幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

新潟への旅・日本100名城「新発田城」

2023-04-20 | お城

新潟県には日本百名城に選定されている城跡が、「春日山城」と「新発田城」の二か所がある。

新潟県は南北に細長く、それぞれを訪れるには移動距離は長くなる。

私は、春日山城を観た後、電車を利用して新発田城に行くルートをとった。

JR直江津から特急しらゆきに乗り、新潟まで2時間弱、さらに新潟で白新線に乗り換え約30分で新発田に到着する。

新発田駅から城跡までは、歩いて25分ほどで着いた。

 

かつては大きなお城だったのが、僅かな遺構を残しているのみである。

明治の廃城令により、多くの建物は破却され、堀は埋められてしまったという。

三の丸は市街地となり、本丸と二の丸の半分ほどは自衛隊の駐屯地になっている。

 

「表門」と「旧二の丸隅櫓」は江戸時代のものが現存し、新潟県では唯一の貴重な建造物である。

腰壁は海鼠壁(なまこかべ)となっていて、漆喰の白壁と調和して美しい。

石垣は隙間ができないように石の形を整えて積んであり(切込み接ぎ)、横の列を合わせてある(布積み)。

角は算木積が採用されている。

当時の高い技術を持った石工職人の仕事だそうだ。

 

辰巳櫓と三階櫓は平成になってから復元されたものであり、まだ新しい。

城の資料によると、次のようなことが紹介されている。

「辰巳櫓」は焼失してしまったのだが、当時の管理責任者は失火の責任を負い浪人になった。

その人は、赤穂義士の一人「堀部安兵衛」の父親である。

 

「三階櫓」は天守に相当するもので、屋根がT字型の構造になっていて、それぞれに鯱が載っている。

これは全国でも新発田城だけなのだそうだ。

ただし、入城する際、「この櫓は自衛隊の敷地内にあるのでそばには行けない」と注意があった。

仕方なく木々の梢の間から覗くように見ると、鯱が三匹あるのが分かる。

 

表門を出て、堀に架かる橋を渡ると土塁も残っている。

 

パンフレットの図を見ると、本丸の三方を二の丸が囲み、その先に広大な三の丸が展開している。

本丸、二の丸、三の丸のいずれもお堀に囲まれ、現在市役所があるすぐ近くまで三の丸のお堀があった。

歩いてみると、大きな城郭であったことが分かる。

 


新潟への旅・うまいもの「佐渡寿司」

2023-04-19 | グルメ

新潟市内の「佐渡回転寿司 弁慶」さんは、あるテレビ番組で知った。

人気店なので待つことは覚悟していたが、夕方5時過ぎ、電話で確認すると「今ならまだ席が取れる」とのことであった。

幸いにして、お店は宿泊したホテルの中にあり、チャンス!とばかり直ぐにお店に向かう。

カウンターは既にいっぱいで、寿司を運ぶレーンに接したテーブル席に案内された。

 

まずはビールで喉を潤したら、刺身の盛り合わせと地酒の利き酒セットでスタートする。

前日の直江津に次いで二日続きの生モノであるが、今回は新鮮な魚を目当ての越後路の旅、全く問題なし。

お酒はいずれも佐渡の蔵が造る「YK-35」、「至(いたる)」、「風和(かぜやわらか)」の三種。

いずれも始めて口にするお酒である。

お酒について、あれこれ評価する能力はないがまずいはずがない。

 

タブレット端末の写真をみて、好きなものを注文する。

残念ながら最近食べる量が減り、お寿司屋さんでは小さめに握ってもらうようになった。

端末から注文するときに「シャリを小さく」という指示ができるのは有難いシステムである。

 

新潟市の目の前、佐渡沖で獲れた魚が新鮮でうまい。

知人にLINEで写真を送ると、「鯵がうまいよ」とのアドバイスとともに、「たくさん食べて」と応援(?)のメッセージが届く。

まして、米どころ新潟のシャリはこの上なしである。

あれやこれやと注文をする。

 

取り敢えずはこんなところ。

夕方の早い時間帯であることを考えるとよく食べた。

 

まだまだ、妻はこれは「別腹」だと甘いものを・・・!

 

リーズナブルなお値段で、新鮮なお寿司が食べられる地元の人がうらやましい。

当日は1時近くにお昼ご飯を食べてから、弁慶さんで寿司を食べ始めるまでの間が短かかった。

次に機会があれば、もう少しお腹の空いた状態でおじゃましたい。

 

 

 


新潟への旅・うまいもの「バスセンターのカレー」

2023-04-18 | グルメ

新潟市の万代橋の近く、ランドマークとなる「新潟日報万代メディアシップ」がひときわ高くそびえる。

20階にある展望台に上ると、眼下には、信州にその源を発する信濃川が日本海にそそいでいるのが見える。

 

周辺にはオフィスビルやホテル、ファッションビルなどが立ち並ぶ繁華街である。

そのビル群の中に「万代シティバスセンター」があり、立ち食いそばの「万代そば」がある。

店頭には、そば・うどんにカレーの文字が並ぶ。

 

ここで食べられるのが「バスセンターのカレー」として有名な「黄色いカレー」なのである。

今回の旅行に出る前に、新潟市に赴任経験のある知人から、その「カレー」のことを聞いていた。

朝めし前に、ホテルを出て街をぶらぶらしながら、バスセンターに立ち寄ってみた。

このチャンスを逸したらいつ食べられるか分からない、きっと後悔するであろうという気持ちが頭をもたげる。

 

お客さんの食べているカレーを横目で見ながら、ミニ、普通、大盛りの三つのサイズから「ミニ」を選択した。

出されたカレーをみて、「これでミニなの・・・?」というほどのボリュームであった。

 

私には多すぎるほどのご飯に、たっぷりと掛けられた「黄色いカレー」。

まず、その色を見て、子供の頃おふくろが作ってくれたカレーを懐かしく思い出す。

ひと口食べてみると、今はその多くが街から姿を消してしまった「街のお蕎麦屋さんのカレー」の味を思いだした。

ここのカレーは肉も野菜も多く辛さも効いていて、人気があるのが分かるような気がする。

いつの日かまた新潟を訪れるときがあれば、「あの黄色いカレー」を食べたいと思いだすであろう。

 

今や、「バスセンターのカレー」のレトルト商品もあるし、カレー味の柿の種などもある。

そばやカレーと同様に券を買い、カウンターで渡すと「柿の種」が買えた。

 

朝の八時過ぎ、待ち行列ができるほどではなかったが、ひっきりなしに客は来る。

おそらく、お昼時になると客は増え、立ち食いのテーブルは人で埋まってしまうのであろう。

私の想像していた以上に、「バスセンターカレー」のファンはいるようである。

 


新潟への旅・うまいもの「地魚の鮮度と味」

2023-04-17 | グルメ

新潟への旅行の初日の宿は直江津(上越市)にとった。

佐渡沖をはじめこの近くで獲れた新鮮な魚を食べるのが、今回の旅行の楽しみでもある。

JR直江津駅に着いて観光案内所に立ち寄り、地元の人ならではの情報を入手する。

いくつかのお店を推薦していただいた中で、ホテルにも近い「魚料り かさはら」さんに決めた。

 

お店は、間口の割には驚くほど奥行きが深く、5時過ぎ、すでにチビチビやっているお客さんがいた。

常連さんの邪魔にならないように、長いカウンターの一番端っこに席を設けてもらった。

 

まずは、お通しに出たホタテの入った茶碗蒸しでビールで喉を潤す。

 

事前に「これは食べたい」と目星を付けていたものに「一夜干しのイカの天ぷら」がある。

ビールにも会いそうである。

このお店のメニューには、「上越名物 する天」と書かれてあった。

するめのような堅さはないが、しっかりした歯ごたえでイカの旨味が味わえる。

 

揚げ物をもうひとつ、カニのクリームコロッケ。

揚げたてのアツアツがビールによく合う。

 

次は、地元の日本酒(山間 やんま)に替えるとともに、お刺身の盛り合わせを注文する。

このお店では、魚を地元の能生漁港から直接仕入れると言うことである。

おまかせの魚は、チカメキントキ、レンコダイ、フクラギ、マトウダイ、ヒラメ、カワハギ、タコの7種である。

港はすぐそこにあり、そこで揚がる魚は新鮮に決まっている。

しかも、一切れ一切れは大きくカットされていて、このボリューム感は半端ではない。

 

お酒やお料理をそこそこに楽しんだ後は、〆に寿司をいただく。

何を握ってもらうかは「おまかせ」。

マグロ・あじ・ヒラメのえんがわ・チカメキントキ・マトウダイ・カナガシラの6種に、のり巻きが載って一人前。

米どころ越後のおいしい寿司米と佐渡沖の新鮮地魚のコラボ、ここでこそ味わえる贅沢である。

 

カウンター越しに、忙しそうにしている板前さんに、めずらしい魚のことなどを質問してみる。

イヤな顔一つしないで教えてくれる。

おいしい地魚と地酒は、翌日以降の越後路の旅への期待を膨らませてくれるものになった。


新潟への旅・うまいもの「山菜そば」

2023-04-16 | グルメ

春日山城跡の本丸まで攻め上り、その帰りのことである。

あいにくの雨の中、びしょ濡れになりながら、やっとの思いで登り口の謙信公銅像前まで戻ってきた。

すでに時刻は大きく正午を回っていた。

ふと目の前に「茶屋」を見つけ、これ幸いと一休みさせてもらい昼食をとることにした。

濡れて情けない顔をした我々を見て、年配のご夫婦が招き入れてくれ、すぐにストーブに火をつけてくれた。

淹れていただいた熱いお茶を飲むと、冷えたからだが温まり生き返るようだった。

 

壁に貼られたメニューの「山菜そば」の写真を見ていると、「タラの芽とコシアブラの天ぷらですよ」とご主人の声。

山菜の女王とも言われるコシアブラが食べられるとはラッキー!

 

タラの芽とコシアブラの天ぷらが載ったアツアツの汁をすすると、じわりと腹に滲みていく。

そして、山で摘んでこられた山菜がうまい。

 

ガツガツ食べている様子を見ていたのか、ご主人が皿に載った天ぷらをサービスしてくれた。

御親切に、感謝!

 

食事というものは、その状況によってうまさも変わるが、この時の蕎麦はなんとも言えずうまかった。

お店を切り盛りするご夫婦のお気持ちが、蕎麦の味を、よけいおいしくしたのであろう。

 

しばらくすると、びしょ濡れだったウィンドブレーカーやズボンも乾いてきた。

礼を言って外に出ると、雨も徐々に小降りになってきた。

何一つ気取ったところはない、決して高価な内容でもない、だけど、実に後味の良い食事ができたお店であった。