正解は、信貴山寺とも呼ばれる奈良の朝護孫子寺。
寺の由来は興味深い。
今から1400年前、仏教支持派の聖徳太子が
神道を重んじる物部守屋を討たんと出陣した際
天空遥かに毘沙門天が現れ、必勝の秘法を授けた。
その時が寅年・寅日・寅の刻であったという。
その加護で勝利し、自ら伽藍を創建し、
信ずべき貴ぶ山“信貴山”と名付けたそうだ。
寺の入口では巨大な張子ようの寅が参拝者を迎える。
また本殿の毘沙門天の額には大きなムカデが這っている。
いずれも毘沙門天の使いであり、
信貴山大本山・成福院の鈴木貫主いわく「殺生はならぬ」。
ムカゼは必ずオスとメスが同行しており
家族の平穏の証であるという。
本殿にも毘沙門天の脇に妻の吉祥天と子が祀られており
こうした仏像の配置は極めて稀だそうだ。