仏教講座でお世話になった頼富本宏先生に薦められていた
真言宗智山派の総本山智積院。
JR京都駅からさほど遠くないのに訪ねたことがなかった。
京都へ行く用事があったので朝早く出かけた。
七条通を東山方向に歩くと寺の正面に出る。
境内は手入れが行き届いており、
今は透き通るような緑に包まれている。
受付を済ませるとまず長谷川等伯の作品を収めた庫に案内された。
このうち私は「楓図に目を引き寄せられた。
桜の木の枝振りが動的で、
ややくすんではいるものの金や楓の色合いは
描きあげられた頃の華やかな色合いが浮かぶようで
その場に立ち尽くしてしまった。
「桜図」の丸みを帯びた花は、斬新なデザインだった。
講堂の襖絵は田渕俊夫画伯の近作だそうで、
朝陽と夕陽の対の作品が目に焼きついている。
中国の廬山を模したというお庭も素晴らしい。
池を囲むように自然石と皐月などの植え込みがあり、
奥行きを感じさせる。
池の水が濁っているのは、兆候をイメージさせるためだという。
羅漢さんの格好をした丸みのある石や、
三味線の撥に見立てた植え込みは、
若い住職の説明を聞きなるほどと肯かされた。
寺の案内によると、智積院には宿坊があり、
朝のお勤めに参加できるそうです。
私は高野山で朝の勤行を経験したが、
折角京都へ行くなら時空を超えた経験をお薦めしたい。