本日(9月9日)、大阪「君が代」処分当該・弁護団は、一向に進展しない人事委員会審理について抗議・要請を行いました。
大阪府人事委員会
委員長 栗原 良扶 様
人事委員会審理についての抗議・要請書
2013年9月9日
「君が代」不起立処分等申立人11名
「君が代」不起立処分弁護団18名
私たちは、大阪府教育委員会(以下、府教委)が2012年および2013年におこなった「君が代」不起立等処分に対して、貴人事委員会に不服申立をしている申立人および弁護団です。
府教委は、2012年2〜3月の卒業式、続く4月の入学式、さらには2013年の卒業式・入学式において、「君が代」斉唱時に起立しなかった等の理由で大量の教職員を処分しました。その中には、累積加重処分として減給処分を受けた者や定年退職後の再任用合格を取り消されたり、不合格にされたりした者もいます。私たちは、これら処分が憲法の思想・良心の自由を侵すものであり、きわめて不当な処分であると考え、貴委員会に不服申立をおこないました。
不服申立は全て受理されており、すでにいくつもの事案で処分者側との書類のやりとりも終わった段階にあります。ところが、いまだに1件の事案で準備手続がおこなわれ、口頭審理に入ったのみで、他の事案は準備手続にさえ入らないまま放置されている状況です。貴委員会の担当者は、弁護団(代理人)からの審理督促の電話に対して、「手が一杯です」「順次審理をしています」などと不誠実な答えに終始し、一向に審理を前に進めようとしていません。
いうまでもなく、人事委員会に対する不利益処分の不服申立は、労働基本権を制限されている公務員労働者にとって、行政によっておこなわれた処分を救済するという性格を持つものです。であるならば、貴委員会には、あくまでも不利益処分を受けた申立人の利益を最優先にして、速やかに審理を進め、裁決を出す義務があることはいうまでもありません。ところが、現在の状況を見ると、いたずらに時間を空費し、審理を遅延させているとしか思えません。さらに言えば、何らかの意図を持って、審理の長期化をはかろうとしているとさえ感じられます。
私たちは、以上述べたような貴委員会の対応に強く抗議するとともに、可能な事案については可及的速やかに準備手続きをおこない、口頭審理に入るよう強く求めるものです。また、以下の点について、貴委員会が期限までに責任ある回答をするとともに、貴委員会の責任者である人事委員長が私たちとの面談に応じるよう強く求めます。
1.すでに処分者側との書類のやりとりが終わり、争点が明確になっている事案については、早急に準備手続の中で論点整理をおこない、可及的速やかに口頭審理に入ること。
2.これまで審理が停滞している状況について、その原因を明らかにするとともに、具体的な改善策を示すこと。
3.処分者である府教委代理人からの答弁書提出がたびたび遅延していることについて、貴委員会として府教委に迅速な書類提出を促すこと。
4.以上の点について、9月24日までに回答するとともに、人事委員長と私たちとのあいだで面談する時間を設定すること。
以上