幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

新潟への旅・うまいもの「山菜そば」

2023-04-16 | グルメ

春日山城跡の本丸まで攻め上り、その帰りのことである。

あいにくの雨の中、びしょ濡れになりながら、やっとの思いで登り口の謙信公銅像前まで戻ってきた。

すでに時刻は大きく正午を回っていた。

ふと目の前に「茶屋」を見つけ、これ幸いと一休みさせてもらい昼食をとることにした。

濡れて情けない顔をした我々を見て、年配のご夫婦が招き入れてくれ、すぐにストーブに火をつけてくれた。

淹れていただいた熱いお茶を飲むと、冷えたからだが温まり生き返るようだった。

 

壁に貼られたメニューの「山菜そば」の写真を見ていると、「タラの芽とコシアブラの天ぷらですよ」とご主人の声。

山菜の女王とも言われるコシアブラが食べられるとはラッキー!

 

タラの芽とコシアブラの天ぷらが載ったアツアツの汁をすすると、じわりと腹に滲みていく。

そして、山で摘んでこられた山菜がうまい。

 

ガツガツ食べている様子を見ていたのか、ご主人が皿に載った天ぷらをサービスしてくれた。

御親切に、感謝!

 

食事というものは、その状況によってうまさも変わるが、この時の蕎麦はなんとも言えずうまかった。

お店を切り盛りするご夫婦のお気持ちが、蕎麦の味を、よけいおいしくしたのであろう。

 

しばらくすると、びしょ濡れだったウィンドブレーカーやズボンも乾いてきた。

礼を言って外に出ると、雨も徐々に小降りになってきた。

何一つ気取ったところはない、決して高価な内容でもない、だけど、実に後味の良い食事ができたお店であった。