼びかけ:被処分者の会

*写真のボードの文字は、「「君が代」不起立への過重な処分をやめてください」

「君が代」アイテムにご用心!

2013-04-23 23:14:56 | 当該から

君が代」アイテムにご用心!~市民のネットワークから反撃を~

辻谷博子                             

府教委「君が代」不起立を理由に再任拒否!

 2012年度をもって私は38年間の教員生活に終止符を打ちました。いや、これは正確な言い方ではないかもしれません。私には定年後も教壇に立ち続ける意思があり、再任用を希望していたのですから。にもかかわらず、大阪府教育委員会は、「君が代」不起立、命令に服従しなかった私をまるで見せしめのごとく教育現場から排除する為に再任用を拒否しました。怒り心頭、許せません。

橋下教育改革の狙い

 橋下政治の狙いは、公教育のあらゆる領域を市場に任し、競争原理を強化し、そのことによって格差拡大貧困社会のあり方を肯定していくことにあります。

  それを許せば、この先、今以上に酷い労働現場であっても声さえあげることのできない若い労働者が教育を通して生まれることになります。競争に負けた者は自己責任の呪縛のもとに貧困生活を強いられることにさえなります。最も恐ろしいのは多くの人々が諦めの中でそれを受け入れてしまうことです。その先には憲法改正、9条破棄、軍隊の出現さえ見えてきます。その時、貧困の中で生き喘ぐ若者たちに兵士の道が用意されていることを想像するのはいともたやすいことです。

教育が危ない

教育が今ほど危ない時代はありません。私が、どれほど命令されようが「君が代」不起立を貫くのは、「君が代」に反対するばかりではないのです。「君が代」に立たないというだけで、「戒告」に引き続き「減給」処分。さらには、「警告書」なるもので免職をほのめかす府教委のやり方――これはすべての教職員に絶対服従を強いるための恫喝なのです。

「君が代」アイテムにご用心

これが「君が代」装置の為せる業なのでしょう。為政者にとって「君が代」というアイテムは実に便利な道具のようです。伝統と言う「文化の顔」を演出することによって、それを使えば難なく市民を思考停止の「右へならへ」状態へ導くことができるわけですから。教員の次は子どもに立て、歌えと「指導」されることは間違いありません。だからこそ私は「君が代」強制に身をもって反対して来たのです。

市民的ネットワークから反撃を

反撃は私たち一人ひとりの市民の手に任されています。私は「君が代」不起立減給処分・再任用拒否について大阪府人事委員会へ不服申立を行いました。しかし、法的闘争だけでは橋下政治にストップをかけることはできません。2.11「私たちは黙らない全国集会」は、市民的ネットワークの連帯・連携による橋下維新政治への対抗を宣言しました。学校選択制の導入、入試制度の改悪など、教育複合汚染が蔓延している大阪で、反撃していくにはネットワークが必要です。私自身は、これまでの学校という「内」からの闘いから、今度は「外」からの闘いに軸足を移します。これは私たち自身の自由と権利を守る闘いです。支援と連帯をよろしくお願いします。